投資

投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

全て表示する >

投資の視点

2009/12/21

  もくじ
<相場見通し>
          
     ・今週は年末を控え、小動き
    
<今週の参考銘柄>
      
     お休み
                     
<経済の動き>
     ・勢い増すアジア新興国の成長力
     ・企業成長はアジア頼みが鮮明
     ・優位性がさらに低下する日本の技術力
     ・スケールの小さい日本の景気刺激策
     ・株式市場で外国人のシェア低下
                       
<株式投資のセオリー>
     第225回  今年の総括          
   
            <来週はお休みし、次回は1月6日となります>                       
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★

<相場見通し>

◆今週は年末を控え、小動き

(新四季報を見る限り、物色の方向は輸出御三家)
先週は1万円乗せの水準でのもみ合いに終始し、結局日経平均で34円の上昇と小幅な動きに
終わった。今週もあまり大きな動きは期待できそうもない。外国人投資家はクリスマス
休暇入りし、市場参加者が少なくなるのは避けられないからだ。

その外国人は今月に入り買越しの動きが続いている。理由としては日本株の出遅れや、
円高一服を好感ということあげられているが、一番大きな理由はヘッジファンファンド
による解約売りがほとんど出尽くしたということだろう。

思えば、今年はヘッジファンドの解約売りで大きく揺さぶられた年であった。3月、6月、
11月の安値はいずれも大量のヘッジファンドの解約売りにさらされた時期と重なる。

この解約売りがなくなり自然体の動きとなれば、現在のように運用資金が世界に戻って
きている流れの中では、外国人買いが少しずつ増えてくるのは自然の成り行きだ。

ただ、日本以外の魅力ある市場が増えているため、日本株に対し以前ほどの資金配分は
期待しにくいことも確かだ。おそらく狙うとしても、世界景気のけん引役である新興国
の成長の流れにうまく乗った銘柄に限定されよう。

先週発売されたの新四季報を見ると、このような業種としてあげられるのは、やはり
自動車、電機、精密の輸出御三家だ。

これらの業種を順にみていくと、一番回復力が強いのは自動車関連だ。図体の大きい
アッセンブルメーカーの回復はもうひとつだが、部品メーカーはおしなべて大きく業績を
戻している。来年には昨年のピーク水準の近くまで業績が戻る企業も散見されるほどだ。

自動車業界に対しては、今後各国の政策効果が薄れるため需要が伸び悩むとの警戒感が
あるが、四季報を見る限りその影響は限定的で、新興国の需要の伸びがそれを十二分に
カバーするとの見方だ。

電機関連は、大手電機メーカーが回復力が鈍く、電子部品メーカーもややまだら模様の
様相だ。薄型テレビ、タッチパネル、iポッドなど需要が大きく伸びている製品群を
うまくつかんだ電子部品メーカーは好調だ。半導体関連の回復は今一つ勢いに欠ける。

精密関連は、デジタルカメラの需要の伸びが業績をけん引。事務機などは回復力は
もう一つという感じだ。

上記業種の中には既に年初来高値近辺まで買われている銘柄が多く、ここから新たに
買いに入るのは抵抗感があるが、日本株は相対的に出遅れ感が強い分上値余地はまだ
あるとの見方もなりたつ。

さらに、他に買える銘柄があまりないとなれば、買える銘柄をトコトン買っていく
というも相場の常。相場全体が強含みを維持していけるならば、これらの銘柄がさらに
活躍する可能性も十分あると見ている。

(大型増資の行方)
今週は大型増資に応じた資金の行方が一つ焦点となりそうだ。12月15日に日立は230円で
10億9千万株の公募増資を行ったが、先週末の終値は260円で終了した。増資に応じた
投資家は1割程度の鞘が生じている。

今週は三菱UFJの約1兆円の公募増資の受け渡し日が22日に到来する。公募価格428円
に対して同社の先週末終値は462円。これも若干鞘が抜ける水準だ。これらの売り抜けた
資金が今後どこに向かうのか注目される。

しかし、年末を控え資金を大きく動かしにくい時期なので、基本的には様子見の動きが
強くなりそう。動くとしても中小型株が散発的に物色される程度か。

その点、このところマザーズ市場が商いを膨らましているのは、中小型株物色の兆しと
見えなくもない。ただ、今の所少数の銘柄に商いが集中しているので、もう少し様子を
見る必要がある。

