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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点

2017/02/13

もくじ
<相場見通し>

     ・揉み合いの中、好決算銘柄を物色


<今週の参考銘柄>

      アドバンテスト
                  
<経済の動き>     
     ・控訴棄却は、トランプ氏の威信に大きな傷
     ・上場企業の業績、2期ぶりに最高益更新
     ・膨らむ一方の国の借金
                                
<株式投資のセオリー>
     
    第564回 好決算で上値を追う銘柄の条件
                                                          
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★
<相場見通し>

◆揉み合いの中、好決算銘柄を物色

先週前半は週末の安倍・トランプ会談への警戒から、模様眺め気分が強まり1万9000円
を挟んだ揉みあいが続いたが、9日にトランプ大統領から減税法案発表の発言が出たことから、
米株が上昇するとともに為替が円安に振れたため、週末の金曜日は日経平均で471円の
大幅上昇となった。

トランプ経済政策の投資家の期待の要は、なんといっても巨額の減税(今後10年間で
6兆ドル)なので、トランプ大統領の発言は、米市場で鈍っていたトランプラリーの復活を
意識させた。

通常2月初めに議会提出される予算教書は、新大統領が選出されたため、今年は2月下旬に
変更となった。それに伴い、大統領の予算教書演説も2月28日に設定されている。減税
法案の発表はそれに合わせたものと見られる。

ただ、減税法案への期待は高まるものの、与党共和党の減税案は2兆ドルと、大統領案との
差は大きく、共和党と激しい対立を招くだろうとの懸念は依然残っている。また、7ケ国
からの入国禁止大統領令が控訴審でも否決され、トランプ氏の統治能力には大きく傷が
ついた状態となっているため、どこまでトランプラリーの復活期待が続くかは疑問だ。

先週末行われた安倍・トランプ会談は、伝えられた範囲では日本に厳しい要求が突き付け
られたという形跡はない。トップ会談では、できるだけ激しい対立は避けたいとトランプ
政権側は思惑が働いためと見られる。

7ケ国からの入国禁止大統領令が控訴審でも負け、大統領としての威信が揺らぎ始めている
ので、この時点で新たな外交上の対立は避けたかったと見られる。一貫して友好ムードを
演出していた。米側の厳しい要求が出てくるのは、担当レベルでの交渉が始まってから
だろう。

市場では、為替の問題から日本の金融政策にまで注文がつくのではとの警戒感もあったので、
とりあえずホッとした感じはあるが、円安の動きが113円台前半と小幅止まったところを
見ると、何が飛び出すかわからないトランプ政権へ警戒が完全に解けたとけたとは言い難い。

とりあえずイベントを無難に通過したので、市場はしばらくは決算に目が向きやすくなって
いる。輸出関連の主力どころの発表は先週でほぼ終了したが、概ね良好な決算となった
ところが多い。

今週はこれを評価する動きが見られそうだが、日経平均がさらに上値を追う状況ではない
ので、大型株人気は限られよう。これまでも人気化している中・小型株の物色が強まると
予想される。好決算の中・小型株が引き続き活躍しそうだ。

      *     *     *

<今週の参考銘柄> 
      
     6857 アドバンテスト 2060円


<経済の動き>

◆控訴棄却は、トランプ氏の威信に大きな傷

『サンフランシスコの米連邦控訴裁判所(高裁)は9日、イスラム圏7カ国からの入国を
禁じた大統領令を差し止めた地裁判断を支持すると発表した。入国禁止の措置は引き続き
停止され、7カ国からの入国は認められる。トランプ大統領は決定を不服として連邦最高裁
に上訴する考えを示した』

(解説)
今回の司法判断がトランプ大統領にとって大して政治的打撃にはならないだろうと見方が
一部にある。トランプ氏からみれば選挙戦での公約をできる限り実行し、それが否定された
にすぎず、トランプ氏の熱狂的な支持者の支持が大きく揺らぐことはないから、というのが
その理由だ。

しかし、トランプ大統領は自分の支持者だけを相手に政治をやっているわけではない。
米国民全体のために政治をしているわけで、支持者以外の国民や、今後政策遂行上協力関係
が必要な議会がどう見ているかも重要なことだ。さらには、外交の相手国となる他国の評価
にも影響を与える。

その点からいえば、大統領の威信は大きく傷ついたと言っていいだろう。これまで歴史上
大統領令が連邦最高裁判所で違法と判断されたのは2件あるだけだ。今後トランプ政策を
遂行する上で不安要素が高まったと見る向きが多い。

今回のような不良品の大統領令を乱発していると、そのうち得意満面で大統領令にサイン
しているTV映像は、嘲笑を誘うだけになってしまいかねない。


◆上場企業の業績、2期ぶりに最高益更新

『上場企業の2017年3月期業績が2期ぶりに最高益を更新しそうだ。前期よりも円高
水準にあり、全体で7期ぶりの減収になるものの、付加価値の高い製品やサービスで採算が
大きく改善する。世界的な景況感の改善も後押しし、半導体や化学、通信といった幅広い
業種で増益となる』

