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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点

2017/02/27

もくじ
<相場見通し>

     ・今後の動きを左右する、トランプ大統領の施政方針演説

<今週の参考銘柄>

      日本モーゲージサービス
                  
<経済の動き>     
     ・辞任への包囲網狭まる、トランプ大統領
     ・東芝、8月には東証2部降格へ
     ・ツアー旅行に活路を見出すデパート業界
                                
<株式投資のセオリー>
     
    第566回 日本株ETFの動きから見た、外国人投資家の日本株投資スタンス
                                                          
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<相場見通し>

◆今後の動きを左右する、トランプ大統領の施政方針演説

先週の日経平均は49円の小幅の上昇に留まるとともに、週間を通じた上下の値幅もわずか
304円と完全に膠着状態に陥っている。NY市場は連日新値を更新する強い動きが続いて
いるが、それに連動する気配は見られない。

相場が上にも下にも行けない状態となっているのは、為替でドル・円が110円台前半で
動きが止まっているからだ。先週は週末にかけてやや円高方向に動いたことも、相場に
とっては手詰まり感を強くした。

相場は膠着状態となっているが、その中で元気がいいのは中小型株だ。ジャスダック指数
をみると、2006年以来の高値を連日更新する勢いで、市場最高値更新も目前に迫って
いる。

円安の動きが止まるにつれ大型株が動きずらくなっていることから、活発な個人の資金など
が動きの良い中小型株に向かっている構図だ。

円安進行は今後も一段と期待しにくくなっている。米政府による円安牽制の動きに加え、
米FRBもドル高による景気への悪影響について言及し始めたからだ。

さらに、トランプ政策の行き詰まりの可能性や、3月以降欧州主要国で始まる議会選挙など、
突発的に円高に振れる可能性のある波乱要因も事欠かない。とても安易に円売りを仕掛け
られるような市場環境にはない。これまで円安進行の大きな原動力となっていた国内生損保
の円売りドル買い動きも、すっかり止まってしまった。

来週は市場の波乱要因の一つと目されるトランプ大統領の施政方針演説が28日に行われる。
内容如何によっては、トランプ政策への失望から混乱が起きる可能性がある。市場の一番の
注目は減税政策で、どの程度の規模のものが打ち出されるかに関心が集まる

トランプ大統領の選挙公約は6兆円で、一方与党共和党案は2兆円程度と両者の差は大きく、
この間の調整はあまり進んでないと言われている。

公約通り6兆円の減税案を表明する可能性もあるが、それで市場が好感するかどうかは不明
だ。共和党との調整がほとんど進んでないことを示し、共和党との対立をかえって際立た
せる結果を招きかねないからだ。

一方共和党寄りの減額した数字となった場合は、市場の失望感は強まるだろう。いずれに
しろ、トランプ大統領の施政方針演説が当面の市場の動きを大きく左右しそうな感じだ。
      *     *     *

<今週の参考銘柄> 
      
     7192 日本モーゲージサービス 3000円

(選定理由)
・昨年12月にJS市場に公開したばかりの会社。既に初値を上回っており、上値のしこり
感が比較的少ない。
・先週発表された新四季報による業績見直しで、今・来期とも増額修正。
・チャート的にも、5日移動平均線と25日移動平均線がゴールデンクロス(順クロス)
したばかりで先行き上昇を示唆。


<経済の動き>

◆辞任への包囲網狭まる、トランプ大統領

『就任1カ月のトランプ米大統領は、連日の過激な行動や発言で、世界に混乱の種を振り
まいているが、米紙ニューヨーク・タイムズに載った精神科医の連名の投書がアメリカ国内
で新たな物議をかもしている。その投書では以下のように結論付けている。
「トランプ大統領の言動が示す重大な精神的不安定さから、われわれは彼が大統領職を安全
に務めることは不可能だと信じる」 この投書はアメリカ精神医学会に所属する医師など
専門家35人の連名で、2月13日付けの紙面に掲載された』

(解説)
このような声明を出すことは医師の倫理規定上問題があるようだが、もうそんなことは
構ってはいられないということなのだろう。マスコミとのたび重なるトラブルなど、
トランプ大統領に対する包囲網は確実に狭まってきている。

周囲のそのような動きを察知してか、行動に変化が見られ、存在感が増しているのはペンス
副大統領。トランプ氏が大統領から退けば代わりに就任するのは副大統領だからだ。

先ごろ欧州の安全保障会議に出席した際には、トランプ大統領の度重なる欧州軽視の発言
にもかかわらず、明確に欧州との関係重視の態度を表明した。また、先週は度重なる米国内
のユダヤ人攻撃に対し、何度も現地に出向いて「こんなことは許されない」と訴えている。

いずれにしろ、米国内では、トランプ降ろしのうねりが次第に大きくなってきているのは
確かだ。


◆東芝、8月には東証2部降格へ

『東芝は24日、4月1日付で半導体メモリー事業を分社すると発表した。新会社の株式の
過半を売却する方針で、2017年度の早期に売却先を決める。メモリー事業を高値で売却
できるかどうかは、米原子力子会社、ウエスチングハウス(WH)による巨額損失の処理
にも影響する。』

