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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(9/7)

2009/09/07

  もくじ
<相場見通し>
          
     ・9月後半まで軟調な動き

<今週の参考銘柄>
      
        ブラザー工業
                     
<経済の動き>
     ・ワンフレーズで大きくぶれる日本の選挙
     ・中国、規制緩和により株式市場テコ入れ
     ・人気が高いブラジル投信
     ・米国で退職できない人が急増
     ・海外で不動産漁りを始めた中国人
                       
<株式投資のセオリー>
     第212回 信用取引の仕組み
                                          
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★

<相場見通し>

◆9月後半まで軟調な動き

(ヘッジファンドによる先物に振り回わされる)
民主党勝利によるご祝儀相場は、先週月曜日の前場、一瞬上げただけに終わり、その後
は軟調な展開となっている。円安進行の期待もあったが、逆に民主党政権がドル離れ
政策をとるのではないかという懸念から、かえってドル安が進んでいる。事前予想は
見事に肩透かしを食らった格好だ。

しかも相場は、少数の外国証券会社の先物に振り回される様相を強めている。市場で
注目しているのは、ニューエッジとクレディスイスの両証券。この2社による相場に
対する影響度が増している。

ニューエッジは商品系ヘッジファンドの注文が多く入っているいわれ、クレディスイス
は株式系ヘッジファンドの注文が多いと言われている。いずれも、ヘッジファンドの
用がかなり入っている。

リーマンショック以降の相場大幅下落で傷を負い、一時おとなしくなっていたヘッジ
ファンドだが、3月以降の相場反転で、体力を回復してきており、それに応じて動きも
活発化している。

しかも、日本の株式相場は商いが低調のため、余計先物の影響を受けやすくなっている。
その結果、外国系証券の先物取引で相場はいいように翻弄されている感じだ。こう
なると、相場の行方はヘッジファンドの考え如何になってくる。

しかし、いくら資金を潤沢に持っているヘッジファンドといえども、市場環境に
逆らって動くことは難しい。市場と反対の方向に動けばさすがに押しつぶされる可能性
がでてくるからだ。

その市場環境という点からみると、株式相場は3月に底を打ち約6ケ月に渡って上昇
してきた。そろそろ調整が入ってもおかしくない時期である。

過去の大底からの上昇期間を見ても、6ケ月程度で一旦調整するケースが多い(調整
期間は最低3ケ月程度)。

また9月は、過去15年をみても4勝15敗と、1年を通して最もパーフォマンスが
悪い月のひとつだ。半期末決算を前に、企業の投資行動が慎重になるという面が影響
しているものと見られる。

企業業績も、とりあえず底は打ったようだが、回復力がどの程度なのかはかりかねて
いる状態だ。少なくとも過去の景気回復の時のようなV字回復の勢いはなさそうである。
しかも景気刺激策の効果が薄れれば再度下降する可能性もまだ消えてはいない。

こう考えると、少なくとも9月は調整の時期と考えるのが妥当だ。さらに例年10月
から11月初めにかけては、相場が上昇することが多く、ヘッジファンドが12月末
決算を前にひと稼ぎする時期でもある。

そうならば、ヘッジファンドの考えとしては、9月は無理せず10月以降の上げに
備えるのではなかろうか。いずれにしても、ヘッジファンドの動きは要注意なので、
先物の手口情報はできるだけ確認するようにしたい。

手口情報は、「トレーダーズ・ウエブ」のサイトに出ているので参考にしていただき
たい。3日間ぐらい同じ方向に(売りあるいは買い)動いた時に注意。

(調整の動き続く)
先週は、しばらく続いていた1日おきの上げ下げの動きが止まり、週末にかけて
3日間の続落となった。海外市場の軟調な動きと、円高が重しとなっている。

先週末、米国が雇用統計の発表を受けて上昇したことから、日本市場も上げで始まる
可能性が高いが、長続きするかどうかだ。

米市場では非農業部門の就業者数の減少幅が予想より少なかったを好感して上げた
ようであるが、失業率の悪化は続いており、事態はそれほど改善しているわけではない。

円高の動きも気がかりだ。設定レートは当初の95円程度から見直しをしている
ところが増えているが、新たに設定したレートは90〜92円程度なので、今の円高は
既にぎりぎりのところまで来ている。これ以上円高が進むと輸出関連は買いづらくなる。

