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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(12/26)

2011/12/26

もくじ
<相場見通し>

     ・年明け後も不透明な相場環境が続く

<今週の参考銘柄>

     お休み
                     
<経済の動き>
     ・過去最大を更新し続ける日本国債発行
     ・貿易収支の基調は赤字に転落か
     ・ファナック国内で強気の工場増設
                                
<株式投資のセオリー>
     
     第318回  逆張り戦法 

           <次週はお休みで、来年は1月10日からとなります>  
                                               
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★
<相場見通し>

◆年明け後も不透明な相場環境が続く

(来年の干支は相場飛躍の年だが)
今年もあと残すところ1週間となった。今年の年初は、景気の拡大予想に加え、米大統領
選挙の前年ということで米株価の堅調が見込まれ、日本株もそこそこ上げるだろうと期待
があったが、3月に東日本大震災に見舞われ、さらには、年後半は欧州問題が終始重荷と
なり大幅下落で終わりそうである。

来年の干支は辰年。十二支の中では日経平均の過去の上昇率が一番高い年に当たる。相場
の格言に、

「辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり、未(ひつじ)辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ、
戌(いぬ)は笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁栄、丑(うし)はつまずき、寅(とら)
千里走り、卯(うさぎ)は跳ねる」

とあるが、統計データを見るとほぼその通りの数字となっているから不思議だ。相場は
長い目で見ると12年毎の周期性があることを伺わせる。因みに日経平均の干支別騰落率
ランキングは以下の通り。

1、辰年 +29.0% 2、子年 +23.8% 3、亥年 +16.2%
4、卯年 +16.2% 5、酉年 +15.0% 6、申年 +10.4%
7、戌年 +9.8%  8、未年 +7.7%  9、巳年 +4.7%
10、寅年 +1.8% 11、丑年 −0.1% 12、午 −7.5%

辰年に飛躍して、巳年は天井持合い、午年は下落してもっともパーフォーマンスが悪い
というパターンだ。辰年が上げやすいというのは、4年に1度のオリンピックがあり、
米大統領選挙の年にあたるなど、世界的にイベントで盛り上がる年回りが影響している
ように思われる。

今回も、今年の卯年が底バイで終始したことを考えれば、来年辰年は盛り返すとのでは
ないかという期待があり、上げれば大きな相場になると可能性を感じさせる。かなり相場
は低水準にあるので、スタートラインが低いという好条件に恵まれているが果たしてどう
なるか。

そのためにはいくつかの難関を乗り越えていくことが必要となる。そのもっとも大きな
ものは、世界経済のネックとなっている「欧州債務問題」に出口が見えてくること。ただ
この問題は必ずしもEU体制が維持されることを意味しない。

EU崩壊となれば、一時的にはかなりのショック安もあるかもしれないが、意外とそこが
底になる可能性もある。現状では、EU体制の存続は難しいという方向に動いており、
既に世界景気という側面では欧州への期待はゼロ以下だ。

(米国は底バイ、新興国はやや明るさも、日本は内需主導で上向き)
米国は、2013年から始まる財政債務削減の影響が、来年前倒しでどの程度出てくるかが
注目点となる。景気にとってはかなり下押し要因となると見られているが、債務削減は
政策的に軌道修正の余地もあり、また一方でQE3の発動も考えられるので、それとの
綱引きであろう。

結局紆余曲折はありながらも、今年と同じようにたいして良くもなく、さりとて悪くも
ない底バイ状態が続くのではなかろうか。とりあえず大きな景気減速がなければよしと
すべきだろう。

新興国はインフレ抑制からうまく成長軌道に舵取りの切り替えができるかの転換点の年と
なる。その中で注目はやはり中国だ。この1年は株価が右肩上がりを見せたように減退を
辿ってきた。

