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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(1/4)

2010/01/04

もくじ
<相場見通し>
          
     ・新年に入り次第に弱含みの動きに
    
<今週の参考銘柄>
      
      お休み
                     
<経済の動き>
     ・90年代をピークに、日本経済は長期衰退トレンド
     ・まずまずで終わった米年末商戦
     ・昨年の資本市場からの調達額、バブル以降最高
     ・近づく財政破たんの足音
     ・郵貯預入限度引上げは国債引受け拡大のため?
                       
<株式投資のセオリー>
     第226回  政治が株価の足を引っ張る状況続く          
                                  
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★

<相場見通し>

◆新年に入り次第に弱含みの動きに

(大きな懸念材料も控えている)
あけましてお目でとうございます。本年もよろしくお願い致します。

2009年は波乱の相場展開だったが、とりあえず日経平均は3年振りの上昇(前年比
19%高)で終わった。ただ、諸外国の株価回復ぶりと比べると戻りの弱さが目立つ
1年でもあった。

さて、2010年はどうなるか。世界景気は回復過程を辿っているので、堅調な展開を
期待したいところだが、市場環境を見る限りそう楽観視ばかりはしていられない。悲観
材料にも事欠かないからだ。特に年初から4月ぐらいまでは要注意。

その最も大きなものは、日本の財政に対する不安感が増大していることだ。昨年暮れ、
ドバイの金融不安が表面化したが、その後欧州に飛び火し、ギリシャ、スペインにも
デフォルト説が流れた。さらに、フランスなども問題視され始めている。

そうなると気になるのは、それらの国よりはるかに危機的な状況である日本財政。
政府の債務残高比率は対GDP比189%でOECD内断トツ1位(ギリシャですら
123%)。折しも民主党は来年度、これまでの自民党政権でも見られなかったような
大型予算を組み、財政赤字を拡大させる。

ギリシャ、スペインの信用懸念はいずれも国債格付け引き下げが発端だったが、日本の
国債に対する格付け見直しの動きも昨年暮れ頃から表面化している。今後格付け引下げの
動きが現実化してきた場合どうなるか。

このような動きを見て、既にヘッジファンド筋が11月に日本国債先物の一部売りたたき
を行っている(今はとりあえずおさまっているが)。日本国債の暴落が話題に上る都度、
保有者は国内投資家がほとんどで、外国人投資家は持ってないということが、暴落を
否定する根拠となっていたが、そうも言ってられない状況となってきた。

今の所、危機連鎖がどこまで広がりをみせるのかわからないが、1997〜8年に
起きたアジア通貨危機の時は、タイから始まり、マレーシア、シンガポール、韓国と
次々に飛び火し拡大していった。

同じような動きが今後起こらないという保証はない。しかもその行き着く先は日本となる
可能性は十分にある。今後2〜3ケ月の動きは要注意だ。

二つ目は、大型増資ラッシュの動き。昨年12月に日立と三菱UFJの大型増資が
行われたが、今後も大型増資が続きそうだ。特に銀行界は3月決算を控え待ったなしの
状況となっている。今後、三井住友やみずほの増資発表が後追いで行われるのは間違い
ない。

銀行界がこのような大型増資に動くのは、3月決算で処理する不良債が膨れ上がると
予想されているからだ。その元凶は不動産価格の下落。これまでもかなり下落しているが、
今年1〜3月には一段と下落する(特に商業用不動産)と見られている。

その理由は、あまりマスコミ等では報道されてないが、商業用不動産の証券化資産が
1〜3月に大量償還を迎え、発行体が償還資金を捻出できない状態にある。その結果、
不動産が投げ売りされ不動産価格の一段の下落をもたらす可能性が高い。

不動産価格の下落は担保不動産の減価をもたらすので、銀行の貸倒積立金の積み増しや
ノンリコースローン(不動産プロジェクトに特化したローン)の損失処理に追われる
ことになる。

不動産のほかにも融資先の懸念材料は多い。建設業、土建業の倒産は今後全国的に広がる
のは避けられない。消費の減退で、流通小売りも深刻な状態に陥っている。大手百貨店の
経営危機すらささやかれている。こう見てくると、銀行はどうしても増資に走らざるを
得ないわけだ。

しかし、大型増資は市場の需給関係を悪化させ、相場の下押し要因となる。それなりに
相場は織り込み始めていると見られるが、発表の都度、悪材料として相場下落要因と
なるのは間違いない。

三つ目は世界的な商業用不動産の下落だ。住宅用不動産については米国に見られるように
下げ止まり感が強くなっているが、商業用不動産は底なし沼のようにいまだに下がり
続けている。

住宅用不動産は下がれば割安感から一定の需要が出てくるが、商業用不動産は景気が
回復しない限りなかなか需要は出てこない。極端な場合はタダになっても売れない
(現実に豪州で過去に起きている)。

これで大きなダメージを被るのは金融機関。今後不良債増加で銀行などの倒産はさらに
増えてこよう。銀行の破たんが多くなれば、再度金融不安が頭を持ち上げてくる可能性
がある。

