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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(7/21)

2009/07/21

  もくじ
<相場見通し>
          
     ・決算発表に左右される展開

<今週の参考銘柄>
      
      パナソニック 
                     
<経済の動き>
     ・米大手金機関、収益回復めざしましいが
     ・疑問が残る中国の高成長率
     ・世界の潮流を読めない外交音痴日本
     ・日本企業の最大の投資先はインドに
     ・うまくいくのかキリンとサントリーの合併
                       
<株式投資のセオリー>
     第206回 分散投資の大切さ
                                
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★

<相場見通し>

◆決算発表に左右される展開

(決算発表に期待高まるが)
8月に入って8営業日連続で下げていた株式相場は、米国市場の反転と円高の一服を
好感する格好で先週に入りやっと反発に転じてきた。米国では、先週から本格化した
4−6月期決算は、金融株をはじめ主力企業が予想以上の内容で投資家心理が改善
してきている。

今週はいよいよ日本でも有力企業の決算発表が始まる。注目はどこまで当初予想を上回り、
収益が改善しているかだ。改善があまり見られないと、失望感が広がる可能性もある。
6月半ば以降の世界各国の株式市場の調整は、景気回復に対する疑念が出ていたからだ。
株価は一時的には市場心理で大きく揺れ動くが、市場心理が落ち着いてくると、景気
(企業業績)に連動する形に戻ってくる。

その景気が怪しいと、株価の落ち着きどころが定まらない。世界の株式市場はまさに
このような状況にある。

米国はこれまで発表された主力企業の業績がまずまずの内容だったので、反発に転じたが、
さて日本はどうか。日経平均採用銘柄の今年度の業績は、前半が赤字縮小、後半に黒字
回復するものの、通期では前期比マイナスの、減収減益が予想されている。

これでは業績回復を材料にした株価の値上がりには力不足だ。どこかで予想の上方修正が
行われないと、上値を買えるようになってはいかない。第一・四半期の結果でそれが
期待できるか。

期待できないとなると、相場水準はもっと下へ向かってもおかしくない。というのも、
日経平均採用銘柄の予想PERは40倍近い水準にあるからだ。1年分の税引き利益が
1株20円だとすると、40年分に相当する800円の株価が付いているということに

なる。
これは企業がかなり高成長してる時の株価水準だ。それだけ本当に成長していけるのと
考えると、今の情勢では悲観的にならざるを得ないので、高すぎるかな?という心理に
傾いてくる。

少し前までなら、悪い指標にも、予想通りであれば「やっぱり悪かったか」と、あまり
反応せずに済んでいた。しかし、最近は回復期待が高まっているので、悪材料には逆に
失望感が強く作用する。

日米の景気をみると、まだそんなによくなってない。雇用はまだ悪化が続いている。在庫
調整が済んだので、やや生産が持ち直してきている部分が出てきているが、受注が
1−3月に比べて3割、4割増えてきたという電子部品でさえ、前年同期比では6割とか
7割の水準に過ぎない。

最悪を見たが、一時的な回復なのか、持続的に水面上に浮上していく動きなのか、まだ
今後の推移を見ないと判断できない段階なのである。株価はなかなか追いついてこない
業績に苛立ちがつのっている。

今回の決算発表はそれに対する答えとなる。全般的な回復が見られないとしても、
一部でもいいから改善がはっきりしてくれば、「明るい材料を待望している」投機資金が
待機しているから、買いに傾いてくる可能性はありうる。7月下旬からの調整終了観測は
この辺が根拠となっている。いずれにしろ、今週から本格化する決算発表に注目だ。

(決算好調銘柄、押した優良銘柄に狙い)
当面の戦略は、4−6月の業績発表を見て、好調銘柄をピックアップし、中間決算で
上方修正が期待できそうな銘柄に絞って順張り(買い上がり)が有効と見られる。

また、円高などで押している主力ハイテク株や、技術力のある高シェア銘柄などは、いい
押しを形成している銘柄もあるので、これにも注目したい。

注意したいのは、下げている銘柄仕掛ける時は、まだ下げるのか、止まるのか判定が難しい
から、2週間くらい小幅なレンジで揉み合うようになるまで待って、打診買い。1000円
の銘柄なら、100円、200円幅下げても、買い増しできる余裕をもって分散買いで
臨みたい。

          *     *     *

<今週の参考銘柄> 

    6752 パナソニック 1200円(100株売買可)

<経済の動き>

◆米大手金機関、収益回復めざしましいが

『米金融大手ゴールドマン・サックスが14日発表した4〜6月期決算は事前予想を大幅に
上回り、過去最高益を記録した。収入から金利コストを引いた純営業収益は137億ドル
(約1兆3000億円)と過去最高。