いずれにしても日本市場は調整気分がまだ続くと見られる。この調整は少なくとも今月
後半の連休前後まで続く可能性が高い。しばらくは辛抱の時だ。

          *     *     *

<今週の参考銘柄> 

    6448 ブラザー工業 969円

<経済の動き>

◆ワンフレーズで大きくぶれる日本の選挙

(解説)
今回の衆議院選挙は民主党が戦後最多の308議席を獲得する大勝となったが、日本の
選挙が抱える問題点も顕わになった。その最大のものは、政策よりもその時に唱えた
ワンフレーズ次第で選挙結果が大きく動いてしまうことだ。

前回は「郵政民営化の是非」を唱えて自民党が大勝し、今回は「政権交代」を掲げて
民主党が大勝した。選挙の時点で、国民の心によりとらえたワンフレーズを唱えた
ほうが勝つというパターンとなっている。

日本は2大政党というが、米国のような政策の違いがほとんどなく、支持層はかなり
流動的である。従って、その時の雰囲気でどのようにも動いてしまう。その雰囲気を
作り出すのに決定的な役割を果たすのがこのワンフレーズだ。

しかし、当然のことながらムードだけでいい国は出来ない。政治にとって大事なことは
どんな政策を実行していくかだ。各党が掲げる政策を見て国民が選択する世界を作り
出していかないと、今後も低レベルのキャッチボールが繰り返され、政治の貧困は続く。


◆中国、規制緩和により株式市場テコ入れ

『中国国家外貨管理局は4日、海外投資家による人民元建て株式への投資規制を緩和
する方針を表明した。個別の機関投資家が購入できる元建て株式の上限を現行の
8億ドルから10億ドル(約930億円)に引き上げる。海外からの資金を呼び込み、軟調に
推移する株式相場をてこ入れする狙いがあるとみられる』

(解説)
中国当局の上海株式市場のテコ入れは、上海株式市場が下落したままだと、景気にも
悪影響が出てくる可能性があると懸念したためと見られる。

ただ、今回の規制緩和程度で市場のテコ入れができるかどうかは疑問だ。製造業は
設備過剰に苦しむ業界が増えている。また、上海、北京などの大都市の不動産はかなり
バブル化が目立ち、不動産価格急落が懸念されている。


◆人気が高いブラジル投信

『投資信託を通じて、ブラジルに投資する資産の残高が7月末、初めて1兆円を超えた。
ブラジルの金利水準が高いことや、高成長を見込んで、ブラジルの株や債券で運用する
投信が人気を集めているためだ』

(解説)
今ブラジルものは投資対象としてかなり人気を呼んでいる。経済が堅調で、通貨レアルが
強含みの動きをしている一方、政策金利が8%台となってるように、金利が高止まりして
いるからだ。日本国内でもこのところ大型のブラジルファンドが次々に発売されている。

◆米国で退職できない人が急増

『オバマ米大統領は5日、週末恒例のラジオとインターネットを通じた演説で、退職後の
貯蓄を増やすための新たな対策を表明した。確定拠出型年金(401k)への加入や税金
の還付を容易にすることなどが主な内容。米国は基本的に貯蓄率が低いうえ、金融危機
で不動産や金融資産の価値が目減りしていることもあり、国民に退職後の備えを呼び
かけた』

(解説)
オバマ大統領が退職後に備えた貯蓄を呼びかけているは、現在株式相場の下落などで、
積み立てていた年金が大きく目減りし、退職しようにもできなくなって人が急増して
いるからだ。

今回そのような人にあわてて貯蓄を進めたとしてもとても間に合うわけはないが、
オバマ大統領としても深刻な問題となっていることを察知したため、このような呼び
かけをしたものと見られる。

10年前のクリントン時代には、株式上昇で億万長者が急増し、豊かな世界を謳歌した
米国社会だが、現在ちょうどねじが逆回りするような現象が起きている。


◆海外で不動産漁りを始めた中国人

『中国国家外貨管理局は31日、国際収支の状況について「依然として外貨が流入
しており、大規模な資本流出は起きていない」と分析した最近の会議の議事録を公表
した。ただ、先行きに関しては「比較的大きな不確定要因に直面している」とし、
何らかのきっかけで資金が国外に大量流出するリスクは消えていないとの認識を示した』

