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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(5/25)

2009/05/25

          
  もくじ
<相場見通し>
          
     ・ドル安が重し、しばらく調整の動き

<今週の参考銘柄>
      
      ホクト 
                     
<経済の動き>
     ・1−3月期のGDP、15.2%減と記録的な落ち込み
     ・新興国・資源国への資金回帰進む
     ・シン首相続投で、インド経済に安心感
     ・なぜかこの時期、日本国債の格付け引き上げ
     ・家計所得減少に見える老大国日本の衰退
                       
<株式投資のセオリー>
     第199回  信用残の動きをどう見るか(2)
     
                
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★

<相場見通し>

◆ドル安が重し、しばらく調整の動き

(米経済への楽観論やや後退)
5月に入ってからは、日経平均は9000円と9500円の間のボックス圏の動きを
続けている。

3月23日8000円台に乗せてからは、4月一杯は8000円大台を割ることなく
値固め。4月末から5月初めの5連騰で9000円を突破、一気に年初来高値を取り、
3月10日の底値を確認、戻り相場のトレンドに入った。

やや戻りのスピードが早かった分、足元の調整は当然の一服という見方は可能だ。ただ、
他のアジア株や、欧州株が引き続き新値追いの動きとなっているのに比べ、この所の
上値の重さが気なる。

これは、主な買いの担い手が外国人となっているのが関係していると見られる。外国人の
買いで相場が動くようになると、とりわけ前日のNY市場との連動性が高まってくる。
NY株が下げれば、日本の代表銘柄である国際優良株が軟調になる。

しかも、NY安とドル安は相関して動くことが多いから、翌日の日本は円高、株安と
なる構図だ。特に1ドル=95円を割った来ると、企業が想定しているレート
(95円〜100円)の上限を突破することになる。

95円割れはほとんどの輸出企業で企業業績の下方修正要因となり、悪材料視される。
先週はこの95円を割る水準まで円高が進んできた。

しかも、今回のドル安は、ユーロなど他の通貨に対して起きており、ドルの独歩安の
様相を示している。これまでは、ドル安が起きても、他の通貨も円に対して下落する
円の独歩高の動きだったが、今回は様相を異にしている。

ドルが独歩安となっている背景には、米財政赤字拡大への不安があることは間違いないが、
さらに、米金融市場の安定化に対する不安感が払しょくできてないことが一因として
あるようだ。

ストレステストの結果に基づいて米金融機関は資本増強に走っているが、そもそも
ストレステストの数字は実態を表しているのかという疑念が消えていない。米政府が
何とか早急に不安を払拭したいという意図のもとにでっちあげられた数字ではないか
という見方だ。

また、GMの処理についても市場には不安感が出ている。クライスラーと同じような
対応となると見られるが、規模が大きい部分、市場への影響も大きくなるのではないか
という懸念だ。

米国経済の不安定さは今に始まったことではないが、これまでややプラスの面に目を
向けてきた分、その揺り戻しのようなものが起きている。

米政府の意図としては、早期景気回復を演出し(要人の発言は口裏を合わせたように
今年後半に景気は底という発言を繰り返している)、世界の投資家の資金を呼び
寄せたい考えと思われるが、実体悪がそれを阻むという構図が続いている。

(決算内容を吟味)
決算発表は大体出そろった。前期は6割、7割減益は当たり前となっているが、
問題は今期見通しだ。増収増益がもちろん望ましいところだが、合わせて利益水準が
過去5〜6年の水準と比べてどうなっているかを見たい。

今期大幅増益となったとしても、過去の利益水準に程遠いようなら、まだ安心できる
状態とは言えないからだ。

逆に連続減益の中にも、1株利益の水準が80円とか100円とか高い場合は、株価が
売られ過ぎたら狙われる。このような動きは小型優良株によく見られる。

赤字継続、さらに赤字拡大といった業績下降型の銘柄は、まず見送りだ。赤字にも
理由があり、リストラ(構造改革)費用の拡大といった前向きな施策というケースも
ある。株価が下がらなくても、そうした銘柄はリストラ後の収益改善傾向が出始めた
頃から注目しても遅くはない。

(低位株等で幕間つなぎ)
円高で国際優良株が多い自動車、ハイテクが売られると、全体相場はどうしても
様子見となる。売り手は減ってきているので、出来高、売買代金は減少してくることに
なりそうだ。「閑散に売りなし」だから、相場の押しはそう大きくはならない。

