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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(11/23)

2015/11/24

もくじ
<相場見通し>

     ・ヘッジファンド買いにより、しばらく騰勢続く

<今週の参考銘柄>

       お休み
                   
<経済の動き>     
     ・12月米利上げは、ほぼ既定路線
     ・GDP、2期連続マイナス成長
     ・BRICS、経済で大きく明暗分かれる
                                
<株式投資のセオリー>
     
    第507回 日本企業への影響が懸念される「Buy Chinese」政策
                                                       
          ≪ 来週は都合によりお休みします≫

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<相場見通し>

◆ヘッジファンド買いにより、しばらく騰勢続く

日経平均は1万9000円台後半までの上昇でそろそろ戻り一杯かと見られたが、その後
も強含みの動きが続いている。2万円乗せも射程に入ってきた。

先週は仏テロの影響が懸念されたが、欧米株が週明け落ち着いた動きだったので、幸いにも
杞憂に終わった。市場には過熱感の強まりを示す指標が見られているにもかかわらず、
悪材料に敏感に反応する気配は感じられない。

このような強調相場を維持しているのは、外国人投資家(特にヘッジファンド)の大幅な
買い越しだ。10月以降買い越しに転じた外国人投資家は、11月第2週までの1ケ月半
で9000億円余りの大幅な買い越しとなっている。

10月後半からは12月末解約対策売りが懸念されていたヘッジファンドだが、それを
上回る規模で積極的な買いに出ているのは以下のような理由があるからだ。

一つは中国株からの逃げ出した大量の資金の一部が日本株に流れ込んでいること。中国株
から資金を引き揚げた外国人投資家と、中国から資金を国外に逃避させた中国人富裕層
(多くは政府高官)の大量の資金が、マルチストラテジー型のヘッジファンドに流れ込み、
顧客の希望から投資先として配当利回りの良い日本株と欧州株を選考している。

米系のマルチストラテジーヘッジファンドの巨人であるイートン・パーク(運用額90億ドル
(約1兆800億円))が、9月から11月2週までの間に総額2500億円を超える
日本株を取得したことが判明した。

中国から資金を引き揚げた外国人投資家(欧州富裕層が多い)や中国投資家が日本株への
投資を依頼した理由は、米利上げ如何で揺れる可能性の高い米国株とエマージング株は避け、
配当利回りが高く優良企業の多い日欧の大型株にシフトすることにより、9月以降の不透明
な株式市場を乗り切ろうと考えたためと見られる。

また、郵政グループ3社の上場によって国内個人投資家が約25年ぶり(NNT上場以来)
に大挙参加したことも、イートン・パークの日本株選考に拍車がかかったようだ。

マルチストラテジーヘッジファンドへの資金流入規模からみて、この流れは年内一杯は続く
のではないかと見られている。

二つ目は大手CTA(商品系ヘッジファンド)による先物売りの大量買い戻しの動きだ。
11月初旬から特定米系証券による大口指数買いが目立っているが、これは運用額世界最大
のCTAであるウイントンキャピタルからの注文の可能性が高いと見られている。

同社は、日本株が急落した8月から9月にかけて日本の指数先物に大量の売りを仕掛けたが、
それがどうも12月末の解約売りに備えて買い戻しを余儀なくされているようだ。売りを
仕掛けたのが裏目に出たのか、8月以降のリターンが悪化し、12月末の解約額が膨らむ
結果を招いてしまった。

ただこのような動きをしているのはウイントンキャピタルに限られ、他のCTAへの広がり
は見られない。従って買い戻しの動きは、一過性に終わる可能性が高い。

三つ目は政府の景気刺激対策に期待するヘッジファンド勢の買いだ。さすがに日銀による
追加緩和期待はしぼんでいるが、政府による補正予算や賃上げ対策等への期待から、日本株
のポジションを膨らましているヘッジファンドが散見される。

ただ、この動きがさらに広がりを見せるかどうかは疑問が残る。政府の対策が期待外れと
なったり、対策が出そろってしまえば材料出尽くしとなってしまう懸念があるからだ。

以上のようなヘッジファンドによる強力な援軍が加わったことから日経平均は、欧米株Tと
比べて強調さを維持している。ただその中身を見ると、ヘッジファンドの買いが今後も
長く続くかどうかには疑問が残る。続いても精々年内一杯だろう。

ヘッジファンド買いによる需給のよさが剥げてくれば、市場の目は次第に企業業績へと
戻ってくる。その点、今回の9月末決算の発表の内容を見ると必ずしも良くない。確かに
当初決算見通しを増額した企業は多かったが、それに基づいて四季報が予想数字を前四季報
時より増額した企業はそれほど多くないからだ。

10月以降これまでに行われた四季報サイドの業績修正の動きを見ると、増額企業520社
に対して減額が482社とほぼ拮抗状態だ(四季報オンラインでチェック)。しかも主力株
の多い電気、機械などに大幅減額企業が多い。

これでは相場が業績好調を囃してさらに買われるには力不足だ。むしろ株価はかなり先の
業績伸長まで織り込んでいるので、全般の伸びが止まるとなれば売られるケースが多くなる。
需給関係の良さが剥げたあとは、軟弱な相場に戻る可能性が高い。

相場はまだ上げ余地があり、2万円台に乗せてくると見られるが、先の高値を超えるのは
まず無理で、高値は2万円台前半がいいところ。ここから仕掛けてもリスクが多いわりには
上げ幅は小さく、仕掛け損となる可能性が高いので、新たな買いは見送った方が賢明。
        *     *     *

