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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点

2015/10/19

もくじ
<相場見通し>

     ・見送り気分強まり、しばらくはショートレンジでのもみ合い

<今週の参考銘柄>

       前田建設
                   
<経済の動き>     
     ・評価が散々な新3本の矢
     ・大勢に影響なし、TPP合意
     ・イラク・シリア化するトルコ情勢
                                
<株式投資のセオリー>
     
    第502回 過去の常識が通用しない高水準の空売り比率
                                                          
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★
<相場見通し>

◆見送り気分強まり、しばらくはショートレンジでのもみ合い

先週は、週前半は今後の企業収益に対する懸念の強まりから日経平均が1万8000円台
を割り込む動きとなったが、週後半は、月末の日銀による追加緩和期待から買い直され、
1万8000円台を回復して終わっている。

ただ、これ以上さらに上値を追う勢いはなさそうだ。米国では既に9月末の決算発表が
始まっているが、業績見通しを引き下げる企業が増えNY市場が軟調な動きになっている
ことに加え、今後本格化する日本企業の決算に対する警戒感が強まっているからだ。

今週後半から主要企業の決算が始まるので、様子見気分がさらに強まり、1万8000円台
前半でのもみ合いがしばらく続くと見られる。

焦点は、月末にも予想される日銀の追加緩和後どう動くかだ(月末がなければ11月入って
からとなろう)。前回も申し上げたが、今回の追加緩和は、前回(昨年10月30日)の
予想外の追加緩和と違って、期待感が強まっている中での実施でサプライズは期待できない。

しかも内容は前回に比べてはるかに貧弱となりそうなので、市場へのインパクトはかなり
弱くなりそうである。かえって失望感の方が強くなる可能性すらありえる。従って、一旦は
敬意を表して上げるとしても、上昇は短命に終わる可能性が高い。

折しも11月4日は郵政3機関の上場日だ。それまでは市場にお祭り気分が広がり、強含み
の動きが期待できそうだが、その賑わいのあとは軟調な動きに転じる可能性が高い。11月
初旬は、ヘッジファンドの12月末決算対策売りが膨らむ時期であることも影響しよう。

全般が小動きとなる中、ここしばらくは好決算発表企業や好決算期待銘柄の物色が幕間を
繋ぎそうだ。主力の輸出関連は、中国の景気減速や米国の景気回復鈍化を受けて決算は
あまり期待できそうもない。

注目は内需関連だ。中でも大幅増額修正を発表する企業が散見される建設関連に期待が
集まる。先週大林組、戸田建設などで、上半期が事前見通しを大幅に上回る数字になり
そうとの観測記事が発表されている。

建設関連は、9月末の1万6000円台への相場急落時も、比較的押しが小さく値持ちが
よかった銘柄群だったこともあり、今後さらに増額修正企業が増えてくれば、人気が高まる
可能性がありそうだ。

4−6月期(第1四半期)の決算が良好だった企業で、大幅下落時に比較的押しの浅かった
ものが狙い目。ただし仕掛けるとしても11月初旬(あるいは当該企業の決算発表日)
ぐらいまでの短期という割り切りが必要。


        *     *     *

<今週の参考銘柄> 
      
    1824 前田建設 910円 
    ※11月初旬(あるいは決算発表)までの短期勝負


<経済の動き>

◆評価が散々な新3本の矢

『新3本矢に対し証券界では厳しい評価が増えている。新3本の矢は「異次元緩和や企業
統治改革という軸を見えにくくした」(JPモルガン・アセット・マネジメントの重見氏)。
金融大手クレディ・スイスは9月末、日本株への「期待値」を下げるよう顧客に伝えた』

(解説)
新3本の矢に対する証券界の評価は散々だ。手段ではなく単に望ましいゴールを示した
だけで、しかもいずれもどう考えても達成不可能なものばかりというのが評価の大勢。

それでも達成のための思い切った奇策でもあれば話は別だが、具体的手段はいまだ見えず、
今のところ「政策総動員して」というばかりである。これまでも「政策総動員して」やって
きてうまくいかなかったわけで、今度はうまくいくといっても説得力はない。


◆大勢に影響なし、TPP合意

『環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉が大筋合意に達した。米国向けの自動車部品に
かかる2・5%が即時撤廃されるが、中国地方の自動車部品メーカーへの影響は軽微に
とどまりそう。一方、輸出入とも関税が引き下げられる品目の多い農業関連では、各地が
競争力向上への取り組みを加速する』