業績回復の本格化してくると、回復スピードは中小型株のほうが早いため、物色の矛先が
そちらに集中することがある。その点は頭に置いておきたい。

          *     *     *

<今週の参考銘柄> 

    お休み

<経済の動き>

◆勢い増すアジア新興国の成長力

『アジア開発銀行(ADB)は15日、アジア太平洋地域(日本など域内先進国を除く)
の2010年の実質成長率が6.6%になるとの見通しを発表した。先進国の景気の持ち直しや
域内の積極的な財政出動などが寄与し、9月時点の前回見通しを0.2ポイント上方修正
した。中国、インドの成長率は据え置いたが「多くの国で想定以上に順調」としている」

(解説)
中国、インドの次にアジア新興国の成長力で目立つのはインドネシア。ユドヨノ大統領の
優れた政治手腕で、確実に成長していける国に変貌した。その次に目立つのはベトナム。
いろいろ問題を抱えながらも確実に成長力を高め、タイ、マレーシア、インドネシアとは
なお差が大きいものの、急拡大で2番手の一団に入っている。アジア新興国の経済力は
厚みを増している。


◆企業成長はアジア頼みが鮮明

『日本の上場企業の収益回復をアジア地域がけん引する構図が鮮明になってきた。主要
グローバル企業の地域別収益を分析したところ、2009年4〜9月期(上期)のアジアの
売上高は初めて米州を上回った。収益性でもアジアは連結営業利益の46%を占め、日本の
29%を上回る。日米欧の景気低迷が長期化する中、成長性の高いアジアへの収益依存度は
一段と高まりそうだ』

(解説)
今後の成長市場はアジアであることが鮮明となってきた。成長を図るためにはアジアへ出ろ
と言わざるを得ない。どこまでアジアを攻略できるかが今後企業を見る上でのポイントと
なってきている。


◆優位性がさらに低下する日本の技術力

『大手会計事務所のデロイト トウシュ トーマツは、アジア太平洋地域の“技術系”
高成長企業500社のランキング「ファスト500」をまとめた。過去3年間の売上高成長率で
みた上位500社のうち、日本企業は46社を占めた。これは前年より3社少なく、参加9カ国・
地域中で7位の成績。目立ったのは99社がランク入りした台湾と97社の中国で、特に中国企業
は昨年より25社も増え、成長の勢いを示した」

(解説)
日本は今やアジア太平洋地域の中でも、技術力の優位性は喪失してきている。資源国豪州や
ニュージランドにも後塵を拝する始末だ。

旧来型の物つくりの産業しか残ってない日本にとって、技術力の相対的な低下は致命的だ。
日本は今後何でメシを食っていくのか、早急にビジョンの作成が求められている。


◆スケールの小さい日本の景気刺激策

『政府税制調査会は18日、2010年度税制改正に向けた最終案をまとめた。住宅を購入する
ために、親や祖父母などからもらったお金にかかる贈与税の特例の非課税枠を10年中は
1500万円、11年中は1000万円に引き上げる。株式投資の配当と譲渡益を非課税にする制度も
12年から設け、年100万円を限度に3年間、総額300万円まで非課税にする。減税中心の
税制改正で低迷する日本経済を下支えする』

(解説)
今回の住宅に対する減税は、日本の政治家・官僚の頭がいかに発想が貧弱になっているかを
示す好例だ。財政がひっ迫状態であれば、できるだけ少ない資金で、民間の資金がたくさん
出てくるような政策が望まれるわけだが、住宅市場はそれが最も期待できる市場である。

ここで1000万円とか1500万円とかの水準で限度を設けるのはあまりに惜しい話だ。ほとんど
上限なしのフリーでもいいくらいだ。それによる税収の減少など、需要効果の大きさに
比べれば微々たるものだろう。どうしてそのようなスケールの大きい発想が日本の政治家・
官僚には出てこないのだろうか。


◆株式市場で外国人のシェア低下


『株式市場で外国人の存在感が急低下している。2009年の外国人の売買シェアは12月11日
までで53.1%と、3年ぶりの60%割れが確実。日本経済のデフレ懸念や中長期的な成長期待
が薄れる中で、日本株投資に慎重になっており、売買代金も半減した。一方、個人の
売買シェアは30%近くまで上昇し、投資意欲の回復が鮮明だ』

