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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(5/11)

2009/05/11

  もくじ
<相場見通し>
          
     ・金融相場により上昇トレンド続く

<今週の参考銘柄>
      
       日本ビルファンド
                     
<経済の動き>
     ・米政府の意図が透けて見える、景気指標の改善報道
     ・クライスラー倒産処理に市場は好感
     ・中国移動の次のターゲットは日本企業か
     ・日本の長期負債比率さらに増加
     ・先物市場に特化した投信設定相次ぐ
                       
<株式投資のセオリー>
     第197回  金融相場の特徴
     
                
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★

<相場見通し>

◆金融相場により上昇トレンド続く

(相場は新しい段階入り)
相場は3月12日の日経平均7012円の安値を起点に、順次下値を切り上げる動きを
続けている。しかも5月に入り、年初来高値7239円(1月7日)を抜いてきた。
これにより上値トレンドはかなりはっきりしてきたといえる。

上値を抑える要因として懸念されていた新型インフルエンザ問題は、今のところ相場に
大きな影響を与えていない。それは、今回の震源地であるメキシコ市場の動きを見れば
はっきりする。

3月安値以来一貫して上げ基調にあり、新型インフルエンザ問題が影響を与えた形跡は
ほとんど見られない。
(新興国の株価はhttp://www.indokeizai.com/othercou/chart-world1y.htmlを参照)

現在、感染者は1日数百人単位で増えているので、増え方のスピードは確かに気になる。
しかし、今のところ毒性は低く、タミフル等の既存ワクチンが効くことも確認されている
ので、一般的なインフルエンザ以上の影響は出ないだろうとの判断があると見られる。

通常のインフルエンザでも、感染者は多ければ何百万人単位にもなり、数万人規模の死亡者は
珍しくないからだ。

もうひとつ懸念されていた大手電機の決算発表に伴う格付け引き下げ問題も、特に市場は
気にしてる風にはみえない。日立、東芝などはかえって決算発表後上げているくらいだ。
これには、決算内容が見込みより改善していることも影響していると思われる。

そうはいっても格下げ発表は今後順次出てくると見られるが、今の地合いから見れば、
たいした問題とはなるまい。今の相場の動きには、少々の懸念材料を吹き飛ばすような
勢いがある。

ただ、現在の相場は金融相場のため(金融相場については下記「相場のセオリー」を参照)
需給が頼り。上昇にはおのずと限界がある。日経平均では1万円乗せが一つの目処と
見られる。

これまでの予想としては、1万円乗せはあるとしても今年後半と見られていたが、想定
以上に早く到達する可能性が出てきた。このまま上昇トレンドを描き、1万円のせまで
一気に進むと、今年は早めに高値を付ける可能性も出てきている。

(大型優良株の押し目買いが基本)
ゴールデンウイーク期間中は、先週末までの4日間で日経平均は930円ほど上昇して
いる。上げのピッチが速く、短期的には調整がほしい所だ。

ただ、いずれにしても、上昇トレンドがはっきりしてきたことから、投資スタンスは
押し目買いが基本で、下げた所は狙い目となる。

下記「投資のセオリー」のところでも書いてあるが、金融相場の特徴は、大型株、
優良株がまず買われ、それにテーマ株の循環買いが加わって相場が展開される。従って
狙い目はこのような株の押し目だ。

テーマ株では、これまでも再三本欄でも言っているように、環境関連(代替エネルギー
関連含む)、高速鉄道関連など。商品市況の上昇も始まっているので、商社などの
資源関連も折にふれて買われそうだ。

          *     *     *

<今週の参考銘柄> 

      8951 日本ビルファンド 797000円(1株売買可)
      
<経済の動き>

◆米国政府の意図が透けて見える、景気指標の改善報道

『米格付け会社S&Pが28日発表した2月の「S&Pケース・シラー住宅価格指数」に
よると、主要10都市平均で前年同月比18.8%下落した。下落率は引き続き高水準なものの、
過去最大を記録した1月(19.4%下落)よりは縮まった。

主要20都市平均でも18.6%下落と、前月の19.0%下落より縮小している。これまで
住宅価格が大幅に下げてきたラスベガス、フェニックス、サンフランシスコなど16都市で、
2月の前月比の下落率が1月よりは改善傾向を示した』

