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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点

2017/03/13

もくじ
<相場見通し>

     ・米利上では円安期待できず、膠着相場続く

<今週の参考銘柄>

      ソニー
                  
<経済の動き>     
     ・東芝に1兆円損失の追い打ち
     ・光ファイバーが好調な電線大手3社
     ・外債投資に含み損膨らむ地銀
                                
<株式投資のセオリー>
     
    第568回 業績好調銘柄が上げない理由
                                                          
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★
<相場見通し>

◆米利上は織り込み済みで、膠着相場続く

先週は水曜日に発表された米ADP雇用報告の民間雇用者数が、市場予想を大幅に上回った
ことから(市場予想18.5万人に対し29.8万人)週末の米雇用統計を待たずに、
14〜15日のFОMCでの利上げがほぼ確実視されることとなった。

為替はその時点から114円から115円半ばまで円安が進み、週末の米雇用統計発表時は、
市場予想を上回る内容だったにもかかわらず、材料出尽くし感からかえってやや円高に振れ
ている。今週FОMCが利上げを決定しても、これ以上の円安は進まず115円程度で推移
しそうだ。

日本の株式市場は為替との連動性が高まっているので、円安が進まなければ相場上昇は期待
しにくい。日経平均1万9000円台半ばで膠着相場が今後も続きそうだ。

今後の市場の関心は米金利の動きから、再度政治の動きに移ってこよう。まず注目される
のは12日に議会に提出されるトランプ政権の予算教書だ。トランプ政権がどのような
具体的な内容で、今後政策を実行に移そうとしているのかが明らかになる。

選挙公約レベルの内容での実行はとても難しいと見られているので、ある程度妥協したもの
になって出てくると見られるが、そこに与党共和党との調整度合が見えてくる。

共和党案とあまりにかけ離れたものだと、共和党との調整が進んでないと見られ、一方
あまりに共和党案に近い数字だと、トランプ政権の政策執行能力の弱さが浮き彫りになって
くる。どちらも市場にとっては好ましくないので、内容如何によっては相場に一波乱起きる
可能性がある。

もう一つは、オランダで15日に行われる総選挙。注目されている欧州の一連の選挙の先陣
を切って行われる選挙だ。極右政党であるPVVが第1党となる可能性が高まっている。

もしPVVが政権を取れば、国民に対して「国民投票で賛成が過半数を獲得すればEUから
脱退できる」という条項を憲法に加える憲法改正の国民投票を行う可能性が高まる。そう
なればオランダのEU脱退が現実性を帯びてくることになる。

ただ現時点ではこの可能性はかなり低下してきているようである。PVVがもし第1党と
なっても、政権を取るためには他党と連立を組む必要があるが、世論調査の第2党の自由
民主党VVD(現在与党)、さらには第3党のキリスト民主アピール党以下野党は、PVV
との連立構想に強い反発を示し始めているからだ。

従ってPVVがもし第1党となっても、第2党以下で連立政権ができる可能性が高まって
いる。

このような野党の動きは、昨年末以降、イスラム系移民やシリア難民に対してあからさまな
排斥政策を国民に訴えるPVV対して、一斉に反発する動きが野党の間に広まったためと
言われている。

ただ、オランダ国民の中には移民、難民への嫌悪感を持っている者も多く、新政権成立後も
議会で移民、難民に対する政策方針で、かなり混乱する可能性は高く、新政権が国民から
激しいEU離脱の要求を突き付けられることも予想される。火種がなくなったわけではない。

今週は17日に新四季報発売が予定されている。内容については既に四季報オンラインで事前
に発表されているので、サプライズは少ないと見られるが、相場は既に今期より来期の業績
動向に目が向いている。

来期の収益動向はまだ相場に十分織まれてないと見られるので、四季報を手に取りジックリ
点検していただきたい。業績が改善傾向を示している企業が多くなっているので、中には
掘り出し物もありそうだ。


      *     *     *

<今週の参考銘柄> 
      
     6758 ソニー 3600円


(選定理由等)
・先日発表された新四季報の業績予想で、来期経常利益が大幅増額修正されている。ソニー
としては久しぶりの利益高水準
・直近で5日移動平均線と25日移動平均線がゴールデンクロス(順クロス)。
・仕込みは円安局面では高くなっているので、やや円高時の安値を狙いたいところ。


<経済の動き>

◆東芝に1兆円損失の追い打ち

『原発事業に絡む巨額損失で2017年3月期に債務超過に陥る東芝が、液化天然ガス
(LNG)事業で最大約1兆円の損失リスクを抱えている。13年に当時割安だった米国産
LNGを仕入れる契約を結んだが、販売先探しが難航しているためだ。売れなければ19年
3月期から損失を計上しなければならず、経営危機に陥っている東芝への追い打ちとなり
かねない』

(解説)
今回のLNGによる巨額損失見通しで、はたして東芝が生き残っていけるかどうかは予断を
許さない状況になってきた。

半導体デバイスの事業価値は約2兆円と言われているが、それを全て売らないと金額的には
間に合わなくなってきている。もし半導体デバイス事業を全部売ることになると、東芝には
もはやエレベーター事業ぐらいしか残らないので、それでやっていけるのかどうかわから
ない。


