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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(3/30)

2015/03/30

もくじ
<相場見通し>

     ・調整期入りから、しばらく軟調な動き

<今週の参考銘柄>

       キトー
                   
<経済の動き>     
     ・今度はお花見に押し寄せる中国訪日観光客
     ・米国への直接投資額1位は日本
     ・中国の思惑通り進むアジアインフラ投資銀行

                                
<株式投資のセオリー>
     
    第476回 相変わらず理解不足が目立つ信用取組の見方
                                                                   
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★
<相場見通し>

◆調整期入りから、しばらく軟調な動き

実質的に新年度相場入りした先週金曜日は大荒れの展開となった。期末配当落ち分は
112円予想だったが、スタートから堅調な動きで始まり、寄りつき後まもなくプラス圏
に突入、10時過ぎには一時119円高まで上昇した。

前場段階の市場関係者のコメントを聞くと、配当落ちを簡単に埋める展開を見て一様に
「何という強い展開」と相場の強さを評価する声が聞こえていたが、後場1時過ぎから
急転直下先物に大口の売りが入り急落、一時は1万9099円(372円安)まで下げた。

大引けは安値から190円ほど戻して引けたが、1日の振れ幅は約500円という大きな
ものになった。

先物売りをしかけたのはCTA(商品系ヘッジファンド)中心とした短期ヘッジファンド勢
と見られる。既報の通り、CTAは昨年夏ごろから動きの鈍いコモディティ取引から撤退し、
金融商品(為替、株式、債券)に特化するところが増えている。

売買方法は3ケ月程度のサイクルで売りと買いを交互に仕掛けており、3月初旬からは売り
のタイミングに当たっていた。

この影響からNY市場は3月に入り弱含みの動きに転じ、欧州市場は3月中旬に頭打ちと
なっていたが、ひとり日本市場だけは強い動きを続けていた。

おそらく日本市場の強さを見て、仕掛けるタイミングを慎重に図っていたと見られる。
配当落ちを契機に一気に売りをしかけたようだ。日本企業は増配ラッシュで、配当落ち日
までは好材料が出やすく、買い気が強いと判断したのだろう。

想定されたCTAの売りが中々出てこないので、日本市場に限っては今回売り仕掛けを
あきらめたのか(逆に買いに転じたか)と思われた矢先の売りで、やや意外感が加わり
思わぬ大きな下げたとなった。

市場では下げの要因を中東情勢の緊迫化や、このところ出てくる米景気指標の弱さなどに
求めているが後講釈の域を出ない。

特に中東情勢ではサウジなどの地上軍の派遣の可能性も報じられ、地政学リスクが一気に
高まるとの観測もあったが、当事国は否定しておりそこまで拡大する可能性は低いと
見られる。

紛争当事国となった中東10か国の株式市場の26日(空爆開始日)の動きを見ると、
ほとんど大きな動きがなく、サウジアラビアの株価は逆に0.4%上昇しているところに、
今回の地政学リスクのレベルがみえてくる。

CTAなどが本格的な売りに転じたからにはしばらく調整はやむを得ないだろう。
一時的に1万9000円割れも想定しておく必要がありそうだ。

また、調整が入ると物色の流れが変わるということもよくあること。もう少し様子を見る
必要があるが、これまでの大型主力株中心の相場は一旦後退し、中小型株に流れが移る
可能性も出てきた。

指数売りが大型株の頭を押さえる一方、中小型を好む個人投資家が先々週あたりから
買い越しに転じているからだ。

個人投資家はこれまで逆張り投資主体の動きで、今回の相場上昇時は売り上がってきたが、
売っても売っても上がる相場にしびれを切らし、ついに買いに転じたようだ。

今のところ買いを入れ始めている個人投資家は、ある程度相場慣れした勢力なので、
得意分野である中小型株への志向が強いと見られる。

相場上昇につられて幅広い個人投資家の参加も予想されたが、今回の乱高下を見て警戒感
を強めしばらく市場参加は見合わせるだろう。日経平均が2万円を超えてくるまでは
本格的な参戦は期待しにくい。

従って調整期間は中小型株で幕合いをつなぎ、相場全体が上げ潮に転じると見られる
4月後半以降、再度主力株に物色が戻るというシナリオを頭に入れておきたいところ。

        *     *     *

<今週の参考銘柄> 
      
    6409 キトー 1180円


<経済の動き>

◆今度はお花見に押し寄せる中国訪日観光客

『花見の時期に日本を訪れようという中国人が激増し、在上海日本国総領事館で訪日ビザ
用紙が不足する事態となっている。このような事態になった背景には、中国人観光客から
の「花見シーズンの日本旅行」人気が高まっていることがある。中国のある旅行会社に
よると、日本への花見ツアーは既に5月10日分まで完売しているという』

(解説)
2月の春節の時期に大きく膨らんだ中国人の訪日観光だが、その後も人気は衰えを見せて
ないようだ。今度はお花見。今時日本でお金を落としてくれるのは大変ありがたいことで、
インバウンド消費は引き続き伸びそうだが、国内の桜の名所は、お花見の時期中国語で
騒がしくなりそうだ。