(解説)
この所、米国の経済指標で改善傾向示す報道が相次いでいる。ケース・シラー住宅価格
指数の他では米失業率も同じように報道された。失業者は前月の69万人増から4月は
53万人増に改善したからだ。

ただ、内容をよく見るとどちらも、大した改善ではない。底バイが続いているといった方が
良いものだ。にもかかわらず、改善という言い方をするのは、そこには米政府の意図が
感じられる。

一つは心理面から景気を支えたいからだ。消費マインドは消費者の心理がかなり投影される
世界。従って、できるだけ景気回復感を演出し、消費を促したいと考えていると見られる。

もう一つは、世界から投資資金を呼び込みたいという面も大きい。欧州などより景気回復が
早いということを演出することによって、株式市場の回復を早めたいとの思惑があると
見られる。

しかし、米政府がそれだけ腐心するということは、住宅問題のダメージは大きく、米国の
景気回復は容易ではないこと示している。


◆クライスラー倒産処理に市場は好感

『米自動車大手のクライスラーは4月30日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)
の適用を、ニューヨーク市の破産裁判所に申請したと発表した。破産法手続きは30―60日での
短期決着を目指す。同時に、イタリア自動車大手のフィアットと提携することで合意した
ことも明らかにした。米政府は追加融資などでクライスラーを全面支援する方針を表明して
いる』

(解説)
ついにビックスリーの一角クライスラーは倒産したが、株式市場に特段混乱は見られなかった。
米政府が今後の再建支援を明確にしたことで、かえって今回の処理を好感する感じさえ
うかがえた。

次はGMだが、今回の市場の反応に気を良くして、おそらく同じような処理となると
見られる。その結果、株式市場などに大きな影を落としていたビックスリーの処理問題は、
大きな影響もなく済みそうである。


◆中国移動の次のターゲットは日本企業か

『中国の携帯電話最大手、中国移動(チャイナモバイル)は30日までに、台湾の同業
「台湾遠伝電信」に出資すると発表した。中国移動が子会社を通じ、台湾遠伝の発行済み
株式の12%を取得する。株式取得総額は177億7千万台湾ドル(約520億円)』

(解説)
台湾企業をまず傘下に納めたチャイナモバイルの次の狙いは日本だろう。同社の時価総額
からすると、日本の大手3社(ドコモ、au、ソフトバンク)のいずれの買収も可能で
ある。日本企業も安閑としてはいられない。

また、今回のチャイナモバイル動きは、中国企業が海外のM&Aを積極化する走りと
見たほうがよい。同社を追って海外企業に買収を仕掛ける中国企業が続出してこよう。


◆日本の長期負債比率さらに増加

『財務省は30日、2009年度末の国内総生産(GDP)に対する国・地方の長期債務残高比率が
168.5%になるとの見通しを公表した。今年度補正予算案や政府経済見通しの下方修正を
反映した数値で、前年度末と比べ10.8ポイント上昇する』

(解説)
今年度以降米国の財政赤字が大きく膨らむのが問題となっているが、それでもGDPに
対する比率は80%程度。日本の約半分だ。先進国の中でも日本の債務比率の高さは
ぶっちぎりのNO1となっている。因みに2位はイタリアで約100%。

これはとても返せるレベルではないので、いずれ国民の財産からかすめ取ろうとするのは
間違いない。国民は騙されないように政府の動きをよく見ておく必要がある。


◆先物市場に特化した投信設定相次ぐ

『原油や債券などの先物市場への投資に特化した投資信託の設定が相次いでいる。金融危機や
世界的な景気後退で商品相場などが波乱の展開となるなか、相場の下落局面でも運用益が
あげられるとして投資家の人気を集めている。株式を中心に運用する投信に代わる資金の
受け皿とも位置付けられている。

 新規設定が目立つのは、CTA(商品投資顧問)と呼ばれるヘッジファンドが運用する投信。
CTAで世界最大のファンドを運営する英マン・グループは新たな単位型のCTA運用の
投信を4月28日に設定。野村証券が販売し、約930億円を集めた』

(解説)
先物市場の投信設定はこれまでほとんど見られなったので、日本の投資家にとっては選択肢が
増えるということで朗報だ。特に商品関連の投信の不足が指摘されていたので、今回の動きは
それにも応えるものとなっている。


