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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(3/30)

2009/03/30

  もくじ
<相場見通し>
          ・とりあえず戻りは一巡、次の展開待ち

<今週の参考銘柄>
      
      ホシデン 
                     
<経済の動き>
     ・米不良債買取、有力な民間投資家の参加がカギ
     ・ドイツの新車買替支援制度、申し込み殺到で延長
     ・思い切った景気刺激策が打てぬロシア
     ・中国・インドの躍進が目立つ風力発電
     ・業績が急激に悪化しているカジノ大手
                       
<株式投資のセオリー>
     第192回  新四季報の活用上の留意点
         
                      
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★

<相場見通し>

◆とりあえず戻りは一巡、次の展開待ち

(アジア諸国に比べ、欧米株価の足取りが重い)
世界的に株価は戻り歩調となっている。悪材料がいい加減言い尽くされていた所に、
景気回復のほのかな兆しが見えたため、投資家が一斉に飛びついた格好だ。買い
エネルギーがかなり溜まっていたためか、予想外のしっかりとした動きとなっている。

ただ、好材料が出始めたとは言え、まだ景気回復の見通しが立つところまではいって
いない。どちらかというと、下げ止まりの兆しが見えてきた段階だ。

株価は、景気回復、すなわち企業の業績回復が見えてこないと本来上げないものである。
従って、今回の上げはまだ本格的な上昇基調に移ったとは言いきれない所がある。

しかし、悪材料は一度織り込んでしまえば、同じ様な材料がいくら出てきてもマイナス
要因としては働かない。

従って、今後は予想外の悪材料が出てこない限り相場は大きく下げることはないと
見られる。逆に、少々の好材料でも相場は大きく反応しやすくなっている。押した所は
買いという相場環境となってきた。

世界の株価の戻りの動きを見ると、欧米株の戻りの鈍さが目立つ。アジアや新興国の
株価が既に75日移動平均線を軒並み上回ってきてるのに比べ、米国や欧州の株価は
75日移動平均線を前に足踏状態となっている。

これは、ヘッジファンドなどの処分売りが、欧米市場を中心に最後まで残ったという点も
あろうが、今後の景気回復の足取りを暗示している節もあるのではないかと見ている。

今でてきている世界の景気回復のシナリオは、これまでの米国や欧州の需要拡大に
代わって、中国やインドなどのアジア諸国の内需拡大が世界を牽引するのではないか
というもの。

欧米、特に米国は今回の金融危機のダメージが大きく、全治7年とか10年とか
言われている。住宅バブルを背景にした過剰消費の水準まで戻るのは容易なことではない。

それに比べて、アジア諸国はまだ経済成長に弾みがつきはじめた段階。国民の生活
レベル向上につながる購買意欲は旺盛だ。

これまで日本以外の経済規模はそれほど大きくなかったが、中国はすでにGDP規模で
ドイツを抜き世界3位まで拡大している。しかも成長スピードも速い。それなりの
牽引力を持ちはじめている。

欧米諸国への生産基地という形でこれまで成長してきたアジア諸国が、どこまで
内需拡大し、成長を継続できるか。これが今後の世界経済回復の焦点となりそうだ。

日本にとっては、お膝元の地域でマーケット拡大の動きが起こるのは絶好のチャンス。
これらの市場にどこまで食い込めることができるかが、企業にとっても成長のカギを
握ることになりそうである。

(今週はとりあえず一服か)
日経平均は節と見られていた8000円を早々と抜き、9000円近辺まで戻してきた。
予想以上に強い動きだ。この背景には、海外株式市場の戻りとともに、為替の円高が
是正され始めたことが影響していると見られる。

これまで為替では、金融危機の影響が比較的少なかった円の評価が相対的に高まった
ことや、ヘッジファンドの解約増加に伴い、円キャリー解消の動きが断続的に見られた
ことから、円が独歩高の様相を見せていた。

