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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(10/26)

2009/10/26


  もくじ
<相場見通し>
          
     ・11月初旬にかけ強含みの動き

<今週の参考銘柄>
      
     SMK
                     
<経済の動き>
     ・世界の株式時価総額、2月末から5割以上増加
     ・「VISTA」、BRICsに次ぐ成長地域に
     ・ブラジル株価、投資抑制策で大幅下げ
     ・郵政は完全に後戻りへ
     ・老後に不安いっぱいの日本国民
                       
<株式投資のセオリー>
     第218回 アナリストレポートの紹介
                                          
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★

<相場見通し>

◆11月初旬にかけ強含みの動き

(円高一服で少し元気取り戻す)
26日移動平均線を割り、一旦崩れるかと見られていた株式相場は、1万円台を回復し、
やや強ばった動きとなっている。これは相場の頭を押さえていた円高の動きが一段落した
ことが大きい。

8月以降90円を切る円高になったのは、日本企業のレパトリ(海外利益の国内還流)
が主因だったようで(下記「投資のセオリー」参照)、10月に入ってレパトリが
一段落するとともに、為替は円安に動きだした。

これで輸出関連株が息を吹き返し始めた。今期決算で業績の上方修正期待の高い輸出
関連が動かない限り、日本の相場は元気が出てこない。

為替は、少なくとも年内は90円台で動きが続きそうなので、輸出関連に対する評価の
見直しが今後進みそうである。

今週から決算発表が本格化する。これまで増額修正が期待されていたにもかかわらず、
円高で今後の見通しに懸念が残るため見送られていた輸出関連にとっては、好決算発表は
かなりインパクトとなる可能性がある。

注目業種はやはり、電機、自動車となる。アナリスト予想では業績上方修正候補の筆頭は
自動車である。米国での買い替え支援策は終了したが、中国、インドなどアジア市場が
伸びている。

自動車の回復で注目されるのは、組立メーカーよりむしろ部品関連。デンソー、アイシン、
豊田合成、トヨタ紡織、トヨタ織機、東海理化などのトヨタグループ。ケーヒン、
武蔵精密工業、FCCなどのホンダグループ。タカタ、曙工業などの独立系も要注意だ。

自動車に比べると電機の方が改善幅は小さそうである。銘柄によってバラつきがでるのも
電機業界の特徴。半導体関連やタッチパネル関連などは上方修正が期待できそうな分野だ。

銘柄的には、上方修正組として、イビデン、日東電工、日電硝子など、下方修正も
ありうるのは、シャープ、日本電気、三洋電機、アルプスなどだ。セットメーカーより
部品メーカーの回復力がありそう。

決算と株価の関係では、発表前に期待感から買われている場合、好決算が発表されても
逆に利食いの売り物に押されて急落してしまうケースもある。事前に出来高が膨らみ
すぎていないかどうか、この点を注意しておきたい。

仮に早めの仕掛けで決算前に株価が上げている場合は、発表日前日に一旦利食っておき、
決算後の激しい動きが収まるのを待って、じっくり再騰を狙うのも方法だ。

また、決算がおもわしくない時は即売却して手仕舞うべきである。業績悪が伝わった
銘柄は、改善の情報が出てくるまで悪材料は払しょくされないので、買い手が集まる
場面はしばらく期待できない。辛抱していると損失を取り戻す機会がますます
なくなってしまう。

足元の業績がおもわしくなくても株価が下げない銘柄は、将来的なテーマ性を持って
いる場合が多い。リチウム電池のGSユアサなどはこの例だ。決算一つとっても、
株価が直接的な反応だけでないので「なぜだろう」と考えるのも勉強である。

(11月初旬にはとりあえずポジション整理を)
今後しばらくは決算発表により、一喜一憂する展開が続くと見られるが、気をつけたい
のは、11月に入ると、欧米のヘッジファンドからの解約売り(12月決算の45日前
ノウティス)
がでるため、中旬以降は大幅な需給悪化が予想されること。

6月の解約規模に比べれば金額は少なそうだが(世界で2兆円程度?)、いずれにしろ、
株価下押し圧力になることは間違いない。

出来れば、その前にポジションはできるだけ減らしておきたい。従って保有銘柄は
決算発表日をあらかじめ調べておき、発表日前後で手仕舞うようにしたい。好決算発表後
に仕掛けるとしても、上がっても上がらなくても短期で売却が前提となる。

          *     *     *

<今週の参考銘柄> 

    6798 SMK 580円

<経済の動き>

◆世界の株式時価総額、2月末から5割以上増加

『世界の株式相場が上昇基調を強めている。主要52市場の株式時価総額の合計は
約45兆ドル(約4090兆円)と直近の底だった2月末から5割以上増加。昨年9月の
リーマン・ショック前の水準に近づいた。世界景気の底入れ期待に加え、各国の中央銀行
による潤沢な資金供給で、投資マネーが株式に回帰しているためだ』

