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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(11/24)

2009/11/24


  もくじ
<相場見通し>
          
     ・反転のタイミング待ち

<今週の参考銘柄>
      
     三井物産
                     
<経済の動き>
     ・優先課題を履き違えるオバマ大統領に米国民は苛立ち
     ・日本国債、再度格下げの可能性
     ・ドル暴落を懸念するバーナンキFRB議長
     ・PTSの取引規模が急拡大
     ・薄型テレビ自社生産縮小に動く大手電機メーカー
                       
<株式投資のセオリー>
     第221回   分散投資再考             
                                     
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★

<相場見通し>

◆反転のタイミング待ち

(下値は限られている)
相変わらず日本株の一人負けの様相が続いている。NY市場の上げには反応しないが、
下げには素直に反応するのだから始末が悪い。いずれにしても、相場はかなり下げ圧力が
強いということだ。

先週の相場は日経平均で直近の安値9691円を割り込み、節目と見られていた
9500円をも下回ってきた。トレンドとしては上値と下値を切り下げるという完全な
下げパターンとなっている。こうなるとどこまで下げるのかというのが次の焦点となる。

次の下値の目途としては7月13日に付けた9050円がある。ただここは上昇相場の
転換点の水準でもある。もし、これを割ってくるようなことがあれば、もはや上昇相場の
中での一時的調整というのではなく、はっきりとした下落相場に転じてしまうからだ。

そこまでの下げはないとみているが、もし9050円割れるようなことが起きれば、
世界の景気は2番底というよりも、まだ底バイ状態が続いており、回復局面にはいって
ないことを示している。果たして本当にそうだろうか。

確かに先進国は、米国などまだまだ厳しい状況が続いているが、景気の牽引者となって
いる新興国はかなりの回復を見せつつある。新興国のもたらす効果が小さいというので
あればこれにも限界があるが、中国は来年には日本を追い越して世界第2となる経済
大国だ。ブラジル経済、インド経済もかなりボリュームが大きくなってきている。

これらの国は、大型機関車ではないとしても、中型機関車程度の馬力はあると見てよく、
世界の景気は少しづつ回復しているのは間違いないと見られる。そうであれば、相場の
底割れはないとみるのが自然だ。

時期的に、1年で最もパーフォーマンスの悪い月である11月はもうすぐ終了する。
12月に入れば違った展開が見えてこよう。

その兆しはなくもない。先週末、新興市場は久しぶりに反発に転じた(ジャスダック市場、
マザーズは11日振り)。先物に翻弄される東証1部市場よりは、新興市場のほうが
市場の雰囲気をよく示していると見られるので、とりあえず反転したのは朗報だ。

騰落レシオも大底圏である60%台に低落しており、通常ならばいつ自律反発があっても
おかしくない水準にある。反転の時期は迫ってきていると見る。

(海外投資家の日本株評価)
今回の決算で日本株の業績底打ちははっきりしてきたものの、中身は減収だが、当初
見込みより増額という企業がほとんど。すなわちリストラ、合理化で利益をひねり出した
格好だ。

放置すれば、さらに業績悪化を招くから、合理化は必要不可欠なのだが、合理化とは
人員の削減、設備通しの抑制、在庫整理などいわば後ろ向きの効果だ。継続性があるとは
言い難い。

やはり企業は売上高が拡大して利益を増やすパターンに戻れないと、株価的にも積極的
にはなれない。日本株式市場の半分以上のシェアーを占めている海外投資家としても
同じ思いだろう。それが日本の株価の大きな足かせとなっている。

そろそろ自律反発期待だが、狙うとしたら先の決算で大幅増額修正し、今回の下げで
値持ちのよかった銘柄が候補となる。それと国際分散投資で新興国の海外ETF(中国、
ロシア、ブラジル)も是非ポートフォリオに含めたい。海外ETFは下げに強い点にも
注目。
          *     *     *

<今週の参考銘柄> 

     8031 三井物産 1138円

<経済の動き>

◆優先課題を履き違えるオバマ大統領に米国民は苛立ち

『米調査会社のギャラップが20日公表した世論調査で、オバマ米大統領の支持率が49%
となり、就任後初めて50%を割り込んだ。同社によると、就任から10カ月での過半数
割れは第2次世界大戦後に就任した12人の大統領のなかでフォード氏(3カ月)、
クリントン氏(4カ月)、レーガン氏(10カ月)に次ぐ4番目の早さとなった 』

