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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(6/22)

2009/06/22

            
  もくじ
<相場見通し>
          
     ・調整は小幅とどまる可能性も

<今週の参考銘柄>
      
      シスメックス
                     
<経済の動き>
     ・政府「景気底打ち」宣言
     ・欧州の自動車販売、ほぼ前年並み水準まで戻す
     ・中国経済、回復基調
     ・素材生産の復調、鮮明
     ・新興国で米ドル離れ進む
                       
<株式投資のセオリー>
     第203回 新四季報の留意点

          <次回はお休みします>
                      
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★

<相場見通し>

◆調整は小幅とどまる可能性も

(明るさが見え始めた景気の動き)
日経平均1万円乗せの後、相場は予想通り調整局面に入っている。今のところは小幅
調整で留まっているが、問題はこの調整局面がどれくらい続くかだ。

調整は短期間に終わり、早々に切り返し1万円奪還に向かうのか、それともしばらく
このまま調整が続くのか。それによって、下押す幅も違ってくる。

海外市場も、米国をはじめ概ね同じように調整局面入りしている。高値(終値ベース)
からの下落率を見ると、欧州諸国は5%超える所が多くやや大きいが、米国は3%程度の
比較的小幅にとどまっている。日本は4%強とその中間だ。

欧州がやや調整幅が大きくなっているのは、金融機関の信用不安がまだくすぶっている
影響か。米国と違って、他国にまたがって営業していることが多く、一国内だけでは
処理しきれないため、処理に手間取っている感じだ。

調整が長引くかどうかはやはり景気動向にかかってくる。欧州の自動車販売が前年並み
まで盛り返すなど、このところ景気に関してはちらほら明るい兆しが見え始めた。各国が
打ち出した景気刺激策の効果である。

景気回復に勢いが出てくれば、早期相場反転の可能性が高くなる。ただ、採用された
景気対策は国によってやや異なるので、その効果もまだら模様となる可能性がある。
それによって相場の回復度合いも変わってくるだろう。

さて、日本はどうだろうか。ご多分にもれず、このところ景気反転を示すニュースが
増えている。受注の増加、商品市況の上昇、稼働率のアップ等が伝えら始めた。さらには
エコポイント制度がスタートしたことによる消費回復の明るい兆しも見え始めている。

まだ水準としては低いが、景気は最悪期を脱し、反転の道をたどりはじめたのは間違い
ない。

特に日本の場合は、製造業が昨年末にかけてかなり急激に生産を落とした。90年代以降
設備過剰で長い間苦しんだ経験から、素早い対応に走ったわけだが、その分、受注増が
いち早く生産増につながりやすい身軽な状況をもたらした。

欧米諸国に比べ日銀がいち早く景気底打ち宣言を出したのはこのような背景があると
見られる。さらに、需要回復の点で見逃せないのは中国の存在だ。一旦落ち込みを見せた
中国経済は、大胆な景気刺激策でこのところ盛り返す動きとなっている。

これまで成長を牽引してきた輸出が大幅に鈍化する中で、内需拡大だけでどこまで景気を
維持できるか疑問の声も上がっているが、とりあえず、今のところ景気刺激策が功を
奏している状況だ。

今回の景気回復は中国やインドなどの新興国が鍵を握っている。これらの国の高い
成長力が、しばらく時間がかるとされる欧米の景気回復までのつなぎ役を、果たすことが
できるかである。

輸出で稼ぐしかない日本にとっては、これら新興国の動きが頼みだ。すでにアジア市場が
最大の収益源となっている。その点から見れば、今後の日本の株式相場は、これまでの
ような米国市場に連動する動きから、中国やインド市場への連動する動きにしだいに
変わっていくのかもしれない。

(外国人買いがカギ)
日本市場は、1万円割れしたあと9700〜9800円で比較的底堅い動きを続けている。
景気に先行き明るさが見え始めたことが下支え効果をもたらしている。下げても9500円
までで留まれば再度1万円挑戦の動きとなろう。

