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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(11/16)

2009/11/16

  もくじ
<相場見通し>
          
     ・そろそろ調整も終盤だが、大きな反発は期待薄

<今週の参考銘柄>
      
     日東電工
                     
<経済の動き>
     ・豪、2ケ月連続利上げ
     ・目立つ国内投資家の日本離れ
     ・エコカー減税が追い風だが、焦点は来年度の制度延長の動き
     ・オバマ大統領の求心力低下を示す医療保険改革法案
     ・外交感覚欠如を示した小沢発言
                       
<株式投資のセオリー>
     第220回 板の動きを過信するな               
                                     
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★

<相場見通し>

◆そろそろ調整も終盤だが、大きな反発は期待薄

(割り負けの相場展開続く)
NY市場は年初来の高値を更新する堅調な動きとなっているが、日本市場は日経平均で
1万円割れのさえない相場が続いている。他国市場に比べてあまりのふがいなさに、
「日本無視」相場という言葉さえいわれ始めた。

確かに、世界経済における日本経済の存在感は年々低下しており、今回の金融危機からの
回復過程においても、打撃が少なかった割にはいまひとつ元気がない。これではまさに
「世界地図から消えた国」と言われてもいたしかたない状況だ。

海外を回ってきた企業人に聞くと、中国企業や韓国企業の威勢のいい経営者の話を聞いた
後で、日本の経営者の話を聞くと、やれ企業を売却したとか、やれリストラしたとか、
後ろ向きの話ばかりで別世界のように感じるという感想を漏らしていたが、まさに現在の
日本経済の閉塞状況を示しているといえる。

11月は決算を控えた海外ヘッジファンドの解約売りが出る時期なので、ある程度の
調整は予想されたこと。ただ、欧米市場は高値圏で頑張っているのに比べると日本市場の
弱さが目立つので、12月以降予想されている反発もどこまで期待していいのか迷う。

それに加えて、大きなマイナス材料が出現してきた。大型公募増資の動きである。先週末、
三菱UFJが1兆円規模、日立が5000億円規模の増資を検討していると報道されて
いる。

ただでさえ流入資金が少なくなっている市場で、これだけの大型増資をされたら影響は
少なくない。今回の不況で傷んだ財務の立て直しを図る考えのようだが(三菱UFJは
新BIS基準への対応もはかる)、両社以外にもさらに増資計画が明らかにされる可能性
もある。

今年6月から7月かけての調整では、野村等の大型増資を材料にヘッジファンド筋が
先物の売りを仕掛けてきた経緯がある。今回は売り仕掛けに至らないまでも、相場の重し
となることは間違いない。

それと、金融緩和の長期化を背景にドルの実効レートが再度低下傾向となってきている
ことも気がかりだ。円高については、輸出企業の設定レートが90〜95円となっている
ので、90円以下は企業収益に響いていくる。

今のところ、金融当局は85円を死守ラインとして、87円50銭割れから介入する
考えを持っているといわれている。その通りであれば、現在の89円程度の水準から
あまり円高にはならないと考えられるが、90円を超える水準で落ち着いてくれないと
積極的な買い気はおこらない。

民主党政権に対する失望感も強い。政策は亀井大臣一人に振り回され、小沢闇将軍の
存在も外国人にはかなり不評だ。

こう見てくると、12月に入っても市場環境が大きく好転するという材料が見つけ
にくい。需給が回復し反発の機運が出てくるとしても、上昇の恩恵は一部の銘柄に
とどまる可能性も否定できない。日本市場にとっては受難の時期が続きそうである。

(銘柄選択の条件は厳しく)
今回の決算発表では自動車や電機などに想定以上の回復ぶりを見せる企業が散見された。
ただ、それが大きな上昇につながってない。逆に、格好の利食いのタイミングとなって
いる銘柄が多い。

そのような銘柄も、決算後の乱高下は一段落(値幅の動きが小さくなり出来高も減少)
してきているので、本来ならそろそろ狙い目のタイミングだが、それがうまくいくかは
不明だ。

