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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(7/27)

2009/07/27

  もくじ
<相場見通し>
          
     ・しばらくは決算発表で様子見の動き続く

<今週の参考銘柄>
      
       エヌピーシー
                     
<経済の動き>
     ・中国株の時価総額、再度東京市場と肩を並べる
     ・インドの原発建設、米企業へ発注するが
     ・サムスンの収益、世界同時不況前の水準に戻る
     ・現代自動車、増益維持
     ・米キャタピラー、今期収益見通しを増額修正
                       
<株式投資のセオリー>
     第207回 アナリストレポートの紹介
               
           <来週はお休みします>
                 
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<相場見通し>

◆しばらくは決算発表で様子見の動き続く

(今週から主要企業の発表始まる)
先週の日経平均は8日続伸と堅調な動きで、週間では549円23銭(5.84%)の
大幅上昇となった。

米企業の決算が相次いで市場予想を上回り、国内企業についても収益改善の期待が
強まったためだ。日本の主要企業の決算発表は今週から本格化するが、株式市場は
とりあえず見切り発車した格好だ。

投資主体別の動きを見ると、これまで下げの要因となっていた外資系証券の先物売りが
影をひそめ、逆に外国人投資家の買いが増加している。さらに、海外市場の戻りの
ピッチの速さを見て、国内の機関投資家も乗り遅れまいと急きょ買いに動き始めた
ようだ。

次のポイントは先の高値10170円を超えられるかどうかとなる。これを超えれば、
上昇トレンドは明確となり、12000円まで大きな節目はないので、動きが軽くなる
可能性がある。

ただ、決算シーズンは波乱要因が多い時期であることも確かだ。必ずしも期待通りの
決算発表が出てくるとは限らないからだ。収益改善期待が高っている分、予想に反した
場合は容赦なく売られることになる。

相場が堅調な動きとなるとしても、決算発表が一段落した8月10日過ぎとなるだろう。
しばらくは、決算発表に一喜一憂する展開が予想される。

最近の日本の株式市場の先行指数として注目されているのは、中国のPMI
(購買担当者指数)と中国の日本からの輸入額。この前月比の変化がプラスに動く
場合はその後日本株が上昇する可能性が高くなっている。

これは何を意味するかというと、今の日本経済は、すでに中国経済の動きにかなり
依存しているということだ。これまでは、何といっても最大の輸出先である米国の
動向が日本経済にとっては最大の関心事だった。

ところが、米国経済は今回の不況で大きな傷を負ってしばらく立ち直りは期待できない。
となると日本の景気は次に輸出量の多い中国次第ということになってしまうわけだ。
中国経済は景気刺激策が効果を上げ、盛り返す動きとなっているからなおさらだ。

今後中国経済が拡大していくにつれ、この傾向はさらに強まることになろう。3年後
には中国のGDPは日本のそれを抜くと予想されている。

過去には、日本経済は平均的には中国の10%程度の経済規模で推移してきたという
歴史がある。そこまで比率が落ちるにはかなり時間がかかると見られるが、いずれにせよ、
日本は米国に対するカナダの関係のように、中国経済に依存した周辺国となることは
まちがいない。経済指標はそれをいちはやく先取りしている。

(好決算発表はとりあえず利食いのタイミング)
決算発表が終わった企業数はまだあまり多くないが、これまで出てきたものを見ると、
まずまずの内容で、今後も上方修正企業が増えてきそうだ。

問題は好決算が発表された時どう動くかだ。売るのか買うのか。最近のパターンから
すると、発表前にじりじり上げ、発表時には逆に売られるケースが多くなっている。
あらかじめ決算前に仕込んでおいたヘッジファンドなどが、発表時は絶好の利食い時期と
みて売ってくるからだ。

となると、好決算発表されたからといって、安易に飛びつき買いは避けたい。発表前の
動きにもよるが、持ち株は逆に一旦手放すのが賢明と見られる。新たに買うとしても、
株価が一旦下げて落ち着いたところ(出来高が細ったところ)を狙いたい。

          *     *     *

<今週の参考銘柄> 

    6255 エヌピーシー 4890円(100株売買可)

<経済の動き>

◆中国株の時価総額、再度東京市場と肩を並べる

『中国の株式市場の規模が急速に拡大し、時価総額で再び東京市場に肩を並べた。
大規模な景気対策で個人投資家らの資金が流入し、大型株の多い上海株が年初から
約7割上昇したため。中国政府は6月末から新規株式公開を再開しており、新規上場など
に支えられ、中国市場の時価総額が東京市場を大きく上回る可能性がある』