まだ、成長率では抜きんでているものの、来年は成長の下振れ懸念とインフレ懸念が同居
した状態になるだろう。政策的な余地を持っている国なので、バブル崩壊といった大きな
落ち込みはないと見られるが、胡錦濤首席が言ってるように「そろそろ頭を冷やすべき時」
にきている。

その他では、インドネシアやブラジルなど、インフレから脱し、景気刺激から内需中心に
経済成長していく国もでてくると見られるので、今年よりは来年は期待できそうな国が
増えてきそうだ。

世界経済の不透明さに比べると、国内は震災復興需要に支えられて、内需が健闘する
だろうと見られる。ただ、世界経済の縮退で、輸出の伸び悩みが予想され、貿易収支は
赤字基調に転じると見られる。

また、欧州が崩壊すれば、同じような財政問題を抱える日本(財政の悪化は先進国で
断トツ1位)にその影響が波及してこないとも限らない。世界のソブリンリスクの終着点
は日本だと言われている。日本財政が問題化すれば景気どころではない。これは日本経済
にとっては大きな爆弾を抱えていることを意味する。

(慎重な中にも、チャンスへの準備を)
こう見てくると、来年の見通しは、先に述べたような辰年なので上げ相場が期待できると
いった簡単なものではない。右に倒れるか左に倒れるかで相場の先行きが大きく変わり
そうな事が多く待ちかまえている。

結局来年も今年と同じように、一つ一つの問題を見極めながら進んでいく慎重な投資姿勢
が求められるだろう。順調な道は期待しにくく、ジグザグに左右に振られる展開が続き
そうだ。

ただ、売買代金は今年最低水準で3年前のレベルに近い。しかも、繰り返しになるが相場は
かなり売り込まれた低い位置にあり、更なる下は小さく、上に余裕がある位置取りである
ことは念頭に入れておく必要がある。

危機への準備は怠りなくしておくとしても、もし危機で突っ込んだところはチャンスと
なる可能性もあるので、好機では果敢に攻める姿勢も堅持しておく必要がある。

(お知らせ)今回で年内は最後となります。年明けは第2週(1月10日)からスタート
となります。どうぞ良い年をお迎えください。

          *     *     *

<今週の参考銘柄> 

  お休み


<経済の動き>

◆過去最大を更新し続ける日本国債発行

『2012年度の国債発行総額が175兆円前後に達する見込みだ。財務省が19日に明らかにした。
当初予算ベースでは11年度の169兆5943億円を上回り、過去最大となる。東日本大震災の
復旧・復興などに充てる復興債が、国債発行総額を押し上げる』

(解説)
大震災の復興費があったにせよ、国債の発行増加に歯止めがかからない。欧州では、日本
より財政状況がましな国でも国債市場の動揺に翻弄されている。いつ日本にも波及しても
おかしくない状況だ。

因みに日本国債のCDSは年間を通じて上昇傾向となっており、直近はやや上げ足が速まり
はじめている。当メルマガのホームページに日本国債CDSのチャートのサイトを張り
付けてあるので、日々チェックしていただきたい


◆貿易収支の基調は赤字に転落か

『財務省は21日、11月の貿易統計(速報、通関ベース)が6847億円の赤字になったと発表
した。前年同月は1576億円の黒字だった。赤字は10月に続き2カ月連続』


(解説)
近年日本の貿易黒字は一貫して減少傾向を示してきたが、これがどうも赤字に転化した
可能性が出てきている。今年度前半は大震災の影響で輸出が大きく落ち込み赤字が
膨らんだが、下期に入りその影響もほとんどなくなったにもかかわらず、かえって赤字が
増える傾向が見られる。

11月はタイの影響もあるようだが、それだけでは以上予想を大きく上回る赤字の大きさ
を説明できなくなってきている。製造拠点の海外移転が予想以上に進んでいるいるため
ではないかと見られる。今度構造的に赤字に転じたら、2度と黒字基調に戻ることはある
まい。


