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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(11/30)

2009/11/30

もくじ
<相場見通し>
          
     ・そろそろ自律反発期待

<今週の参考銘柄>
      
    
                     
<経済の動き>
     ・業務仕分けチームの成果はやっと7000億円
     ・ブラジルへの投資拡大に走る欧米自動車メーカー
     ・落ち着いたスタートの米クリスマス商戦
     ・東南アジア諸国の7〜9月期成長率7.2%
     ・中国頼みの自動車販売
                       
<株式投資のセオリー>
     第222回    投資レーティングの見方            
                                     
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★

<相場見通し>

◆そろそろ自律反発期待

(なぜ今頃ドバイ・ショックなのか)
先週はドバイ・ショックで世界の株価は揺さぶられた。ドバイの金融不安は昨年の金融
危機発生当初から言われてきたことで、何も新しい問題ではない。それがどうしてこの
タイミングで出てくるのかやや奇異な感じがする。

近年ドバイは石油資源からの脱却を目指し、金融立国、観光立国を唱え、国内で大プロ
ジェクトを次々に立ち上げてきた。有名なのは、ヤシの木の形や、世界地図の形をした
埋め立てリゾート地で、一時は世界の建設クレーンの半分がドバイに集まっているとさえ
いわれたほどである。

ところが、リーマンショックが起きるやその波をもろに被り、販売不振、資金調達難から
プロジェクトが次々にとん挫する事態に陥った。その結果プロジェクトのために世界から
集めた巨額の資金が負債となってドバイ政府(事業主体はいずれも政府系)にのし
かかっている。

このままでは当然、国家破たんしてももおかしくない状況だが、ただ、同じアラブ首長国
連邦内(7ケ国で構成)には、石油資源が豊富でお金持ちの国アブダビが控えている。
最終的にはアブダビが支援に回るから大丈夫という安心感があった。

国が保有する余裕資金を見ても、アブダビはドバイの負債を抱える力を十分持っており、
現に金融危機後、UAE中銀やアブダビ政府系の銀行が総額150億ドルのドバイ政府債を
引き受けている。

今回の問題は、ドバイ政府が一方的に債務返済延期を唱えたことで、このアブダビ支援が
続くというシナリオが崩れたという見方で起きたのだろうが、ただ、もう少し情報が集まら
ないと真偽のほどは不明だ。一方ではアブダビは支援継続を示唆というニュースも流れて
いる。

ドバイとアブダビはこれまで仲が悪かったので、ドバイとしてはアブダビに頭を下げたく
ないという気持ちが強いのかもしれないが、ここまでくれば、そうも言ってられまい。
おそらくアブダビに膝を屈して支援を受けることになろう。

本欄では何度もこれまで触れているが、世界の株価はこの2年以上にわたって5ケ月ごとに
株価のクラッシュが起きるというパターンを繰り返している。この11月後半はちょうど
そのサイクルに当たっていた(前回は6月末)。

従って、市場は何かその引き金となる材料を待っていたといえないこともない。それが
たまたまドバイ問題だったという可能性もありうる。

このような見方が成り立つとすれば、今回の問題は、一部で言われているような世界の
金融不安の再燃といった大げさな問題ではなく、たまたまために使われた悪材料と見る
ことができよう。

最悪の場合、全部焦げ付いたとしても規模は5兆円程度だ。リーマンショック後の金融
不安では1000兆円をどうするかという状況とはケタが違う。週初はショックの余韻が
まだ残るかもしれないが、週後半には世界の株式市場は落ち着いたものとなろう。

ただ日本経済にとってもっと大きな問題は円高の動きだ。もともと円高に動いていた
ことに加え、今回のドバイ・ショックでさらに円高が進んだ。リーマンショック以降の
高値を既に抜いてきているため、為替問題は以前よりまして深刻化している。

民主党が円高容認姿勢をとっているということも背景にあるようだが、これだけ円高が
進めばせっかく回復しつつある景気にとっては間違いなく打撃となる。責任政党としての
民主党の力量が試される局面に来ている。

藤井財務大臣の動きには危機感も感じられるようになったので、今後政府の何らかの
介入が予想される(先週末の円高では一度動く素振りを見せたようだが)。ただ景気
回復を促すためには90円程度までの押し戻しが必要と見られるが、はたしてそこまで
やれるかどうかだ。

