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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(10/26)

2015/10/26

もくじ
<相場見通し>

     ・週末の日銀政策決定会合の結果如何で大きな波乱も

<今週の参考銘柄>

       お休み
                   
<経済の動き>     
     ・好調な受注続く電子部品大手
     ・新興国からの資本流出超は27年ぶり
     ・陰りは見られない訪日観光客消費
                                
<株式投資のセオリー>
     
    第503回 追加緩和は必要なのか?
                                                         
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★
<相場見通し>

◆週末の日銀政策決定会合の結果如何で大きな波乱も

先週は週後半上昇に勢いがつき、日経平均は1万9000円台に迫る水準まで上げてきた。
先週末のシカゴ日経平均先物が1万9100円台で終わっているので、今週はさらに上昇し、
1万9000円台に乗せて始まりそうだ。

上値追いの強い展開となっている理由としては以下の3点が上げられよう。

一つは米利上げ年内実施見送りの見方が強まり、米株式市場が堅調な動きになっていること。
年内利上げが遠のいたのとの見方が強まったのは、米FEDの事実上の盟主であるダッドリー
NY連銀総裁の発言が伝えられたからだ。

同氏は先月までは「年内利上げの可能性は否定できない」と繰り返し語っていたのが、
10月15日のシンポジウムで、質問に答える形で「米国を取り巻く環境はここ数ケ月で
劇的に変わった。年内利上げは非常に困難となり、利上げは来年以降に持ち越される可能性
が高まった」と発言内容を大幅に転換している。

見方を変えた理由としてあげているのは、金融市場の混乱(先進国で進む信用収縮など)、
原油価格の低迷、世界各国の金融政策の不均衡、米労働市場の不均衡な改善などだ。この発言
を受けてNY市場は堅調な戻りに転じている。

二つ目は日銀への追加緩和期待が高まっていること。米国の年内利上げ見送りの動きや、
ECBドラギ総裁の緩和強化発言からみれば、日本でも緩和期待が高まっておかしくはない。

最近の外国人投資家動きを見ると、既に実施は既定路線となり、「どの程度の緩和規模拡大
になるのか、ETF購入幅の拡大はどの程度までするのか?」といった内容の方に関心は
移っているほどだ。

これら緩和実施を見越してマクロ型やマクロストラテジー型ヘッジファンドが大量に日本株
買いに動いている形跡が見られ、「日銀追加緩和期待」の仮需が日本株をかなり押し上げて
いる。

三つ目はCTAなどの短期投機型ヘッジファンド勢(指数売買中心)が買いのサイクルに
入っていること。これらのヘッジファンド勢は1.5ケ月程度をワンサイクルにして売りと
買いのポジションを交互に積み上げており、11月初めまでは買いサイクル期間にあたる。

以上のような理由から先物主導で株価は上げているが、懸念されるのは政府・日銀に追加
緩和実施の動きが見られないこと。先月末の株価急落で、一時政府内には株価対策として
追加緩和の機運が高まったが、その後の株価回復により動きは沈静化している。

今後の株価の動きや、26日の米FОMC後のアナウンスの内容にもよるが、今のところ
追加緩和見送りが優勢な情勢だ。

上述したように相場は追加緩和を織り込んでいるので、もし日銀が30日、足元のインフレ率
の堅調な推移や日本株の堅調な戻りを理由に追加緩和を見送った場合は、短期投機勢を中心
とした反対売買による株価指数の反動下落は避けられなくなる。

従って今週は追加緩和期待で1万9000円前後をキープするにしても、週末の日銀の
政策決定会合の結果如何では大きな波乱も考えられる。

        *     *     *

<今週の参考銘柄> 
      
     お休み


<経済の動き>

◆好調な受注続く電子部品大手

『電子部品大手の好調な受注が続いている。村田製作所やTDKなど大手6社の2015年
7〜9月期の受注総額は前年同期比14%増の約1兆4500億円と、四半期で過去最高と
なったようだ。米アップルのスマートフォン(スマホ)の新機種向けがけん引した』

(解説)
中国市場の減速など市場環境には不透明感が強まっているが、電子部品大手は品質の良さを
背景に受注を伸ばしている。特にスマホが高機能化すればするほど日本の電子部品会社の
優位性は高まるようだ。この傾向は今後も続きそうで、各社は積極投資で需要を取り込む
構えだ。


◆新興国からの資本流出超は27年ぶり

『新興国の高い経済成長をテコにしたマネーの吸引力に陰りが見えてきた。ほぼ四半世紀ぶり
に新興国からの資本の流出額が流入額を上回る見通しとなった。海外マネーを引き付けてきた
資源や工業品の輸出で稼ぐ成長モデルが行き詰まりつつある。1990年代後半の通貨危機時
に比べ外貨準備は厚く、突発的な資金逃避のリスクは低いが、新興国の減速が世界経済に影を
落とす』

(解説)
今回の資金流出が、90年代後半に見られたような、直ちに深刻な通貨危機をもたらすという
可能性は低そうだ。当時に比べて外貨準備がかなり潤沢に(主要30ケ国で当時の11倍)
あるからだ。

個別の動きを見ると、流出金額で多いのは何といっても中国で、約50兆円(15年通期予想)
も流出している。外国企業の資金引き上げに加え、国内企業の海外投資や個人の資産流出が
増えているものと見られる。

