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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(8/17)

2015/08/17

もくじ
<相場見通し>

     ・高値揉み合い続く

<今週の参考銘柄>

       奥村組
                   
<経済の動き>     
     ・低迷する台湾株
     ・耕作放棄地への課税強化の動き
     ・業績好調なタイヤ業界

                                
<株式投資のセオリー>
     
    第492回 人民元ショックの背景
                                                          

★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★
<相場見通し>

◆高値揉み合い続く

先週は11日、日経平均が年初来高値1万952円に迫る場面もあったが、中国が突如元
の切り下げを発表したため急落し、週末にかけてやや戻したが、結局週間では205円安
で引けている。

人民元の切り下げの混乱はとりあえず収束したように見えるが、下記「株式投資のセオリー」
で触れているように、切り下げの意図がフロート制への移行であれば、中国政府の人民元安
誘導はまだ道半ばの可能性が高い。

今後中国観光客の爆買いや、東南アジアなど周辺諸国経済(中国の輸出増による国内企業の
売り上げ減)への影響が懸念される。インバウンド景気を謳歌してきたサービス・消費関連
や、東南アジアでの販路を拡大してきた企業は少なからず影響が出てきそうだ。

ただ、人民元切り下げは中国の輸出競争力の回復をもたらすことにもなり、中国経済に
とってはプラス。中国に生産拠点を持つ日系企業にとっても採算改善につながり、悪い話
ばかりではない。

今後も中国政府による断続的に人民元切り下げの動きが出てきても、株式市場全体への影響
はそれほどでもあるまい。

先週までは夏枯れと決算発表で見送り気分が強かったが、お盆休みも終了し、決算発表も
一段落したことから、今週から市場参加者も次第に増えてきそうだ。

全体の流れは引き続き高値揉みあいと見ているが、ここからは決算内容の良かった企業へ
の個別物色が強まると予想される。

好決算発表した企業はとりあえず買われているが、第一四半期好調でも、通期見通しを変更
してない企業も結構多い。これらの中で、通期見通しが増額されそうな企業は再度買われて
こよう。

その点で注目されるのが、今週から本格的に始まる、「会社四季報」による企業業績の
見直し結果だ。ここで、四季報サイドが予想した増額が期待できそうな銘柄が明らかに
なってくる。

今後3週間程度に渡って、会社四季報オンライン(有料)で順次発表される「業績予想更新
銘柄」が要注目だ。

決算発表後たいして上げてない銘柄や、一旦上げたが調整に入りし、押し目を作っている銘柄
が狙い目となる。

業種的には外需関連は不透明感が強いとみられるので、内需関連の方がよさそうだ。中でも
業績伸長が顕著な建設関連に注目。

        *     *     *

<今週の参考銘柄> 
      
     1833 奥村組 680円


<経済の動き>

◆低迷する台湾株

『台湾株が軟調だ。代表的な株価指数である加権指数は前週に年初来安値を更新し、昨年
2月以来の安値圏に沈む。最大の貿易相手である中国の景気減速懸念で主力のIT
(情報技術)輸出に黄信号がともり、関連企業の株が売られている』 

(解説)
台湾株の下落が著しい。これは台湾経済が中国と密接に絡み合っていることから、中国
経済の景気減速の影響を諸に受けているためだ。台湾が強い競争力を持つIT関連の需要
が中国向けが多いのも響いている。

中国政府のテコ入れにも関わらず、中国経済の景気減速は簡単には止まらない様相なので、
台湾株の低迷は長引きそうだ。


◆耕作放棄地への課税強化の動き

『政府が検討している耕作放棄地への課税強化策が明らかになった。放棄地を対象とした
新たな税金を導入し、耕作の見込みがない持ち主に手放すよう促す。固定資産税の安さ
から持ち主が農地を抱え込み、集約や大規模化を阻んできた』

(解説)
放棄地が放置されたままとなっているのは、農地の税率が安い(10R当たり千円)ため
だ。放棄地の割合は既に農地全体の10%を超えてきている。

国も放棄地に対しては、これまでも農地適用を解除するなど課税強化することはいくら
でもできたはずだが、農民への配慮(?)からやってこなかった。財政が危機的状況に
なっていることもあり、やっと重い腰を上げたようだ。


◆業績好調なタイヤ業界

『ブリヂストンが7日に発表した2015年1〜6月期連結決算は、純利益が前年同期比
2%増の1446億円となり、上半期として3年連続で最高を更新した。自動車生産が
堅調な北米でタイヤ販売が伸び、天然ゴムや原油などタイヤの原材料価格の下落がプラスと
なった。下期も原料安が続くとして15年12月期の純利益予想を小幅に上方修正した』

(解説)
タイヤ各社の業績が好調で、軒並み過去最高を更新する勢いだ。原料安の恩恵を被っている
こともあるが、ブリジストンが世界NO1となるなど、日本製品に対する高い評価が背景に
ある。


    *     *     *

<株式投資のセオリー>

第492回 人民元ショックの背景

中国は11日突如、人民元の基準値の切り下げを発表し、しかもそれが3日間続いたため、
人民元の基準値は対ドルで4.5%も大幅に切り下げられた。

中国政府は、今回の変更を、無理に高めに保ってきた人民元相場を、市場の実態に近づける
ためと説明しているが、中国経済は想定以上に深刻なのではとの見方が広がり、日本市場
では中国関連株に幅広く売りが広がった。

確かに、中国経済は減速の動きが止まらず、対外輸出競争力の回復を狙った通貨切り下げの
面もあると見られるが、この時期に人民元を切り下げたのには他の要素が大きく働いた
ようだ。

それはIMFのSDR(特別引き出し権)の見直しで人民元の採用が1年先送りされたこと。
8月3日に公表されたSDRに関するIMFの内部レビューでそれが明らかにされている。

SDRの見直しは5年に1回行われ、今年9月がその時期に当たっていた。中国はドル、
ユーロ、円、ポンドに次ぐ第5のSDR構成通貨として人民元の採用をこれまで強く働き
かけていた。

人民元のSDR構成通貨への採用は、中国の国家戦略の一つとして設立を進めているAIIB
(アジアインフラ投資銀行)の勢力を決定づける点で大きな意味を持つことから、中国に
とっては悲願の一つ。これが見送られたことで中国政府首脳部には激震が走ったと見られる。

折しも8月初めに開かれていた中国首脳部が集まる北載河会議(現幹部、OBを含めた年1度
の非常に重要な意思決定会議)で、急遽人民元レートの見直し(フロート化)の指示が出た
ようだ。

人民元をフロート化するのは、IMFが採用見送りとした理由として「ボラティリティー
(変動率)が低すぎる」ことを上げているためだ。

元の動きを見ると、これまで人民元は米ドルとともに上昇しており、ドルとの穏やかな
ペッグ(連動)を保ってきている。「これが完全に自由な通貨とは言えない」という見方に
つながっている。

このような背景からフロート化が進められるとすれば、「人民元の切り下げ騒動は峠を越えた」
という市場の見方は甘すぎると言わざるを得ない。「人民元の適正水準はまだ10%以上低い」
との見方が有力だからだ。

今後も断続的に、人民元切り下げのオペレーションが繰り返される可能性が高いと見ておく
べきだろう。

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創刊日:2005-04-12  
最終発行日:  
発行周期:週間  
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