以上から、年明け相場は警戒感が必要だ。さらに1月半ばには、チャート的に相場回復
の節目を迎える。過去の大底からの戻り相場の平均期間は230日で、今回は1月15日
がそれにあたるというもの。このチャートの習性はよく知られたものなので、相場は
今後それを意識した動き(早めの売り増加)となる可能性がある。

こう見てくると、今年の相場は新年早々軟調な動きに転じそうだ。4月ぐらいまでは
低迷状態が続き、その後、世界景気が順調に回復軌道をたどっていれば夏にかけて
盛り返す動きとなろう。

基本的に今年の相場は日経平均で1万円プラスマイナス2000円の範囲内の動きに
とどまり、後半ほど高値の水準は高くなると見ている。

(年初から反落の動きも)
12月相場は非常に堅調に推移してきたので、年明け相場にも期待がかかるところだが、
既に節目となる年初来高値付近にまで上げてきた。しかも上記で触れた通り相場環境の
点で懸念材料も少なくない。

従って、相場はこのあたりで頭打ちとなると見ておいた方が無難だ。ここ数年は年初
から3月ぐらいまでは調整するケースが多いことも念頭に置いておく必要がある。

売買方針としては、ここは無理せず、持ち株の利食い優先で臨みたい。きるだけ現金化
比率を高め、次の上昇相場への転換点を待つ戦略がベターと見られる。

日本の株式市場は、基本的に右肩上がりの上昇相場は期待しにくいので、今年も昨年同様、
年に3〜4回ある安値からの反転時をうまくとらえる投資に徹したい。

          *     *     *

<今週の参考銘柄> 

    お休み

<経済の動き>

◆90年代をピークに、日本経済は長期衰退トレンド

『日本経済にとって2000年代は“縮小の10年”だった。生活実感に近い名目国内総生産
(GDP)は10年前に比べて5%減少し、働く人の賃金の総額である雇用者報酬も
マイナスに転じた。10年間の鉱工業生産は1990年代に比べ年平均で1.5%低下した。
00年代の平均物価は冷蔵庫が17%、洗剤が39%下落するなど「デフレ」も際立った』

(解説)
2000年代に入って、「失われた10年」という言葉が注目を集めたが、その後の10年も
同じ状態から抜け出せなかったようだ。おそらくこれからの10年を見通してもあまり
回復は期待できないだろう。

ということは、日本経済は長期衰退トレンドに入っているということを意味している。
現に経済指標の多くが90年代をピークに下降トレンドを描いている。英国を再生
させたサッチャー元首相のように傑出したリーダーが出てこない限り、このトレンド
からの脱出は難しいだろう。


◆まずまずで終わった米年末商戦

『2009年の米年末商戦での小売売上高(自動車・ガソリン販売を除く)は、前年同期比
3.6%増となったもようだ。米マスターカードの調査部門が28日、速報値として推計した。
歴史的低水準だった08年(2.3%減)よりは改善したが、商戦が本格化する感謝祭明け
からの期間が1日長かったことが全体を押し上げており、日数を調整した実質では
約1%の微増だったという』

(解説)
当初の予想通り米年末商戦は底堅く推移したようだ。高価格帯を避け、中低価格帯の
品揃えを重視したことも功を奏しているようだ。また、ネット販売が好調だったことも
今年の特徴。家でじっくり安いものを選ぶ堅実な消費者が多かったことを示している。


◆昨年の資本市場からの調達額、バブル以降最高

『傷んだ財務を修復するため資本市場からの資金調達が異例の高水準に達した。公募
増資と普通社債の発行額の合計は16兆4026億円と前年比で7割強増加し、バブル
崩壊後で最高だった。なかでも公募増資は5兆円超と前年の10倍以上に増えた』

(解説)
日本の資本市場は、残念ながら企業の後ろ向き資金調達のために20年振りに活況を
呈している状況だ。しかも、この動きは今年に入っても大手銀行の大型増資など
しばらく続きそうだ。

たださすがに今後は損失補てんとなるような増資は市場が許さないだろう。中には
増資もできず、市場から退出(倒産)という企業も今年は増えてきそうだ。財務が悪化
した企業の動向にはより注意が必要となってくる。


◆近づく財政破たんの足音

『政府が家計の貯蓄に頼って借金を重ねる構図に限界がみえ始めた。政府の負債残高が
膨張し、9月末は家計資産に対する比率は66%まで上昇した。これは過去最高の
水準だ。今後も政府負債の膨張が止まらず、少子高齢化を背景に家計の貯蓄が減少に
向かえば、2020年までに家計資産を逆転する可能性もある。家計の高貯蓄という
日本経済の強みは薄れつつあり、財政の抜本改革が急務になっている』

(解説)
政府だけでなく地方行政の負債まで合わせれば、既に家計資産(約1000兆円)と
ほぼ同額の負債を抱えている。さらに、企業会計では必要な年金積立が、国では大幅に
計上不足となっているので、それを含めれば家計資産のなんと1.5倍にまで達する
ことになる。

このように財政は既に救いのない状態まで悪化してにもかかわらず、民主党は自民党
政権以上に財政支出拡大策をとろうとしている。これは財政破たんを後押ししている
ようにしか見えない。


◆郵貯預入限度引上げは国債引受け拡大のため?

