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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(11/16)

2015/11/16

もくじ
<相場見通し>

     ・調整局面入り

<今週の参考銘柄>

       お休み
                   
<経済の動き>     
     ・上半期の旅行収支、過去最高の約6千億円の黒字
     ・日本郵政グループ3社、揃って減収減益
     ・まだまだ前途多難のMRJ
                                
<株式投資のセオリー>
     
    第506回 郵政グループ3社の株価の行方
                                                         
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★
<相場見通し>

◆調整局面入り

週末は反落したものの先週の株価は堅調に推移した。12日まで7連騰。ザラバでは下げて
も終値では戻すことが多く、日足は13日まで7日連続で陽線を描き、買い意欲の強さを
示していた。

このような強い動きを受けて、市場では年内日経平均の2万円台回復の声が上がり始めて
いる。さらに強気筋は、日銀の追加緩和なども織り込み年内年初来高値更新すら唱えている。

相場が上がれば強気が増えるのはいつものことでたいして驚くことはないが、概ね2万円台
で推移した今年6月〜8月の市場環境と、現在のそれとはかなり変化してきていることを
押さえておく必要がある。

当時為替は、9月米利上げ説が強く、円の先安観から1ドル123円(8月には125円台
も)を挟んだ動きをしていた。現状やや円安が進んではいるが123円台が安値の限界だ。
これ以上の円安感も後退している。

また企業の収益見通しも、中国の景気失速懸念など世界景気の減速感がまだ薄く、増額期待
の方が多かった。相対的に日本企業の業績見通しが良いことを評価して、海外投資家も
日本株の買い増し意欲が強かった。

ところが日本企業の下期にかけての増額修正期待は、現在かなり低下しており、逆に不透明感
が強まっている。これを受けて、海外投資家にとって日本企業の魅力度はかなり低下している
のが現状だ。

さらに下期に入り、来期見通しが気になる時期となってきたが、来期は日本企業の収益は
さらに伸び悩み、相対的な投資魅力度はさらに減少する見込みだ。世界景気の更なる減速感や、
日本企業の収益拡大を支えていた円安と原油価格下落の影響がさらに減少する見込みだからだ。

以上のような相場環境から見れば、日本株がこのまま勢いよく2万円台に駆け登っていける
ような状況にはない。企業収益が伸び悩むなら、逆に株価は横ばいから、下落に転じると見る
のが自然だ。

今週は先週末のシカゴ日経平均先物が東京市場に比べ200円近く下げて終えているので軟調
な動きで始まりそうだ。さらにパリ爆破事件で、世界的に市場がリスクオフに傾く可能性も
ある。

また、10月の日本株は先進国中では最も運用成績が良かったことから、ヘッジファンドに
対して、11月末、12月末までの現金化(解約)を望む顧客が増えているとの直近情報も
流れている。

世界の市場の動きを見渡しても、欧州株は12月初旬のECB定例会合でドラギ総裁が大規模
な流動性供給実施を発表する可能性が高いこと、一方米国株は12月16日にFOMCを控え
ていることからいずれも様子見気分が強まっているため、日本株が解約売りのターゲットと
なりやすくなっている。

郵政グループ3社上場による相場のへのプラス効果もそろそろ一巡してきているので、市場の
強気気分の高まりとは逆に、今後しばらくは調整局面と見る。

        *     *     *

<今週の参考銘柄> 
      
     お休み


<経済の動き>

◆上半期の旅行収支、過去最高の約6千億円の黒字

『財務省が発表した2015年度上半期(4〜9月)の国際収支速報で、日本を訪れた外国人
旅行者が支払ったお金から海外で日本人が使った金額を差し引いた「旅行収支」が6085億円
の黒字となった。黒字額は半期として過去最大。円安で中国などからの観光客が大きく伸び、
大量に買い物をすることの影響がありそうだ。
 日本政府観光局によると、4〜9月に日本を訪れた外国人旅行者は前年同期比50・9%増
の約1035万6千人に上り、他方、海外に出掛けた日本人は約808万7千人と4・6%減り、
この点も旅行収支の押し上げにつながった』

(解説)旅行収支は10年度や11年度は、半期で6千億円前後の赤字だったので、収支は
まったく逆の動きとなっている。最大の要因は日本を訪れる外国人旅行者数の急増だ。
日本を訪れる外国人旅行者数を見ると、今年度は前年の1300万人から2000万人を超える
ような動きで推移しており、数年で3000万人達成も視野に入ってきた。


◆日本郵政グループ3社、揃って減収減益

『4日に上場した日本郵政グループ3社が13日発表した2015年4〜9月期決算は、
そろって減収減益になった。日本郵政は連結純利益が2133億円と前年同期から2%減った。
傘下のゆうちょ銀行とかんぽ生命保険も運用収益が振るわなかった。一方で非上場の日本郵便は
赤字幅が縮小した』