このような相場の幕間は省エネ相場で、低位株や小型株物色の色彩が強くなる。人気は
低位株、値幅は好業績の中小型株といったといった傾向が続きそうである。

反面これまで戻りを牽引してきた主流銘柄はしばらくお休み。値崩れせずに音を潜めた
動きを続けるようなら、次のシーンで再度有望となると見ている。

          *     *     *

<今週の参考銘柄> 

       1379 ホクト 1800円(100株売買可)
      
<経済の動き>

◆1−3月期のGDP、15.2%減と記録的な落ち込み

『内閣府が20日発表した1−3月期のGDP速報値は物価変動の影響を除いた実質で
前期比4.0%減、年率換算で15.2%減となり、戦後最大の減少率となった。
過去のデータなどを見直した結果、昨年10―12月期の実質GDPは2.3ポイント
下方修正され年率14.4%となった。その時点で第一次石油危機の1974年
1−3月期の13.1%減を超えていたことになり、二・四半期連続で「戦後最大」の
落ち込みを更新。昨秋以降の日本経済の急落ぶりを改めて浮き彫りにした』

(解説)
これほどのGDPの落ち込みは、OECD諸国の中では戦後記録のない数字だ。経済では
10%以上の落ち込みは恐慌と呼んでいるがまさに恐慌状態といえる。

ただ、問題は次期4−6月期である。一過性で終われば第一次石油危機と同じように
大きなダメージとはならないからだ。今のところ、プラスの予想であるが、これが
マイナスのままだと問題は深刻。回復のきっかけはつかみにくくなり、株式市場の
回復は大きく遠のく可能性がある。


◆新興国・資源国への資金回帰進む

『投資資金がオーストラリアドルなどの比較的金利が高い新興国・資源国通貨に流入して
いる。投資家が先行きの世界経済の底入れを見越し、昨年秋以降の金融危機で円やドルに
逃避させた資金を再び振り向けたからだ。実体経済の行方はなお不透明だが、日米の
金融当局などが明るい見通しを示し始めたことも投資を後押ししている』

(解説)
新興国などへの資金回帰は、約3000兆円といわれる世界のホームレスの投資資金が
徐々に動き始めていることを示している。

景気底入れ時には、通常ならまずリスクの少ない欧米など先進国に向かうはずだが、
それらの国の経済は今回はダメージが大きいため、新興国などに向かっている。

最悪期からの回復率で見ると、通貨では豪州ドル、南アランド、韓国ウオンなど、
株式市場では、ベトナム、中国(上海)、ブラジルなどの戻りが大きい。


◆シン首相続投で、インド経済に安心感

『16日開票のインド下院選で第一党の座を守った最大与党・国民会議派は19日、
シン首相の続投を承認した。続投の承認を受けたシン首相は「投資と雇用を再び拡大
させなければいけない」と述べるとともに、会議派の選挙公約の履行状況を四半期ごとに
点検する意向を明らかにした』

(解説)
国民会議派が第一党を守ることができるかどうか極めて注目された選挙であるが、
結局国民会議派が勝利し、シン首相の続投が決まった。これを受けて18日のインド
株式市場は取引開始直後から急騰し、1日で10%以上も上昇している。

インド経済は、これまで成長した後はいつもその揺り戻し起きて、成長が長続きしないと
いうパターンを繰り返してきていたが、今回はそれが避けらると市場が好感した結果だ。
今後インドは中国に次いで高い成長が期待できるのではないかという期待が高まっている。


◆なぜかこの時期、日本国債の格付け引き上げ

『米格付け会社のムーディーズは18日、円建ての日本国債の格付けを現行の「Aa3」
から一段階引き上げ、上から三番目の「Aa2」としたと発表した。同社による日本国債
の格付け見直しは昨年6月の一段階引き上げ以来、11カ月ぶり。日本はこれまで日米欧
の主要七カ国(G7)の中で単独最下位だったが、今回の格上げでイタリアと並んだ』

(解説)
今回の格付け引き上げは理解に苦しむ動きだ。日本はOECD諸国の中でも対GDP比で
ダントツの高い負債比率となっており、しかも今回の補正予算で10兆円もの国債増発を
決めたばかりである。どうみても格付けの引き下げはあっても、引き上げは考えにくい
状況だ。

S&Pがサブプライム商品をトリプルAで格付けして、今回の金融危機をもたらす一因と
なったのは記憶に新しいが、格付け会社の動きには市場はかなり不信感を持ち始めて
いる。今回のムーディーズの格付けの動きはそれに拍車をかけるものとなりそうだ。