ただこれから上に行くには、外国人が本格的に買ってくるかにかかっている。3月以降
五月雨的に外国人買いは買い越しとなっているが、水準はそれほどではなく、打診買い
程度のものだ。これが本格な買いにつながるかだ。

買いのタイミングとしては、4−6月の実績が見え始める7月に入ってからだろう。
牽引するのは引き続き材料株と電機、自動車、精密などの国際優良株が中心となりそうだ。

          *     *     *

<今週の参考銘柄> 

    6869 シスメックス 3300円(100株売買可)

<経済の動き>

◆政府「景気底打ち」宣言

『政府は17日発表した6月の月例経済報告で、景気の基調判断を2カ月連続で上方
修正した。「一部に持ち直しの動きがみられる」として、7カ月ぶりに「悪化」の表現を
削除。生産や輸出の持ち直しを受けて主要先進国の中で最も早く「景気底打ち」を宣言した』

(解説)
日本が主要先進国で最も早く「景気底打ち」を宣言を出すことができたのは、最も早く、
しかも最も厳しく生産調整に取り組んだからだ。在庫調整が早くすみ、わずかな受注回復
でも、生産増となる体制が整っていた。

ただ、問題は需要が依然外需頼みであること。内需拡大は構造的にほとんど期待できない。
その輸出も、製造拠点の海外移転が進み徐々に減る傾向にあり、かつてのようなレベル
まで需要を謳歌できるかは不明だ。


◆欧州の自動車販売、ほぼ前年並み水準まで戻す

『欧州自動車工業会が16日発表した5月の新車販売台数(主要18カ国)は、前年同月比
3.2%減の119万7300台だった。13カ月連続のマイナス。ドイツが4割増、
フランスも1割増となったが、英国は2割減と国ごとの需要のばらつきが大きい。欧州では
新車買い替え奨励制度の導入が広がったが、効果の面では差が出ているようだ』

(解説)
欧州の販売台数は前年同月比まだマイナスだが、マイナス幅は小幅で、ほぼ同じ水準まで
回復してきたといえる。一時は50〜60%も落ち込んでいた販売台数がここまで戻して
きたのは、何といっても新車買い替え奨励制度の効果が大きい。

今後、日本や米国などでも同制度の導入が始まるが、どこまで効果が上がるか注目される
ところだ。

今年米国を抜いて世界一の販売台数となるのが確実な中国は、年率で約30%増の好調な
販売が続いて追おり、これで日本や米国が回復してくれば世界の自動車販売は完全に復調
したといえることになる。


◆中国経済、回復基調

『世界銀行は18日発表した四半期に1度の中国経済報告で、2009年のGDP伸び率の
予測を7.2%とし、3月の前回予測を0.7ポイント上方修正した。景気刺激策や
金融緩和の効果で景気に明るい兆しが出てきたためだ。

08年前半まで2けた成長を保っていた中国経済は同年後半から急減速し、今年1〜3月期
にはGDP伸び率が6.1%まで落ち込んだ。世銀は4〜6月期から回復基調が鮮明になり、
成長率は10年に7.7%まで持ち直すと予測している』

(解説)
中国経済が再び元気になってきた理由は、何といっても政府が極めて積極的な景気刺激策を
とったことに尽きる。

これまで世界の工場として欧米への輸出で高い成長を遂げてきたが、その輸出はかなり落ち
込んだままだ。しかし、それを補うには余りある内需拡大策をとったことで中国経済は盛り
返してきている。


◆素材生産の復調、鮮明

『石油化学工業協会が18日発表した石化製品の基礎原料、エチレン設備の5月の稼働率は
91.7%と前月から3.2ポイント上昇し、昨年9月以来8カ月ぶりに90%台を回復した。
中国などアジア向けの汎用樹脂輸出が伸びたうえ、在庫調整の一巡で国内の自動車・電機向けの
出荷も上向いた。日本鉄鋼連盟が同日発表した粗鋼生産量の減少率も5月まで2カ月連続で
縮小し、素材生産の復調ぶりが鮮明になっている』