しかしこの所、世界経済の危機的状況が沈静化するに伴い、これまでの巻き戻しの
動きが出始めている。輸出依存の高い国際優良株にとってはこれはプラス。株価の
戻りに弾みがついている。

ただ、全体の戻りもそろそろ一巡するところまで上げてきたことは確か。今週は新年度
明けとなり、内外の重要な経済指標の発表もある。とりあえず、上げ一服の動きとなろう。
今後の相場展開は、これまでのような総花的な上げから選別物色が強まる動きになると
見ている。その場合何が物色テーマとなるかだ。

想定されるものとしては、これまで申しあげているような環境関連や高速鉄道網関連に
加え、中国等の内需関連も有力と見られる。


          *     *     *

<今週の参考銘柄> 
       
    6804 ホシデン 1000円割れ(100株売買可)  

<経済の動き>

◆米不良債買取、有力な民間投資家の参加がカギ

『ガイトナー米財務長官は23日、政府と民間投資家が共同で金融機関の不良資産を買い
取る枠組みを発表した。民間投資家の出資額に応じ政府が最大1000億ドル(約9兆7000億円)
の公的資金を拠出。保証や低利融資と組み合わせ、5000億―1兆ドルの不良資産を
金融システムから分離する枠組みだ。ローン債権の場合、買い取り価格を投資家の入札で
決めるのが特徴で、損失負担を軽減して民間投資家の参加を促す』

(解説)
株式市場などは今回の発表を好感して大幅反発しているが、まだ、今回の対策が
うまく機能するかどうかは不明だ。問題は、有力な民間投資家が参加するかどうかと
見られる。参加者がなければ絵にかいたモチに終わる可能性が高い。

ただ、非公式な情報では今のところは有力投資家2社が名乗りを上げているといわれている。
1社は前回も本欄で取り上げたがピムコだ。このような投資会社が参加することになれば、
このスキームは不良債処理にかなり効果を上げる可能性も出てきた。


◆ドイツの新車買替支援制度、申し込み殺到で延長

『ドイツ政府は新車に買い替えた消費者に補助金を支給する時限措置を延長する。独連立
与党筋が25日、日本経済新聞に「メルケル首相とシュタインマイヤー副首相兼外相が
合意した」と述べた。景気対策として一月中旬に導入したばかりだが、利用者が殺到して
予算枠が足りなくなった。経済界では小型車を中心とした新車販売をさらに押し上げるとの
期待が膨らんでいる』

(解説)
本欄で何回かとり上げているが、新車買い替え支援制度が、海外では景気刺激策として
大きな効果を上げている。採用する国も増えつつあるが、最大の自動車産業を持つ日本には
この動きがない。日本でこそ、早急に採用されるべき制度と思われる。


◆思い切った景気刺激策が打てぬロシア

『ロシアで金融危機の影響が市民生活を直撃し始めた。企業の人員削減が相次ぎ、登録
失業者数は半年間で約百万人も増加。実際の失業者数は約六百万人に達したもようで、
過去十年で最悪の水準にある。インフレ率も二月は年率換算で約一四%に上昇。景気悪化と
物価上昇が同時進行するスタグフレーションの様相を見せ始めたことで、高い支持率を
維持してきた政権への不満が表面化している』

(解説)
景気後退の中でプーチン首相は、インフレの可能性がある積極財政は避けるということを
明言しており、他国で見られるような大規模な景気刺激策はとってない。これがはたして、
いい結果をもたらすかどうかは不明だ。

場合によっては、景気回復が他国より遅れる可能性もある。ロシア復活のポイントはやはり
資源価格の上昇を待たないと難しかもしれない。


◆中国・インドの躍進が目立つ風力発電

『地球温暖化への取り組みが広がるなか、世界的に風力発電への投資が進んでいる。米国と
中国がけん引役となり、2008年の世界全体の発電能力は前年比で3割近く増え、
1000億ワットの大台を初めて突破した。米国のオバマ政権が景気対策として環境関連の
投資を重視する「グリーン・ニューディール」を掲げたこともあり、風力発電のインフラ整備は
今後さらに拡大が見込まれる』