相場に勢いがあれば、反転時にはそのような銘柄が真っ先に大きく上昇することになるが、
相場に力がなければ、買われる銘柄も上昇幅も限定的となる。12月以降、相場が上昇
するとしても乗れる銘柄はかなり条件が揃った銘柄となろう。

銘柄選択の条件をあげると以下のようになる。
1.今回の大幅増額修正されており、今3月末にかけてさらに増額修正の可能性が高いこと
2.PERで20倍以内、出来れば15倍以内の株価水準にまで低下していること
3.需給関係が良好(信用取り組が拮抗、上値にシコリがない等)であること
4.高値からあまり下げずに頑強な動きをしていること
5.中堅・小型株(日経ダウ等に採用されている大型株は、先物に振り回され上げにくい)

上記条件を満たした銘柄の押し目を仕込めば、たとえ12月以降の相場があまり上げない
としても、少なくともトントンでは逃げることが可能だろう。

調整もそろそろ終盤に差し掛かっているが、膠着状態からの脱出は、好材料の出現、
出来高増加が鍵となる。


          *     *     *

<今週の参考銘柄> 

    6988 日東電工 2780円(100株売買可)

<経済の動き>

◆豪、2ケ月連続利上げ

『オーストラリア準備銀(中央銀行)は3日の理事会で政策金利を年3.5%へ0.25%
引き上げることを決めた。4日から実施する。豪準備銀による利上げは金融危機後、
経済協力開発機構(OECD)加盟国で初めてとなった10月に続き2カ月連続 』

(解説)
10月の新車販売台数が16ケ月振りに前年同月比増加に転じるなど、資源大国である
オーストラリア経済の回復振りは順調で、既にインフレ警戒から金利引き上げへと
舵取りを切り替えている。

中央銀行総裁は「今回の金融危機は世界不況ではなくアトランチック(欧米)不況と
呼ぶべきだ」とさえ言い始めた。それだけ自国にとっては損害は軽微だったということを
言いたいようだ。

今回の景気回復では、これまでの欧米の先進国に代わって、新興国や資源国が引っ張る
構図が益々はっきりしてきた。


◆目立つ国内投資家の日本離れ

『個人投資家によるアジア株投資信託の購入やアジア株の売買が急増している。中国、
インドなど主要市場の株価回復で運用成績が改善しているためで、売買・販売代金が
伸び悩む日本株・投信とは対照的だ。投資信託協会によると、アジア株で運用する投信の
残高は10月末で1兆6022億円。前年同月に比べ2.1倍の大幅増となった』

(解説)
今回の発表は日本株のあまりのふがいなさに業を煮やした国内投資家が、海外に逃げ
出している実態を示している。この動きが強まれば、日本株はさらに低迷を余儀なく
されることになろう。

この状態が続くと、日本市場で売買しているのは、海外ヘッジファンドの先物プレーヤー
ぐらいということになりかねない。


◆エコカー減税が追い風だが、焦点は来年度の制度延長の動き

『国内自動車販売の回復が鮮明になってきた。自動車業界団体が2日まとめた10月の
新車総販売台数(軽自動車含む)は、前年同月比4.4%増の39万6048台だった。プラスは
2カ月連続。エコカー減税や新車購入補助金が寄与し、トヨタ自動車やホンダの
ハイブリッド車を中心に登録車(660cc超)の販売が好調だった。ただ減税や補助金が
少ない軽自動車は12カ月連続減と明暗を分けた』

(解説)
問題は制度が切れる来年度以降はどうなるかである。欧米などに見られるように、制度
打ち切りとともに販売減少するのは目に見えている。従って、おそらく何らかの対策は
打たれるだろうというのが市場のもっぱらの見方だが、もし単純に打ち切られた場合は
自動車メーカーへの反動は少なくない。


◆オバマ大統領の求心力低下を示す医療保険改革法案

『米下院は7日の本会議で、オバマ政権が内政の最重要課題と位置づける医療保険改革
法案を賛成多数(賛成220票、反対215票)で可決した。上下両院を通じて、本会議
での可決は初めて。現在80%台半ばの保険加入率を96%に引き上げることや、新たに
公的保険を創設することなどが柱。上院は独自の法案を検討しているが、調整が難航して
いる。その後には両院で法案の一本化作業も必要になる見通しだ』

