投資

投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

全て表示する >

投資の視点(10/5)

2015/10/05

もくじ
<相場見通し>

     ・追加緩和期待からやや強含みの局面

<今週の参考銘柄>

       お休み
                   
<経済の動き>     
     ・7〜9月期のGPIFの運用成績は大幅マイナスに
     ・中国のGDP成長率は5%前後、日経センターが試算
     ・米利上げは新興国に大きなダメージ、IMF報告

                                
<株式投資のセオリー>
     
    第499回 米国株のピークの付け方は、過去のパターンと極似?
                                                          
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★
<相場見通し>

◆追加緩和期待からやや強含みの局面

先週は前半は大きく下げ、日経平均は一時1万7000円を割る場面もあった。しかし
週後半は戻り歩調に転じ、結局週間では155円の下げで終わっている。

1万7000円割れとなった29日に714円もの大幅下げに見舞われたのは、ヘッジ
ファンドの6月末決算の最終日で、解約売りが集中したことが主因と見られる。

既報の通り、6月末は「リスク・パリティー・ファンド」など運用不振に陥ったファンド
が多く、解約売りが膨らんだようだ。それに加え、日本株ファンドが今年全般的に好調
だったことが、日本株売りの規模を大きくしている。

今年のヘッジファンドの商品ごとのパーフォーマンスを見ると、不振なファンドが多い中、
日本株ファンドが軒並み上位を占めており、日本株ファンドは今年の儲け頭の一つ。その
ため、解約原資として利益の出る日本株は、大量に売りの対象となったようだ。

世界的に6月末にかけて軟調な市場が多かったが、その中でも日本株の下げが特に大き
かったのはこのためだ。しかし、一時的な需給悪化で急落したものなので、その後の反発
は大きくなった。

ただ、このところの日本株の下げに対しては、政府内にかなり危機意識が広がり、先週
から政府内では株価対策会議が頻繁に開かれている。

背景には、安倍内閣の支持率の低下がある。安全保障問題に加えて、株価急落は安倍政権
にとってはかなりの痛手。政府内では、これまで1万8000円を防御ラインと見ていた
ようだが、それを簡単に割ってきため、急きょ株価対策が必要と意識され始めている
ようだ。

その株価対策の目玉は日銀による追加緩和。6月25日に安倍首相と黒田日銀総裁が首相
官邸で会談したのは、それがテーマだったと見て間違いない。昨年10月30日の追加
緩和でも、その前の9月11日に2人は会談している。

問題は実施時期だ。今のところ政府筋から流れてくる情報を見ると、今週7日の日銀
政策決定会合後は可能性が低く、10月30日が実施される可能性が五分五分、11月
実施の可能性は非常に高いという感じだ。

いずれにしても11月までには追加金融緩和は実施されそうだが、今回の中身はあまり
期待できない。なぜならこれ以上の緩和対策の余地は限られているからだ。

せいぜい国債購入規模を現在の年80兆円から10兆円程度増やすとか、日銀のETF
買い枠を3兆円から5〜6兆円に増やす程度と見られる。本来なら、国債購入規模を
20〜30兆円増やしたいところだが、市場には購入する玉が不足しているため難しい。

これでは市場へのインパクトは限られる。第1次や第2次に比べると大違いだろう。
しかし、実施発表までは期待感から、株価維持の効果は十分見込まれそうだ。当面は
追加緩和期待から1万8000円程度までの回復は見込めそうだ。

ただ、実際に発表された後は、実施される内容が予想通りにとどまるならば、株価上昇
は限られそうだ。場合によっては材料出尽くし感から軟調な動きとなる可能性もある。

今後米国をはじめ海外市場の一段の下落の可能性も指摘されており(下記「株式投資の
セオリー」参照)、相場環境は必ずしも良くない。この戻りでは静観が賢明で、持ち株
の処分を優先するところ。

        *     *     *

<今週の参考銘柄> 
      
     お休み


<経済の動き>

◆7〜9月期のGPIFの運用成績は大幅マイナスに

『約140兆円の公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、
7〜9月期の運用成績がマイナスになったもようだ。世界的な株安が響いた。野村証券
の試算によると、GPIFの7〜9月期の運用損は9・4兆円だった。内訳は海外株の
運用損が4・3兆円で、国内株は同5・1兆円。この間、日経平均株価は14%下落
した』

(解説)
今回の運用成績には運用資産見直しの影響が大きく出ている。株式などのリスク資産の
比率が高まっているため、運用成績のブレが大きくなっている。4〜6月の運用成績が
プラス2.6兆円だったので、今年度の運用成績は7兆円弱のマイナスに沈んだことに
なる。

政府が今検討している株価対策には、このGPIFの運用成績の急悪化も念頭にある
ようだ。


◆中国のGDP成長率は5%前後、日経センターが試算

『日本経済研究センターは今年4〜6月の中国の実質国内総生産(GDP)成長率が、
中国政府の発表を大幅に下回る5%前後にとどまっていた可能性が高いとの試算結果を
まとめた。7%成長を保ったとする習近平指導部の主張とは、食い違う内容になって
いる』 

