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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(2/23)

2009/02/23

            
  もくじ
<相場見通し>
          ・市場環境の悪化続く

<今週の参考銘柄>
      
       お休み
                     
<経済の動き>
     ・オバマ不信のはじまりか、米住宅市場再生策
     ・米自動車再建案に厳しい評価、GMは解体の動き
     ・新しい対策を打ち出せなかったG7
     ・中・東欧テコ入れに動くドイツ
     ・追加景気対策、またバラマキの様相
                       
<株式投資のセオリー>
     第188回 高水準のPERをどう見るか

            <来週は都合により休みます>
                      
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★

<相場見通し>

◆市場環境の悪化続く

(GDPショック))
先週発表された昨年10−12月期の日本のGDPは年率換算でマイナス12.7%
(前期比)と大幅な落ち込みとなった。

GDPがマイナス10%を超えると通常「恐慌」と呼ばれる。2桁マイナスは事前に
ある程度予想されていたが、さすがに市場にはショックが駆け巡った。

大きく落ち込んだのは、輸出の急減速に円高が加わったため外需が大きく落ち込んだ
ことが最大の理由。

もう一つは設備投資の大幅減少だ。内外の需要減少を見て、企業は設備投資の蛇口を
一気に閉めた。

この動きには90年代を通じて、設備過剰で苦しんだ企業の苦い経験が生きている。
海外企業と比べても日本企業の行動の素早さは際立っている。派遣切りが急速にテレビ
などで話題に登場しはじめたのはこの頃だ。

これらのことが一気に起きたためGDPは大幅マイナスとなったわけだが、2桁マイナスは
35年前の第1次オイルショックにも起きている。ただその時は急激な落ち込みは
1期で済み、すぐに回復に転じている。はたして今回もこれで済むかどうか。

今のところ、今年1−3月も10%程度のマイナスが予想されている。1−3月は
生産活動が年間を通じて一番鈍る時期なので、ある意味でしかたない面がある。問題は
4−6月である。

為替は円高だか、とりあえず落ち着きを見せ、影響は少なくなっているが、需要減は
著しい。多くの業種で、一気に谷底落ち込むような動きとなっている。工作機械や、
船舶のように前年比80−90%も受注が減少している業種がざらだ。

ただ、ここまでくれば、これ以上落ち込みようがないのも確かで、前期比のマイナス幅は
小さくなろう。ただ、さしあたり需要が回復する要因も見当たらないので、プラスに
転じるかどうか。おそらく、生産活動は低水準で横ばいの動きをしばらく続けるのでは
ないか。

ただ、日本企業が設備投資を一気に絞ったのは結果的には正解と見られる。体力を
温存しておけば、今後景気回復期に入ると立ち直りも早くなる。

日本の株価は今回のGDPの大幅落ち込みを反映した動きとなっている。先進国で
今年に入って一番下落率が大きいというのはその表れだ。

さらに下落傾向となっているのはここにきて外国人売りが再度加速していること。
この理由はヘッジファンド解約による売りが再度増えてきていることとともに、円高で
ドル換算の株価が相対的に値を保っているということもあるようだ。

(米国の軟調な動きを受け、10月安値を目指す動き)
日本の株価は、米国市場の軟調な動きを受けてじりじり下げている。7500円割れで
年金などの買いは入っているようだが、大規模な政策的な買い支えの動きは今のところ
見られない。

オバマ政権から出てくる景気対策の反応は芳しくなく、米国の株価は11月安値を
割り込んだ。株価推移から見る限り再度大きく突っ込んでもおかしくない。

米国が安値更新の動きを続けることになると、日本の株価も10月安値を目指した動きと
ならざるを得ない。政策的な支えが出てくる可能性があるが、10月安値更新の動きも
視野に入れておいた方がよさそうだ。