(解説)
時価総額の大きい日米などの回復が鈍いので、ピーク約60兆憶ドルと比べるとまだ
道半ばの水準だが、新興国の回復力には目覚ましいものがある。

因みに2月末から9月末までの上昇率上位5ケ国は以下の通り。
インドネシア  132.5% 
ハンガリー   130.4%
トルコ     117.0% 
キプロス    115.5% 
インド     112.7%   


◆「VISTA」、BRICsに次ぐ成長地域に

『IMFの最新経済予測に基づくと「VISTA」と呼ばれる中堅5カ国(ベトナム、
インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン)の2010年の国内総生産(GDP)
成長率が平均で3%を超える見通しとなった。金融危機の影響が相対的に小さいうえ、
個人消費をけん引する若年層の人口比率が高いため。BRICs(ブラジル、ロシア、
インド、中国)に続く成長地域として国際企業による市場開拓が一段と進みそうだ』

(解説)
BRICsの平均成長率が4〜5%なので、それよりは若干成長率で劣るが、BRICsに
次ぐ成長市場だ。今後の海外投資を考える上で、投資候補から外せない地域となってきた。


◆ブラジル株価、投資抑制策で大幅下げ

『ブラジルのサンパウロ証券取引所の代表的な株価指数、ボベスパ指数は20日、前日比
2.88%安の65303で取引を終えた。今年6月22日に3.66%下落して以来の下げ幅。投資
資金の過剰な流入を抑制するために、20日から海外からの送金に対して2%を課税する
措置が導入され、取引開始直後から売りが先行した』

(解説)
海外からの投資を抑制するということは、それだけブラジルに対する投資が活発化
している証拠。もともと資源大国であり、その資源も従来の石炭や鉄鉱石などに加え、
近年大規模油田が発見され、一躍石油資源大国の仲間入りも果たした。

今のところ、GDP成長率は中国やインドなどに比べると見劣りするが、今後成長率に
弾みが付いて行くのは間違いない。投資タイミングとしても、この下げたところは絶好の
タイミングかもしれない


◆郵政は完全に後戻りへ

『亀井郵政・金融担当相は21日午前の記者会見で、20日に辞任を表明した日本郵政の
西川善文社長の後任に、元大蔵次官の斎藤東京金融取引所社長をあてる人事を発表した。
郵政相は「現政権の抜本的な郵政見直しと同じような考えを持っている」と指摘。
前政権下の郵政民営化路線を転換し、公益性に軸足を置いた事業再構築のけん引役
として適任だと説明した』

(解説)
この人事を見ると郵政は再度国有化の道を歩むものと見られる。民主党政権が選挙で
掲げたチェンジとは、節操もなく時代を後戻りさせることだったのかと言いたくなる。

おそらく民主党政権としては、膨らむ財政赤字を補てんするために郵政を活用(国債引受)
すべきと考えているのだろう。自民党政権は郵政による国債引き受けを使って、日本を
先進国最大の財政赤字国にしたが、民主党もまた同じ道を歩もうとしている。


◆老後に不安いっぱいの日本国民

『金融広報中央委員会(事務局・日銀情報サービス局)が23日発表した2009年の「家計の
金融行動に関する世論調査」で、老後の生活について「心配である」と答えた世帯が
全体の84.3%と前年を0.3ポイント上回った。1997年にこの質問を始めて以来、最多と
なった。金融危機後の所得・雇用環境の悪化や年金制度への不信などを背景に、将来への
不安を抱く人が増えているもようだ』

(解説)
金融資産のレベルからみれば、先進国ではそん色ない水準にあるにもかかわらず、
日本国民はなぜか老後は不安でいっぱいだ。どうしてかというと、自分の生活の将来設計
が立てられないからだ。

これは完全に政治の問題だ。政治が将来の国の姿を示し、国民を安心させられないからだ。
おそらく民主党の財政の大盤振る舞いを見ると、国民はさらに不安になってきている
のだろう。

          *     *     *

<株式投資のセオリー>
第218回 アナリストレポートの紹介

恒例となった株式アナリスト宮島秀直氏(パルナッソス・インベストメント・
ストラテジーズ)の10/22時点のマーケットレポートを入手したので、その要点に
ついて紹介したい。

今回は、9月中に行った世界8ケ国の機関投資家やヘッジファンド104社のファンド
マネージヤーに対する現地ヒアリングなどによりにまとめられたものである。

<世界の株高の背景>
公的資金注入などによる大幅に増加した銀行の余剰資金(約70兆円)が、過剰流動性
となって投資に回り、商品高、株高を演出している。特に欧州で注入額が多かったので、
欧州筋の買い越し額が一番多い。

公的資金返済までには1〜2年かかるとみられるので、この過剰流動性の状態はしばらく
続く。逆に、資金引き上げが始まる来年後半から再来年は需給が徐々に悪化することが
避けられなくなる。

<ファンドが買っている銘柄>
銀行の余剰資金はヘッジファンドの中でもマイルドな運用を行うCTA(=Commodity 
Trading Advisor(商品ファンド))やヘッジファンドほどリスクをとらないファンド
であるHRF(=Hedge Fund Replication)に集まっている。

