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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(4/20)

2009/04/20

 もくじ
<相場見通し>
          ・決算にらみ、もみ合い続く

<今週の参考銘柄>
      
      トランコム 
                     
<経済の動き>
     ・独フォルクスワーゲン、販売台数でトヨタ抜く
     ・米住宅着工件数、低水準続く
     ・ブランド評価で「パナソニック」急上昇
     ・まだ疑問符残るシティの業績回復
     ・過去の記憶の世界の話となった「プライマリーバランス」
                       
<株式投資のセオリー>
     第195回  動意の少ない銘柄や低位株には手を出さない
         
                      
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★

<相場見通し>

◆決算にらみ、もみ合い続く

(9000円の壁厚い)
日経平均は9000円を前に揉み合いが続いている。上値は9000円に差し掛かると
重くなる。新年度に入って3度(10日、13日、16日)ザラバで9000円大台に
乗せたが、終値では未達となっている。

年初来の高値は1月7日の9239円なので、何はともあれこれを上回らないと、今年の
相場は展望が開けない。

個人投資家の相場心理を映すといわれる信用残の推移を見ると、買残は3月に1兆円を
割込み、3月末には8987億円まで減少していたが、4月に入り増加に転じている。
4月10日現在では1兆円を回復してないが、買い意欲は徐々に復活してきていることが
わかる。

買いに反して増加が続いていた売残の方はやや頭打ちとなってきた。これ以上売りにくく
なってきたということを示している。

ただ、金額ベースで見ると売残の方が多い信用倍率1倍割れが続いている。まだ弱気が
勝っているという状態だ。

投資主体別の動きを見ると、4月1週まで個人の売り越しが続いており、信託銀行名義
(年金や公的資金が中心)の買いが支えている。

最大の売買シェアーを持つ外国人は3月4週、4月1週と小幅ながら買い越しに転じている。
暴落時には大量の売りを浴びせてきた外国人投資家だが、彼らの売りが止まったという
ことが明らかに相場の底打ち、反発につながっている。

ここからは、外国人による集中豪雨的な売りは考えにくい。基本的には、米国相場の
動向に左右されながら、売ったり買ったりを繰り返してくるだろう。

日本政府は2013年まで公的資金で株の暴落時には買い支える意向を表明しているし、
金融危機や景気に関する悪材料はかなり周知の事実として浸透してきているから、
パニックとなって相場が崩れる可能性は少なくなった。

ただ、現在の株価水準は、業績に対しては説明付かないほど”上げ底”になっていること
には注意が必要だ。日経平均225種の今期予想PERでは183倍という異常数値である。
東証1部全銘柄でも172倍だ。過去の例から見て一般的には15〜20倍が適正なはずで
ある。

赤字企業が多いからそうなってしまうわけで、無理もないといえばそうだが、それにしても
倍率は高すぎる。これをどう見るかだ。見方は2つある。

ひとつには、日本企業は今回、景気悪化の初期段階でかなりキツイ生産調整に入っているが、
一旦景気回復の動きが出てくれば、逆に一気に生産が回復、従って業績も急回復してくる
という見方。

もう一つは、PERは高いが、PBRは1倍を割るという異常水準まで売られていたので、
景気底打ちとなればとりあえずPBR1倍(=日経平均で約9000円)を早期回復する
動きとなったという見方。

ただ、後者であれば、業績回復があまりに緩慢だと株価は持ちこたえられない可能性も
出てくる。PERの水準が100倍以上の状態はそう長続きはできないからだ。

結論から言うと、今回の9000円までの戻りは後者の下げ過ぎ是正の動きと見られる。
そして今後相場がさらに上げるとしたら、前者の業績急回復銘柄が買われる展開が予想
される。

先週、シャープが先週末一段高となったのは、直近で液晶の受注が様変わりの様相となって
きたことをはやしている。今後はこのような受注増→稼働率急上昇の銘柄が買われること
になろう。