          *     *     *

<今週の参考銘柄> 
       
      お休み

<経済の動き>

◆オバマ不信のはじまりか、米住宅市場再生策

『オバマ米大統領は18日、最大900万人を対象とする住宅市場の再生策を発表した。
住宅ローンの返済条件を緩和し差し押さえを防ぐ枠組みで、公的資金を750億ドル
(約7兆円)投入する。これに伴い住宅金融公社への公的資金注入枠を4000億ドル
(約37兆円)に倍増する』

(解説)
今回の発表は、期待の高かったオバマ大統領に、初めて米国民が疑問を感じた瞬間では
なかったかと見られる。数字のレトリックばかり目立ち、内容が乏しかったからである。

そのひとつは、救済する数を世帯数ではなく居住者数で述べたこと。数字をできるだけ
大きく見せようという意図が明白だった(世帯数では約300万世帯)。

2つ目は既に差し押さえを受けて家を失った人たちに対しては何の救済策もなかったこと。
その結果、発表後オバマ大統領のもとには非難の声が殺到している。

しかも、救済策は収入に条件を付けたため、そもそもサブプライム借入層(収入が
もともと低い)は対象外となる可能性が高いことも問題。

3つ目は住宅金融公社2社の救済を同時に発表したが、全体の融資残(約500兆円)
に比べ37兆円ではあまりに少なすぎる。いずれ追加で大規模なテコ入れが不可避。

以上からとても今回の再生策では住宅市場を救えないと見られている。住宅ローンは
約1000兆円あり、今回のような7兆円程度では所詮焼け石に水。


◆米自動車再建案に厳しい評価、GMは解体の動き

『GMとクライスラーが17日、米政府に再建計画を提出した。両社は合計で最大
216億ドル(約2兆円)の追加支援を要請。両社がすでに受け取ったつなぎ融資や
自動車部品業界の要請分などを加えると米自動車業界からの米政府への融資要請額は
1000億ドル(約9兆2000億円)規模に膨らむ計算だ』

(解説)
再建計画の内容は今後政府内で検討して3月までに支援するかどうか決めることになるが、
市場ではとても自力で再建できる内容となってないと見て、両社の株価は再建計画提出後
さらに下落している。

GMの株価は1ドル台まで下落し安値を更新する動きだ。さらに、GM傘下のスウエーデンの
サーブは実質破たんの道を選ばざるを得なくなっている。今後グループ企業の切り売りが
加速し、GM解体の動きは避けられない情勢となってきた。


◆新しい対策を打ち出せなかったG7

『ローマで開いたG7財務相・中央銀行総裁会議は14日午後、「成長と雇用を支え、
金融部門の強化にあらゆる政策手段を使って協働する」と明記した共同声明を採択して
閉幕した。声明では日米欧がマイナス成長に陥るなど、世界経済の悪化が2009年
いっぱい続きかねないことに強い懸念を表明。世界経済と金融市場の安定を最優先させ、
各国一斉の財政出動など政策を総動員する決意を示した』

(解説)
今回のG7では「各国一斉の財政出動など政策を総動員する」ということで合意したと
しているが、これは昨年開いたG20の時に発表されたものとまったく同じ内容。これでは
何のためにG7を開いたのかわからない。

辞任した中川財務大臣も、こんな内容だったらわざわざローマに行って、醜態を
さらす必要はなかったかもしれない。


◆中・東欧テコ入れに動くドイツ

『ドイツ政府は18日、金融市場の安定化に向けた追加対策を閣議決定した。金融機関が
経営不振に陥った場合に既存株主が保有する株式を政府が強制取得し、速やかに政府
管理下に置くことができるようにする。民間が持つ資産を実質的に没収する形で金融機関を
国有化するのは主要国では異例』

(解説)
ドイツがこのような異例な決定をしたのはそれだけドイツの金融機関が傷んでいる
ということ。どうして傷んだかというと、中・東欧にかなり貸し込んでいるが、それが
中・東欧諸国の通貨大幅下落などでかなりのロスをだしているためである。

