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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(12/27)

2010/12/27

もくじ
<相場見通し>
          
     ・今週は年内最終商いで小動き
    
<今週の参考銘柄>
      
      リンテック
                     
<経済の動き>
     ・来年度歳出額、過去最大を2年連続で更新
     ・スティール・パートナーズ、サッポロ売却し退散
       ・国家公務員の人件費削減率はわずか0.4%
     ・目立つ中国の積極的経済外交
     ・底辺層が急拡大する日本経済
                           
<株式投資のセオリー>
     第271回  当面の仕込み銘柄の条件  


            <来週はお休みします>
                            
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★
<相場見通し>

◆今週は年内最終商いで小動き

(しばらくは堅調相場が続きそうだが、3月ぐらいには転機も)
先週の日経平均は、一時今秋安値以降の最高値を更新、堅調な戻り相場が継続している。
世界的に見て日本株に依然出遅れ感があることや、企業業績の順調な回復から、来年に
かけても強気の見方が増えている。

11月から始まった上昇では、当初は欧米市場が調整局面に入っている中、独り日本株
だけが上昇したため、どこかで勢いがとまるのではないかという不安感があった。

しかし、12月に入り、米国をはじめドイツ、英国など欧米諸国の株価が堅調さを取り
戻すにつれ、その懸念は急速に薄らいでいる。欧米市場が軒並み年初来高値を更新する
動きとなっているため、日本株の出遅れ感がまた強く意識され始めているほどだ。

欧米などの株価上昇の背景にあるのは、景気見通しへの楽観論だ。しかし、この楽観論は
多分に株価上昇が言わせた面が強い。欧米の景気見通しは必ずしもよくないからだ。

欧州はソブリンリスクの問題が尾を引き、低迷状態が長引きそうな気配だ。回復の
ステージに入るにはまだかなり時間がかかりそうだ。米国も、鍵を握る住宅市場は低迷
したままで、回復の兆しがいまだに見えてないといってよい。

米国の追加金融緩和策は、景気回復があまりに鈍いということでとられた対策だが、
日本の例を見ても、金融緩和で景気が良くなるわけがない。もし良くなるとしたら、
超金融緩和策を20年近く続けている日本の景気はとっくに回復しているはずである。

米国も日本の失われた10年の後を確実に追っている。ただ、金融緩和は株式市場や
商品市場にとって大きなプラスとなることは確か。米金融緩和策発表後は商品市場、
株式市場は大きく上げている。

結局金融緩和が現在の株式市場を後押ししているわけだが、弊害も見え始めている。
ひとつは超緩和によるインフレ懸念から米長期金利が上昇し始めたことだ。金利上昇は、
住宅市場をさらに冷やすことなどにより米景気回復に水を差すことになる。

また、金利上昇は利払いの増加から米財政のさらなる悪化をもたらし、それがまた、
国債価格の低下から長期金利の上昇をもたらすという悪循環に陥る危険性も孕んでいる。

もうひとつの弊害は、新興国へ大量の資金が流入しバブルをもたらしていることだ。
市場に出された大量の資金は、米国など先進国に投資機会が少ないため、成長力の高い
新興国に流れ込み、経済のバブル化の要因となっている。中国が盛んに米国の金融緩和策
をバブルの輸出だと非難しているのはその理由からだ。

来年に入ると、市場への金融緩和効果も次第に薄れ、これらの弊害が徐々に大きくなる
と見ている。従って、株高が続くとしても来年3月ぐらいまでか。

以上のように来年後半ぐらいまで見通すと株式市場はそれほど楽観視していられる環境
にはない。従って現在の上昇相場は貴重だ。この間にできるだけ稼いでおきたい。

(押し目をじっくり拾う局面)
今週は30日が年内最終売買日にあたり立会は4日間。日経平均は年末にかけて上昇
しやすいという習性があるが、一方でリスク回避から年越えの持ち株をしたくない投資家
の売りや、税金対策から損出し売却の動きも出てくることにも注意しておく必要がある。