(解説)
市場規模の逆転は中国株バブルが続いていた2008年1月以来のこと。その後は東証が
再逆転したが、このところの中国市場の堅調な動きに支えられ再度東京市場に並ぶまで
拡大してきた。

勢いは圧倒的に中国のほうにあるので、今後予想される動きとしては、一気に抜かれ、
さらに差は拡大しそうだ。

◆インドの原発建設、米企業へ発注するが

『インドのシン首相は20日にクリントン米国務長官と会談し、インド国内の2つの
原子力発電所の建設を米国企業に発注すると伝えた。総工費は合計100億ドル
(約9400億円)程度。東芝傘下のウエスチングハウスと、ゼネラル・エレクトリック
と日立製作所の合弁会社がそれぞれ受注する見込みだ』

(解説)
このニュースは日本にとっては朗報。米国に発注しても、米国には原子炉を作れる企業が
ないので結局は日本勢に仕事が回ってくる。なにしろ、世界で原発を作ることができる
のは日本勢3社(東芝、日立、三菱重工)と仏のアレバしかない。

因みにこれからの世界で原発建設計画を見ると、計画が固まったのが約110基、計画中
のものが200基前後と膨大だ。これらを日本勢と仏アレバが分けることになる。
日本企業への恩恵はかなり大きい。


◆サムスンの収益、世界同時不況前の水準に戻る

『韓国のサムスン電子が24日発表した2009年4〜6月期の連結業績は、営業利益が
前期比で5.4倍の2兆5200億ウォン(約1900億円)となった。2四半期連続で
赤字だった半導体と液晶パネルの営業損益が黒字転換。前年同期比でも5%増となり
世界同時不況以前の水準に戻した。韓国の電機大手ではLG電子も2四半期連続の
営業黒字。業績回復で日本勢に先行する姿が一層鮮明になってきた』

(解説)
サムスンの業績はある意味で世界のハイテク業界の先行指標。サムスンが急回復して
いるのであれば、今後日本のハイテク業界にも回復期待が高まることになるが、はたして
どうか。


◆現代自動車、増益維持

『韓国現代自動車が23日発表した2009年1〜6月期決算は純利益が前年同期比
10.4%増の1兆370億ウォン(約780億円)となった。自動車市場が縮小する中、
米欧市場で中小型車の販売を拡大して下げ幅を最小限にとどめる一方、中国、インドなど
新興市場の出荷が伸長した』

(解説)
世界の自動車業界が不況にあえいでいる中、現代自動車の強さが目立つが、増益となった
のは成長市場である新興国(インド、中国)が強いこと、中・小型市場をメインとして
いることが理由だ。

日本メーカーで同じような特徴を持っている企業といえばスズキ。インドのシェアは
約50%で、中・小型車に強い。この2つの要素を持った自動車メーカーが今は強い。


◆米キャタピラー、今期収益見通しを増額修正

『米建設機械最大手のキャタピラーが21日発表した4〜6月期決算は、純利益が
3億7100万ドル(約350億円)と前年同期に比べ66%減少した。ただ世界の
建機需要に「底打ちの兆しがある」とし、2009年の純利益の通期見通しを上方修正
した。オーエンズ会長は、「中国などで政府の景気刺激策の効果が出始めている」と
強調。これまで1株0.50ドル前後としていた09年通期の利益見通しを0.40〜
1.50ドルに修正した』

(解説)
中国の内需拡大策が、建機業界の立ち直りを早め始めている。内陸部のインフラ整備で
建機需要が強いからだ。キャタピラーが今後良くなるのであれば、日本の大手である
コマツや日立建機もさらに良くなるはずとの連想が働く。

          *     *     *

<株式投資のセオリー>
第207回 アナリストレポートの紹介

以前にも紹介したが、著名な株式アナリストである宮島秀直氏(パルナッソス・
インベストメント・ストラテジーズ)の7/23日時点のマーケットレポートを入手した
ので、要点を紹介したい。

今回のレポートは、7月前半に行った世界8ケ国の機関投資家やヘッジファンド91社の
ファンドマネージャーへのインタビュー調査をもとにまとめられたものである。

<海外ファンドの動き>
・今、海外勢で一番強気なのは英国系。3月以降の日本株の上昇過程でも一番の買い勢力
だったのは英国系で、特に年金ファンドの動きが目立った。(ただ、英国系年金ファンドは
既に日本株を組入比率上限まで組み入れているので、今後のさらなる買いは期待できそうも
ない)。

