投資

投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

全て表示する >

投資の視点(1/19)

2009/01/19

  もくじ
<相場見通し>
          ・今後は下押し圧力が強まる

<今週の参考銘柄>
      
     新神戸電機
                     
<経済の動き>
     ・オバマ政権の最初の関門は、金融システム安定化策の見直し
     ・加速度がつきはじめた米国の失業率上昇
     ・日本、第1次石油危機以来の2ケタのマイナス成長
     ・中国鉄鋼、輸出攻勢に転じる
     ・なりふり構わず持ち株を売るスティール・パートナーズ
                       
<株式投資のセオリー>
     第183回 今後の相場見通し(アナリストレポート)
                      
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★

<相場見通し>

◆今後は下押し圧力が強まる

(需給急悪化懸念)
オバマ大統領の就任式は今週20日に迫っているが、オバマ政権発足に期待した米国の
「大統領ラリー」は一足早く先々週で終わってしまったようだ。

今回の上昇では、25日平均線を上に抜けるかどうか、さらに節目となっているNYダウ
9653ドル超えるかどうか注目されたが、両方とも達成できずに反落に転じている。
これは相場はまだ強気になっていないことを示している。

上昇の勢いが途中でそがれてしまった背景には米金融不安の再燃がある。シティ、バンカメ
など大手銀行が軒並み資金不足となっていることが明らかになってきた。

緊急の資本注入が発表されたされたバンカメは、買収したメリルリンチの損失が想定以上
だったという説明がされているが、果たしてそれだけなのかどうか。

他行の動きなどから見て、不安のある銀行からは預金の払い出しが続き、依然流動性不安を
抱えているいていると見ておいた方がいいだろう。このような状態が続けばいつ11月の
ような金融パニックが起きてもおかしくない。

オバマ政権は発足と同時にこの難問に取り組まなければなりそうである。ポールソンの
打ち出した対策は世紀の愚策といわれているので、これに代わる抜本的な対策が求め
られるが、はたしてそれを出すことができるかどうか。

世界の期待が大きいだけに、出足から躓かなければよいがと願うしかない。

今週からはいよいよ決算発表が本格化してくる。市場では一段の業績悪化に対する警戒感が
強まっており、株式市場にとってはマイナス要因となる可能性が高い。

さらにそれ以上に厄介なのは需給要因だ。株式需給面からみると今後かなりの悪化が
予想される。その最も大きなものはヘッジファンドの解約凍結解除の動きだ。

昨年10月以降、投資家からの解約殺到で、とりあえず解約を凍結したファンドの
凍結解除の動きが1月末ごろから始まりそうである。解約の規模は昨年10〜11月程度が
見込まれている。

その売りが一気に出てくるかどうかわからないが、その他にも米国のファンド規制強化で
解約されるファンドも同程度の規模が見込まれているので、売りの総規模は昨年11月
以上となりそうである。(詳しい内容は下記「株式投資のセオリー」を参照)。

これは相場にとってはかなりの下押し要因となる。相場の回復は、少なくともこの嵐が
過ぎ去らないと見えてこまい。その時期は早くとも4月以降となりそうだ。


(2〜3月の突っ込み安に備える時)
日本の株式市場は海外安に加え、円高が加わり下押し圧力が強まっている。とりあえず、
年末年始のラリーは終わったという感じだ。しばらくは8000円前半での小動きが
予想される。

今後は10−12月期の決算発表に焦点が移ってこよう。市場では減額修正に対する
警戒が強い。既にある程度の減額は覚悟しているとしても、想定以上となる可能性も
十分ある。

特に注目されているのはトヨタだ。すでに何度か減額修正され、今期1500億円の
経常赤字予想を出しているが、これがさらに大幅に下方修正される可能性もないとは
いえない。これは市場にかなりショックを与えることになろう。

ただでさえ、日本の大型株には、ヘッジファンドの解約凍結解除の動きから大量の売りが
出てくると予想されている。しかもそれは円高を伴って出てくる可能性が高い。

ショック安が出やすい地合いである。トヨタ以外にもショックの発生源となる企業出て
くる可能性は十分考えられる。

ただ、日経平均7500円割れは、当局による買い支え入る水準と見られるので、大幅安と
なるとしても、先の安値である7000円割れはないと見ている。従って2〜3月は
7500円割れの突っ込んだ所をじっくり拾う戦略が有効とみられる。