機関投資家や外国人投資家の参加はあまりみこめないので大型株などの動きは鈍ろう。
新興市場など小型株が散発的に買われる相場と見ている。

ここは無理せず、1月以降の上昇に備えて押したところじっくり拾っておきたい局面だ。
仕込み方については下記「株式投資のセオリー」を参照されたい。

          *     *     *

<今週の参考銘柄> 

   
   7966 リンテック 2120円


<経済の動き>

◆来年度歳出額、過去最大を2年連続で更新

『政府が24日閣議決定する2011年度予算案は、一般会計の歳出総額が10年度当初予算比
1000億円増の約92兆4000億円と過去最大に膨らむ。高齢化に伴う社会保障費の増加が響
く』
(解説)
民主党が政権を取ってから2年連続で財政支出規模は過去最大となる。政権を取る前
には自民党の無駄使いを攻撃し、小さな政府作りを標榜していた政党とは思えないこと
をやっている。

政権内部からは、新規国債発行額の方が税収より多いのは尋常じゃないという意見も
聞こえてくるが、少数意見に留まっている。これで、来秋になればまた景気対策で補正
予算が必要ということになるのだろうか。


◆スティール・パートナーズ、サッポロ売却し退散

『米投資ファンドのスティール・パートナーズが2004年から保有してきたサッポロ
ホールディングス(HD)の株式について、保有分すべてを売却したことが明らかに
なった。スティールはサッポロHDへの投資から完全に撤退したことになる。他の
ファンドも金融危機前後から日本での投資を縮小傾向で、投資先企業に経営改善を強く
働き掛ける「アクティビスト(もの言う株主)」の退潮が鮮明になってきた』

(解説)
今回の売却では、1株400円台とみられる投資簿価を下回る300円台で売却したため、
投資は「損失」(約40億円?)で終わった公算が大きい。

スティールはこれまでいろいろな企業に仕掛けたが、結局うまくいったのはアデランス
のみで、ブルドックも失敗、今回のサッポロも失敗ということで、惨憺たる結果に
終わっている。

これでスティールは日本からは撤退ということになりそうだが、それとともに日本市場
はファンドが買収するには適さない市場という評価が定着しそうだ。これは決して日本
の市場にとってプラスなことではない。


◆国家公務員の人件費削減率はわずか0.4%

『政府が24日に閣議決定した2011年度予算案で、国家公務員の人件費は10年度当初予算比
で190億円減の5兆1605億円となった。人事院の給与引き下げ勧告による削減額が510億円
に上ったことが、人件費減少の主因となった』

(解説)
今回の人件費の削減率はわずか0.4%。英国が歳出削減のために、公務員の大幅削減
(約50万人減)を打ち出している姿などと比べると、いかに何もやってないかわかる。
しかも財政状況を見れば日本の方がはるかに厳しい状況にあるにもかかわらずである。

これまで公務員削減ほとんど手をつけていなかった分、もし日本が本格的な歳出削減に
踏み切ったら、すさまじい公務員カットが行われることになろう。


◆目立つ中国の積極的経済外交

『温家宝・中国首相は16日、ニューデリーの迎賓館でマンモハン・シン印首相と会談
した。中印間の貿易額を2015年に今年の見込み額の1・7倍の1000億ドル
(約8兆4000億円)に拡大する目標で合意。対テロなどでの連携強化でも一致した。
長年の懸案である国境紛争での進展はなかったが、利害が一致する経済と安保で接近を
加速する』

(解説)
このところ中国の経済外交が目立つ。これまで国境紛争などで仲の悪かったインドと
まで関係修復に動いている。しかも数字の面でも着々と成果を上げている。領土問題
などで近隣諸国を逆なでするするような言動を繰り返し、かえって関係を悪化させて
いる日本外交の動きとは大違いだ。


◆困窮層が急拡大する日本経済

『全国の生活保護を受けている世帯が今年9月時点で140万8407世帯だったこと
が厚生労働省のまとめでわかった。前年同月比で約14万世帯増えており過去最多を
更新。昨年12月に130万世帯を超えてから1年たたずに10万世帯増えた』
 
