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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(3/23)

2009/03/23

 もくじ
<相場見通し>
          ・投資スタンスに、やや前向きな動きも

<今週の参考銘柄>
      
       近畿車両
                     
<経済の動き>
     ・財政出動に温度差見られる米国と欧州
     ・運用成績プラス維持する米ピムコ
     ・追加資本注入も、先が見えない米住宅公社の建て直し
     ・経済スローダウンの兆候が見え始めた中国
     ・不安残す日立の社長交代
                       
<株式投資のセオリー>
     第191回 今回の下げ相場の反省点
          
                      
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★

<相場見通し>

◆投資スタンスに、やや前向きな動きも

(次を期待しはじめた投資家)
NYの反発とは裏腹に、オバマ大統領の支持率が徐々に下降してきている。グリーン
ニューデーイールなど経済対策を発表したが、足元の景気の落ち込みに一向に歯止めが
かからないからだ。

これは当然予想されていたことである。これまでも何度もいっているように、米国経済の
落ち込みの元凶は住宅価格の下落。

これを短期間のうちに止めるのは至難の業だ。グリーンニューディールでいくら新しい
産業を興すとしても、時間がかかりすぎる。

ただ、不況の正体も、極端さも世界の個人投資家にまで知れ渡るようになったことは、
相場的にはかなり「織り込んだ」状態となってきた。

情報というものは時間経過とともに新鮮さがなくなり、驚きも嘆きも次第に薄らいでいく。
そして投資家は次のシーンを思い浮かべ始める。

先週お伝えしたように、米国の経済誌であるニューズウイーク誌やビジネスウイーク誌が、
カバーストーリーで図らずも同時に「BUY」を唱えたのは、そろそろ次の展開待ちに
シビレを切らし始めた米投資家の姿を敏感にとらえたためと見られる。(それに引き換え
相場感覚に疎い日本人は未だに相場に目をそむけている感じが強いが)

それを受けて、米国をはじめ各国の市場は戻り歩調を辿りはじめた。今回の戻りには腰の
強さが感じられる。

こういう流れになると、今後はかすかな兆しをとらえて好材料視する展開も考えられる。
例えば、四半期ごとの成長率実績がマイナスとなっていても、マイナス幅を縮小するだけで”
改善傾向”としてとらえるというように。

「回復期待」に水を差すような新たな悪材料が発生しなければ、株価の腰は着実に鍛え
られていこう。相場は最悪期は脱した可能性が出てきた。

(高速鉄道関連、自動車関連にも注目)
今後の株価回復でどのような銘柄が先導役を果たすかは、各国で打ち出された経済対策が
ひとつカギを握る。

それをみると、大きな柱として掲げられているのは次世代エネルギー対策。太陽光発電、
蓄電設備、電気自動車開発などをが挙げられている。

加えて米国、中国などでは高速鉄道網の建設も重点項目となっている。特に中国では、
2020年までに1万2000キロの高速鉄道を建設する計画だ。当然今後関連業界への
恩恵は大きいと見られる(日本の関連メーカーとしては、車両関係で日立、東芝、川崎重工、
近畿車両など)。

それと、前回も述べたが、特に欧州などで「自動車買い替え支援制度」の導入が相次いで
いることにも注目だ。

これが、米国や日本などの大市場を持つ国でも導入されることになると、自動車需要が
一気に回復することも考えられる。自動車関連も今後要注目だ。

相場は日経平均8000円を前に足踏み状態となっているが、8000円台を固めるには
戻り売りをこなす出来高の増加が必要条件。たた、政府の株価維持政策と相まって3月末に
かけては強含みの動きが続こう。


          *     *     *

<今週の参考銘柄> 
       
      7122 近畿車両 760円

<経済の動き>

◆財政出動に温度差見られる米国と欧州

『日米欧に新興国を加えた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は14日午後、
「成長が回復するまであらゆる必要な行動をとる用意がある」として協調姿勢を確認する
共同声明を採択し、閉幕した。声明では各国が財政出動や金融緩和を継続し、世界同時不況を
脱出する決意を示した』

(解説)
発表された声明文をみると、前回のG20やG7と内容は変わらず目新しさはみられない。
ただ、今回の会議では積極的な財政出動を唱える米国と、慎重な欧州の違いが際立った。

これまで発表された各国の財政出動の規模を見ると以下のようになる。

中国    13.3%(対GDP比)
米国     5.5%
ロシア    5.2%
ドイツ    3.3%
カナダ    2.5%
日本     2.0%
フランス   1.3%
英国     1.1%
イタリア   0.2%

これを見てわかるように、中国の財政出動の規模が突出している。本当にこれで国の財政に
影響がないのか気になるレベルだ。もうひとつは慎重な欧州勢の動き。欧州勢の動きが鈍い
のは、EU加盟の条件(財政赤字の上限)を意識しているためと見られる。


◆運用成績プラス維持する米ピムコ

『米誌ビジネスウイークで米国の公的年金制度の401Kを運用している上位5社の年間の
運用成績が発表された(2月末時点)。これを見ると、軒並み大幅マイナスの成績となって
いるが、ただ3位のピムコだけがプラスを維持している』

(解説)
他4社(フィデリティー、バンガード等)はマイナス40〜50%に対してピムコの運用
成績はプラス1.05%となっている。このような相場環境の中でプラスを維持しているとは
驚きだ。