           *     *     *

<今週の参考銘柄> 
       
      6934 新神戸電機(700円)

<経済の動き>

◆オバマ政権の最初の関門は金融システム安定化策の見直し

『米ウォールストリート・ジャーナルによると米政府は金融機関の不良資産を買い取る
専門銀行(バッドバンク)設立の検討に着手、オバマ次期政権発足を控え、金融システム
安定化策の見直しが本格化してきた。

政府保証を活用した損失肩代わり拡充、資本注入強化なども浮上している。不良資産を
金融システムから分離し、貸し渋りなど信用収縮を解消できるかどうかがカギで、
景気対策と並ぶ経済政策の当面の焦点になりそうだ』

(解説)
今回の抜本的見直しの背景には、米金融機関の信用不安が再燃しそうな気配がある。
このほどバンクオブアメリカに資本注入を決めたが、シティなど大手銀行が軒並み資金
不足に陥り始めており、追加の資金注入が必要となってきている。このままでは当初用意
した資金では足りなくなるのは確実である。

ただそれは不良債買い取りの方向ではない。依然金融機関の流動性危機が続いているからだ。
オバマ政権がこのあたりの問題整理がうまくできるかが今後の試金石となろう。
そうでなければ再度パニックが起きることになる。


◆加速度がつきはじめた米国の失業率上昇

『米労働省が九日発表した2008年12月の雇用統計(季節調整済み)によると、
同月の失業率は7.2%と前月から0.4ポイント上昇、約16年ぶりの高水準だった』

(解説)
米政府は2009年の失業率の見込みを7.7%としているが、最近の増加ペース見れば
とてもその程度では済むまい。これまでは金融機関などのリストラが先行していた、
これからは全産業に広がっていく。

過去には90年代初め10%に瞬間的にのせる時期があったが、おそらく今回は最後は
10%を超えてこよう。


◆日本、第1次石油危機以来の2ケタのマイナス成長

『民間エコノミストの間で、世界的な金融危機の影響で景気が急速に悪化した2008年
10—12月期の実質国内総生産(GDP)は前期比年率で10%前後の落ち込みになると
の予測が増えている。2ケタのマイナス成長になれば、第1次石油危機の影響が出た
1974年1—3月期(13.1%減)以来、34年ぶりとなる』

(解説)
おそらく、2009年1−3月はさらに景気が落ち込むことになりそうなので、いずれに
しろ2ケタのマイナス成長は間違いないだろう。経済の今の状況は、猛烈な勢いで深い谷に
突っ込んでいるという感じだ。未曽有の景気後退で、しかもまだ底は見えない。


◆中国鉄鋼、輸出攻勢に転じる

『中国税関総署が発表した貿易統計によれば、2008年の中国の鋼材輸出量は07年比
5.5%減の5923万トンにとどまり、7年ぶりの前年実績割れを記録した。08年
12月の輸出量は前年同月比33.7%減の317万トン。国内の鋼材需要が急減する中、
輸出の重要性が増しており、政府は08年12月1日付で一部鋼材の輸出関税を撤廃したが、
追加で新たな税負担軽減策を取る見通し』

(解説)
世界の鉄鋼業界で一番恐れられているのは、中国がいつ安値輸出に打って出てくるか
である。ダントツの生産量を誇る中国の輸出増は、国際市場におけるかく乱要因となり、
他国メーカーに大打撃を与える。

これまでは比較的おとなしくしていたが、国内の急速な冷え込みによりそうもいかなく
なっているようだ。政府も後押しする姿勢を示しており、懸念が現実のものとなる段階に
入ってきた。


◆なりふり構わず持ち株を売るスティール・パートナーズ

『アデランスホールディングスの筆頭株主などとして知られる米投資ファンドの
スティール・パートナーズが、保有する日本株を相次いで売却している。株価の大幅下落で
投資戦略の見直しを迫られているためで、昨年一年間の売却総額は1100億円を
超えたもようだ。時価ベースの運用資産の規模もピークの4割程度に縮小している』

(解説)
かつては日本の株式市場を大いに賑わせたスティールもいまや見る影もない状態に
陥っている。出資者からの解約請求が殺到し、株式の現金化を迫られ、否応なく
売っているというのが現在の状況だ。