(解説)
あれほど人気が高かったオバマ大統領の支持率が急降下してきている。支持率の低下は、
今オバマ大統領取り組んでいる課題が、米国民が早急に優先的に解決してほしい問題と
ズレていることに起因してると見られる。

選挙公約もあり、アフガン問題や医療保険にオバマ大統領はかなりエネルギーをさいて
いるが、これらの問題はそんなに急ぐべき問題ではない。それより今国民が優先して
ほしいと思っているのは、住宅や失業といった国民の身近に起こっている経済問題だ。

しかも取り組んでいるアフガン問題や医療保険の問題は、今のところいずれも大した
成果が上がってない。これでは国民に苛立ちが出てくるのも致し方ない。ただ、
オバマ大統領の性格からいって、なかなか簡単には頭は切り替えられないようだ。
しばらくこの流れは続きそうだ。


◆日本国債、再度格下げの可能性

『英米系格付け会社フィッチ・レーティングスのソブリン部門統括責任者、
デイビッド・ライリー氏は日本経済新聞に対し、来年度の国債発行額が新政権がめどと
する44兆円を大幅に上回った場合、「中長期的な財政安定への取り組み不足が浮き
彫りになる」との認識を示した。財政規律が失われたとの判断につながり、日本国債の
格付け見直しの要因になると語った』

(解説)
米系格付け会社の格付け引き上げでとりあえず収まっていた日本国債の信用懸念問題が、
再度注目を集めそうだ。民主党の足し算政策により、来年度予算額が93兆円以上の
見通しとなり、国債発行が大幅に増えるためだ。

格付けが引き下げられれば、財政状態は以前格下げされた時より悪化してきているので、
それをきっかけに国債暴落となることも否定できない。もし国債の暴落が起きれば、
円の大幅下落につながり日本経済に大きなダメージをもたらす。

株式市場にとってもこれは大きなマイナスだ。円安進行は株式市場にとってプラスでは
ないか見る向きもあるかもしれないが、おそらく外国人投資家などの日本株売りにより
大幅下落となると可能性が高い。いずれにしろ、来年度予算が固まった段階での格付け
会社の動向が注目される


◆ドル暴落を懸念するバーナンキFRB議長

『米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は16日、ニューヨークで講演し、
外国為替市場でのドル相場の動向について「しっかりと監視してゆく」と述べた。急激な
ドル安の進行をけん制する狙いとみられる。FRB議長がドル相場に言及するのは異例』

(解説)
円も怪しくなってきているが、ドルもかなり危なくなってきている。米政府の膨大な
財政赤字や低金利持続を嫌気して、ドルの実行レートがじりじり低下しているからだ。
今回のバーナンキ議長の発言はその警戒感の表れ。

米の巨額の貿易赤字を背景にドル暴落は以前から言われてきた問題だが、米財政の
大幅悪化も加わりかなり現実味を帯び始めている。近い将来大きな波乱が起きる
可能性も否定できない。


◆PTSの取引規模が急拡大

『証券取引所を使わずに株式を取引する私設取引システム(PTS)の取引規模が
急拡大している。6つの国内PTSの売買代金の合計は、10月に前年同月比2・1倍の
3016億円に達し、ジャスダック証券取引所と並んだ。機関投資家が活用し始めたほか、
個人投資家が夜間にPTSを利用する例も増えている。


(解説)
長らく低迷していたPTSだが、ようやく投資家に認知され始めたようだ。これが
市場としてさらに力をつけてくれば、24時間取引も実現可能なものとなってくる。

東証、大証など既存市場も無視するのではなく、夜間取引など積極的に取り入れる姿勢を
見せる必要がある。ただでさえ昼休み時間をいまだにとっている稀有な市場だ、気が
付いてみたら、客が誰もいなくなってということになりかねない。


◆薄型テレビ自社生産縮小に動く大手電機メーカー

『日立製作所や東芝など大手電機メーカーが薄型テレビの自社生産を縮小する。日立は
中国生産を打ち切り、国内に1工場だけを残す。東芝はベトナム生産から撤退する。
薄型テレビは単価の下落が激しく、電子機器の受託製造サービス(EMS)への委託や
事業縮小を加速し収益力の回復を急ぐ。来春には日本勢のテレビ工場数はピーク時に
比べて3割減る見通しで、自社生産を軸としてきたビジネスモデルの見直しが加速
しそうだ』