ただ、おそらくこの様な銘柄はそう多くはない。従って一部の銘柄が集中的に買われる
可能性がある。人気の出た銘柄に飛び乗るのも一つの方法である。

一方、業績回復が緩慢な(低下する)銘柄は、逆に再度下げに転じる可能性がある。従って
銘柄によって今後どう動くのか見極めが非常に大事な局面に来ている。

(決算見てから)
今週後半から3月期決算が本格化してくる。09年3月期は経常利益でマイナス65%に
なるとの予測である。営業赤字転落となる企業が目立つだろう。

ただ関心はすでに今期(10年3月期)に移っている。予想が困難といって見通し公表を
見送る企業も出てくるだろう。しかしそのような企業の株価は下がることになる。

決算発表は経営努力の意思を株主に示す場でもある。前提条件を明示して、せめて予想範囲
でもいいから発表すべきである。

当面の相場は決算待ちで、それを見てからでも遅くない。多くの機関投資家も同様の姿勢で、
会社側発表を見てから(5月中旬以降)戦略を決める。方向性が見えてくるのはそれから。
従って長期分散投資以外は様子見するところ。


          *     *     *

<今週の参考銘柄> 
       
      9058 トランコム  860円(100株売買可)
      
<経済の動き>

◆独フォルクスワーゲン、販売台数でトヨタ抜く

『独フォルクスワーゲンは17日、1−3月期の販売台数は前年同期比11%減の
139万台となったと発表した。他自動車メーカーが大幅に売り上げを落としている中、
減少幅が小幅にとどまったのは、独政府の販売奨励策が寄与し主要市場での販売が堅調
だったことが背景にある。第1四半期の販売台数ではトヨタを抜いて世界一位となる見通し
となった』

(解説)
トヨタを抜いたといっても、まだ1四半期だけであり、独政府の販売奨励策が背景にある
のでそれほど騒ぐ必要もないが、トヨタにとってフォルクスワーゲンはGMに代わって
最大のライバルとなったことは間違いない。

トヨタにってやりにくいのは、フォルクスワーゲンはグループ全体で見ると、低価格車から
高級車まで、トヨタ以上の幅広い品揃え(さらにクリーンディーゼル)を持っていることだ。
これはかなりの脅威である。

トヨタが今後同社に対抗していくためには、かなりの経営上のステップアップが必要と
なってきている。


◆米住宅着工件数、低水準続く

『米商務省が16日発表した3月の住宅着工件数は季節調整済みの年率換算で51万戸となり、
前月に比べ10.8%減った。2月に8カ月ぶりにプラスに浮上したが、再びマイナスに転じた。
市場予測平均の54万戸を下回り、今年1月に続き、過去2番目の低水準にとどまった。米住宅着工
には底入れ期待も出ていたが、過去最低水準での一進一退が続いている』

(解説)
米住宅着工は今後も低水準で横バイ状態が続くものと見られる。新築住宅市場より約10倍の
規模もある中古住宅市場の価格下落や在庫増加が依然続いているからだ。

中古住宅の在庫が適正水準近くまで減少して初めて、住宅着工件数も回復の道をたどること
になろう。それまでには少なくとも1〜2年は必要と見られている。


◆ブランド評価で「パナソニック」急上昇

『企業人のブランド評価で「パナソニック」が急上昇――。日経BPコンサルティングが
毎年実施する「ブランド・ジャパン2009」調査でこんな結果が出た。企業人の視点で
評価した企業ブランドはトヨタ自動車が6年連続で首位だったが、社名変更したパナソニックが
前年の6位から2位に急伸した』

(解説)
以前は国内はナショナル、海外はパナソニックやテクニクス等、社名は松下電器とバラバラ
だったが、これを統一した効果が早速出てきている。ブランド力の向上は今後業績に反映
されてこよう。

これは株価的にもプラスに働く。外国人投資家にとってこれまでブランド名と松下電器
という社名はなかなか結びつかなかったからだ。


◆まだ疑問符残るシティの業績回復

『の2009年1―3月期決算で、市場予想を上回る結果が続いている。米シティグループは
6四半期ぶりに黒字に転換した。住宅ローンを裏付けとした証券化商品などの損失がピークを
過ぎ、証券部門が復調。超低金利政策などの下支え効果もあり、業績悪化に一服感が
生じている。だが今後は景気悪化に伴う融資の焦げ付きが本格化するため、まだ予断を
許さない』