同社が保有している銘柄は、全て売りきるまでしばらくは上昇は期待できない状態が
続きそうだ。

          *     *     *

<株式投資のセオリー>

第183回 今後の相場見通し(アナリストレポート)

今回はマスコミなどにもしばしば登場している著名アナリスト、宮島秀直氏
(バークレイズ・キャピタル証券)の1/14時点の相場見通しのレポートが手に
入ったので、要点についてご紹介する。

宮島氏は内外の機関投資家やヘッジファンドに顔が広く、氏のレポートはこれらの
投資家に対する膨大なヒアリングをもとにまとめているもので、市場では発表の都度
大変注目されている。

<今後の日本の相場見通しについて>

1、1月下旬〜3月の間は調整に入る可能性が高い。その理由としては以下の点が
挙げられる。

イ、オバマ大統領就任に向けた大統領ラリーは遅くとも1月20日頃、中国の旧正月を
前にした旧正月ラリーは1月19日頃終わる可能性が高く、その後は買いが入りにくく
なる。さらに、中東勢は2月中旬〜3月は宗教上の理由から動きが止まる。

ロ、1月下旬から12月末決算の発表が始まり、今回は業績下方修正が多くなると
予想され、下押し圧力が強まる。特に日本企業のこれまでの業績見通しはかなり甘く、
強烈な見直しが入る可能性が高い。

ハ、欧米のヘッジファンド解約凍結の解除がいよいよ始まり、20兆円の売りが1月末
以降世界に出てくる。

さらに、米国のオフショア市場への締め付けやマネーロンダリング規制の強化により
追加で20兆円の解約が出てくる可能性が高い。合計40兆円という解約規模は、
9月〜年末にかけての解約額20兆円の倍の規模である。

二、ヘッジファンドの解約に伴い、円キャリー取引の巻き戻しが起こり、4兆円ぐらいの
円買いが発生する。これが円高(ドルで4〜5円)をもたらし、これが株式市場にとって
強い下押し要因として働く。


2、上記理由で今後は株価は軟調な動きが避けられないが、下値は日経平均7500円
程度で、最悪でも7000円割れはないと見る。その理由としては以下の点が挙げられる。

イ、7500円を下回ると日銀の買い(現時点で9.5兆円程度の買い余力)や、年金買い
(同4兆円程度の買い余力)により政策当局による買い支えが入る可能性が高い。為替も、
対ドルで85円を割ると介入が入ってくる可能性が高い。

ロ、従来先物を使って盛んに売り崩しを仕掛けていた欧米投資銀行が、軒並み投資余力を
失い、売り仕掛けができなくなっている。


3、4月以降は反転上昇の可能性が高いと見ている。その理由としては以下の点が挙げられる。

イ、需給要因が好転する。ただし、ヘッジファンドの解約売りの一部は4月末まで
(6月末解約)持ち越される能性もある。また、原油価格が35ドル以下が定着すると、
中東勢は国家予算の確保のため手持ち株を売ってくる可能性がある。

ロ、4月2日にG20が開催され各国の景気刺激策が揃う。今回は各国ともかなりの
規模の刺激策になると予想され、効果はともかくとして、とりあえず株式市場は好感する
動きとなろう。


4、相場が反転しても日経平均11000円が限度。その理由としては以下の点が
挙げられる。

イ、有力な買い手の一つである年金はPER13倍程度が買い上がりの限度と見ている。
PER13倍は日経平均11000円の水準。

ロ、11000円を超えて上昇するためには外国勢の本格参戦が不可欠だが、中心と
なっているヘッジファンドは病み上がりで力不足。しかも企業業績が増益基調にならないと
本格的な買いは見込みにくい。


5、買い手の注目している銘柄

年金勢
配当性向を高めている企業。社債格付けが最近格上げされた企業。

中東勢
新エネルギー・環境関連ー(例)日本製鋼所、アサヒプリテック、栗田工業、GSユアサ、
三洋電機、横河電気、京セラ、三菱重工、電源開発、JR東日本等

ヘルスケアー・インフラ関連ー(例)テルモ、富士フィルム、日本光電、エスペック、
シスメックス、日立メディコ、二プロ等

JREIT(高格付け)ー(例)三井不動産、三菱地所、住友不動産関連のREIT等

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2005-04-12  
最終発行日:  
発行周期:週間  
Score!: 非表示   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。