◆光ファイバーが好調な電線大手3社

『かつて「電線御三家」といわれた古河電気工業、住友電気工業、フジクラの3社が絶好調
だ。牽引するのは光ファイバーをはじめとする光関連事業だ。光ファイバー網や無線通信、
携帯電話基地局、データーセンターを結ぶネットワークは、大容量化、高速化、クラウド化
に対応して技術は日進月歩しており、日本勢がこの分野でリードしている』

(解説)
世界の電線業界の多くが没落していく中、日本勢だけは光ファイバーへの転換をうまく図り
生き残ってきた。最近は中国勢が低価格で攻勢をかけており、世界シェアは変わりつつある。

光ファイバーの前工程を含めた生産性や曲げに強いなど光ファイバーの品質、光ファイバー
をケーブルにまとめ上げる技術、さらにデータセンター向けの大容量通信に対応した光関連
のキーデバイスでは日本勢が強みを発揮、圧倒的なシェアを持つ。日本勢が健闘している数
少ない分野の一つだ。


◆外債投資に含み損膨らむ地銀

『日銀のマイナス金利政策で融資に伴う利ざやが縮小するなか地銀は外債投資に傾斜している。
ところが今回この外債投資は裏目に出たところが多い。静岡銀行は米国債などで250億円
の売却損を計上。純利益は47%減の215億円で、通期予想の380億円に届かないとの
見方が広がる。池田泉州ホールディングスも米国債などによる含み損が153億円にまで
膨らんだ』

(解説)
日銀のマイナス金利政策の導入で、日本国債で運用しても利ザヤが取れなくなっているため、
地銀が活路を見出そうとしたのが外債投資。そこに大きな落とし穴が潜んでいた。

運用リスク管理体制が整わぬまま、リスクの高い外債投資(仕組債がほとんど)に走った
ため、思わぬ米金利の上昇で過大な含み損を抱えているところが増えている。このままでは、
破たんの引き金となりかねない、と金融庁も警戒感を強めている。

    *     *     *

<株式投資のセオリー>

第568回 業績好調銘柄が上げない理由

「業績はいいのになかなか株価は上昇してくれない」ということは投資家なら少なからず経験
していることではないかと思う。

そんな状況にしびれを切らして、短気な投資家の中には、業績と株価は関係ないと結論付ける
ものもいるようだが決してそうではない。株価が上げないのにはそれなりに理由がある。それ
を十分理解してないだけである。

業績好調株が上げない理由を理解することは投資のパーフォーマンスを上げるためにも極めて
重要である。その理由を挙げてみると、だいたい以下のように整理できるだろう。

1、将来の収益拡大まで株価は織り込んでいる
2、上昇波動が一旦終了し、調整中である
3、予想したほど収益が伸びてない
4、需給関係に不安がある(大きな売り圧力がある等)

以下でそれぞれについて説明を加えると、

1、将来の収益拡大まで株価に織り込んでいる

株価が天井を付ける時は、収益に対してかなり楽観的な見通しが支配的となる(過剰な期待
状態に陥る)。その結果、かなり将来まで、また過大な収益水準まで株価は織り込んでしまう
ことになり、そうなるとその後いくら収益拡大が続いても株価は殆ど反応しなくなってしまう。

こうなると、少しでも期待していた収益に届かないようなことがおきれば、株価は大幅安と
なってしまう。過剰に期待した分、それが裏切られた時のショックは大きい。それを契機に
下降トレンド入りしてしまうことも多い。

ただ、逆に市場の期待をはるかに超えるような収益の高い伸びが見られれば、株価は再度
上昇力を取り戻すことはありうる。

2、上昇波動が一旦終了し、調整中である

一般的に、株価の上昇は段階的に進む。相場のスケールなどにもよるが、業績好調株は
3段上げ以上、業績良好株は2段上げ、業績持合い株は1段上げといった具合である。一段
上げは約5割の上昇である。

各上昇波動の間には一定の調整期間が挟まるの通例である(中には連続して2段上げ、3段
上げとなるものもあるが)。次の上昇波動までの調整期間は通常2〜3ケ月だが、前の上げが
大きかった場合は長期化することになる。一気に株価が2倍、3倍に上げた場合には、調整
期間は通常6ケ月〜1年は必要だ。

3、予想したほど収益が伸びてない

現実の企業収益が、市場が予想しているほど伸びてない場合は、株価は上昇力を失ってしまう
ことが多い。企業関係筋など、企業の実態を知っているものが売りに回るからである。株価が
元気がない時は、様々な角度から市場予想が企業の実態を表しているかの吟味も必要だ。

4、需給関係に不安がある

公募価格や転換社債の転換価格、公開株のロックアップ価格など、その価格付近には大きな
売りが控えているのがわかっているので、株価はその直前まで行っても、それ以上は上げずに
停滞することが多い。

また、信用期日(高値から6ケ月後)を目前に控えている時も株価は停滞しがちだ。上値
には期日を控えた信用玉の処分売りが待ち構えているからだ。

いかに業績が良くても上記のような理由から、動きが止まっている銘柄(中には上昇力を
既に失った銘柄も)もあるので、業績の良さだけに注目して仕込むのは危険だ。業績好調株
を安値で仕込むとしても、上げられない要因が背景に潜んでないかのチェックが怠れない。

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