(押し目は海外新興株も視野に)
ドバイ・ショックによる混乱が収まるまで様子を見る必要があるが、相場的にはかなり
売り込まれているのは間違いない。そろそろ、自律反発してもおかしくない水準だ。
ただ依然気になるのは為替の動き。

これだけ為替に振り回される状況が続くと、反発局面がきても日本株は買いにくくなって
しまう。いつまた為替で腰を折られるかわからにからだ。折しも海外株は世界同時安で
押し目を形成しようとしている。

買いに入る好機であることはまちがいない。ここでの押し目狙いは、日本株はほどほど
にして新興国を中心とした海外株の世界分散をお勧めする。

          *     *     *

<今週の参考銘柄> 

     お休み

<経済の動き>

◆業務仕分けチームの成果はやっと7000億円

『政府の行政刷新会議の作業グループは27日、2010年度予算の概算要求の無駄を洗い出す
「事業仕分け」を終えた。廃止や縮減などを求めた事業の削減総額は7000億円規模と
なった。国が財源を拠出する独立行政法人などの基金や、特別会計の積立金などからの
国庫返納要求額は1兆円規模に上り、1.7兆円の財源捻出(ねんしゅつ)効果を見込む。』

(解説)
今回の作業のシナリオを描いたのは財務省だと言われている。財務省は毎年予算の時期
になると各省庁を呼んで同じような作業をやっている。これを今回は民主党が表に出て
やっただけである。

従って呼びだされた省庁は、公の場で恥をかかされたといって、財務省に対する不満が
高まっていると言われる。

ただあれだけ大々的に作業をして捻出できたのは7000億円あまり。必要な削減額は
おそらく10兆円規模だろうからとても足りない。個別査定だけでは削減には限界がある。
構造的なものにかなり踏み込まないとだめだろう。たとえば下記のような考え方である。

〈例〉
・各県でやっている行政処理を一元化(標準化)する・・・・現在は市町村単位で
ソフトをそれぞれ作っている業務ソフトを一本化するだけで膨大なコストダウンにつながる。

・2つの省庁がやっている国の道路建設・管理を一本化する・・・・国の道路建設・
管理は一般道は国土交通省、農道は農林省と別々に行っている。その結果地方に行くと
同じ所に並行して立派な道路が建設されている光景がよく見られる(しかも連結は悪い)。
管轄を分けているからこうなるので、一本化すれば膨大な建設・管理コストの軽減に
つながるはずである。

企業が思い切ったリストラする場合には当然このような考え方にまで踏み込むことに
なるが、政治の中にもこういう視点や、知恵が必要となっている。


◆ブラジルへの投資拡大に走る欧米自動車メーカー

『欧米の自動車大手によるブラジルへの投資が加速している。独フォルクスワーゲンは
26日、2010年から14年までの5年間に62億レアル(約3100億円)を投じ生産能力拡大や
新型車開発の計画を発表。米フォードも11年から15年までの投資額を40億レアルと
発表した。生産体制の整備で着実な成長の見込める新興国ブラジルでの顧客取り込みを
急ぐ』

(解説)
中国に次いで大きな市場として期待されているのはブラジルだ。ブラジルはオリンピック
やワールドカップの開催が今後予定されるなど、4〜5年前の中国の状況に似ている。
しかも石炭や鉄鉱石などに加え最近大油田が発見されなど資源大国の性格も持つ。

最近の欧米の投資の矛先は、投資時期としてはかなり爛熟期に入り始めている中国よりも、
むしろブラジルに向かっていることは確かだ。


◆落ち着いたスタートの米クリスマス商戦

『米国で年末商戦の序盤戦のピークとなる「ブラックフライデー」の27日、各地の小売店
では深夜から前年を上回る規模の行列ができた。事前に購入する品物の価格を入念に
見比べ、目当てのものを購入する例が目立つという。』

(解説)
出だしの動きを見ると、今年の米国クリスマス商戦は大きな落ち込みを見せた昨年よりは
堅実な動きが期待できそうだ。もちろん大きな伸びは期待できず、高額商品の売れ行き
にも限界があると見られるが、中・低価格商品を中心に、全体的には昨年をやや上回る
水準で推移するものと予想される。


