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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(6/1)

2009/06/01

 もくじ
<相場見通し>
          
     ・懸念材料減り、じり高か

<今週の参考銘柄>
      
       ダイキン
                     
<経済の動き>
     ・ノ・ムヒョン追及は、賄賂資金を北朝鮮との融和工作に使ったため?
     ・ブラジルに投機資金流入
     ・大きな含み損抱える私立大学の資金運用
     ・米国にとって日本より中国が大事?
     ・大手家電量販店、太陽光発電装置販売に参入
                       
<株式投資のセオリー>
     第200回  信用残の動きをどう見るか(3)
                     
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★

<相場見通し>

◆懸念材料減り、じり高か

(ドル以外は円安進行)
5月相場は3ケ月連続の陽線となった。一般的に3ケ月連続で陽線が続けば相場は上
相場入りと言われる。今回のように下値、上値を切り上げる形となった場合はこの確率が
さらに高まる。3月10日の日経平均7021円が大底だったという根拠がまた増えた
ことになる。

懸念されていた為替も、先週はドルが輸出企業の採算ラインといわれている95円を
上回ってきた。ただ、依然95円台にとどまっており油断は許されない。

しかし、対ユーロでは135円近辺まで円安が進行しており、輸出企業の設定レート
120〜125円を大幅に上回ってきたことは一定の安心感を与えている。

輸出企業にとって95円以上のドル高となることに越したことはないが、これまでの
ように円の独歩安は姿を消し、他通貨に対して円安が少しづつ進行しているので、
ドルで90円程度までは許容範囲となってきてるのではないだろうか。

先週発表された外国人投資家の投資状況は売り越しだったが、先々週に比べると売り
越し額は大きく減っている。それに呼応するように大型株が盛り返す動きが見え始めた。
おそらく、欧米ヘッジファンドの解約に伴う大型株売りが一巡したためと見られる。

6月に入れば、外国人の買いの復活で、主力大型株が再度息を吹き返す動きが期待でき
そうである。このところ、2部・新興市場などの小型株の元気な動きが目立つが、これは
あくまで、大型株が調整している間の幕間つなぎの動き。大型株が復活すれば小型株の
騰勢は弱まざるを得ない。

世界の市場を見ると、商品市場や新興国株の動きが活発化している。国際的な投機資金が
かなり元気を取り戻してきていることを示している。世界的なヘッジファンドの解約の
動きも、6月末でほぼ一巡すると思われるので、余計外国人投資家の動きから目を離せ
ない。

外国人投資家の日本株買いは、今のところ昨年までの投資比率引き下げ過ぎの反動買いが
主力と見られる。しかし、これが一巡したあともさらに買われるかどうかだ。

問題は買われるに値する魅力的な株が日本市場にあるかである。世界のトップクラスの
競争力を持つ国際優良株の一部は引き続き物色の対象となろう。環境関連の有力企業が
多いのも日本にとってはプラス材料。世界的に環境関連が今後も引き続き相場のリード役
となることは間違いないと見られるからだ。

ただそれらがどれだけ全体相場のけん引役となりうるか。優良株や環境関連など一部の
テーマ株だけが買われて、他の株は鳴かず飛ばずということもありうる。新しい成長
産業がほとんど出てきてない日本市場の相対的な魅力のなさは認識しておく必要がある。

そうであれば、国際マネーが集まってきている他市場へ投資を増やすのも一法だ。今回の
景気回復では新興国の成長がリードする可能性が高いことを念頭に置く必要がある。中国、
インド、ブラジルなどの株式市場はすでに軒並み大きく上昇している。

(GM処理後はアク抜けの動きを期待)
先週末の株式相場は、日経平均で5月11日の高値9451円を抜いてきた。為替の
円高ドル安懸念が上昇力を鈍らせているが、上値、下値を切り上げる動きは続けており、
上昇トレンドを崩れていない。

今週は週初の米GMの処理が焦点だ。今のところ、クライスラー同様の破産処理と
なりそうな動きだ。市場はこの処理についてかなり気にしているように見受けられるが、
これはクライスラー処理時にほぼ予想された事態であり、かなり織り込んでいると
見られる。処理のスキームが発表されれば、クライスラー同様相場にとってアク抜けと
なる可能性が高い。

GM処理が終われば、とりあえず目先大きな懸念材料はなくなる。従って6月前半は
ジリジリ下値を切り上げる相場が予想される。日経平均1万円挑戦の場面も出てくる
かもしれない。

ただ、6月後半は、欧州を中心とした金融不安がそぞろ頭を持ち上げてくる可能性も
あるので、あまり深追いは避けたい。欧州のいくつかの大銀行で依然信用不安が
くすぶっているからだ。

ここからの狙い目は、この所しばらく調整していた大型優良株だ。環境関連も調整の
済んだものから循環的に買われる相場が続く。ただ、個々の銘柄については、今回
発表された業績見通しに留意すること。大幅赤字が続くような銘柄には買い気が回って
こないことも考えられる。

          *     *     *

<今週の参考銘柄> 

      6367 ダイキン 2900円(100株売買可)
      
<経済の動き>

◆ノ・ムヒョン追及は、賄賂資金を北朝鮮との融和工作に使ったため?

『韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の死亡を機に、国内では不正資金事件を巡る
前大統領への捜査に反発も表面化、民主党など前大統領を支えた進歩勢力の野党が攻勢を
強め始めた。疑惑と同情論が交錯する中、李明博(イ・ミョンバク)政権は景気刺激策で
求心力を維持し、北朝鮮への強硬姿勢も進める構えだが、政府批判は市民の抗議行動に
発展する懸念もはらむ』

(解説)
盧武鉉前大統領がかなり厳しい捜査を受けた理由は、賄賂で得た資金を北朝鮮融和工作の
資金として使った疑念が出ているからだ。金額も公表されている6億円にはとどまらず、
その10倍から100倍に上るという話まで出ている。

前大統領にとって北朝鮮との融和策は、あえて反米、反日を煽ってまでも強力に進めた彼の
政治の根幹をなすものだった。これを達成するためにはなりふり構わずやった節が見受け
られる。

ただ、国内で集めた賄賂資金でそれを進めたとなると異常だ。当然この大スキャンダルは
明らかにされるべきだと思われるが、今の所李明博現政権は前大統領への配慮から公表
しない方針と見られる。ただ、前大統領を追い詰めたことに対する現政権への批判が強く
なれば、明らかにされる可能性もある。


◆ブラジルに投機資金流入

『29日のブラジル外国為替市場で通貨レアルが対米ドルで1.7%上昇、1ドル=1.975レアルで
取引を終えた。1ドル=2レアルを割り込むのは2008年10月1日以来、約8カ月ぶり。
この日はサンパウロ証券取引所のボベスパ指数も昨年9月の米リーマン・ブラザーズ破綻
以後で最高値となる53197を付けるなど、海外などからの資金流入が続いた。』

(解説)
ブラジル経済は、中国、インドに続いて比較的堅調な動きとなっている。それと何と言っても、
資源大国である。資源価格の上昇も追い風となっている。

国際的な投機資金はこのような成長市場に集まる傾向を強めている。インド株式市場も
5月後半から株価騰勢に弾みが付いている。


◆大きな含み損抱える私立大学の資金運用

『有力私立大学の間で資産運用の評価損が膨らんでいる。慶応義塾大学は3月末時点で
評価損が535億円、上智大学も110億円程度にのぼる。早稲田大学の3月末の評価損は
外国債券中心に28億円。少子化による収入の先細りを補おうと株式運用などに乗り出す
大学が増えているが、昨年秋以降の金融危機で運用環境が一変。リスク管理の難しさが
浮き彫りになった』

(解説)
米国のハーバード大などの巨額運用益に刺激されて、国内の私立大学も資産運用を始めたが、
散々な結果となっているようだ。ただ、米大学の運用状況も今は同じような状態なので、
日本の大学の運用下手と決めつけるわけにはいかない。

おそらく、大学の資産運用の流れは今後も続くので、これで懲りずに、どこまで運用能力を
磨くかだ。現在の大学間の競争は教育の質だけでなく、資産力の大きさもものをいう時代と
なっているので、資産運用は避けて通れない道だ。


◆米国にとって日本より中国が大事?

『中国外務省は26日、米国のガイトナー財務長官が今月31日から6月2日まで
訪中すると発表した。王岐山副首相の招きに応じたもので、金融危機対応や今夏に開く
予定の「米中戦略・経済対話」について中国側と意見交換する』

この所米国政府要人の中国詣でが相次いでいる。ガイトナー氏の前にはペロシ下院議長が
訪中したばかりだ。しかもこれらの要人はいずれも日本を素通りしている。

中国詣での理由は、米国債の購入を継続してほしいというお願いと見られ、米国の
苦しい事情がうかがえる。ただ、オバマ政権発足当初は、同じく米国債を大量に購入して
いる日本に対する配慮を最優先していた。

おとなしい日本はほっといても米国にそむくようなことはしないということで、無視され
始めている。どうも日本は、またブッシュ政権の時と同じようにATM(自動支払機)の
立場になり下がってしまったようだ。


◆大手家電量販店、太陽光発電装置販売に参入

『大手家電量販店が住宅用の太陽光発電装置の販売を本格化する。ヨドバシカメラは29日、
販売に参入。ヤマダ電機は来年3月までに取扱店を現在の4倍にあたる400店近くに拡大する。
太陽光発電装置は200万円程度するが、政府の購入補助などで需要増が見込める。これまで
訪問販売会社や住宅設備会社が販路の中心だった。消費者に身近な家電量販店が本格展開する
ことで、普及に弾みがつきそうだ』

(解説)
消費が低迷している中、太陽光発電装置はエコブームに乗って売れている数少ない売れ筋
商品のうちのひとつ。しかも高額商品なので家電量販店としても早速目を付けた格好だ。
これで、普及がさらに進むのは間違いないと見られるが、家電量販店以外にも恩恵が大きい
のは消費者向けの商品を販売しているメーカー。国内の主要メーカーとしては、シャープ、
京セラ、昭和シェル石油などがあげられる。