・欧州大陸勢は、政府のコントロール下になった金融機関が多いこと、スイスの銀行が
本年中に預かり資産の匿名性廃止を打ち出しているので、元気がない。

・匿名性廃止で、スイスから逃げ出し始めた資金は、アイルランドに逃げ込んでいる
(アイルランドは匿名性維持)。これが英国系ファンドを強気にしている背景。

・英国系ファンドでは機関投資家中心に小型株志向を強めているが、今後個人投信の動きが
活発化するにつれ大型株にも買いの手が広がってくる可能性が高い。

・米国では4月以降、株式投信への資金流入がプラスに転じてきた。ただ、買っているのは
中国株等のエマージング中心で、日本株にはまだ資金が回ってきてない。日本株への流入は
10月以降か。

・5月以降ヘッジファンドへも資金が流入し始め、月を追って拡大している。この中で、
日本小型株ファンドへの流入が目立つ。

<6月以降日本株が調整した理由>
・ヘッジファンドの解約凍結解除による売りが世界で約6兆円(今年3月は4兆円)発生した。
うち6千億円の日本株売りがでた。

・みずほ銀行など日本企業の大型増資が続き、株式需給が悪化した。

・上記2要因を背景に、クレディ・スイス、JPモルガンの大手外資系2社が、6月初め
から先物に大量の売りを出した。

・大型増資の動きが今後も続くようことがあれば調整続くが、それが収まれば上記2社の
買い戻しも期待でき、相場は上昇が期待できる。(クレディ・スイス、JPモルガンの
先物の手口は今後もウオッチする必要あり)

<日本の小型株に注目が高まっている理由>
・過去の景気後退終了後1年間のパーフォーマンスを見ると、小型株のパーフォーマンスが
大型株より上回っているので、ヘッジファンドは小型株志向を強めている。

・相応の大きさの小型株マーケットを持っているのは、米国、日本、英国だが、景気回復の
鈍い米国、英国は避け、日本市場を注目する傾向が見られる。

・グリーンニューディール、ヘルスケアーなど現在の株式市場のテーマに沿った魅力のある
銘柄が日本には多い。

・過去数ケ月に小型株ファンドで組み入れ比率が増加した銘柄
スタンレー電気、ディスコ、日本精機、フェローテック、アスクル、帝国電機製作所、
アクセル、ドウシシャ等(今後もこれらの銘柄は買われる可能性高い)

<その他マーケットの動き>
・スイス銀行における匿名性廃止(来年1月)、米国内での匿名性の禁止(本年10月)
によるオフシェアー市場からの資金流失は40−50兆円にのぼる。この資金はアイルランドに
流入するものと、表に出てくるものとに分かれるだろう。

・世界のソブリンウエルスファンド(国の作ったの投資ファンド)はこの1年で約60兆円
増加。主な増加国はサウジアラビア20兆円(今年中にさらに50兆円増加)、中国50兆円、
ロシア20兆円。今後株式投資に向かってくるとみられ、存在感が一段とたかまるだろう。

・今回の不況にともなう世界の景気刺激策総額は233兆円。うちグリーンニューディール
関連は約20%で、予算額が大きいのは中国22兆円、米国11兆円、韓国3兆円の順。
米国の予算の中で最も大きいのはヘルスケアー(医療)関係で12兆円(09年度)。
<今後の日本の株式見通し>
・市場に供給されている潤沢な流動性資金を背景に、株式市場に投資資金が戻り始めている
ので、今後、世界の株式市場は堅調な動きをたどる可能性が高い。日本市場も連動しよう。

・これまで相場を抑えていた要因がなくなる一方、小型株などを中心に日本株に対する注目が
高まっているので、決算発表の山が過ぎた頃から(8月10日前後)日本株は堅調な展開が
予想される。9月初旬に一時的に11000円を超え、9月末は10500円程度か。

・10月に入っても堅調な動きが続き、次の節目である12000近辺まで上昇。ただ、
11月は例年ヘッジファンドが利食いを入れる時期なので、一旦調整。しかし、12月以降は
また上昇トレンドに戻ると予想。

<総選挙の影響(ファンドマネジャーへのアンケート結果)>
・民主党単独、民主党連立、自民・公明連立を比較すると、民主党単独政権がもっとも株価が
上がる可能性が高いとみている。次は民主党連立。これまでのような自民・公明連立は
株式相場にとってはあまりポジティブではないという見方が多い。

・買われる銘柄
民主党単独:日経225先物、代替エネ関連、自動車・部品、薬品、個人消費、小型株
民主党連立:代替エネ関連、自動車・部品、薬品、個人消費、トピックス先物
自民・公明連立:日経225先物、自動車、バッテリー関連、銀行

・民主党単独となれば財政赤字拡大予想から円安が進むので輸出関連にとってはプラスと
なる可能性が高い。


              <来週はお休みします>

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創刊日:2005-04-12  
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