(解説)
以前から中国経済の指標は疑いの目で見られていたが、今回の試算である程度明らかに
なったと見られる。ただ、現在の中国の状況を見ていると、5%でも少し高すぎる
のではないかという感じもする。

今後も中国経済の減速は続きそうだ。もしテコ入れを図るとしたら為替をフロート制
にして引き下げることだろう。元安が進めば、輸出競争力が回復し、投資の回復にも
つながる

◆米利上げは新興国に大きなダメージ、IMF報告

『国際通貨基金(IMF)は29日発表した世界金融安定報告で、主要な新興国の
企業が抱える借金は2014年時点で約18兆ドル(2150兆円)になり、10年前
の4・5倍に急増したことを明らかにした。米国が利上げに踏み切り、金融市場の状況
が一変すれば、返済できなくなる恐れがあると警告した』

(解説)
今回のIMFの報告で、米国の金利引き上げは、新興国にかなり大きなダメージを
与えそうなことがわかってきた。もし、実際に利上げが実施されれば、行き詰まる国も
出てきそうな気配だ。

先ほど開かれたG20では、各国から米国の利上げに対してかなりけん制する発言が
見られただが、その背景にはこのような実情がある。

    *     *     *

<株式投資のセオリー>

第499回 米国株のピークの付け方は、過去のパターンと極似?

NYダウは5月22日に18,351ドルのピークを付けて下落に転じているが、その
ピークの付け方は過去のケースと全く同じであるとの、非常に興味深い分析があるので
ご紹介したい。

それは信用買残高が相場のスタートラインから2.7倍に達した時点で、株価はピーク
を打つというもの。

今回の動きで見ると、NYダウは2009年5月から株価上昇が始まっているが、
スタート時点の信用買残は88,140百万ドル。それが今年の株価ピークに近い
5月30日に約2.7倍の237,625百万ドルの買残のピークをつけている。

同様のパターンは過去の株価ピーク時にもみられる。直近2回の米相場のピーク、
すなわち2000年3月のITバブル相場のピーク、2007年7月のリ−マンショック
前のピークも、何れも信用残がほぼ2.7倍になったところが株価のピークとなっている。

従って今回も5月高値がこれまでの上昇相場のピークとなれば、3回連続で同じパターン
が続くことになる。

似たようなケースは他国でもみられる。例えば最近の中国の動きだ。中国は信用取引の
規制を解除したばかりだが、今年6月の株価ピークを付けた時点の信用買残高は、
2014年11月の信用取引規制解除時の信用買残高の約2.99倍にまで達していた。

中国以外にも、英国など他の先進国でも同じようなケースが見られるという(残念ながら
資料が十分でなく、これら国の状況はまだ確認できてない。また、日本は唯一先進国で
このパターンにあてはまらない市場だといわれている)。

ファンダメンタルズ(景気、企業収益、金利等)とはまったく関係ないところで、「相場
転換を示す重要なサイン」が出ているというのはやや意外な感じもするが、市場内部要因
が相場の危険度を示してくれることはよくあること。

おそらくこのことは、仮需(信用残)の増大に支えられて相場は上昇していくものだが、
仮需が過度に膨らみすぎると最後は破裂し、相場は終焉を迎える、ということを示して
いるものと見られる。その限界点がスタート時点から2.7倍前後なのだろう。

この2.7倍が限界点となっているのは、信用取引の倍率(一般的に証拠金の3倍まで
取引可能)が関係しているように思われる。

2.7倍まで信用残が膨らんでいるということは、信用取引している投資家の多くが、
ほぼ限界近くまで持ち高を膨らませたパンパンの状態になっていることを意味している。

剣ヶ峰で踏ん張っているような状態なので、相場が少しでも停滞したり、悪材料が出て
くればどっと売りが出て、相場の崩壊につながるというわけだ。

さらに米国の過去2回のピーク時を見ると、ピークを付けたあとの下げ局面でも、信用残
や株価の動きに同じような動きが見られる。

特徴的な点を挙げると、信用買残も株価もピークから10%程度減少した時点で一旦揉み
合い状態になることだ。その揉み合いは1〜2ケ月程度続き、その後2段目(最後の)
の大きな下げに入る。2段目の下げの期間は8〜9ケ月で、株価の下げ幅は20%程度。

今回も同じような動きになるとするならば、米国の信用残は直近で10%近くまで減少
してきているので、しばらくはもみ合い状態となりそうだ。そして11月ぐらいから
2段目の大きな下げに入り、下げは来年の6月〜7月まで続くということになる。

2段目の下げの下落幅は20%程度なので、現在のNYダウの水準から見ると、大底は
13000ドル付近ということになる。

実際の株価がこのような動きとなるかどうかはわからない。ただ、最近著名なファンド
マネージャーであるジム・ロジャースが「11月にも世界の株価は暴落する」と発言して
いるが、それと符合する。

また、今回紹介した相場分析の情報は既にヘッジファンドや、機関投資家にも広まって
いるので、少なくとも、彼らはこれをかなり意識した投資行動をとってくる可能性はあり
そうだ。

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2005-04-12  
最終発行日:  
発行周期:週間  
Score!: 非表示   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。