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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(11/9)

2015/11/09

もくじ
<相場見通し>

     ・そろそろ戻り一杯か

<今週の参考銘柄>

       お休み
                   
<経済の動き>     
     ・新たに見つかった杭打ちデータの改ざんは、全体の約1割
     ・独フォルクスワーゲンの支援を中国工商銀行に依頼
     ・まだ伸びる、中国の電子商取引
                                
<株式投資のセオリー>
     
    第505回 決算は好調にもかかわらず株価が反応しない建設株
                                                         
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★
<相場見通し>

◆そろそろ戻り一杯か

先週は郵政グループ3社の上場にフィーバーした週だった。上場後2日間で3社平均で
約43%もの大幅上昇となった。上場3日の週末にはさすがに3社とも下げたが、日経平均
は150円ほど上昇し、郵政グループ3社の上昇が相場全体に活気をもたらしている。

しかし、今後の動きを展望すると、このまま相場が上昇軌道が続くとは考えにくい。その
理由の一つは需給面の懸念だ。

現在の相場活況は、郵政グループ3社の大幅上昇に牽引されている面が強いが、その郵政
グループ3社の上昇の背景には、空売り不在の特殊事情がある。

郵政グループ3社の株式は、上場時の規制により17日まで個人の信用の空売りはできない。
さらにヘッジファンドなどによる空売りも、玉の不在(貸し株が潤沢に市場に出回るまで
に時間がかかる)でままならないという状況にある。

従って、郵政グループ3社の上昇は、空売り不在のいわば真空地帯を駆け上がったような
もの。今後空売りが次第に入り始めれば、株価沈静化は避けられない。

もう一つの需給面の懸念はヘッジファンドの解約売りが今後本格化しそうなことだ。通常
であれば11月初めは、ヘッジファンドの12月末決算の解約対策売りが出てくる時期にも
かかわらず、今のところあまり出てきてない。

従来は遅ければ遅いほど安いところで売る(ババをつかむ)ことになるということで、
前倒しで出ていた解約対策売りが、最近は開始が遅れぎみだ。ぎりぎりまで株価を押し
上げ、収益をできる限り確保してから売りに転じることが増えている。

しかし11月半ば以降はさすがに益出しの動きが本格化してくると見られる。12月末は
年間で最もヘッジファンドの決算が集中する時期なので、相場全体の動きに少なからず
影響を与えそうだ。

二つ目の懸念は、決算発表により下期以降の業績不透明感が強まっていることだ。これまで
の発表された決算内容を見ると、上期は好調だが下期から来年度に向けた見通しには不安
材料を抱える企業が増えている。中国経済の落ち込みや、米景気の頭打ち懸念が影を
落としている。

中間決算発表は後半戦に入っているが、日経平均の予想一株利益は1240円程度、決算
シーズン前とほぼ同じ。期待されていたような利益予想の上積みとはなってない。これで
は相場がさらに駆け上がっていくのは無理だろう。

今週は郵政グループ3社の上場の余韻が残り、さらに先週末のシカゴ日経平均先物が
19500円ちょうどで帰ってきているので、週初は1万9500円越えの堅調な動きが
期待できそうだ。

しかし、戻りもそろそろいい水準まできた感じだ。週後半は上昇も一服し、来週以降は
反落に転じる可能性が高いと見る。



        *     *     *

<今週の参考銘柄> 
      
     お休み


<経済の動き>

◆新たに見つかった杭打ちデータの改ざんは、全体の約1割

『旭化成建材(東京・千代田)が過去10年間に施工した杭(くい)打ち工事のうち、
約1割にあたる300件前後でデータ改ざんの疑いがあることが分かり、同社への不信感
が高まった。関与した担当者は10人以上とみられ、改ざんが常態化していたとの批判は
避けられない』

(解説)
やはり杭打ちデータの改ざんは他のマンションでも発見された。約3000件調査して
300件前後ということなので約1割に上る。関与した担当者も10人以上に上り、
特定の担当者だけがやったことではないことが分かった。