(解説)
TPP大筋合意で関連業界は騒いでいるが、そもそも、成立するかも今のところ不明だ。
各国の国会で承認を受けなければならないが、米国をはじめ難航しそうな国が多いからだ。
3〜5ケ国が、国会で批准されないことになれば、発効はしない。

また個々の内容を見ても、今回の合意で関連産業に大きな影響出てくるとは思えない。
農業関係は輸入自由化されれば打撃を被るといっているが、過去のオレンジにしろサクランボ
にしろ自由化されて打撃を受けた業界はほとんどない。補助金を目当てに騒いでいるだけ
ではないか感じがする。

工業製品の関税撤廃は、米国の関税率の平均は2.5%に過ぎない上に、バイクや車などの
大型のものの撤廃は25年後である。関連業界の恩恵はほとんどないといってもいいくらいだ。


◆イラク・シリア化するトルコ情勢

『中東の新興国トルコが揺れている。総選挙から2カ月が過ぎても次期政権の枠組みが
まとまらず、政府と少数民族クルド人の非合法武装組織、クルド労働者党(PKK)との
和平崩壊を背景にテロ事件が続発するようになった。通貨リラへの売り圧力が強まり経済に
悪影響が出始めた』 

(解説)
トルコ情勢が混乱の度を深めている。一部にはイラク・シリア情勢に似てきたといわれて
いるほどだ。クルド人との抗争に加え、IS(イアスラ国)の影響が拡大し、国内の治安
維持にも不安が出始めた。


    *     *     *

<株式投資のセオリー>

第502回 過去の常識が通用しない高水準の空売り比率

東証の空売り比率が高水準で推移している状況が続いている。空売り比率とは、1日の売り
注文の売買代金の中で、空売りの注文代金が占める割合である。

例えばある日の売り注文全体の金額が100万円あったとすると、うち空売りの注文の金額が
25万円であれば、空売り比率は25%(=25/100)ということになる。

空売りは相場が高くなるにつれて減少し、相場が下落するにつれて増加する傾向があるので、
一般的には、空売り比率が20%を下回ってくればピークアウトし、30%台に乗せてくれば
ボトムアウトするといわれている。

ところが6月以降、30%台以上の高水準で推移することが常態化し、9月にはついに40%
超える日も出てきた。その結果過去のピークも次々に更新される事態になっている。記録更新日
は次の通り。

6月18日 38.3%
8月12日 39.3%
8月19日 39.8%
9月1日  41.1%
9月4日  41.6% 
9月14日 42.4%
9月29日 43.4%

最後の9月29日は、日経平均が1万6901円の直近の安値を付けた日なので、その日は
空売りの面でもセーリング・クライマックス的な売りが入ったと言えそうだ。

10月に入ってからはやや落ち着きを取り戻し、空売り比率は30%台後半に落ち、さらに
直近では30%台前半(先週末は34.7%)にまで下落してきている。それでも過去の水準
と比べると依然高い水準といえる。

このように空売り比率が高い状態が続いているのは、一つには相場が強弱観が交錯する不安定
な地合いになっていることが上げられる。中国の減速など世界景気への懸念が大きくなり、
今年前半のような先高観が薄れている。

もう一つは日経平均などの指数売買の拡大だ。特にNF日経レバレッジETFが人気を集め、
連日売買代金のダントツでトップ(先週末は2位トヨタの売買代金の2倍以上の1623億円)
となる状態が続いている。

これは相場が、外国人投資家(特に短期投機型ヘッジファンド)が盛んに売買している先物の
主導で動く傾向が強くなり、個別株の動きに相対的に魅力がなくなっていることが背景にあり
そうだ。

NF日経レバレッジETFは日経平均の変動幅の2倍の動きをするように設計されている商品
なので、特にデイトレなど短期投資指向の個人投資家に人気を集めている。

従って、この指数売買では、売りも買いも信用取引で売買されることが多く、しかも売買の
回転も速いので、その結果空売り売買代金はかなり膨らむことになる。

以上のような背景から、空売り比率ではこれまでのような常識的な見方が通用しなくなって
いる。以前より10%程度水準を上げたと見た方がよさそうだ。40%をはるかに超えて
こないと相場のボトム感が出てこない。

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創刊日:2005-04-12  
最終発行日:  
発行周期:週間  
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