(解説)
ソニーなども薄型テレビの自社生産を縮小し、台湾勢などに生産委託する方針だ。
サムスンが2020年に売上36兆円をぶち上げて生産の大幅増加を計画している
のとは好対照の動きだ。電機メーカーのこの元気なさは落日日本を象徴している。

          *     *     *

<株式資のセオリー>

第221回 分散投資再考

今回は現在の相場における分散投資について改めて考えてみたい。分散投資には
大きく分けると、銘柄の分散と時間の分散の2つの意味があるが、ここでは銘柄分散
について焦点を当てることにする。

分散投資は、いうまでもなく株式投資においては基本中の基本といわれている。一つの
銘柄に集中して投資した場合、思惑とは反対の動きになったり、悪材料等が出て大きく
下げた場合などは、大きなダメージを被ることになる。このリスクをできるだけ回避
するため分散投資は必要となる。

分散投資というのは単に銘柄を分散すればよいかというとそうでもない。同じ業種や
同じような性格の銘柄(輸出関連、資源関連等)に分散すると、動きが似通ってしまい
リスク回避にならない場合がでてくる。何かあった場合株価が同方向に動くからである。
従って、業種や銘柄の性格も考えて分散するのが正しいやり方といえる。

リスク回避というと守りの意味合いが強いが、分散投資には攻めの意味合いも含まれて
いる。相場というものは、銘柄の流れというものがあり、中核となる銘柄群が大きく
上げて相場全体を引っ張っていくことが多い。特に上昇相場ではこの傾向が強い。

従って、投資成果を上げるためには中核銘柄群を投資対象から外すわけにいかない。
ところが、相場の初期段階などではどのような銘柄が中核銘柄群となるか判断しにくい
ことがよくある。

候補はいくつかあげられるが、その中でどこが主役に躍り出るかあげてみないと
わからないということである。

そのような時は、候補銘柄群のいくつかに分けて分散投資しておく。いわば斥候隊を
いくつかに分けて出しておくのである。そのようにしておけば中核銘柄群への投資を
逃すリスクは避けられることになる。

さらに、保有銘柄を見ていれば、どの銘柄群が動きがいいのかわかるので、中核銘柄群が
初期段階でキャッチでき、早めに資金をそのような銘柄群にシフトしやすくなる。

このように、分散投資は攻めにおいても必要な投資手法といえる。ただ、これは多分に
相場全体が右肩上がり基調となっていることが前提となる。というのは、上昇の波に
乗れなかった中核銘柄以外の銘柄も、少なくともトントン以上で損なく切れることが
前提となっていたからである。

ところが、最近の日本市場の動きを見ていると、上げ相場でも、ほんの一部の銘柄
しかあげず、他の銘柄はあげないどころか下値を模索する動きにさえなってしまう
ことが多い。
こうなると中核銘柄の上げが他の下げで相殺され、トータルではたいした儲けに
ならないという事態がおきてしまう。全体の投資効果がほとんど上がらないのである。
銘柄の手を広げれば手を広げるほどこのような傾向が強くなってしまう。

利益が出るとすれば、資金をうまく中核銘柄に絞ることができた時だけだ。しかしこれは、
値下がりリスクも大きくなってしまう。

この現象はジリ貧市場ならではのものといえる。日本市場はまさにそのような様相示して
きている。こうなってくると、日本市場の中でいくら分散投資をしても仕方がない
ということになってしまう。

こう見てくると分散投資といってもそろそろ別の視点が必要となってきそうだ。国内
での分散投資ではなく、国際的な分散投資という視点である。日本市場を、数ある世界の
株式市場の一つととらえ、国際的な分散投資の中で日本市場を見ていくのである。

他の市場が、元気のいい動きをしているにもかかわらず、ただ一人さえない動きをして
いる日本市場を見るにつけ、こう考えざるを得ない。分散投資と言ったら、国内市場
での分散よりも、国際的分散が大きな意味を持つ時代になったということである。

折しも26日(木)には、中国、ブラジル、ロシアに次いで、インド株式指数連動型
上場投信(東証ETF)が新規上場となる。国際的分散投資の対象も次第に品揃いが
増えてきた。

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創刊日:2005-04-12  
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