2番目はサウジアラビア(約9兆円)で、以下韓国(約8兆円)、ロシア(約6兆円)
マレーシア(約4兆円)、タイ(約3兆円)と続く。

一方数は少ないが流入額の多い国もある。1位はブラジル(約8兆円、オリンピック需要?)、
以下インド(約5兆円)、トルコ(3兆円)、インドネシア(1兆円)、南アフリカ(約1兆円)
など。


◆陰りは見られない訪日観光客消費

『訪日外国人による消費が力強さを増している。観光庁が21日発表した7〜9月の消費額は
前年同期比82%増の1兆9億円となり、四半期として初めて1兆円の大台にのった。訪日客
が534万人と最高を更新し、1人当たり支出も前年同期比18%増えた。円安や免税品の
拡大を背景に通年の消費は3兆円を超える勢いだが、中国景気の減速でどこまで持続するかは
不透明だ』 

(解説)
訪日外国人で消費額が多いのは圧倒的に爆買いする中国人だ。消費額全体の約半分近くを
占める。元の切り下げや、株安、中国の景気減速などが逆風となり、これが減少するのでは
という懸念が出ているがそれはあまり心配しなくてもいいようだ。

なぜなら、ひとつは訪日観光客の潜在需要がまだまだ大きいからだ。訪日観光客数は現状の
年300万人超から、4〜5年で1000万にまで規模に膨らむと見られている。

また、日本での消費の中心はぜいたく品ではなく日用品ということも影響している。香港など
はぜいたく品(ブランド物)の購入が多いため、景気減速や株安の影響が出ているようだが、
それが日本では少ない。

一人当たりの購入額(現在約28万円)はやや減少したとしても、訪日客数の増加で今後も
爆買い消費は伸びそうだ。

    *     *     *

<株式投資のセオリー>

第503回 追加緩和は必要なのか?

日銀の追加緩和が10月30日に実施されるのではないかという期待が市場に高まっている。
過去の例を見ても10月は日銀が追加緩和に動く時。リーマンショック(08年)以降の
7年のうち、09年と13年を除いて実に5回も日銀は10月に追加緩和を行っている。

今回も期待が高まっているのは以下のような理由からだ。

1、経済・物価見通しの引き下げから、新たな金融対策が必要となっている

日銀は30日に発表する「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で平成28年度の物価
見通しを引き下げる方向で、「28年度前半ごろに2%」という物価目標達成がほぼ不可能
となる。

そのため、これまで実施してきた大規模金融緩和への信頼感を維持しようとすれば、何ら
かの政策調整は避けられないという見方が強まっている。

2、低迷している株式市場へのテコ入れ策が必要となっている

8月以降株式市場は調整に入っており、一時1万7000円割れの水準まで大きく下落した。
低迷状態が続くと、企業マインドの低下から景気回復に水を差すことになりかねないので、
何らかの株価対策が必要となる。

昨年の追加緩和発表で株価が暴騰したことから、追加緩和は株式市場にとって大きな援護射撃
になるとの考えが背景にある。

上記2つの理由のうち、2番目の株価対策は、このところ株価は戻り歩調で、既に
1万8000円台後半まで戻してきているため、必要性はかなり後退している。

そうなると追加緩和を実施するのは、上記1の理由ということになるが、果たしてその効果は
期待できるのだろうか。

もちろん実施する具体的政策にもよるが、選択の余地は限られており、今考えられているのは
国債の買い増し(年80兆円→90兆円)やETF買い枠の拡大(3兆円→5〜6兆円)
ぐらいなもの。

これでは新味がなく、しかも政策効果の限界が見えたものばかりで、それを少しお色直しした
だけで大きな成果は期待できない。

そもそも金融緩和はアベノミクスの3本の矢の一つとして実施されたが、実施後2年半経ち、
効果の賞味期限はもう過ぎている。本来なら金融緩和の効果が出ている局面(円安進行時等)
で、同じ3本の矢の一つである成長戦略でそのあとを引き継ぐべきだった。

ところが成長戦略にこれといったものが出てこなかったため、既に効果が薄れているにも
かかわらず、金融緩和だけが引き続き責任を負わされている感じだ。

日銀は今回の一連の金融緩和策で、実質「財政ファイナンス」(政府の赤字補てん資金の供給)
に該当する国債購入や株式(ETF)買いという、中央銀行としての禁じ手に乗り出して
しまった。

本来は緊急避難策(でも許されないが)であるべきこれらのものが常態化し、しかもさらなる
追加要求される現在の状況に、日銀としては忸怩たる思いがあるに違いない。

今回株価急落時に受けた政府から追加金融緩和要請に対して、日銀が強く抵抗したことに
それが現れている。しかも今回実施すればこれが最後で次がない。

こう見てくると今回の追加緩和に必要性は感じられないし、日銀としてもできれば避けたい
だろう。精々相場材料として利用されるだけだからだ。しかも実施されたら、内容の乏しさ
から市場で失望を買いそうなので、効果は実施前の期待感がある時だけである。

現状は金緩和期待相場の動きとなっているが、背景には以上のような側面があることに留意
しておく必要がある。

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創刊日:2005-04-12  
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