(解説)
08年末の風力発電能力は約1207億ワットで、原子力発電所の約90基分に相当する
水準まで増えてきた。

発電量が多い国は、米国25.2千メガワット(以下同)、ドイツ23.9、スペイン16.8、
中国12.2、インド9.6。このような中で昨年発電量を大きく伸ばしたのは、
米国83.6百メガワット(以下同)、中国63.0、インド18、ドイツ16.7、
スペイン16.1。

従来から米国、欧州が力を入れてきていた分野だが、最近は中国・インドの躍進が目立つ。
この中で日本は、上位10ケ国には入っておらず、取り組みのノロサが気になる。


◆業績が急激に悪化しているカジノ大手

『米著名投資家カーク・カーコリアン氏傘下のカジノホテル大手、MGMミラージュの昨年
10―12月期の最終損益は11億48百万ドル(約1133億円)の赤字に転落した。
積極的な拡大路線が裏目に出て資金繰りも悪化した。同氏は米GM株の取得などで話題を
振りまいてきたが、他業界への投資に手を広げる余裕はなくなった』

(解説)
ラスベガスの売上は1昨年後半から既に落ち込み始めていたが、金融危機が直撃した昨年
以降は大幅な減少を見せている。

この結果、大手カジノホテルは軒並み経営を悪化させており、サンズは経営危機に直面し、
鳴り物入りで建設していたマカオのベネチアンホテル2期工事は途中で建設を中止して
しまった。

比較的経営状況がいいとされるウインリゾートも株価はこの1年で1/5の水準まで下落
している。世界経済が浮揚してくるまでカジノ業界はしばらくは低迷状態が続きそうだ。

          *     *     *

<株式投資のセオリー>
第192回 新四季報の活用上の留意点

3月16日に発売された会社四季報の最新版については、発売当日、短期的な視点から妙味の
ある銘柄を本欄で取り上げておいた。

タイミング的に相場全体が上げ局面に入る時点だったので、推奨銘柄のほとんどが当日から
大きく上げている。

今回は中長期的な視点から新四季報の活用の仕方について触れてみたい。

今期(09年3月期)業績には世界経済の急激な落ち込み、株価暴落に見舞われた時だけに、
1株利益には有価証券含み損、棚卸資産の含み損など当初の想定以上の特別損失が含まれて
いるところが多い。

その結果、本業の利益を示す営業利益や経常利益がプラスでも、特別損失が大きく膨らみ、
純益が大きな赤字となっているケースが結構見られる。

来期も営業赤字が続く所は問題外として、今期1期だけの特殊要因で最終赤字となっている
場合には、来期の利益は大きく回復する可能性がある。

今回のケースは、1株利益だけを見て事業の好不調が見分けにくいので、着目した銘柄は必ず
売り上げや営業利益について、推移や今後の見通しをチェックしておく必要がある。
その場合、日本の製造業は、昨年末にかけて、急激に生産調整に動いた点も加味しておく
必要がある。この動きは世界的にみても際立っていて、これが今後業績にプラスに働く
可能性があるからだ。

早めに絞った分在庫調整は進んでおり、少しでも生産回復の動きが出てくれば収益は大きく
回復する。四季報では生産が回復してくるのは来下期と見込んでいるが、それが早まると、
増額修正の要因となってくる。

もう一つの注目点は財務状況。突然降ってわいたような不況の波に耐えられるのは、財務の
健全さである。

赤字転落でも凌げるのは自己資本が潤沢なところ、さらに負債に対して現預金が十分か
どうかも見ておきたい点。

今3月期末には資金繰りに窮するところが出てきてもおかしくない情勢である。その点、
現預金から有利子負債を引いたネットキャッシュがかなり余裕があれば、あまり問題はないと
いえる。(ただ四季報のデータは昨年9月末であることに注意)

こういう経済情勢だからこそ、安全パイかどうか(最悪時倒産する可能性がないかどうか)
のチェックは避けて通れない。

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