また、米金融大手シティグループが17日発表した4〜6月期の純利益は42億7900万ドルと、
前年同期の24億9500万ドルの赤字から黒字転換した。1株当たり利益は49セントで、赤字を
見込んでいた市場予想を上回った。

米大手銀のバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)が17日発表した2009年4〜6月期決算は、
純利益が32億2400万ドル(約3000億円)と前年同期に比べ5.5%減ったが、1株利益は市場の
予測平均を上回った』

(解説)
米大手金融機関3社はいずれも市場予想を上回る好決算となった。これらの発表を受け、
米国では景気回復期待が高まっているが、果たしてそのような動きとなるのだろうか。

今回の動きはいつか見た世界で、日本も金融危機から回復する時期には大手銀行の収益が
急回復する現象が見られた。その理由は、政府が低金利政策を取り、銀行に利ザヤが集まる
ようにしたからだ。

米国も同様で、今の経済情勢は大手銀行が収益を出しやすい環境となっている。ただ、
これにより市場が期待するような、大手銀が積極的に与信を伸ばすとか、リスクを前向きに
取りに行くような行動をとるかというとそれはあまり期待できない。

その証拠に、今般米国最大のノンバンクが倒産に追い込まれたが、その理由は大手銀行が
支援に乗り出さなかったからだ。従って、大手銀の収益回復は景気回復の前触れとはまだ
言い難い状況だ。


◆疑問が残る中国の高成長率

『中国国家統計局が16日に発表した4〜6月期の国内総生産(GDP)の伸び率は前年
同期比7・9%増だった。1〜3月期の6・1%増を上回り、経済の減速に歯止めが
かかった。ただ4兆元(約55兆円)の景気対策を受けた公共投資や設備投資が中心で、
セメントや鉄鋼では設備過剰の懸念も出ている。個人消費もスーパーなどの売れ行きが
伸び悩んだまま。輸出が低迷するなか、個人消費の行方が成長持続のカギを握りそうだ』

(解説)
いくら公共投資を増やしたからといって、これほど成長率が持ち直すということについては
疑問が残る。一方でこれまでの成長を支えてきた輸出が30%ほど落ち込んでいるからだ。

公共投資の刺激効果の少なさは、現在米国がいくらお金をつぎ込んでもたいして効果が
出てないのを見ても一目瞭然だ。日本も90年代に大規模な公共投資を実施したが、
景気刺激策として大した効果はなかった。

となると、中国お得意の政府による改ざんという可能性もでてくる。中国は何としても
8%程度の成長は確保したいからだ。いずれにせよ、中国の経済指標には疑問な点が多い。

◆世界の潮流を読めない外交音痴日本

『主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)は10日午後、イタリアのベルルスコーニ首相が
議長総括を発表して閉幕した。オバマ米大統領は閉幕後の記者会見で「中国、インド、
ブラジル抜きの取り組みは間違った方向だ」と述べ、今後は20カ国・地域(G20)
重視での枠組み再編を目指す考えを初めて明言。主要8カ国(G8)とG20の並列に関し
「サミットの数を減らしたい。現在は過渡期にあり、数年で正しい組み合わせが見えてくる」
と語った。』

(解説)
他の国はG8(8ケ国)にこだわらず、中国やインドなどを加えていきたいと考えているが、
ここで一人反対しているのが日本。理由は、アジア唯一の参加国という立場を失いたく
ないからだが、これは極めて矮小な考え方。

ここには外務省のメンツを重視する姿勢が出ているが、もはや経済規模や成長率など
から見ればインドや中国などを入れるのは当然。世界の潮流を読めない日本は国際的な
存在感を失っていくばかりである。


◆日本企業の最大の投資先はインドに

『日本企業のアジア向け直接投資で、2008年度はインドが中国を初めて抜いて最大の
投資先(8090億円)になったことが明らかになった。人口増に伴う内需拡大への期待から
インドへの進出が加速しているのに対し、外資誘致で先行した中国(6793億円)は
大型投資が一巡しているためだ。インド経済は金融危機にもかかわらず国内の需要が
底堅く、インフラ不足などの課題を解決できれば投資はさらに勢いづくとの見方もある』

(解説)
確かにインド向け投資が大きく増えたが、中身を見ると第一三共やドコモの大型買収が
あったことが大きく影響している。従って09年度以降もさらに大きく伸びるかどうかは
疑問だ。ただ、投資が一巡した中国が伸び悩み、それに代わってインドが投資先の
NO1となるという傾向は今後も続きそうな気配だ