◆ファナック国内で強気の工場増設

『ファナックは20日、山梨県忍野村の本社地区に産業用ロボットの新工場を稼働させた。
自動車の溶接などに使う多関節ロボットの生産能力は従来の2倍の月5000台に拡大する。
同ロボットの今年の世界需要の4割強を1社で供給できる強気の設備投資だ。円高で海外
に移転する企業は増える一方だが、ファナックは工場の省力化追求によって国内生産に
こだわり続けようとしている』

(解説)
ファナックの動きは殆どの他の国際企業が、製造拠点を先を競うように海外移転を進めて
いるのとは対照的な動きだ。同じロボット生産でも、安川電機などは工場の海外移転を
進めている。

ファナックが国内生産にこだわるのは、技術流出を恐れることと、徹底的に省力化すれば
円高でも競争力は維持できると踏んでいるからだ。工場は、ほとんど人がいない中で24
時間体制で動いていると言われている。

今後も成長が期待されている産業用ロボット業界は、ファナック、安川電機、KUKA
ロボター(独)、ABB(スイス)の4社で首位争いをしており、この中でどこが抜け
出すか注目されるところだが、とりあえずファナックが攻勢をかける動きとなっている。

       *     *     *

<株式投資のセオリー>

第318回 逆張り戦法

現在の相場は8500円を中心に、上下200円程度幅の間で往来相場となっている。上げるにも
欧州問題が重くのしかかり、そうかと言って8500円以下はかなり割安水準なので、これ
以上売りたたく動きも見られない。

このような状態があとどれくらい続くかわからないが、好材料、悪材料、どちらか大きな
材料が出てこない限り、このボックス圏相場から抜けられない様相だ。

動きの値幅が小さく上昇力も限られているので難しい相場だが、もしこのような状況下
でも相場に参加するとしたら、逆張り戦法が有効となるだろう。

相場の押した安値で買い、吹いた高値で利食いをするという戦法だ。上級以上の投資家
なら、これに買いだけではなく、高値で利食いすると同時にドテン空売りを付け加える
ことも可能だ。

この戦法では、相場のリズムと投資のリズムがうまく合っていると、好循環となるが、
一旦どこかでしくじると、今度は全てが悪循環となる。高値で仕込み、安値で投げ、
全てにチャブつくことにもなる。

悪循環に陥るのは、往々にして高値利食いを逃したことから始まることが多い。欲張って
利食いのタイミングを逃し、高値覚えから小幅利食いに躊躇していると、大きく下げられて
しまい、最後は買値まで割ってしまうようなことが起こる。

出来るだけ高値で利食いしたいというのは人間の常だが、相場が上げ相場とは違って、
往来相場となっているからには、上昇力は弱く、高値の期間も短い。従ってこのような
相場ではできるだけ上げ止まったら利食いを心掛けたい。利食い幅より、リズムを重視し
好循環を維持することだ。

上げ止まったら利食いということがわからない人がいるが、9時15分の株価を見て、前日比
マイナスかプラス1%以内なら、上昇力は弱いと見て成り行き利食いすることだ。もう少し
厳密に見る時には、10時、14時の株価を見て前日比マイナスか1%以内になっていないかを
確認する。

さらに、投資家によっては、利食うとすぐ別の銘柄を仕込む人がいるが、逆張り戦法では
これではうまくいかない。一旦休んで安値が来るのを待つ必要がある。安値で仕込んでこそ、
高値での利食いもうまくいくというものだ。

利食いする時には、同時に空売りしてもいいような気がするが、銘柄によっては相場水準が
かなり低くなっているので思うように下げない場合もあり、また、空売りが入った所は
買い方に逆に狙われることもあるので必ずしもうまくいかない。空売りはやはり上級者で
ないと難しい。

出動資金については、このような難しい相場で全力投資するのは避け、資金の半分以下に
とどめておきたい。思惑通りいかない時のことも考えておく必要がある。


    <次週はお休みで、来年は1月10日からとなります>    

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