これらのファンドが向かった銘柄は、CTAは主にインデックス、HRFは主にテーマ株、
イベント株、好業績株(増額修正銘柄)である。 

この中で日本株に大きな影響を与えたのはCTAの動き。インデックス中心なので、
日経225を盛んに売買している。インデックスでは日経225は数少ないディ−リング
適格銘柄だからだ。

おもちゃにされた日経先物はもみ合いの動きを余儀なくされ、その結果日経平均採用銘柄
(特に大型株)は上げにくくなっている。

<ヘッジファンドの運用成績>
6月まで、積極的に買い上がってきたヘッジファンドは、7月以降はなぜか売りに転換、
その結果パーフォマンスはかなり悪化している。

これを受けて12月のヘッジファンド決算には解約が増えることも予想され、解約通知
する45日前(11月15日)あたりでヘッジファンドの売りが増える可能性がある。

ただ、売りの規模としては2兆円程度で、本年6月の6兆円程度の売り比べたら1/3。
下げ幅としては精々10%程度か。

11月中旬以降の下げは、下げの5ケ月サイクルにも合致する。2年前から5ケ月
サイクルで大きな下落で見舞われていた世界の株価は、リーマンショック以降もこの
サイクルは継続しており(08年10月、09年02〜03月、09年6〜7月)、
次回は11月中旬頃と予想されている。

<世界の株価の見通し>
今後11月末にかけて弱含みの動きが予想される。なかでも公的資金注入による余裕資金で
ディーリング益をあげてきた金融株には売りが大きく出そうだ。地域的にはこれまで
上昇率の大きかった東欧株は相対的に大きな調整となる可能性がある。

その後12月中旬にかけて反転上昇が予想されるが、年明けてからポイントとなるのは
各国の景気刺激策第2段の動き。昨年末発動した刺激策はそろそろ効果が一巡しており、
さらに景気を押し上げるためには第2段の対策が必要となっている。

その点で1月の米大統領の年頭演説が注目される。ここで、大規模な刺激策が発表される
かどうかで、その後の世界の株価は動きは変わってこよう。日本ではエコポイントが来年も
継続するかどうかがポイント。

それともう一つチャート面で注目されているのは、過去60年間の上昇相場を見ると
230日で転機を迎えることが多いこと。その点からいうと、3月から始まった上昇相場は
来年1月15日がターニングポイントとなる可能性が高い。従って、1月中旬以降下げも
覚悟しておく必要がある。

<日本株の見通し>
8月以降世界の中で出遅れ感が強くなったのは、一つは円高の影響、二つ目は民主党政権
に対する懸念(小沢、亀井氏等に対する外国人の嫌悪感)である。さらに、パーフォーマンス
の悪さから、日本株投信が大幅解約の憂き目にあい、処分売りが増えたことも響いた。

今後の動きについては、世界的に11月中旬以降下げが見込まれるので、それにつれ安
してある程度の下げは覚悟する必要がある。ただし、現状では他国に比べ出遅れ感が
強いので、下げても1万円程度か。

一方で、これまで相場の頭を押さえていた円高が反転し、来年初めにかけ90円台で
推移しそうなので、これがプラスに働く可能性がある。そうなると、他国の軟調な動き
を尻目に強含みで動く可能性もある。

狙い目はテーマ株で、増額修正期待のある銘柄が望ましい。日本は他国に比べても
増額修正期待の銘柄が多い。特に電子部品の中・小型株が注目。その他では資源、商社、
建機、プラント建設あたりに海外ファンドは関心をもっている。大型株は前述CTAの
動きがあるので避けたほうが無難。

銘柄としては
  商社・・・三井物産、三菱商事
  資源・・・住友鉱山、三菱マテリアル
  建機・・・日立建機、ナブテスコ
  ヘルスケア・・・テルモ、ニプロ    
  電子部品・・・村田製作所、太陽誘電
  中国関連・・・フォスター電機、電気化学
  ブラジル関連・・・三井物産、IHI

<為替の動き>
8月以降の円高は、日本企業の海外利益の国内への送金(レパトリ)が9月までに
約6兆円ほどあったことが主因。10月以降はその動きが急激に減少したのでやや
円安に動いている。しばらくは90円台の動きを続け、次の動きが予想されるのは
2〜3月。

来年2〜3月再度レパトリが発生するが、今度は10兆円を超える規模が予想される
のでかなりの円高要因となる。ただこの時は政府の為替介入が入る可能性が高い。
おそらく90円台はなんとか維持されよう。

ただ、4月以降はまた円高圧力が強くなりそうだ。IMFが米国の貿易赤字是正に
動いており、対米黒字国(中国、日本、ドイツ等)に為替の見直しを要請してくる
可能性があるからだ。従って、来年も円高に悩まされる構図が続きそうだ。

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創刊日:2005-04-12  
最終発行日:  
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