◆東南アジア諸国の7〜9月期成長率7.2%

『26日までに出そろった東南アジア諸国連合(ASEAN)主要5カ国の7〜9月期の
実質国内総生産(GDP)成長率は、前期比の年率換算(季節調整済み)で平均7.2%
だった。プラスに転じた4〜6月期の9.8%(改定値)より2.6ポイント鈍化した。輸出の
落ち込み幅が縮小したことなどから2四半期連続でプラス成長を維持したが、景気対策の
効果が薄れる中で年末から来年以降が持続性を占う正念場となりそうだ』

(解説)
4〜6月期よりは落ちたが、それでも7.2%の成長とは高い伸びだ。0%近辺でうろうろ
している先進国諸国とは大違いだ。今後もこの程度の成長を維持できれば、世界景気の
牽引的な役割を一定程度担うことができよう。


◆中国頼みの自動車販売

『乗用車8社が27日発表した10月の海外生産実績(速報値)は合計で105万4200台と前年
同月を7.2%上回った。中でも中国での生産台数が4割増の約21万4千台と伸びをけん引。
海外生産に占める中国比率は20.3%に達した。国内生産は回復が遅れているが、国内外の
合計生産台数ではトヨタ自動車や日産自動車が15カ月ぶりにプラスに転じた。海外生産が
前年実績を上回るのは9月に続き2カ月連続 』

(解説)
日本車の生産は既に半分以上は海外生産となっており、海外生産が前年を上回ってきた
ということは、全体的に生産回復はかなり鮮明となってきたといえる。ただ、今の状況は
中国依存が大きく、危うさもがあるので、本格的な回復にはやはり先進国市場の底上げが
条件となろう。

          *     *     *

<株式資のセオリー>

第222回 投資レーティングの見方

株価を動かす要因の一つとして、証券会社の出す「投資レーティング」や「投資格付け」
がある。

証券会社の多くは株式や債券、投信などの商品を取り扱う営業部門のほかに調査部門を
持ち、そこでは、経済全体や証券市場制度などマクロ的視点の調査や、業界動向や個別
企業動向などミクロ的視点の調査している。

この中で、個別企業の調査をおこなっている部署では、企業の「投資レーティング」や
「格付け」といった投資判断を出しているケースが多い。

投資レーティングは、変更されると株価が動くことあるので投資家の注目を集める。
一般的にレーティングが上がると株価にはポジティブに働き、レーティングが下がると
株価にはネガティブに働く。

特に評価の高いアナリストが投資レーティングを変更すると、直ちに株価が動意付く
ことも珍しくない。前日までほとんど動きがなかった銘柄が、人気アナリストの
投資レーティング変更をきっかけに、大商いでストップ高(ストップ安)になると
いったケースすら起こる。

特に外資系証券会社の調査部には、人気アナリストが在籍していることが多く、外資系
証券会社のレーティング変更をウオッチしている投資家も少なくない。

しかし問題は、このような外資系証券会社は基本的には機関投資家相手にビジネスを
していることである。不特定多数の個人投資家は相手にしてない。従って、レーティング
のレポートができたら、真っ先に持っていくのは機関投資家である。

一般投資家向けに公表されるのは、機関投資家への説明が終わったあとである。
そうなると、個人投資家が動く前に機関投資家が一足先に動いている。

もし、レーティングの引き上げがおこなわれた場合、機関投資家がまず先に仕込み、
そのあと個人投資家が買いに走ることになる。従って、一番おいしいところは機関
投資家にとられ、個人投資家の買いが集まってきたところは格好の利食い場とさえ
なりかねない。

証券会社にとっても、レーティング引き上げにより株価が上昇するとメリットは大きい。
機関投資家の発注手数料が入り、しかも得意先である機関投資家の運用益が上がれば
証券会社の評価が高まり、今後の取引拡大にもつながることになる。

こうなると割を食うのは一般投資家だけということになってしまうが、ただ、一般投資家
としてもこの動きを利用する方法はある。早めに機関投資家などの動きを察知して、
レーティングが公表される前に仕込んでおくのである。

機関投資家が既に動いているかどうかは、細かく株価推移や出来高を見ていれば感知で
きないことはない。買いの場合は値を上げないように気を配りながら仕込んでいるので、
安値での出来高増加しているはずである。

いずれにしろレーティング変更の発表は、公表された時は既に二番煎じとなっていることを
知っておくべきである。

また、証券会社によっては、自社の持ち玉や、機関投資家の保有株を売り逃げたいために
レーティング変更を利用する場合すらあるので、レーティングをそのまま鵜呑みにして
動くのはできるだけ避けたいことだ。

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創刊日:2005-04-12  
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