(解説)
景気反転時に先行するのは素材関連の業種だ。需要回復が基礎材料価格の上昇や生産の増加に
つながるからだ。エチレン業界や鉄鋼業界の稼働率上昇はその走りと見ることができる。

一方設備投資はまだしばらくは手控えられたままなので、工作機会などの機械セクターの
回復はまだまだ先となる。


◆新興国で米ドル離れ進む

『基軸通貨である米ドル中心の外貨運用を多様化する動きが新興国に広がってきた。
国際通貨基金(IMF)債の購入についてロシアや中国に続いて10日にはブラジルも
意向を表明、3カ国合計で購入額は700億ドル(6兆8000億円)に達する見通しだ。
IMF債はSDR(特別引き出し権)建てになる可能性が高く、各国は購入と並行して
外貨準備による米国債の保有を絞るとみられる。米長期金利の押し上げ要因にもなりそうだ』

(解説)
新興国のこのような動きが加速すると、米ドルの暴落を引き起こしかねない危険事態に陥る。
この背景には、今回の不況の原因となった米国経済への一極集中に対する反省があると
見られる。最近の米長期金利の上昇では、このようなドル離れが一因となっていると見られる。

          *     *     *

<株式投資のセオリー>
第203回 新四季報の留意点

既に購入してる方も多いと思われるが、先週会社四季報の2009年第3集(夏号)が
発売された。株式投資をする上で会社四季報は欠かせない情報源なので、まだ入手してない
方は早急に買い求め手元に置くようにしていただきたい。

四季報は、3ケ月に1度、企業アンケートをもとにまとめられたものである。今集号は
だいたい4月初めから5月前半ぐらいの間に調査されている。

従って、既に1〜2ケ月経っているため、この間の経済の情勢変化を考慮するならば、
足元の状況とは若干ずれが生じていると見られる。

2008年度の企業業績は、世界景気の急激な落ち込みに見舞われ、平均で6割以上の
減益となり、主力企業が軒並み赤字など、恐慌状態といっていいくらいの歴史的な悪化を
見せた。

これを映して株価も急落し、バブル崩壊以来の安値(2003年)を割り込む事態と
なった。ただ、足元の動きは3月を境に足早の回復基調をたどり始め、既に年初来の
高値にまで進んできている。

世界各国が不況対策で協調、財政資金による企業救済など異例の措置がとられ、
投資環境としては、アジアなど新興国を先導役に「企業業績の底打ち、回復期待」を
根拠に株価は巻き戻されたかっこうだ。

従って、これまでの株価回復を一言でいえば、「政策効果」といえる。しかし今後の
上値追いには、業績予想値の増額修正が必要となると見られる。

四季報の段階では、まだ今期の売上高は減収、平均経常利益も2桁の減益予想である。
底打ちというより、下落の度合いが緩やかになる程度で、今年度が底という予想に
なっている。

中身的には、前半が下落、後半からは持ち直すが、年度トータルでは前期水準を下回る
想定である。

このように今期見通しはまだまだ厳しい内容だが、このところ、景気はやや回復ピッチを
速めているので、時間の経過とともに予想と実態との開きが拡大していると見られる。

従って4−6月以降の実績が上方修正できるかどうかが今後の注目ポイントとなる。
売上高の増減はもとより、為替相場や商品相場の動向も業績に影響を及ぼす。

四季報の数値は堅めの数字と見て、今後どこまで上方修正が行われるかに注目して
いきたい。株価に反応が大きく出るのは、減益から一転増益への転換である。減益が
小幅なほど反転に近い位置にいるといえる。

            <次回はお休みします>

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