ドイツはさらに一歩踏み込んで中・東欧諸国の経済支援まで言い始めている。ドイツの
金融機関を守るためには中・東欧諸国救済が必要と判断したためとみられるが、一方では
中・東欧経済を囲い込む狙いもあると見られている。


◆追加景気対策、またバラマキの様相

『国内総生産(GDP)速報値が35年ぶりの大幅な落ち込みになったことを受け、
政府・与党は追加景気対策の検討に本格着手する。「戦後最大の危機」(与謝野馨経済
財政相)への対応が喫緊の課題との認識は共有するが、国会の慣例などに縛られて
スピード感は鈍い。麻生太郎首相の景気対策へのかじ取りは政権の命運に直結する展開と
なりそうだ』

(解説)
米国が約70兆円の景気対策を組んだので、日本も相応に対策を打ち出さねばということ
のようだが、今出ている追加対策の支出規模は20−30兆円で、地デジ対策以外は
旧来型の公共事業中心。

これでは財政が悪化するばかりで、景気刺激効果はほとんど見えなかった90年台の
再来だ。情けないことだが、ほとんど効果がないとわかっていても政治家からは旧来型の
発想しか出てこない。

          *     *     *

<株式投資のセオリー>
第188回 高水準のPERをどう見るか

日経平均採用225銘柄の今期予想PERは2月18日時点で68倍となっている。

PERはいうまでもなく、1株利益に対する株価の倍率。1年間に稼ぐ1株当たりの
純利益が100円で、株価が300円ならPERは3倍となる。

いわば株価が何年分の利益に相当するかを示す。68倍ということは、68年分の利益に
相当する株価になっているということ。

現在のような状態の時は、PERは投資尺度として有効ではないとして、無視されている。
つまり割安株を探す時にわずかに活用されてはいるが、それでは適正価格はいくらか
という指標としては生かされてない。

最終利益が株主に帰するものと考えれば、これだけ業績とかけ離れた株価は、このままでは
済まないだろう。

因みに、最高益を上げた前期実績の利益に対して現在の株価はPERで8.6倍に
相当する。いかに企業業績が急激に悪化したかが読み取れる。

歴史的な妥当線は30倍以下ということを前提にすれば、少なくとも来期は今期の
2倍以上の利益ならないと今の株価水準は維持できないことになる。

過去最高値の日経平均3万8915円をつけた1989年12月末、225銘柄の
PERは62.38倍だった。奇しくも現在と同じ60倍台である。

当時関係者は皆強気で翌年の株価は5万円になると多くの専門家が予想していた時期だった。
それが年明けから坂道を転げ落ちていった。

今は逆に、早晩世界景気は回復してくるという期待が底流にあり、世界各国の経済政策も
相次いで出されている。そのため足もとの業績悪化も一時的な局面と高をくくっている所が
ある。それが支えで株価は現在の水準で踏みとどまっているように感じる。

PER60倍台という”期待し過ぎ”の数字は、業績が向上するか株価が下げていくか、
どちらかの動きがないと、正常な数字に戻らない。

実はPER60倍台に乗せたのは、ほんのつい最近、大手企業の決算発表が通過した
2月13日からのことである。まだ、株式市場には反映されてないと見られる。

さて、今後PERはどのような形で正常値に戻していくのだろうか。業績の早期回復か、
株価の下落か、どちらが先に訪れるのか。

業績の回復は今のところ、どんなにはやくても09年度下期という見方だ。しかも時間が
経つにつれ、後にずれ込む弱気の見方が増えている。

株価維持には、09年度下期に回復し、しかも急回復という2つの条件が必要だが、
それが満たされるかどうか。

確率はかなり低いと見ておいた方がよさそうだ。そうなると、業績回復より、株価下げの
方が確率的には高くなる。


           <来週は都合により休みます>

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