(解説)
難産の末下院で可決した医療保険改革法案だが、問題は上院。ここでは2/3の賛成が必要
なので、さらに法案の大幅修正が必要となるのは必至だ。そうなるとオバマ大統領の
当初の意図がどこまで達成されるのかあやしくなってきた。

今回の法案可決は、窮地に立っているアフガン問題とともに、オバマ大統領の求心力低下
を強く印象付ける動きとなってしまった。


◆外交感覚欠如を示した小沢発言

『民主党の小沢一郎幹事長は10日、和歌山県高野町で全日本仏教会の松長有慶会長と
会談後、記者団に宗教観を披露した。この中で小沢氏はキリスト教に対し「排他的で
独善的な宗教だ。キリスト教を背景とした欧米社会は行き詰まっている」との見解を表明。
イスラム教については「キリスト教よりはいいけど排他的だ」と述べた』

(解説)
日本の最高権力者と見られている小沢幹事長の今回の発言は、既に世界中を駆け巡り
大きな波紋を引き起こしている。小沢幹事長は今後世界から厳しい批判にさらされる
可能性も否定できない。

それにしても、政治家でありながら発言内容は不用意である。小沢氏のこの外交感覚の
なさは、日本の権力者が見識で選ばれるのではなく、金力や政治的腕力によって選ばれる
実態を示している。これでは日本の政治家が海外でまともに扱われないのも致し方ない。

          *     *     *

<株式資のセオリー>

第220回 板の動きを過信するな
        
ネット証券ではどこも板情報(価格ごとの売り買いの数量の情報)を提供しするのが
当たり前となっている。ネット証券で取引している人の多くは、この板情報を利用
しながら、売買注文を出しているとと思われる。

ところがこの板情報、内情を知らないと思わぬ痛い目に逢うこともある。

板情報を見ていると、買い注文が厚いと買い手がたくさんいるので株価は上がり
そうだとか、反対に売り注文が厚いと売り手がたくさんいるので株価は下がりそうだと
判断しがちとなる。しかし、実際には必ずしもそうは動かない

確かに上昇途中、下落途中など株価が大きく動いている時は、株価は板の厚さに応じた
動きを見せる。上昇しているときは、上値を追って買いが次々に入ってくるし、下げて
いるときは逆の動きとなる。、

ところが株価があまり動いてない平静時は、注文の厚さは必ずしもあてにならない。
なぜなら、板で表示されている注文は全て指値である。つまり、どうしても取引を
成立させたいという注文ではない。あくまでその値段なら売買してもいいですよという
注文である。
証券会社の自己売買部門(証券会自身が鞘取りのために売買しているセクション)の
担当者(ディーラー)や、本当に売買を成立させたい投資家は、そのような指値注文を
することはまずない。成り行きで注文を出すことが多い。

このような者にとっては、むしろ板が厚いと、恰好の注文のターゲットなってしまう。
まとまった注文を出しても、価格が動かないからである。つまり買い注文が多ければ、
大きな売りをぶっつけてくるし、売り注文が多ければ積極的に買って出るという
パターンである。

また、往々にして板注文の中には見せ玉が入っている時がある。証券会社のディーラーが
株価を有利な方向に動かそうと大量の注文を出しておくのである。

このような見せ玉は、売買成立してしまうと、もともと短期狙いの資金を投入している
ので、ディーラーはあわてて反対の売買をしようとする。

そのため、まとまった買いを見ると試し売りを仕掛ける、まとまった売り板をみると
試し買いを仕掛けるといったディーラーも少なくない。見せ玉を売り戻す(あるいは
買い戻す)ために動いてくるところを狙って手じまって、鞘を稼ぐのである。まさにプ
ロ同志の潰し合いの手口である。

一般投資家は、このようにプロなどの思惑が交錯している板の動きをあまり過信しない
ほうが良い。

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創刊日:2005-04-12  
最終発行日:  
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