          *     *     *

<株式投資のセオリー>
第197回 金融相場の特徴

世界景気の回復はおぼつかないのが現状だが、マネーの流れはじわじわと動き出している。
その兆候は商品市況が底打ち反転の動きを示している所に見られる。

世界各国があゆみを同じくして金融緩和に進み、過剰流動性を生み出している。これが、
商品市況や世界の株価の戻りを支えていると見ることができる。景気や企業業績には本来の
明るさが見えない中、需給関係の改善が相場を支える、いわゆる金融相場が展開だ。

金融バブル崩壊で被った傷は確かに大きいが、世界の投資資金が全くなくなったわけでは
ない。ピークで6000円兆円まで膨らんだ世界の投資資金は、その半分ぐらいとなった
といわれているが、それでも3000兆円はかなりな規模である。

この資金が少しでも動きだせば、市場に活気は戻ってくる。ただダメージも大きかったので、
一気に動き出すとは考えにくく、しかもかつての証券化商品などのわかりにくい商品は
敬遠され、原油や穀物、金属などの商品や、株式などのわかりやすいものが投資の対象と
なってこよう。

需給の改善が相場を引っ張ることになると、株価の「高い」「安い」は企業の決算見通し
とは関係ない所で決まっている傾向が強くなる。

好業績発表で売られると「高材料出尽くし」と言ったり、想定以下の業績発表にも
かかわらず買われると「悪材料出尽くし」と解説されたりする。事後解釈ほどいい加減な
ものはない。この傾向は金融相場ほど強くでる。

相場は段階によって性格を変えていく。大きな流れは以下のようになる。


              天井相場

             /\/\/\
        業績相場/      \逆金融相場
           /        \
      /\  /          \  /\
金融相場 /  \/            \/  \逆業績相場
    / 中間反落            中間反騰 \
   /                        \ 


      (景気)  (金利)   (企業業績等)    (株価)

金融相場   不況   緩和低金利 利益低水準・設備投資減 不景気の株高

中間反落   停滞   緩和継続    在庫投資開始    需給に乱れ

業績相場  徐々に回復 低水準     回復基調      上昇     
 
天井相場  過熱気味  上昇開始    絶好調       天井持合い
      
逆金融相場  余熱感 引締め高金利 利益高水準・在庫増加  下落基調

中間反騰   余熱継続 高金利続く   利益鈍化      下げ過ぎ修正

逆業績相場  下降   反転下降    減益基調      低落  


少し前までは景気が下降し、一気に不況色に覆われ、赤字転落、減益が顕在化、株価は
底を探りに行く展開だった。金利も特に欧米では大幅に引き下げられた。「逆業績相場」
の特徴そのものといえる状況が続いていた。

現状の相場は次の段階である「金融相場」に移行してきているといえる。今年のGDPは
世界はマイナス成長の予測で、景気の現状を表す言葉としては不況そのもの。

世界中が歴史的な超低金利で産業を支援、公的資金を使ってまでも民間企業の再生を
図っている。企業サイドは設備投資を抑制し、生産設備や人員を削減、採算の取れる
レベルまで必死に規模を縮小させている。このような明るい材料のない中、株価は持ち
直し始めた。

金融相場における特徴は、株価が大底を確認すること、そして、物色の特徴は、大型株、
優良株が中心。テーマ買いが始まり、市況関連へと波及していく。在庫整理期間中で、
設備投資はまだ復調しないから、一部の輸出除いて機械セクターは後回しとなる。

不景気の株高と言われる金融相場は、需給が頼みの綱だから、矛先が変わりやすく、
短期的には新しい材料に飛びつく傾向が強い。従って、上げは短く物色が次々に移っていく
ことが多い。

やがて、景気停滞、底バイの中で、在庫整理が進むと生産がやや上向いてくる。在庫投資が
出始める頃、相場は中間反落を迎える。需給関係に乱れが生じ、一時的だが大きな下げが
現出する。

その時の材料が下げの要因とされるが、それはあくまできっかけに過ぎず、真因は需給の
乱れだ。その後は業績がおだやかに回復するとともに業績相場に入っていく。この業績相場は
金利が上昇し始める時点まで続くことになる。

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創刊日:2005-04-12  
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