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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点

2017/02/06

もくじ
<相場見通し>

     ・安倍・トランプ会談への警戒感強く、軟調な動き


<今週の参考銘柄>

      お休み
                  
<経済の動き>     
     ・米企業から総スカン、米入国制限
     ・ジワリ、イタリアで金融不安高まる
     ・急速に緊張高まる、米・イラン関係
                                
<株式投資のセオリー>
     
    第563回 国内懐柔策として今後も使われる「為替操作国」批判
                                                          
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<相場見通し>

◆安倍・トランプ会談への警戒感強く、軟調な動き

株式相場は、先週はあと一歩と迫った大発会時の昨年来高値を更新できず反落した。
トランプ政策が世界中で様々なハレーションを起こしていることへの警戒感から、週初から
為替が円高方向に動いたからだ。

さらに、1日(米国は31日)にはトランプ大統領から日本は中国と並び為替操作国で
あるとの発言まで飛び出したことから、円は112円近くまで上昇、つれて日経平均は
1万9000円を割る水準まで下落した。

週末には米雇用統計の発表があり、非農業部門雇用者数が22万7000人増と市場予想の
17万5000人を大きく上回った(円安要因)にもかかわらず、NY市場での円安方向
への戻りは鈍い。

今回のトランプ大統領の日本批判は、背景に政治的な突発要因があったためと見られている
が(詳細については下記「株式投資のセオリー」参照)、今後もトランプ大統領は折に
触れてこの問題を持ち出してくるだろうとの警戒感から、円高方向に進みやすくなって
いる。今週末の安倍・トランプ会談に向けて、さらに円高が進む場面も想定される。

その安倍・トランプ会談は、日本にとってはかなり厳しいものとなりそうだ。トランプ政権
は、大統領就任後矢継ぎ早に打ち出した政策への反発が強く、不評をかっていることから、
国民に対し何らかの成果を早く示したいところ。

そこに、尖閣列島防衛問題で大きな貸しを作っている日本の登場である。安倍首相は英国
に次いで2番目にトランプ大統領と首脳会談ができると意気込んでいるようだが、この
時点での訪米は、飛んで火に入る夏の虫である。

1980年代の日米貿易戦争に代表されるように、これまで日本は米国との通商交渉では
ことごとく惨敗している。日本人のメンタリティー(特に政治家、官僚)では米国との
丁々発止の交渉ができない。さらに今回の交渉相手は強面のトランプ氏である。どこまで
難題を突き付けられるかわからない。

今のところ政府筋から漏れてくる情報では、安倍首相は米国での今後の投資や雇用増を
計画している企業のリストを持参するようだ。先週安倍首相がトヨタの社長と会談した
のはその一環と見られる。まるで朝貢外交である。

恐らくそのような貢物程度ではトランプ大統領は納得しまい。一説には円安の大きな要因
となっている日銀の金融緩和策にまで、注文を付けてくるのではないかという見方もある
ほどだ。

今週は決算発表も後半戦となり、業界大手の決算が相次ぐ。輸出関連は引き続き事前予想
を増額修正するようなところが増えており、大手企業の決算にも期待が集まるところだが、
円高懸念と、何が飛び出してくるかわからない安倍・トランプ会談への警戒感から、軟調
な動きとなりそうだ。

      *     *     *

<今週の参考銘柄> 
      
     お休み


<経済の動き>

◆米企業から総スカン、米入国制限

『議会審議を経ない大統領令を連発するトランプ米政権に司法が「待った」をかけた。テロ
対策を理由にイスラム圏7カ国出身者の入国を一時禁止する大統領令に対し、西部ワシントン州
の連邦地裁は3日、入国制限の即時差し止めを命じる仮処分を下した。政権は連邦地裁の
判断を不服として、高等裁判所にあたる連邦控訴裁判所に上訴した』

(解説)
米入国制限問題に見られるように、トランプ氏は議会や省庁との根回しを一切せず、独断で
大統領令を連発するため、国内外は大混乱状態に陥っている。このような状況が続けば
大統領は数ケ月も持たないのではと言われ始めている。

特に入国制限問題では米国内の企業から総スカンをくってしまった。米国内には約2千万人
(非移民12千万人)の移民労働者がおり、既に企業にとっては不可欠な存在となっている。

それらの人が海外に出たら米国には戻ってこれない(おちおち海外出張もできない)という
不安定な状態となっては、企業活動に大きな影響が出てくる。政府は上訴して戦う姿勢だが、
もし政府の言い分が通ったとしても、企業からの反発はトランプ政権にとって大きなダメージ
となろう。


