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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点

2017/01/10

もくじ
<相場見通し>

     ・今後数か月は政治的波乱に左右されそう


<今週の参考銘柄>

      お休み
                   
<経済の動き>     
     ・トランプ氏、トヨタのメキシコ工場新設まで批判
     ・株式市場で、益々存在感が大きくなる日銀
     ・トランプ氏に煽られる習近平
                                
<株式投資のセオリー>
     
    第559回 年明け以降の欧米機関投資家の各国市場の見方
                                                 
         
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<相場見通し>

◆今後数か月は政治的波乱に左右されそう

あけましておめでとうごさいます。本年もよろしくお願いいたします。

昨年は世界を揺るがすような問題が多発した年だった。この流れは今年も続き、極めて波乱
含みの年となりそうである。特に年前半に大きな波乱をもたらすようなイベントが多く待ち
構えている。

これまでの世界的な波乱は金融に端を発することが多かったが、最近は政治的問題が発信源
となることが増えている。政治的変動による経済のへの影響は、金融問題以上に深刻で
スケールが大きくなることが多いので注意が必要だ。

政治が大きな波乱要素となってきているのは、独裁的な政治家や極右政党が台頭してきて
いるからだ。彼らの多くは「反グローバル主義(=自国優先主義)」の旗を掲げ、
「ポピュリズム」的立場をとることにより国民の支持を集め、これまでの治世の枠組みを
大きく変えようとしている。

彼らの台頭はこれまで世界経済の拡大をもたらしてきたグローバリズムを基本的に否定する
ことから、世界経済にマイナスの影響を与えると見られているが、今のところ市場は必ず
しもそのように反応をしてない。

昨年、英国民投票(BREXIT)やイタリア国民投票、米大統領選挙で、いずれも事前
予想では市場に大きな悪影響を与えると見られる結果が出たにもかかわらず、市場は一旦
マイナスに反応したが、直ぐにそのマイナスを埋めさらに上昇している。

背景にあるのは、政治的変動が経済に影響を与えるまでにはタイムラグがあるので、実際
に影響が出てきた時点で考えればいいという楽観的な見方だ。

また、市場は短期投機型ヘッジファンドなどの市場支配力が強くなっているが、彼らは
2〜3ケ月でポジションを頻繁に変えていくので、中長的な動きは無視する傾向が強いこと
も影響していると見られる。

しかし、いよいよ昨年起こった政治的変動による経済への影響が無視できない形で今年は
出てきそうだ。そのトップバッターは米国。トランプ大統領の1月20日に就任演説を
皮切りに、2月に入れば年頭教書、予算教書が提出され、具体的な政策が議論されることに
なる。トランプ大統領の掲げた選挙中の公約がどの程度実現されるのか次第に見えてこよう。

これまでの市場は、トランプ大統領の公約のいいところ取りした形で動いてきているので、
実際の政策との間に大きなギャップがあることが明らかになれば、トランプバブルで沸く
市場に大きな動揺が走ることも予想される。

イタリアの総選挙も要注意だ。昨年12月に行われた国民投票で憲法改正が否決され、
総選挙実施の機運が高まっている。レンツィ首相から引き継いだジェンティローニ政権は
選挙管理内閣と言われ、今年前半にも総選挙が実施される見通しだ。

もし総選挙が実施されれば、極右政党である五つ星運動が第一党となる可能性が高く、
政権を握れば現在行われている大手銀行の救済は即中止されることになろう(五つ星運動は
大手銀行救済に強硬に反対している)。これはEU金融業界の大混乱につながる。

欧州ではイタリアの他にも3月にはオランダの総選挙が行われる。今のところ極右政党で
EU離脱派のPVVが最大の支持を集めており、政権を取る可能性もある。

また、フランスでも4月から5月にかけて大統領選挙が行われる。現在中道派のフィヨンと
極右政党のル・ペンの争いと見られているが、やや優勢と言われているフィヨンは、根っこ
からのロシア派で、必ずしもEU維持派ではないといわれている。どちらが勝っても、EU
離脱問題が出てくる可能性がある。

このように、今年前半は欧米で重要な政治イベントが目白押しで、大きな波乱も予想される。
政治的波乱が即金融市場に動揺をもたらすかどうかはわからないが、少なくとも昨年の
ように政治と経済は別といった楽観的な見方は次第に許されなくなってこよう。

日本の株式市場上昇の原動力となってきた円安の動きも既に頭打ち感が出てきているので、
もし、欧米で政治的波乱がおきれば、円高への圧力が強まるのは必至。そうなれば当然株式
市場も調整を余儀なくされることになろう。

今後3〜4ケ月は株式投資はできるだけ手を空かせ、世界の動きを注意深く見守っておく
時期と見ている。

       *     *     *

<今週の参考銘柄> 
      
     お休み


<経済の動き>

◆トランプ氏、トヨタのメキシコ工場新設まで批判

『トランプ次期大統領の「米国第一」戦略に米自動車業界が翻弄されている。フォード・
モーターは3日、計画していたメキシコでの工場新設をとりやめると発表した。ゼネラル・
モーターズ(GM)も同日、メキシコ製の車に高関税を課すと名指しで批判を受けた。 
また、トランプ氏は同氏は5日、トヨタ自動車のメキシコ工場新設について自身のツイッター
に「ありえない!。高い関税を払え」と投稿した』