(解説)
受給世帯数はバブル経済期にかけて減少傾向が続いたが、1992年度の月平均約59万
世帯を底にバブル崩壊後は増加が続いている。最近では月1万世帯のペースで急増して
いる。

この現象は格差の拡大のためではないかといわれているが、高所得者数は増えておらず、
低所得者数だけが大幅に増加している。日本経済の地盤沈下が国民の生活水準を確実に
切り下げている姿が見える。この流れは容易には反転しないだろう。

         *     *     *

<株式投資のセオリー>

第270回 当面の仕込み銘柄の条件

今年も残るところあとわずかとなった。立会は30日までの4日間だが、市場参加者が
少なく方向感の少ない展開となりそうだ。従って、これから年末、年初の時期は1月以降
に予想される上昇波に備えて、じっくり安値を拾っておくことをお勧めする。

前回は、持続か見切りかの判断の基準を述べたが、今回は、ここから新たに仕込むと
すれば、どういう条件を満たした銘柄かについて述べてみたい。

仕込み銘柄の条件は、前回述べた持続の条件とかなり似通ったところがある。まず業績
見通しについてはほぼ同じだ。今期・来期とも大幅増益(40〜50%以上増益)と
なっていることが条件となる。

特に年明け以降は、市場の関心は来期見通しに移っていくので、できるだけ来期業績の
伸びが大きいものにしたい。

PERの水準は、来期見通しで(来期業績で現時点の株価を見た場合)12倍以下が
望ましい。

また、市場で囃されているテーマの関連銘柄であればなお良い。人気が回ってきやすい
からだ。現在注目されているテーマとして挙げられるのは、スマートフォン関連や環境
関連(太陽光発電、原子力など)、次世代電池等。

前回の経済ニュースでもお知らせしたが、米国では来年度、税制で減価償却の大幅優遇策
を打ち出しているので、設備投資関連も有望だ。

2つ目は上昇力にまだ余力がありそうな銘柄である。ほとんどの銘柄が安値から大きく
上げており、中には目先ピークを付けた銘柄ある。こういう銘柄は避けたい。

前回も申し上げたが大幅増益銘柄の上昇率は5割高がひとつの目安。もちろん、業績伸長
の幅が大きければそれ以上上昇することもあり得るし、また信用の取組次第で上昇率が
上乗せとなることもありうる。ただ、一応5割高を基準に何合目まで来ているか確認して
おくことだ。

ここから仕込むとすれば、まだ半分ぐらいは上げ余力を残している銘柄が望ましい。
例えば、村田製作所を見てみると、4000円近辺から上げているのでピーク目標は
6000円ということになる。現状5560円まで上げているため、この水準で買えるか
というと、既に高くなりすぎて買いにくいということになる。

信用取組は大幅売り超となっており、取組のよさから6000円を超えてさらに上昇する
可能性もないではないが、それはその時点の取組如何による。期待だけで買うわけには
いかない。

3つ目はこの調整の安値を拾いたい。調整幅の目安としては、安値からの上昇幅の1/3下げ、
あるいは1/2下げとなるが、1/2下げとなる銘柄は上昇力が弱くなる可能性があるので、
できるだけ1/3下げ以内に収まるものを選びたい。上昇力の強い銘柄ほど調整幅は浅くなる
傾向がある。

また、調整期では出来高が一番減少したところが安値となることが多いので、それも頭に
入れておくこと。年初来の最低出来高に近くなってきたら要注意だ。

4つ目は信用残の動きにも注目。上昇力の強い銘柄は、取り組みが拮抗(空売りが多い)
してる場合が多い。また、調整期入りしても取り組みはほとんど悪化しないが、
ピークアウトした銘柄や上昇力の弱い銘柄は、調整期入りすると取り組みが悪化したり、
買い方の返済が多くなる(買い残が減少)現象が見られる。

以上のような観点で銘柄を選んで見ることだ。


           <来週はお休みします>

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創刊日:2005-04-12  
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