(解説)
上場3社の株価は堅調に推移しているが、収益は減収減益が続いている。日本郵政は豪の物流
会社を買収し成長の糧を求めているが、海外企業を経営するのは難しい。マネジメントできる
ような人材が内部に育っているとは思えない。
おそらく経営のジリ貧状態は今後も続くと見られる。


◆まだまだ前途多難のMRJ

『三菱航空機の国産ジェット旅客機「MRJ」の試験機が11日午前、愛知県営名古屋空港から
飛び立ち、太平洋側の遠州灘の上空を航行して、同空港に着陸した。初飛行に成功したことで
MRJの開発は完成に向けて大きく前進する』

(解説)
半世紀振りの国産機の初飛行成功で国中が沸き立っている感じだが、今後のことを考えれば
喜んでもいられない。米国の型式認定を取るのが大変だからだ。

三菱重工は以前にも型式認定が取れなくて、最後は経営的にもかなり厳しい状況に追い込まれ
た歴史がある。YS11の後継ジェット機MU2である。その二の舞となる可能性もある。

また売れるかどうかも不明だ。燃費で優位性があると言われていたが、完成までの時間が
かかりすぎて(二年遅れ)、現時点ではほとんどなくなっている。事業として成立するまで
には、まだまだ前途多難だ。

    *     *     *

<株式投資のセオリー>

第506回 郵政グループ3社の株価の行方

11月4日に上場した郵政グループ3社の株価は、初値が売出価格を大幅に上回って生まれ、
その後も堅調に推移している。3社の初値の騰落率とその後の高値までの上昇率(売出価格比)
を見ると以下のようになる。

かんぽ生命保険 初値の騰落率 +33.1% その後の高値   +87.3%
ゆうちょ銀行   同     +15.9%   同      +25.7%
日本郵政     同     +16.5%   同      +38.4%

3社の中でかんぽ生命保険の上昇率が一番高いが、これは「公開株式数は少ないものほど
上げやすい」という、公開株のよくあるパターン通りの動きといえる。

今回の公開とよく比較されるのが、1887年に政府株が放出され大型上場したNTTだ。
NTTの初値は当日は値がつかず、2日目に売出価格比+33.6%で生まれている(今回
のかんぽ生命保険とほぼ同一水準)。

NTTはその後も上昇を続け、約2ケ月後には公開値の2.65倍の高値を付けている(その
後今日までこの高値を上回ったことはない)。

郵政グループ3社も、NTTと同様、今後さらに上値を追うと期待する向きもあるがはたして
どうだろうか。当時とは相場環境は大きく異なっている。

当時はバブル時代の真っただ中で、強い上昇相場の途中だった。しかも市場のプレーヤーは
ほとんどが国内勢で、特に国内大手証券会社が強く、彼ら次第で相場はある程度コントロール
できた時代だ。大手証券会社が手を組めば、大型株でも大きく買い上げることも可能だった。

NTT株の公開は、国からの要請が強く働いていたことに加え、個人投資家の呼び込み手段
として非常に重要視されていたので、各証券会社はかなり力を入れて取り組んでいた。
従って当時のNTTの上昇は、相場環境の良好な中、国の意向に沿って証券会社が揃って
買い上げた結果と見ることができよう。

それでは今回はどうか。当時と同じなのは証券会社が個人営業の手段として力を入れている
くらいだろう。

相場環境を見ると上昇相場が終わり、天井持ち合いから下落トレンド入りしている。市場の
プレーヤーは3分の2が外国人投資家になっており、大手証券会社など国内投資家の思惑で
市場を動かせる状況にはない。

このような市場環境の中では、大型株である郵政グループ3社の株価をさらに放り上げること
は困難だろう。しかも、肝心の郵政グループの収益力が低下傾向を示していることが致命的だ。
現在の水準でも割高感は否めない。

短期的には上場時の活況の余韻でまだ上げ余地はありそうだが、11月17日から個人の
空売り規制が解除される。

さらにヘッジファンドなどによる空売りも、貸し株が徐々に市場で調達できるようになって
きたため、今後増えることが予想される。従って株価は次第に上値が重くなると見た方が
よさそうだ。

読者の中には「配当利回りが高いので長期保有を」という証券会社の営業トークに基づき
長期保有を考えている向きもあるかもしれないが、長期保有はあまりお勧めしない。何も
下げる可能性の高い株にこだわらなくても、投資妙味のある銘柄は他にたくさんあるからだ。

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創刊日:2005-04-12  
最終発行日:  
発行周期:週間  
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