(解説)
いまやメキシコへの投資はトランプ氏の意向を伺ってからでないとできない状態となって
いる。そのとっばちりは日本の自動車メーカーにまで及んできた。

トヨタはこれまで米大陸での投資は米国内を優先させてきたので、メキシコへの投資はかなり
遅れていたが、そんなことはお構いなくトランプ氏は今回口出ししてきている。

ただ、トヨタは過去20年間の米国内での雇用創出は、米国メーカーを含めても一番なので
(関連部品会社90社以上進出させている)、その点を説明し、メキシコ工場は世界戦略の
一環(米国への輸出だけではない)であることを説明すれば納得が得られやすいと見られる。


◆株式市場で、益々存在感が大きくなる日銀

『2016年、日本株の最大の買い手は日銀――。12月半ばまでの投資部門別売買動向を
基に集計したところ、日銀の上場投資信託(ETF)購入額が4兆3千億円超と他部門を
上回り最大になることが確実になった。昨年に比べ4割増え、外国人投資家の売りを吸収
した』

(解説)
世界を見渡しても、中央銀行が株を買っている国などほとんど見当たらない。あるとしても
スイスなどのように一部純投資で外国株を買っている程度だ。ところが日本の場合は株価
維持のために大量に自国株を買っているのだから驚きである。

日銀は現在の購入ペース(年間6兆円)を落とす姿勢を見せてないが、既に日銀の累計
購入額は11兆円を超え市場での株価形成に大きな影響を与えている。このままでは株価は
日銀の意向次第ということになりかねない。一番怖いのは、歪な株価形成を嫌って海外
投資家が日本株から離れていくことである。


◆トランプ氏に煽られる習近平

『中国の習近平国家主席は31日、国営中央テレビを通じた国民への新年メッセージで
「我々は領土主権と海洋権益を断固として守り抜く。この問題で誰かが言いがかりをつける
ことを、中国人民は決して認めない」と強い口調で述べた』

(解説)
習近平氏の今回の発言は、台湾や南シナ海をめぐる問題で、中国に揺さぶりをかけている
トランプ次期米大統領をけん制したものとみられるが、かなりトランプ氏に煽られている
様子が伺える。

本来なら、国民に対するねぎらいのメッセージが中心となる年頭の挨拶の場で、強い口調
の対米批判(と受け取れる内容)をしているからだ。

トランプ大統領就任後は、米中関係はかなり険悪化する可能性が指摘されており、間に
立つ日本にも少なからず影響が出てくることを覚悟した方がよさそうだ。


    *     *     *

<株式投資のセオリー>

第559回 年明け以降の欧米機関投資家の各国市場の見方

新年に入り、為替がやや円高への動きを見せるなど、市場の動きにやや変化が見え始めて
いる。この背景には欧米機関投資家の新年以降の投資方針が少なからず影響してきている
のではないかと見られる。

欧米機関投資家(24社)の今後の各国市場に対する見方の一端について、ヒアリング
情報を入手したのでお知らせしたい。

<米国株>
トランプ氏は減税で、法人税の減税(35%→15%)と個人所得減税(15%)を公約に
掲げているが、個人所得減税の方が企業収益に与える影響ははるかに大きい。

現在の株価は、このトランプ氏の個人所得減税15%がフルに実現することが織り込まれた
水準だ。

ところが、共和党のライアン下院議長は減税幅で一切トランプ氏に譲歩する姿勢を見せて
おらず、今後共和党との交渉が難航する見通しだ。トランプ氏と下院共和党の減税に対する
考え方の違いが、今後米株を乱高下させる可能性が高い。

<欧州株>
オランダ、フランス、ドイツ、イタリアなどのEU主要国で今後、移民排斥、EU離脱を
標榜する政権やリーダーが次々に誕生する可能性がある。ただ、それが株価下落やユーロ
下落にと一義的に繋がるわけではないという見方が多い(6割以上)。

ポピュリズムに傾いた政権ができたとしても、実際に銀行破たん、取り付け騒ぎ、財政
破綻懸念等に繋がらない限り、株価下落等は生じないという考え方だ。

その結果、現在政権交代で経営破たんが懸念されているユーロ圏の銀行はイタリアの
モンテパスキ、スペインのバンコサバデルの2行で、総選挙が2017年に実施される
可能性があるのはイタリアだけなので、イタリアだけマークしておけばよいという見方が
出ている。

<日本株>
日本株はさらに上げたとしてもあと7%程度(日経平均で2万1000円)が限度という
見方が多い。その理由としては、12ケ月先行PER、PBR、配当利回り等の指標の
国際的割安感がその水準で消滅するからだ。

既に、電機、機械、自動車などの主要輸出セクターの割安感はなくなっている。一方、
割安感がまだ残っているセクターは鉄鋼、非鉄、商社、石油などだ。

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創刊日:2005-04-12  
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