『日本郵政の斎藤次郎社長は28日の定例記者会見で、郵便貯金の預入限度額(1000万円)
について「利用者の観点からもう少し緩やかにしてほしい」と述べ、政府に見直しを
求める考えを示した』

(解説)
斎藤社長は、郵政の国債引受け拡大のために登用されたと言われ、「ミスター国債
引受け」と呼ばれている。今回はその線に乗った発言で、郵貯の資金量を増やすため、
預入限度額の引上げを言い始めたわけである。

この要望が通れば、国の財政赤字を補てんするため、国民のお金がさらに吸い上げられる
仕組みができることになる。

          *     *     *

<株式資のセオリー>

第226回 政治が株価の足を引っ張る状況続く

昨年の日本の株価を見ると、最高値は民主党が大勝した衆議院選挙明けの日8月31日。
その後海外市場は軒並み新高値を更新する動きを続けたにもかかわらず、一人低迷を
続け、年末にかけてやっと最高値にせまる水準まで回復してきたが、一年を通じて
見ると世界の中では株価パーフォーマンスの低さは際立っている。

衆議院選挙後の株価低迷は、民主党不況(俗には「鳩ぽっぽ不況」)とも言われて
いる。チェンジをキャッチフレーズに政権を取った民主党だが、やっていることを
見ると、結局経済を変えるどころか、さらに日本経済の悪化を後押しさえしている
ように見える。

転換期の一時的な混乱は致し方ないとの見方もあるが、日本経済の再生後の姿を
いつまでたっても示せない民主党の政治スタンスを見ていると、これからも混迷が
続くと見ておくのが妥当のようだ。

その象徴は、民主党の最大の実力者小沢一郎幹事長の動き。小沢は企業で言えば
いわばCEOの立場で、鳩山首相はCFOにすぎないというのが今の両者の力関係だ。
小沢はことと場合によっては簡単に首相の座をすげかえることも可能な力を
もっている。

その小沢が今一番力を注いでいるのは何かといえば、政治利権をいかに自分の手に
収めるかということ。既に国内利権については、陳情の民主党幹事長室への一元化
によって、ほぼ手中に収める算段が付いた。

残るは海外利権。そこで行ったのは、国会議員160人を含め615人による
中国訪問。これほどの大規模訪中団を組織したのは、海外利権で最大の中国利権と、
今後有望視される北朝鮮利権にありつくには「小沢に頼るのが一番いい」と関係者に
「刷り込み」するためである。

日本はこれまでODA(政府間援助)や円借款で、中国に莫大な資金を提供してきた。
その資金が、日本のゼネコンが中国本土で建設工事を受注することで日本に還流、
落札への口利きにより、その一部が裏金という形で政治家にバックされてきたのは
周知の事実。

この利権は従来、日中国交回復を成し遂げた田中角栄の直系である自民党竹下派が
ずっと握ってきた。小沢は田中の愛弟子だったが、金丸信失脚後自民党を離党した
ため、長らく中国利権では蚊帳の外に置かれてきた。

それが、昨年夏の衆議院選挙で勝利し、中国利権を掌握するチャンスが到来した
わけである。中国は8%の経済成長を続けいまや「人よりコンクリート」の土建国家
に変貌を遂げた。公共事業が縮小する日本のゼネコンにとっては垂涎の的となる
有望な市場だ。

日本は中国へのODAを中止したが、国連の専門機関である「世界銀行」経由での
ODAを続けているので、まずはこの利権獲得が狙いとなるというのが関係者の見方。

さらに莫大な鉱物資源を持ち、今後インフラ事業が期待できる北朝鮮にも狙いを
付けている。中国訪問の翌日韓国を訪れたのはその調整のためで、狙いは日朝国交
回復。小沢による「電撃訪朝」の可能性が探られたと言われている。

以前の金丸訪朝、小泉訪朝などでも成し遂げられなかった、日朝回復を成し遂げ歴史
に名を刻み、合わせて利権を確保しようという腹づもり。

結局「政治屋」である小沢一郎の頭には、利権を確保し、いかに自分の勢力を拡大
するしかない。国の将来を見据えて、きちんと政策を立案していく発想は乏しい。
今彼の頭にあるのは次の参議院選挙でいかに勝利するかということだけだという。

民主党の実権を握る小沢がこのような動きをしているようでは、日本経済が大きく
浮揚するきっかけはなかなかつかみにくい。外国人投資家はこのあたりはよく見て
おり、日本への投資縮小の要因にもなっているという。

現在の政治を見る限り、残念ながら日本の株式市場はこれからもパーフォーマンスの
低い状況が続くと言わざるを得ない。

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創刊日:2005-04-12  
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