◆米国への直接投資額1位は日本

『2014年の日本から米国への直接投資額は約4兆円に達し、国別では2年連続で
首位となった。2位はスイス、3位はカナダ。日本からはサントリーによるウイスキー
大手のビーム社の買収など、食品関連の大型買収が目立った。米国では緩やかなインフレが
続いていて日本国内より高い収益が期待できることがこうした動きの背景にあるようだ』 

(解説
日本企業が米国投資を拡大している背景には、日本企業の賃金が米企業より17%も
上回っていることから、各州政府が日本企業誘致を積極的に進めているという事情もある
ようだ。

また、日本企業が潤沢な内部留保にものを言わせて、高額なM&Aに走っているという
ことも投資額を膨らませている要因だ。


◆中国の思惑通り進むアジアインフラ投資銀行

『中国が主導して設立するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の参加国が南米や北欧
などにも広がりそうだ。習近平国家主席は28日の演説で、順調に進む創設準備に自信を
示した。』

(解説)
中国がアジアインフラ投資銀行を作る狙いは2つある。ひとつはIMF、世界銀行、
アジア開発銀行など主要な国際的な金融組織が米国や日本などの強い影響下にあるので
楔を打ちたいこと。

もうひとつは中国国内の事情で、中国の不動産バブルの崩壊で大幅余剰となった建機など
のインフラ機械の新たな振り向け先を確保したいことである。

米国と(米国の意をくんだ)日本は参加しないことを表明しているが、欧州勢は第1次
ギリシャ危機の時に中国が欧州を金融支援した経緯があるため参加を表明。また、貿易で
関係が深い豪州、ブラジルなども参加を表明したので、参加国は雪崩を打ったように
増えている。

ここまで来るとみっともないことになるが米国や日本も参加を表明せざるを得ないだろう
(期限は3月末)。ただ、参加してもお金をは出すが発言権はほとんどないという立場に
追い込まれるのは仕方ないだろう。

    *     *     *

<株式投資のセオリー>

第476回 相変わらず理解不足が目立つ信用取組の見方

信用取組に対する新聞・業界紙やテレビなどの説明を見ていると、かなり理解不足が
目立つ。もっというならばきちんと理解している人はほとんどいないと言ってもいいほど
である。

一番の問題点は、ほとんどが信用取組をある一時点だけとらえて評価していることだ。
その時点で買い残の比率が高ければ取組が悪い(従って株価は下げる)、売り残の比率が
高ければ取組がいい(従って株価は上げる)と単純に判断している。

このような見方では実際の売買ではほとんど役に立たないだろう。買い残が多くても
いくらでも買える場合があるし、売り残が多くても早く売った方がいい場合もあるからだ。

取組はある1時点だけのデータでは判断しようがない。過去にさかのぼって動きを見て、
どのように変化してきたかを見る必要がある。つまり信用取組の判断には時系列的な
視点が必要だ。

また、単に買い残や売り残の比率だけでなく、残高の大きさも大事な要素だ。日頃の
出来高と比べて多いのか少ないのか、残高のピーク水準と比べて多いのか少ないのかなど
スケールの視点も必要だ。

この時系列的な視点とスケールの視点を加えて判断しないと信用取組を分析したことには
ならない。それぞれの視点でのポイントを上げておくと以下のようになる。

《時系列の視点》
・買い残・売り残は増えているのか、減っているのかその傾向を見る

・買い残なら平均買値、売り残なら平均売値を大体見当をつける
 −残高が大きく増えた水準がほぼ平均値に近いと判断できる
 
・期日売り(買い)の影響がないかどうかを見る
 −信用取引はほ6ケ月で決済しなくてはならない(一部には無期限のものもある)

《スケールの視点》
・過去の推移を見て平均的な残高水準、ピークの残高水準、最低の残高水準を把握する
 −常に信用買い残が多い銘柄もあれば、少ない銘柄もある

・日頃の出来高と比べ残高水準が大きさを見る
 −買い残の場合、1日の平均出来高の半分以下であればほとんど重荷にはならない

・過去1〜2年のピークの残高水準と比べてどの程度の水準にあるかを見る
 −ピークから1/3程度まで減少すると買い残は整理完了

以上のようなポイントを総合的に見て判断することになる。

最後に実践的な見方の例をいくつかあげておこう。

・買い残の水準がほぼ一定で推移している場合は、少々買い残が多くても売り圧迫は少ない。

・安値で買い残が増え始めている場合には、買い方が安値仕込みに動いている可能性が高い
(やがて上げる)。ただ高値から大きく下げ、ナンピン買いで増えている場合は、ナンピン
買いがさらに重荷となりかえって上げにくくなる。

・株価の上げ始めは買い残がまず増加し、ある程度まで上げると売り残の増加が始まる。
売り残が増えてこない場合は取組妙味が少ないため株価上昇の勢いは弱くなる傾向ある。

・高値付近で膨らんだ買い残の整理が進まない場合は、株価のピーク時点から6ケ月
たたないと上げにくい。逆に安値で膨らんだ売り残が多く残っている場合は、6ケ月期日
が近づくと、売り方締め上げの買いが入りやすい。

・大きく上昇して、買い残が減り始めたら注意。買い方が利食いしている(逃げ出して
いる)可能性がある。

・高値付近での増えた売り残の中には、大口株主などのつなぎ売りが混ざっている場合が
あるので注意が必要。

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創刊日:2005-04-12  
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