◆ジワリ、イタリアで金融不安高まる

『欧州国債市場でイタリアの国債利回りが上昇(価格は下落)基調にある。先週、イタリア
憲法裁判所が示した判断を機に選挙制度の改正と早期の総選挙実施が意識され始めたためだ』

(解説)
米国の政治的混乱に隠れて目立たないが、欧州では金融不安の動きがジワリ広がり始めている。
その元凶はイタリア。昨年12月の国民投票で憲法改正が否決され、レンツィ首相が辞任、
代わりにジェンテローニ選挙管理内閣が組閣されたが、そろそろ総選挙実施が意識され始めて
いる。

総選挙が実施されれば、極右政党の五つ星運動が政権を獲得する可能性が高く、EU離脱の
動きとともに国家支援されている大手銀行の破たん懸念が高まる。五つ星運動は国による銀行
支援に強硬に反対しているからだ。

大手銀行の支援ではモンテパスキ(イタリア3位)への支援が12月に決定され実施されて
いるが、30日イタリアの最大の銀行ウニクレディトが欧州中央銀行から不良債権処理の
修正案を求められ、株価が急落している。ウニクレディトも巨額な不良債権を抱え経営不安を
払しょくできてない。

イタリアの選挙実施が具体的になるにつれ、イタリアの大手銀行の破たん懸念、ひいては欧州
の金融不安が高まる構図だ。


◆急速に緊張高まる、米・イラン関係

『トランプ米政権は3日、イランの弾道ミサイル発射実験やイラン革命防衛隊を支援した
25の団体・個人に追加制裁を科すと発表した。米政府高官は同日、今回の制裁は「第一歩
にすぎない」と述べ、イランに対する「大幅な戦略見直しに着手した」と表明した。これに
対しイラン政府も報復措置を取ると表明しており、両国間の緊張が高まっている』

(解説)
トランプ政権の成立とともに、米国とイランの緊張が急速に高まっている。先ごろ来日した
マティス国防長官は「中東における紛争の元凶はイラン」と見て敵対視した態度をとっている
からだ。

イランはオバマ政権時に経済制裁が解除され、米・イラン関係は大幅に改善したと見られて
いたが一転、両国間は一発触発の状況に陥っている。

    *     *     *

<株式投資のセオリー>

第562回 国内懐柔策として今後も使われる「為替操作国」批判

トランプ大統領は1月31日、米国大手製薬会社トップとの懇談会で、「日本は中国と同様
ずっと為替介入している」と日本を為替操作国扱いの発言をしたことから、円は急騰、
112円近くまで上昇した。

このトランプ大統領の発言は、またしても「突発性暴言症」が出たと冷ややかに見る向きも
あるが、欧米の主要ヘッジファンドや機関投資家の中には違った見方をしているところも多い。

中でも一番多いのは、半数以上(緊急ヒアリングを行った11社中6社)が今回の発言は
国民の目を外に向ける陽動作戦と見ていることだ。その見方をまとめると以下のようになる。

「トランプ政権は、7ケ国から入国制限をする大統領令に署名したが、これが国内で大きな
反発を呼んでいる。この批判をかわすために陽動作戦として、国民の目を海外に目を向け
させようとしているとの見方がすでに伝わってきていた。

その直後の『為替操作国』発言である。製薬会社トップとの会談の中から自然に出てきた
ものではなく、あらかじめ準備していたと考えるべきだ」というもの。

実際、その前日にフィナンシャルタイムズが行ったナヴァロ米国家通商会議代表へのインタ
ヴューでも、ナヴァロ氏はユーロ安をけん制する発言を行っている。

ここでもナヴァロ氏は、米とEUとのTPP協議でドイツが協定締結の大きな障害となって
いるとの見解を説明している中で、唐突にユーロ安誘導批判を展開しはじめ、文脈が
「不連続」という印象を多くの人に与えている。

これらから読み取れることは、ユーロ、人民元、円への為替操作発言は、トランプ政権が
「入国制限批判」をかわすために急遽仕立てられた陽動作戦の可能性が高いということで
ある。

日本は直接為替介入はしてないが、巨額の量的緩和することにより自国通貨安を誘導して
いるというのがオバマ政権時代からの米国の見方。従って、「為替操作国」発言は、今後も
折に触れて(トランプ政策への国民の批判が高まった場合)国内懐柔策として使われる
可能性があると見た方がよさそうだ。

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創刊日:2005-04-12  
最終発行日:  
発行周期:週間  
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