(解説)
中国当局はまだ資本流失を認めようとしないが、資本は密かに流失し始めているようだ。
その中身は、中国にこれまで投資した海外資本が逃げ出しているのではなく、国内資本
が海外投資に動き始めている。

その最も大きなものは海外での不動産投資。金融危機で大きく下落した米国などの
不動産を買いあさる中国人が増えている。中国国内の不動産はかなりバブルで高騰して
いるため、割安な海外物件に中国人の目が向き始めているようだ。

          *     *     *

<株式投資のセオリー>
第212回 信用取引の仕組み

先週は信用取組について触れたが、読者の中には信用取引の仕組みがまだ十分わかって
ない方がいるようなので説明しておきたい。

当然のことながら、信用取引をするには証券会社に信用取引の口座を設けておくことが
必要となる。信用取引は使い方によってはリスクが大きくなるので、これまではある程度
投資歴を積んでないと、証券会社は口座開設を認めない傾向があった。

しかし、最近は証券会社も業績不振で、売買の活性化や金利稼ぎをしたいために、
たいした取引歴がなくても容認する(場合によっては勧める)方向にある。ただ、
基本的なことを頭に入れていないと、大きな怪我につながるので注意する必要がある。

信用取引には買いと売りの取引があり、信用取引のために積んだ証拠金の3倍まで建て玉
(売りと買いの合計残)が可能となる。つまり100万円積んでいれば、300万円の
範囲内で買ったり売ったりできるわけだ。

それだけ、大きく張れるため、うまくいけば利益が大きくなる。従って、つい目一杯枠を
使いがちとなるが、大きく張れば当然損する時も大きくなる。相場が想定とは反対に
動いた場合には、一気に損が膨らみ取引の決済(返済)を余儀なくされることになる。

取引の内容については、買い建てはわかりやすいのでここでは説明を省くが、売り建て
(空売り)はややわかりにくい点があるので説明しておく。

空売りは証券会社から株券を借りで、市場で売ることを意味する。株券と引き換えに
対価の現金を証券会社に提供するが、これは先程の例で言うと300万円の枠から
支払われることになる。そして、決済時は、市場で株券を買って調達し、証券会社に
返済するわけである。

たとえば、ある銘柄を200円で1000株空売りしたとすると、これは証券会社から
20万円を対価に1000株の株券を借り、市場で売ったことになる。

決済は通常6ケ月以内(証券会社によっては期限のないケースもある)に、市場から
株券を買い戻して行う。その場合、株価が150円に下がっていたとすると、市場での
購入価格は15万円となる。

この場合損益は、20万円(証券会社から戻ってきた分)ー15万円(市場で支払った分)
=5万円が利益ということになる。株価が230円に上がっていたら反対に3万円の損が
発生する。

取引決済では、市場や証券会社との個々のやりとりは表に出てこないで、最終損益だけが
知らされる。上記の例で言うと、5万円の儲けとか3万円の損といったようになるわけ
である。

空売りは株券と引き換えに資金を証券会社に提供するので、以前は投資家は証券会社
から所定の金利をもらっていた。しかし、最近は証券取引所がわけのわからない
制度改正(きちんとした説明はない)をして、逆に金利支払うようになってなって
しまった。

相場下落につながる空売りをできるだけ規制したい(押さえたい)という当局の考えが
背景にあるようだが、お金を貸してしかも金利を払うというのは理屈に合わない話である。
いずれにしろ、買いも売りも信用取引は金利がかかるので、ほおっておくとコストが
膨らむことになる(逆日歩がつき買い建てで金利をもらう例外もあるが)。従って
短期取引向きで中長期投資には基本的には向かない。

また基本的には証拠金の3倍まで枠を使えるが、通常は1倍以内にとどめておくべきで、
1倍を超えて使うのは相場が大きく下げた時など突発的な時である。それも1倍を
超えるとしてもせいぜい2倍が限度である。

それ以上超えると、投資に余裕がなくなり、必ず失敗につながる。信用取引はあくまで
非常用に取っておくことが望ましい。

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創刊日:2005-04-12  
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