◆うまくいくのかキリンとサントリーの合併

『食品最大手のキリンホールディングスと2位のサントリーホールディングスが経営統合の
交渉を進めていることが明らかになった。両社持ち株会社の統合案を軸に最終調整、年内の
合意を目指す。実現すればビールと清涼飲料で国内首位に浮上。世界でも最大級の酒類・
飲料メーカーとなる。統合で国内市場の収益基盤を強化、成長が見込まれる海外市場を
共同開拓し、世界的な勝ち残りを目指す』

(解説)
今回の合併は、確かに世界的には売り上げ規模5位の巨大食品会社できることになるが、
問題も見られる。ひとつは両社とも国内に強く、世界への展開が遅れていること。
これでは、相補完するような合併効果が見えてこない。本当に合併する必要がある
のだろうか。

もう一つは組織文化がかなり違うこと。キリンはここ数年、米国企業並みに成果を
追及するかなり厳しい組織文化を構築してきた。一方、サントリーはコンサートホールや
美術館を運営してることに見られるように、文化の香りが漂うかなり緩い組織となっている。

このような、いわば水と油のような組織風土の違いのある両社がうまくいくのだろうか。
ただ、両社とももこのままでは先行き厳しくなるという危機感が今回の合併のばねと
なっていることは確かだ。

          *     *     *

<株式投資のセオリー>
第206回 分散投資の大切さ

株式投資で分散投資が重要であることはよくいわれることだ。しかし、投資家の中には、
この分散投資を必ずしも十分理解しているとは言い難いケースが散見される。

分散投資というと単に投資する銘柄を複数の銘柄に分散すればいいと考えている人が
多い。しかし、それだけでは必ずしも十分ではない。銘柄をたくさん持っていても
必ずしも分散投資にはならない。また、分散投資では銘柄を分散するだけでなく、
時間の分散という視点も必要である。

なぜ分散投資が大事かというと、集中投資をしていると、思惑が外れた時、痛手が
一気に大きくなったり、その結果身動きがとれなくなったりすることが多いからだ。

相場は必ずしも予想通りに動くとは限らない。相場見通しは3割から4割当たれば
いい方だ。従って持ち株が予想外の下落に見舞われることはしばしば出てくる。
その時集中投資をしていると、持ち株が大きく下げられてシコった状態になって
しまうことが多い。

分散投資をしていれば、このようなリスクはかなり防げる。相場は下げても、通常
全ての銘柄が一様に大きく下げることはないからだ。大きく下げるものもあれば、
ほとんど下げないものもある。こうような場合は、持ち株の処分や入れ替えなど
次の行動がとりやい。
分散投資による下げのリスクヘッジを効果的にするためには、単に銘柄を分散させる
のではなく、性格の違う銘柄に分散投資しておく必要がある。

例えば京セラと日立を買ったとしたら、これはあまり分散投資になっているとは
いえない。同じ電機銘柄に属し、しかも同じ輸出関連なので、円高などで相場が
下げる時は一緒に下げてしまうことが多いからである。

銘柄を分散するということは、性格の違った銘柄に分散することを意味する。例えば、
輸出関連、内需関連、資源関連といったグループの違う銘柄に投資するのである。
ただ、中には相場の流れに乗りにくいグループもあるので、そこまでグループを
分散させる必要はない。あくまで上げそうな銘柄群で分散する。

また、一つの銘柄はいくつもの性格を持っている。例えば、京セラでいえば、電機、
ハイテク、太陽光発電、半導体、携帯等の関連銘柄である。従って、どんなにうまく
銘柄分散させたとしても、どこかで共通する部分は出てくる。それはある程度は
しょうがない。ただ、できるだけ関連銘柄でかたよらいないようにすることが大事だ。

グループの分け方も相場の状況の局面局面で変わってくることがある。例えば、
相場が大きく下げた時、下げの大きなグループを狙うのか、下げの小さな腰の強い
グループを狙うのかといった見方が出てくる。

また現在のような業績相場に入る前の段階でいえば、すでに上げ始めている業績好調
グループがいいのか、業績が一時的に悪化しているが優れた技術や世界的高いシェアを
持ったグループがいいのかという見方が出てくる。

このような時どちらがいいかという結論が出ればいいが、迷った場合には分散しておく
という選択肢が出てくる。

また、分散投資では、時間を分散しておくということも重要だ。一時期に投資して
しまうと、その後相場が下げた時は、大半がシコルということになりかねない。

これは同じ銘柄に投資する時も言えることだ。下落途中でどこが底かわからない時は、
何回かに分けて投資することによって、下落リスクは緩和できる。買い下がりという
売買手法はこの考え方に基づく。

株式投資というのは、100%確実ということはまずあり得ないので、そのリスクを
緩和する手法として分散投資は欠かせない。分散投資の巧拙が投資収益の結果に大きく
作用するといってもよいくらいだ。

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