(解説)
記事では最高益更新は、付加価値の高い製品へのシフトなど、収益改善への企業努力が
実ったものと書いてあるが、それは企業が常に心掛けていることで何も特別なことではない。

今回の収益の改善は、懸念されていた世界景気の落ち込みが少なく、輸出環境が比較的
良好な中、急激な円安が進んだことが大きい。昨年初めからの急激な円高進行で、企業は
体質強化を図り始めていた矢先だったので、円安効果がより大きく出た。

ただ先行きを見通すと、中国の失速懸念、欧州の混乱など世界景気改善への懸念も残って
いる。また、為替についても、今年は政治的波乱などから一気に円高進む可能性も否定
できず、不安要素は少なくない。


◆膨らむ一方の国の借金

『国の借金は膨らんでいる。2016年12月末の国債と借入金、政府短期証券の合計残高
は1066兆4234億円で、前年から21兆8330億円増えて過去最高となった。
17年1月1日時点の総務省の人口推計で単純計算すると国民1人当たり約840万円の
借金を抱えていることになる』

(解説)
安倍政権は12年末に発足して以降、当初予算ベースの新規国債の発行額を減らしてきたが、
16年度はついに国債を増発する。それでもなお自民党の中からは歳出拡大を求める声は
強い。

それだけ政府・自民党は、財政健全化の意識が希薄になってきている。20年のプライマリー
バランスの黒字化は夢の又夢となるのは確実だ。それとともに国家財政の破たん懸念は確実
に高まっている。


    *     *     *

<株式投資のセオリー>

第564回 好決算で上値を追う銘柄の条件

現在決算発表が続いているが、円安の影響や、輸出環境の改善などから当初予想数字を上回る
企業が増えている。ただ、好決算が発表されたからといって必ずしも全てが上昇するわけでは
ない。ほとんど反応しない銘柄もあれば、中には急落する銘柄も散見される。

決算の株価への反応は、相場環境にも左右される。相場が上向きで、投資マインドが強気の時
には、好決算は素直に好感されることが多い。逆に相場が下向きで、投資マインドが弱気に
傾いている時は、好決算が逆に材料出尽くしと受け取られ、売られることも少なくない。

現時点の投資マインドは強気・弱気のちらかに大きく傾いているという状況にはないが、相場
が高値水準をキープしているので、比較的良好と言えるだろう。先週の動きを見ても、好業績
発表から大きく値を飛ばす銘柄が散見される。

ただ、好業績であれば何でも値を飛ばすわけではない。それなりの条件が必要だ。どのような
条件が揃えば大きく買われるのか、その傾向を見てみよう。

・事前予想の数字からの増額修正率が大きいこと
事前予想数字は、会社予想ではなく四季報予想が基準となるが、最近はコンセンサス予想を
見ている投資家も多いので、コンセンサス予想も上回らないとサプライズにはなりにくい。
コンセンサスに届かなかったため逆に売られるケースも見られる。

ただ、増額修正しても前期比で減益か横ばいレベルではインパクトが弱い。もともと増益予想
となっている中で、さらに増額されることが望ましい。修正率の幅としては20%以上は
欲しいところ。

また、経常利益や純利益が大きく増えても、売り上げや営業利益に大きな変化がなければ
インパクトに欠けるので注意が必要。少なくとも営業利益のレベルから大きく増額修正されて
いることが必要条件となる。

・物色動向に乗っていること
相場の物色動向に乗っている銘柄ほど買いが殺到する。現状で言えば、中・小型株人気が強い
ので小粒な銘柄ほど人気化しやすく、業種としては輸出関連、特に半導体関連などに値を
飛ばす銘柄が多い。

反対に人気化しにくいのは指数に採用されているような大型株。もともと小口の買いでは値が
飛びにくい上に、指数売買の影響を大きく受けるためだ。現状は相場全体がさらに上値を
追える状況にないこともマイナス。

業種では建設、不動産などは、大幅増額修正銘柄も散見されるが、物色の圏外にあるため
人気化しにくい。このような銘柄は、好決算発表で吹いたところは、格好の売り場になること
もあるので注意が必要だ。

・チャートが上昇トレンドを辿っていること
高値を付けて下降トレンドとなっている銘柄は、いくら好材料が出ても、上昇すると戻り売り
に押され上げにくい。再度上昇するためにはある程度時間が必要だ。

一方上昇トレンドを辿っている銘柄は上値のフシも少なく、買いの回転が効きやすい。少なく
とも200日移動平均線が上向きで、その上に株価が位置していることが条件となる。

・直近で大きく上昇してないこと
これが一番微妙なところだが、増額修正するような銘柄は事前に大きく買われていることが
多い。直近で大きく上げている場合は、決算情報が事前に洩れていることも考えられる。

増額修正の度合いによるが、一般的に直近の安値から10〜20%程度以内であればさらに
上値を追う可能性が高い。しかし、直近の安値から50%近く上げていれば上昇力は弱まって
いると見た方がよい。

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創刊日:2005-04-12  
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