運用責任者ビル・グロスは、従来より最も優れたファンドマネージャーの一人といわれて
きたが、今回もそれを証明した格好だ。それにしてもこの運用の差は大きい。


◆追加資本注入も、先が見えない米住宅公社の建て直し

『米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)は11日、同社を管理する連邦住宅金融庁
(FHFA)が財務省に308億ドル(約3兆円)の追加資本注入を要請したと発表した。
同日発表した2008年10―12月期決算が239億ドル(約2兆3千億円)の最終赤字と
なり、債務超過に陥ったため』

(解説)
米国の景気が回復するためには、フレディマック、ファニーメイの2社の安定が必要条件と
なるが、それが得られるまでにはまだまだ道のりは遠い。

もし、両社がこのまま経営悪化が続くと、発行している債券の債務放棄や履行比率の引き
下げなどで、日本にも重大な影響が出てくる。というのは、両社が住宅ローンを小口債権化
している販売している債権を引き受けているのは日本が一番多いからだ。

両社の経営の動きは、日本の金融機関の経営に大きな影響を及ぼすという点からも目が離せ
ない。


◆経済スローダウンの兆候が見え始めた中国

『世界銀行の中国事務所は18日発表した四半期に一度の中国経済報告で、2009年の
国内総生産(GDP)伸び率の予測を6.5%とし、昨年11月の前回予測を1.0ポイント
下方修正した。また同時に発表した季節調整済みの10−12月期の成長率は2.5%だった』

(解説)
BRICSの中でも突出した成長していた中国も、経済成長率はかなりスローダウン
しはじめていることが窺える。

今年に入って消費が堅調なので、さらに大きく落ち込む動きとはなっていないと見られる。
しかし、地域格差や失業問題などが噴出しないためには8%程度の成長が必要とされている
中国にとって危機的状況になってきているのは間違いない。

今後は輸出に依存した経済体質を、どう内需依存型にうまく転換できるかがポイントと
なってこよう。


◆不安残す日立の社長交代

『日立製作所は16日、子会社の日立マクセルと日立プラントテクノロジーの会長を
兼務している川村隆氏(69)が四月一日付で日立本体の会長兼社長に就任する人事を
発表した。古川一夫社長(62)は副会長に就き、庄山悦彦会長(73)は退任する。

また、東芝は18日、佐々木則夫副社長(59)が六月末に社長に昇格し、西田厚聡社長(65)
が会長に就任する人事を発表した』

(解説)
今回の両社の人事で不安を残すのは日立。若返りどころか高齢化が進んでいる。しかも
経営者の体質に変化が感じられない。

一方東芝は、若返りが図られ、西田前社長の選択と集中路線を引き継ぐ方針を堅持しており、
今後に大きな不安は感じない。

金融危機を機に大会社の社長交代劇がこのところ続いているが、不安を残す筆頭は前にも
この欄で触れたソニーと今回の日立だ。両社に対しては今後”ネガティブウオッチ”をして
いかざるを得ないと見ている。


          *     *     *

<株式投資のセオリー>
第191回 今回の下げ相場の反省点

そろそろ意識転換する時期が近づいている。昨年秋以降の急落で、多くの投資家は損切りも
できず、買い増ししてはヤラレ、空売りも機能できず、相場の流れに押し流され、結局は
大きな損出しや塩漬けを余儀なくされた。

世界中の機関投資家をはじめプロの投資家ですら、この暴落をうまく回避できなかった
のだから、致し方ないといえばそういえる。

しかし、いつまでもこうした事態から抜け出ず、相場で負け続けるわけにはいかない。
今回の損失を反省材料として今後に生かせないと、相場で払ったこれまでの授業料が無駄に
なってしまう。以下で反省のポイントを上げる。

第一に「早めの損切り」
言うは易くなかなか難しい。相場に方向感乏しいボックス相場では、下げてもボックス下限
からの反転を期待して待つ場合が多いが、ボックスを下に抜けたら早々に売るべし。

基本的には自分の決めた許容限度(仮に10%損)を越えたら有無を言わずに切ればいい
わけだが、個人は機関投資家のように機動的に立ち回れない。

また、今回は下げが急激過ぎて、あれよあれよという間に下に持っていかれるから、逡巡して
いるうちに投げるタイミングを失ってしまうことも多かった。

あそこで切っていればと思っている投資家も少なくないと思う。今一度損切りは素早くを
肝に銘じたい。

第二は「投資方針を明確に」
投資をする時は「目先の戻しを狙う」のか、「じっくり長期に分散買い乗せしていくのか」
自分の中ではっきりさせてから行動することが大事である。

超短期のあや取りなら、株式価値が安すぎるとか、企業の実力に対して不当に低い評価だとか
は考えない。

急落したら拾い、急上昇したら売るといったように、上げ下げのリズムを”すくい取る”
やり方だから、勝ちも負けも短期で決済してしまわないといけない。

一方、長期の視点だったら、基本的には時間分散の買い乗せ。下落相場では買い下がりと
なるわけだが、わずかの下げで急いで買い乗せするから資金が続かなくなる。

じっくり、数ケ月に渡るぐらいの感覚で、買いの回数も最大では10回位になることを
想定して買い出動すべきだ。

米国の投資の神様ウオーレン・バフェット氏は「明日や来年の相場がどうなるかは
わからない。しかし10年間分散買いしていくと、国債よりはるかに高い利回りとなる」と
述べている。すなわち時間分散が、リスクを担保し、安定した投資収益確保に結びつく。

短期投資か長期投資かの区別は案外やってない人が多い。短期と長期では戦略の立て方が
まず違う。そして資金の投入の仕方も全然違う。両者を混同してはなかなかうまく回らない
ことになる。

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創刊日:2005-04-12  
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