(解説)
米シティの業績はとりあえず最悪期は脱したようだが、今回の決算は数字計上の仕方次第で
大きく変わる要素があるので、まだ本当に反転したかどうかは見えてない。

証券部門が好転してるようだが、不動産部門の落ち込みは続いており、消費者ローン部門
にはまだ不明の点も見られる。株式市場が囃すほど、回復の道を辿っているかについては
疑問が残る内容だ。


◆過去の記憶の世界の話となった「プライマリーバランス」

『与謝野馨財務・金融・経済財政相は17日の閣議後の記者会見で、基礎的財政収支
(プライマリーバランス)を黒字化するという政府の財政再建目標について「財政再建を
常に思い出すためには必要。どのようにしても残る」と語った。同相は新たな財政再建目標の
検討を表明しているが、基礎的財政収支の黒字化も政府目標として残す考えを示した。
そのうえで2011年度に基礎的財政収支を黒字化するとの現行目標は「到達するのは難しい」
と指摘』

(解説)
総額15兆円規模の追加経済対策を入れた後の09年度の新規国債発行額は、過去最大の
約44兆円に達する。税金などの歳入は40兆円程度なので、今年はついに歳入を超える
規模にまで膨らむことになる(つまり収入の50%以上となる)。

小泉内閣で発行総額を30兆円に抑えるといっていたのが夢のようだ。その結果、
プライマリーバランス黒字化など夢のまた夢となってしまったため、今回の与謝野氏の発言と
なった。「思いだすために必要」などという言い方は情けないに尽きる。

財政赤字が膨らむことにほとんど痛みを感じない今の政治家を早く変えないと、OECD
諸国の中で飛びぬけて悪い財政状況はますます悪化し、日本はお先真っ暗となってしまう。

          *     *     *

<株式投資のセオリー>
第195回 動意の少ない銘柄や低位株には手を出さない

これまでの戻り相場で、日経平均は7000円から9000円へと約2000円ほど上げた。
全体の上昇率は約3割となるが、個別銘柄を見ると上げ方にかなり差が出ている。

この上げで5割以上上昇した銘柄が散見される一方、1〜2割程度のわずかな上げに
とどまっている銘柄も多い。

さらに昨年来の安値との比較でも、既に倍以上の水準まで上げている銘柄がある一方、
依然最安値近辺でうろうろしている銘柄もある。先週末も東証1部では2銘柄が年初来安値を
更新した。

このような銘柄のまちまちの動きを見て、すでに大きく上げた銘柄は高くなりすぎたと敬遠し、
安値水準にある銘柄を出遅れとみて買おうとする投資家がいる。これは大体において失敗する。

全般が水準訂正している時に、動きの鈍い銘柄は、何らかの動けない理由があるからである。

例えば業種的に将来の見込みがなくなっているとか、急速にシェアーを落としているとか、
大きな含み損を抱えているとか、ひどい時には倒産の可能性があるというような場合もある。
従っていくら安いからといって、このような銘柄は避けた方がよい。

逆に注目すべきは大きく上げた銘柄である。スタートダッシュが良かったからには、これも
それなりの理由があるはずである。

その中には、今後景気回復に伴い大きく業績回復するような、相場の核となるような銘柄も
含まれている。

このような銘柄は、相場全体を通じて買われることが多いので、既に大きく上げていた
としても一段高が十分期待できる。このような銘柄を選びだすのである。

ただし、中には期待したほど業績が回復しない脱落組も出てくるので、そのあたりの見極めは、
途中で逐次していく必要があるが。

さらに水準的に低位銘柄は避けた方が無難だ。低位水準にあるということは収益力が弱い
(あるいは急速に業績悪化した)ことを示している。

相場は回復し始めているが、景気はまだ反転する所まで行ってない。企業業績はさらに
悪化する場合も考えられる。中には今回の不景気を乗り越えられない企業も出てこよう。

いまだに200円以下にとどまっている銘柄にはこのようなリスクがあると見ておいた方が
よい。最低でも300円以上の銘柄を投資対象としたい。

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