問題は同社だけにとどまらないとの指摘もあることから、国交省は他社の施工分の調査も
検討しており、まだまだ問題は広がりそうだ。


◆独フォルクスワーゲンの支援を中国工商銀行に依頼

『独フォルクスワーゲン(VW)中国法人は29日、中国の国有銀行大手、中国工商銀行
と「長期戦略提携」に関する覚書を結んだと発表した。メルケル独首相の訪中にあわせて
合意した。工商銀行が世界中でVWグループに営業・運転資金を供給する。中独首脳が
合意した経済協力の一環だ』

(解説)
独フォルクスワーゲンの排ガス不正問題でかなり窮地に陥っているようだ。資金繰りが
ショートするような最悪の事態も想定され始めたことから、メルケル首相は中国工商銀行
に支援を要請した。

本来だとドイツ銀行が面倒を見る立場だが、ドイツ銀行が投資部門の収益悪化などから
業績が低迷(第3四半期大幅赤字)しているため、急遽中国に頼まざるを得なかった
ようだ。

◆まだ伸びる、中国の電子商取引

『中国の電子商取引(EC)最大手、アリババ集団(浙江省)が27日発表した2015年
7〜9月期決算は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比47%増の63億9500万元
(約1200億円)だった。スマートフォン(スマホ)経由のネット通販が好調だった』

(解説)
中国の電子商取引の伸びが止まらない。今年度は50兆円近い規模になろうとしている。
米国の30兆円強、日本の約7兆円に比べてその巨大さがわかる。

これはリアルの実店舗が国内全土に行き渡る前に、通販の方が盛んになったという中国
市場特有の側面がある。まだしばらくは伸びが続きそうだ。

    *     *     *

<株式投資のセオリー>

第505回 決算は好調にもかかわらず株価が反応しない建設株

半期末決算の発表がたけなわだ。今のところ期首予想を上回る良好な決算が多いが、その
中でも建設株の大幅増額修正振りが目立つ。

大林組や戸田建設に始まり、西松建設、鹿島建設、前田建設、淺沼組など規模の大小に
かかわらず大幅に期初予想を増額している。中には上期決算では過去最高を更新する
ところもあるほどだ。

しかし、株価は思ったほど上昇してない。当初発表組の大林組や戸田建設は大幅高となった
が、その後の建設株は決算発表(事前発表も含む)にほとんど反応してない。西松建設や
前田建設などは発表後逆に下げている。

株価が反応しないのは横浜のマンションデータ偽装問題が影を落としている面もある
ようだが、それだけではなさそうだ。株価が上昇しないのはどうしてだろうか。

この理由のひとつは既に建設株の業績好調は、かなり株価に織り込まれていたためと
見られる。事前に高値を付ける時点で、PER20倍〜30倍まで買われる銘柄も多かった。
そのため、大幅増額修正してもPERにそれほど割安感が見られない。

大きく上げた大林組や戸田建設でも、前の高値付近までの上昇で精一杯で、チャートの
形は2番天井の形。つまり前の高値を再確認するに終わっている。

二つ目の理由は、収益向上の理由が売り上げの拡大に伴うものではなく、採算向上の面が
大きいことが上げられる。人手不足による工事進捗の遅延や労務費の上昇などが、当初
懸念されたほどでなく、さらに資材安などが加わり採算が大幅に向上した。

しかし、引き続きこのような採算向上が見込めるかというと疑問が残る。収益が改善した
項目を見る限り、これ以上の採算改善には限界があるからだ。やはり売り上げが拡大が
ともなわないと今後の収益拡大は見込めない。

ところが、効率的な人材配置などにより一時より改善したとはいえ慢性的な人手不足は
解消してない。各社とも、大幅売り上げ増は見込みにくい状況にある。株価が好業績にも
反応しにくいのは、今後収益頭打ち懸念があるからと見られる。

三つ目の理由は、相場が下降相場入りしているためと見られる。相場全体に上昇力があれば、
好業績に素直に反応する動きが期待できるが、下降相場に入ると物色範囲は限られ、上昇力
も弱くなる。

直近の戻り相場は、大きく下げた銘柄の自律反発的な動きの性格が強い。新値を取っていく
ような勢いのある業種群は見られない。戻っても以前の高値付近が精一杯である。相場の
エネルギー不足が株価押し上げる力を削いでいる。

今後も、建設株の好業績発表は続きそうだが、以上のような理由から、大幅上昇は期待しに
くいと見た方がよさそうだ。

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創刊日:2005-04-12  
最終発行日:  
発行周期:週間  
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