(解説)
個人の売買シェア増加を、投資意欲の回復と言っているがこじつけにすぎない。外国人投資家
が日本市場から逃げ出し始めているため、結果的に個人投資家の比率が増加しているだけだ。
基本的には尻貧市場のパターンだ。

          *     *     *

<株式資のセオリー>

第225回 今年の総括

今年もあと残すところ1週間ちょっとで終わろうとしている。毎年いろいろなことが
起きるが、振り返って見ると今年は波乱の大きかった年といってよい。

昨秋のリーマンショックの流れが年明けも続き、3月には日経平均で7000円近辺まで、
NYダウで7000ドル割れの水準まで下落して、相場が底抜けするのではないかという
恐怖感をもたらした。

ただ、そこが相場の大底となり、その後は世界の株式市場は反騰局面入りし、各市場
とも大きな戻りを達成している。市場によってやや差はあるが、このままいけば概ね
今年度の高値圏で終了しそうだ。株式相場としては上下に大きく振れた年だったが、
来年はどうなるか。

また政治的にも大きな変化が起きた年だった。米国では初の黒人大統領が誕生し、日本も
長期政権の自民党が選挙で惨敗し、民主党主体の連立政権が誕生した。

いずれも「チェンジ」をキーワードに戦ったわけだが、両国民とも、それまでの政権や
政治、経済に辟易していたことが背景にあったからこそ、チェンジを求めたのであろう。

一方で、一足早く変化を求めて動き出していた欧州では、リスボン条約が成立し明年
早々巨大国家EUが誕生する。歴史上かつてない動きで誕生するこの巨大国家EUは、
新興国の急成長と相待って、世界のこれまでの勢力図を大きく変えることになろう。

米国や日本の変化しようとする動きは、この世界の大きな変化の流れに対応しよう
という自助努力と見えないこともない。

ただ依然日本は次の展望が見えない状態に置かれたままだ。このままだと、さらに
世界の動きから取り残され、存在感を失っていくことになろう。日本の進むべき方向を
示す優れたリーダーの出現が待望されるが今の所影も形も見えない。

このままいけば、国の財政破たん、年金の崩壊など凋落の動きは目に見えている。
残念ながら、そこまで窮地に立たされないと、新しいリーダー、新しい展望が出て
こないのかもしれない。

一方米国も、期待されたオバマ大統領が金融危機の深手やイラク・アフガン問題など、
これまでの負の遺産に足を絡めとられたままで、次のステージを提示するところまで
には至ってない。

ただ、米国は基本的に活力を維持しており、最後はEUにすり寄る奥の手も残されている
ので、日本のように尻貧状態に陥ることはあるまい。

経済の面からいうと、拝金主義の象徴のような米国型金融立国が、リーマンショックで
痛い目に会い、世界一の自動車会社GMまでも破たんに追い込まれるという事態を見た。

日本でもJALがGMと同じような形で政府支援を仰ぐなど、産業界の有力企業がその
経営スタイルを閉じることになった。

経営者が超高額の報酬を得、退職者の厚い年金保証など、世間並の水準からかけ離れた
待遇を維持することは困難な時代となった。実態が明るみに出ると、国民は、そんなに
とっていたのかと羨望交じりの批判が大勢だ。アブノーマル(異常事態)だったという
しかない。

おそらく、これからのEUや、中国、ブラジルなど新興国が先導する時代は、一部先進国
の作りだしたこのアブノーマルな状態を、ノーマルな状態に引き戻していく過程となろう。

ただノーマルな状態といっても、金融バブル前の状態に戻るのではなく、まったく新しい、
ニュー・ノーマルな世界を作り上げていくことになるはずだ。

企業にとっても、その新しい時代に沿った体制作りが求められている。世界の経済の
勢力図の変化や、今後大きく伸びる産業を踏まえて、企業戦略をうまく切り替えて
いける企業が生き残っていけることになる。業種の動きよりは個々の企業の動きに目を
凝らしてかねばならない時代となっている。


      <来週はお休みし、次回は1月6日となります>  

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2005-04-12  
最終発行日:  
発行周期:週間  
Score!: 非表示   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。