          *     *     *

<株式投資のセオリー>
第199回 信用残の動きをどう見るか(3)

今回は個別信用残の見方についてもう少し詳しく見ていきたい。

《信用残を見るポイントは?》
信用残を見る場合のポイントを上げると以下のようになる。

1、買残、売残の推移
  残高は増えているのか減っているのか。傾向はどうか。
  株価が上げている時は買残、売残とも増えるのが通例。煎れ上げ相場になると株価上
  昇とともに売り残は減少に向かう。 
 
2、残高の規模
  通常の信用残のレベルから見て多いのか少ないのか。
  通常の信用残の水準は過去2年間ぐらいの平均で見る。
  買残が多ければ荷もたれ感強く、一般的に上げにくくなる。

3、貸借倍率(=売残/買残)
  市場平均に比べて高いのか低いのか。拮抗してきているのか、それとも悪化してきて
  いるのか。倍率が高ければ一般的には上げにくい。

4、平均建値
  買残の平均値、売残の平均値はいくらか。大凡の推定は、買残、売残が大きく増
  えた時期の株価で見る。
  建値の水準で買い方、売り方の今後の行動を推測することになる。

5、期日
  買建ての場合は高値を付けたほぼ6ケ月後に到来。高値ぶら下がりが多いので、この
  期日を超えないと株価は上げにくいことが多い。
  売建ては、売り残が急増した時期から6ケ月後を期日と見る。その時期の売り建玉が
  まだ多く残っている場合は、期日に向かって売り玉締め上げのための買いが入る場合
  がある。

《個別銘柄の取り組みがいいとか悪いとかという場合の判断基準は?》
一般的な見方としては、3市場の信用貸借倍率(=売残/買残)より倍率が低ければ良好、
高ければ悪いと言える。

現状でいうと3市場の貸借倍率は1.46倍(5月22日現在)なので、それより倍率が
低ければ取組良好ということになり、それより高ければ取組が悪いということになる。

ただ、3市場の貸借倍率は相場の展開とともに動いていく。相場が上昇するに従って倍率は
上昇することが多く、高値圏になると買い残が増加する一方空売りが減少するので、
4〜5倍以上になることも珍しくない。

それに従って判断基準も変わっていく。貸借倍率が3倍でも、時期によって取組良好という
判断にもなれば、悪いという判断にもなる。あくまで市場平均を基準にみるわけである。

この見方は日証金の信用残高を見る場合も同じである。日証金全体の貸借倍率を基準に
個々の信用残の取組の良し悪しを判断する。

《貸借倍率が1倍以下で、逆日歩付いている銘柄は無条件に買いか?》
貸借倍率が1倍以下ということは買残より売残の方が多い。さらに、逆日歩(売り方に
課される金利(日歩))まで付いているということは、売り方はかなり窮地に立たされて
いることを示している。

従って、売り方の踏み上げ(売り建て玉返済買い)が予想されるので、一段高が期待
できるとみて、このような銘柄を狙って買う投資家も多い。しかしこのような銘柄は全てが
一段高となるわけではない。

取組が拮抗するといっても上げの初期段階で買残、売残とも膨らんでいる時が最も株価には
勢いがあり、このような時に空売りが急増し逆日歩が付くようであれば一段高が期待できる。

しかし、取組みの拮抗状態が長引くと、株価はなかなか上昇しなくなってしまうことが多い。
買い方は、ちょっと上げると利食い売りが出やすくなり、一方売り方も腰を据えて構えて
いるので、少々の上昇では煎れ上げの買いが期待できなくなるからだ。

《買残が多いと株価は上げにくいのか?》
買い残が多いということは、将来の売り圧力が強いこと示し、一般的には株価上昇の
阻害要因となる。しかし、買い残が多いと全てダメかというとそうではない。

買い残が多くても、平均買い値が問題だ。平均買い値が現在の株価より安ければ、売り
圧迫要因とはあまりならない。逆に買い残があまり多くなくても高値で買った玉が多ければ、
戻り売りが出やすいので、株価は上げにくくなる。買い残の平均値によって株価への影響は
異なる。

また、株価が安値から離陸するときには、往々にしてまず買い残が膨らむ。上げそうな
気配を察知して目ざとい投資家が信用の買いを入れてくるからである。こういう時の
信用買いの増加は先高のサインと見ることができる。

逆に株価が高値圏で売り残が増加する現象も見られる。これは、高値と判断して空売りが
増えるからではなく、現物保有の投資家が、高値の判断はつかないがひとまず一部を売って
おこうと信用売り(保険つなぎの売り)を出すことが多いからである。

これは、利食い売りの一種であるから、空売り増加→取組好転→株価上昇という図式通り
には動かない。かえって目先高値を付けたサインとなる。

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創刊日:2005-04-12  
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