<今週の参考銘柄> 
      
     お休み


<経済の動き>

◆12月米利上げは、ほぼ既定路線

『米連邦準備理事会(FRB)は18日、10月27〜28日に開いた米連邦公開市場
委員会(FOMC)の議事要旨を公表した。焦点の次回12月のFOMC(15〜16日)
における利上げの是非をめぐっては「大半の委員」が次回FOMCの時点で「政策金利の
正常化プロセスを開始する条件を満たすと想定している」ことが判明した』

(解説)
今回の議事録で、FRB内では既に12月利上げのコンセンサスはできていることが判明
した。従って、今後よほど経済データで悪いものが出ない限り、12月に利上げは実施
される見込みだ。

マーケットは既にこのことをほぼ織り込んでおり、利上げが実施されたとしても波乱は
少ないと見られる。ただ、利上げとともに市場からの資金吸収が始まれば影響は出て
くるが、市場への悪影響を考え今のところそれは実施しない見通しだ。


◆GDP、2期連続マイナス成長

『内閣府が16日発表した7〜9月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響
を除いた実質の季節調整値で前期比0・2%減、年率換算で0・8%減となった。年率
0・7%減だった4〜6月期に続くマイナス成長となった』

(解説)
アベノミクスがスタートして3年がたとうとしている。当初の計画では2年後には2%の
経済成長を遂げているはずだったが、2期連続でマイナス成長が続いている。これはどう
見てもアベノミクスがうまくいっているとは言えない。

海外の論調もウオール・ストリート・ジャーナルは「アベノミクスは息切れしている」
という社説を掲載しており、IMFは「日本の経済はやや休止中」との評価を示した。

海外投資家も金融緩和による景気回復には限界があり、景気対策に頼らざるを得ない
のではないか見始めたが、これはアベノミクス以前の政策と同じで、何のためのアベノ
ミクスを実施したのかわからなくなってしまう。


◆BRICS、経済で大きく明暗分かれる

『経済協力開発機構(OECD)は9日公表した最新の経済見通し(エコノミック・
アウトルック)で、世界経済の15年の見通しは2・9%増と、前回から0・2ポイント
引き下げた。ブラジルを2・3ポイント低い3・1%減、ロシアを0・9ポイント低い
4・0%減とするなど、資源国の低迷が足を引っ張る。中国は6・8%増に据え置いた』

(解説)
BRICS諸国の経済で明暗が分かれている。悪いのはロシアとブラジル。ロシアは
原油価格の下落と経済制裁が効いているので仕方ないとしても、ブラジルの不振が目立つ。
ルセフ大統領の就任後は不振で右肩下がりだ。

対象的なのはインドで、今年は7%台に乗せ中国の成長率を上回る見通しだ。モディ首相
就任後好調な経済が続く。中国も依然高い成長率を保っているが、大本営発表の数字が
根拠になっているのであてにならない。中には実態はマイナス成長ではないかとの見方も
でている。

    *     *     *

<株式投資のセオリー>

第507回 日本企業への影響が懸念される「Buy Chinese」政策

海外からの訪日客(インバウンド)が大きく伸びている。訪日客が国内で落とすお金も
ばかにならず、日本企業の業績に大きな影響を与えるまでに膨らんでいる。

特に目立つのは中国人観光客の爆買いの動き。ただ、この爆買いが今後も続くかどうか
についてはやや疑問符がつき始めた。それは中国政府が「Buy Chinese」(国内商品買い)
を推進し始めたからだ。

その第一弾は9月1日に施行された帰国者に対する入国時の課税強化。海外から帰国した
旅行者全てに対して「外国製品を複数購入して帰国した場合は、準商業(営利目的の
仕入れ)行為として入国時に課税する法規」を実施した。

その結果、中国旅行者が日本より持ち帰る2個目以上の家電、化粧品、医薬外部品など
には一律20%、時計、ゴルフ用品には30%の輸入税が課税されることになった。

9月末時点では関連する小売りやメーカーの売り上げに目立った影響は出ていないが、
10月以降はジワリと効いてきている可能性がある。該当する銘柄の株価の動きを見て
も、低迷状態となっているものが多い。

さらに、中国政府は国内の製造業(海外資本も含む)が調達する部品についても、国内製
の比率を上げるよう求めている。しかもこれは初めは要請だったものが、次第に強制へ
と日に日に変わり始めり始めているようだ。

また、対象となる製造業も初めは国内向け製造業だけだったが、直近では海外に完成品を
輸出するメーカーの調達する部品にも「Buy Chinese」を浸透させようとしている。その
やり方も、業種別に政府が「発注削減対象外国メーカー」を指定し、5ケ年計画で調達を
全て国内にシフトするよう求めている。

削減対象メーカーにリストアップされた企業にとっては堪ったものではない。どのような
企業がリストアップされているか今のところ不明だが、日本の中国関連の制御機器や電子
部品メーカーには株価が低迷状態に陥っているところも散見される。

ただ、村田製作所、安川電機、日本電産などのような優れた製品を作っているところは、
「国際競争力の維持のため国内の他社を持って代えがたい部品・製品供給源」として政府
も認めざるを得ないようだ。

ただ、汎用品に近い製品を作っている企業に対しては、政府のゴリ押し的な「Buy Chinese」
政策が押し付けられる可能性が高く、対象となる企業にとっては業績上のダメージが懸念
される。

このような企業が業績上の影響を避けるためには、今後中国に進出するか中国での生産を
増やし、しかも中国での部材や材料を使用することが、選択肢として必要となってきた。
          
       ≪ 来週は都合によりお休みします≫

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