◆家計所得減少に見える老大国日本の衰退

『厚生労働省が21日発表した国民生活基礎調査によると、2007年の1世帯あたりの
平均所得額は前年比1.9%減の556万2000円と1988年以来19年ぶりの低水準となった。
08年は秋に生じた金融危機以降、世界的に景気後退が鮮明となり、雇用情勢が悪化。
世帯の平均所得はさらに落ち込んでいる可能性が高い。1世帯あたりの平均所得は
1994年の664万円がピーク。これ以降はほぼ減少傾向にあり、07年までに16%減った』

(解説)
日本の経済指標を見ると、1990年代半ばに過去のピークを付けているものが多い。
今回発表された1世帯あたり平均所得額もそうだが、この他にも雇用人口、税収、
新車登録台数、家計の黒字率、国内旅客輸送人員数、等々。

これはとりもなおさず、日本経済が90年代半ばにピークを打ち、その後衰退に
向かっていることを意味している。世界の中でも、GGPの占める比率はピークの
約19%から約半分の9%強にまで落ちている。この傾向は今後も続き、老大国日本の
衰退は徐々に進む。

          *     *     *

<株式投資のセオリー>
第199回 信用残の動きをどう見るか(2)

今回は個別銘柄の信用残の動きをどう見るかについて説明したい。

前回のおさらいとなるが、信用残の情報には週1回発表される3市場の残高と、毎日
発表される日証金の残高の2つがある。(このほかに注意銘柄に指定されると東証が
毎日3市場残を公表する)

3市場残は信用残全体の数字だが、日証金残は証券会社の自己保有分(店内喰い合い部分)
を除いた、日証金に持ち込まれた部分である。氷山でいうならば、海面上に見えている
部分にあたる。

そのため、日証金の数字だけでは全体の動きは正確にはわからない。ただ、これを詳細に
見ることにより、信用取引の需給関係、すなわち買い方、売り方の動向がある程度推察
可能だ。

従って、信用残の見方は、日々の動きは日証金の動向でチェックし、全体の残高推移は
週1回発表される3市場の残で確認するということになる。

日証金残の動きはどこで見るかというと、ネット証券などで数字を公開しているので
それをご覧いただきたい。

日証金で買い方、売り方の動向を見るには、融資と貸株のそれぞれについて「新規申し込み」
と「返済」の動きがどうなっているかに注目する。

融資残の動きは買い方の動きを表している。融資残高は買い方の買い建て株数を示している
からである。一方貸株残の動きは売り方の動きを表している。貸株残高は売り方が
建てている空売り株数を示しているからである。

これらの新規申し込みと返済の動きを見ることによって、買い方、売り方がどのような
動になっているかを推察することができる。

例えば信用残の融資の動きが次のようになっていたとする。
  融資
    新規申込   583 千株
    返済     254 千株
    残高   1,638 千株

これは新規の信用買いが583株入り、既に信用買いしているもののうち254株が
売却され返済されたということを示している。これを見ると買い方はかなり強気な見方で
買い増しに動いているということがわかり、株価は今後強い動きが予想される。

また、以下のように動きがあれば、
  融資
    新規申込   117 千株
    返済     582 千株
    残高   3,555 千株
   
建て株の返済が多くなっているので、買い方はかなり大量に利食い(あるいは処分)を
出し始めていることがわかる。こうなると、やがて株価は目先ピークを付け反落する
可能性が高くなる。

また貸し株の動きでみると、
  貸株
    新規申込   338 千株
    返済      56 千株
    残高   1,831 千株

というような動きの場合は、新規申込が膨らんでおり、株価を割高と見た新規の空売りが
かなり入っていることを示している。取組(買い残と売り残の割合)が拮抗している中、
このように売り残が増えていれば、株価は一段高となる可能性が高くなる。

信用売買の比率は全体の売買の2〜3割にすぎないが(残りは現物取引)、かなり需給
関係を反映して動くことが多い。従って、個別株の需給動向が今どうなっているか掴む
のに貴重なデータとなる。

以上のような説明をすると、信用残の動きは1週間単位で発表される3市場残で確認すれば
いいではないかという人もいる。しかし、株価がピークを付けるのは一瞬の時(長くても
ピーク水準の維持は2〜3日)が多く、とても1週間など待ってはいられない。

3市場残の動きを見て利食いするようでは遅いのである。従って、高値で利食いする時など
は信用残動向は欠かせない情報となる。

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創刊日:2005-04-12  
最終発行日:  
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