(解説)
3月末までに半導体メモリー事業を売却し、債務超過を回避する方法もあったが、売り急ぎ
はせず、できるだけ高値で売却したいとの考えから、売却は4月以降に持ち越したようだ。
その結果8月にも、東芝は東証2部降格となる。

しかし、半導体メモリー事業を売却しても東芝の苦難は続く。他の部門が全て赤字になって
いるからだ。また、米国の原子力事業も建設中の2基の工事が大幅に遅れており、これが
継続できないとなると、巨額の賠償金が請求されることになる。

とりあえず、銀行団の支援を取り付けているので、当面は最悪の事態は避けられるかもしれ
ないが、再建の道筋はまだ見えてない。


◆熟年のツアー旅行に活路を見出すデパート業界

『三越伊勢丹ホールディングスは旅行会社のニッコウトラベルを買収すると発表した。
TOB(株式公開買い付け)で発行済み株式(自己株を除く)の全てを買い付け、完全
子会社とする。取得総額は約36億円。主力である衣料品販売が低迷が続く中、旅行業を
強化し、体験型の「コト消費」に対応する狙いがある』

(解説)
デパート各社は物が売れなくなってきているため、他の収益源探しに懸命だ。懐に余裕の
ある熟年層の取り込みに向けた国内ツアーなど、旅行業への進出も既に積極的に行っている。
今回の三越伊勢丹のニッコウトラベル買収はその延長線上の動きだ。

    *     *     *

<株式投資のセオリー>

第564回 日本株ETFの動きから見た、外国人投資家の日本株投資スタンス

相場が膠着状態を強めるにつれ、外国人投資家の日本株買いの動きが鈍っている。米大統領選
でトランプ氏が勝利した以降、外国人投資家は日本株を大幅に買い越していたが、1月半ば
以降は売り越し基調に転じている。外国人投資家(特に欧米投資家)の日本株をどのように
見ているのだろうか。

現在の主要な株式市場の指数に対し最大の影響力を持つ投資ツールは、嘗てのようにシカゴ
市場の指数先物ではなく、多様に設計・生成されている指数連動型ETFに主役を譲っている。 

従って海外投資家の投資動向を探るには、各国市場でETFがどのように売買されているか
(例えば米国投資家なら米国市場でのETF売買の動き)を見るのが一番効果的である。その
観点から見ると米国と欧州ではかなり異なった投資スタンスが窺える。

・米国市場の日本株ETFの動き

米国市場に上場している日本株ETF銘柄の動きを見ると、大統領選によるトランプ勝利後は
現物株を買い、空売りの買い戻しに動いていたが、1月の半ば以降は現物買いの動きが止まる
とともに、空売りは増加する傾向が見える。

動きが変化する契機となったのはトランプ大統領の突発的な円安批判発言だ。この発言以降
米投資家は、米ドルの対円上昇余地に対して慎重になり、日本株のEPS成長率への過剰な
期待もしぼんだようだ。 

ただし、「トランプ大統領への失望と政治の混乱」懸念が強まっていることから、資金は
トランプリスクに抵抗力があると見られるEAFE(欧州、豪州、極東地域の有力企業に投資)
ETFにかなり集まっている。このETF経由で、日本の特定の企業への投資は一部続いてい
る。

・欧州市場の日本株ETFの動き

欧州投資家は欧州市場にかつてない危機感を持っている。その理由としては、次のようなもの
が上げられている。

1、EU単一市場からの英国の離脱による、ユーロ圏内企業の被るサプライチエーンの破断に
よるダメージの本格化。

2、BREXITをきっかけに激しく右傾化し始めた民心、これに足元で再び流入が始まった
シリア難民の増加が国民の動揺を増幅し、政治的混乱が昨年以上に深刻化する懸念が高まって
いる。

3、過去数年順調だった企業及び個人への銀行貸し出しの足元での激減が、ユーロ圏の広域で
見られ始め、銀行システム不安がイタリアだけでなくスペイン、フランスなどにも広がる気配
が見られる。

これを受けて欧州投資家は、欧州の危険な国(イタリア、フランス、スペイン)から、同じ
ユーロ圏ならばまだ右傾化の可能性が低く経済情勢の良いドイツ、欧州圏全体ならばユーロ
に加わっていないスウェーデン、スイス株などに資金を移す動きが強まっている。

また、米国株も有望と見て資金移動の対象国だ。トランプ政権の中期的な安定が前提だが、
大規模な経済対策と巨額減税で、米国のGDP潜在成長率は2.0%程度は押し上げられると
期待しているからだ。これが、米国投資家が自国市場から逃げ出しつつあるのに、現在NY
市場が高値更新している理由とされている。

一方、日本株に関しては消極的だ。トランプ氏勝利後も一貫して売り続けている。その理由
としては、BREXITの影響でユーロ企業の収益が落ち込んでも、また、総選挙で右翼
候補が勝利しても、どちらにしてもユーロの為替レートが対円で最も下落し、円が連鎖的
にドルに対しても上昇すると見ているからだ。従って、日本株ETF、EAFE株ETF
ともに投資を回避する状況が続いている。

このように、欧米のETF市場の動きを見る限り、欧米の投資家は日本株を積極的に買う
動きは見られない。わずかに米市場のEAFE株ETF経由で買いが入っている程度だ。
このような動きが、現状の海外投資家の日本株売り越し基調の背景にあると見られる。

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