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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(12/22)

2008/12/22

 もくじ
<相場見通し>
          ・戻りもそろそろ限界か

<今週の参考銘柄>
      
     お休み
                     
<経済の動き>
     ・米金融機関の損失9千億ドル超す
     ・下げ止まらない米住宅価格
     ・個人投資家、バブル絶頂期以来の大幅買い越し
     ・造船受注8割以上減少
     ・テレビ広告大幅減少
                       
<株式投資のセオリー>
     第180回 銘柄選択では財務の健全性にも注意を
             
          <次回はお休みします>

★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★☆

<相場見通し>

◆戻りもそろそろ限界か

(米の政策に手詰まり感)
先週は米国、日本とも政策金利の引き下げがあった。特に米国では資金の大量供給とともに
史上初のゼロ金利まで引き下げるという思い切った政策を実施している。

それだけ、米国では景気後退が深刻化しているということであるが、ここまでやると
金融面における景気対策はやれることは全てやってしまったといえる。

これで景気が回復しなかったらどうするのであろうかと心配になるが、おそらく今回の
金融政策ではたいして景気歯止め効果は期待できまい。

その理由のひとつは、日本の金融危機の時も同じようなことが行われたが効果は
出なかったからだ。資金をいくら資金を大量供給をしても市場は資金を吸収できない。

もう一つは、今必要なことは借入が必要な企業に資金を供給することであるが、金融機関は
そのような資金繰りに困っている所には警戒感が強く、貸出をしない(逆に貸しはがし
さえしている)。

従って、当然のことながら企業への金利引き下げ効果はほとんど波及しない。金利引き
下げの恩恵を受けるのは、一握りの超優良企業でそのような企業ほど借り入れ額は少ない
のが常である。

これまで金利を引き下げると、住宅ローンの借り換えなどで、個人の懐に余裕ができ、
消費が刺激されるという効果があったが、現在は政府関連の保証が付いた住宅ローンしか
取り扱われてない。この面からも効果は期待できない。

このようなことから今回の利下げに対する市場の評価もいまいちで、瞬間的に株式市場は
反発したが効果はそこまで。その後は下げ基調に転じている。

金融政策がこれ以上期待できないとなればあとはオバマ新大統領の経済政策ぐらいなもの
だが、具体的な内容が見えてくるのは来年になってから。しばらくは手詰まり感が強く
なりそうだ。

かえって今回の金利引き下げで、ドル安懸念が強くなっているのが厄介だ。ゼロ金利に
なると、さすがに米国から資金が逃げ出す動きが増え始めている。

このところ対米ドルでユーロが上昇し始めているのがその兆候だ。今後さらにドル安が
進む可能性が強まっている。

(じり高だが、上値は限られそう)
日本の相場は、一進一退ながらも、日経平均8500円どころを超えジリジリ上している。

ただ、内外の経済指標を見ても、まだ景気が悪化しているものを示すばかりだ。明るい
兆しは依然見られない。

米政策金利がゼロ金に引き下げられたため、円高がさらに進行する可能性が出てきている
のもマイナス材料だ。

さらにPERから見ても東証一部全体で15,92倍と割安感はない。企業業績がさらに
減額修正されている実態を考えれば、これ以上は買い上がりにくい水準だ。

市場の動きからいってまだ上値はありそうだが、ここから買いで仕掛けるのはかなり
リスクが高い。仕込んだ銘柄の利食い時を探すタイミングだ。

次回はお休みします。皆さんいいお年をお迎えください。


           *     *     *

<今週の参考銘柄> 
       
     お休み

<経済の動き>

◆米金融機関の損失9千億ドル超す

『金融危機に伴って米国の金融機関が処理を必要とする損失額は全体で9000億ドル
(約81兆円)を超す見通しが強まってきた。金融大手のクレディ・スイスが11月、
資産別に推計した。同社によると民間の自主的な増資額は二千百五十億ドルにとどまり、
損失を埋め合わせるには米政府が用意する七千億ドルの公的資金を全額注入しても足りない
恐れがある』

(解説)
今回発表された9000億ドルという金額は、米政府が用意した7000億ドルの公的資金を
ゆうに上回る規模だ。おそらく損害額は、住宅価格の下落などからさらに増加するものと
見られる。

そうなると政府は次にどのような手を打つのか。さらに公的資金をつぎ込むことになるで
あろうか。すでに米財政危機がささやかれ始めている時に、そのような対応ができるか
要注目だ。


◆下げ止まらない米住宅価格

『米商務省が16日発表した11月の住宅着工件数は、季節調整済みの年率換算で62万
5千戸となり前月比18.9%減となった。5カ月連続の減少で過去最低水準を更新。
住宅市況は一段と悪化している』

(解説)
米住宅着工件数に下げ止まる気配が見られない。前月比18.9%減ということから、
かえって下げに弾みがついている格好だ。

この理由は、住宅価格が依然下落している上に、住宅ローンが簡単には借りれないからだ。

住宅価格はピークからすでに27%以上下落し、それにともなう差し押さえが急増しており、
それがさらに住宅価格を引き下げるという悪循環に入り込んでいる。とても早期の回復は
見込めそうもない。


◆個人投資家、バブル絶頂期以来の大幅買い越し

『国内株式市場で個人投資家の買いが活発だ。年初からの投資主体別売買動向を累計すると、
個人の買越額は1兆2千億円を超え、年間ベースで1990年以来18年ぶりに買い越しと
なる見通し。世界的な金融市場の混乱で外国人が日本株売りを強める一方、歴史的な株安が
続く中で、個人は高い配当利回りや割安感から積極姿勢に転じたようだ』

(解説)
1990年というとバブルで株価が一番高かった時である。このように個人投資家は株価が
高値の時に参加してくる習性がある。つまり最後のババをつかむのはいつも個人投資家で
ある。ところが今回のは動きがいつもと様相が異なる。

個人投資家は、歴史的な割安と見て入ってきているようだが、ただ、この買いがうまくいくか
どうかはまだわからない。これまで買い付いた投資家が、高値買いとなり、投げだす所が
最後の底になる可能性がまだ残っていると見ているが。


◆造船受注8割以上減少

『日本造船工業会(東京・港)は16日、11月の日本の造船受注量が前年同月を82.7%
下回ったと発表した。前年実績割れは二カ月連続。世界的な信用収縮と景気後退による
海運市況の悪化で、発注主の投資意欲が減退した』

(解説)
前年から8割強減少というのは、業界の動きが瞬間的にフリーズした状態になったことを
示している。

前回、日本郵船が2〜3割造船計画の削減を発表したことについて、まだ見通しが甘いのでは
ないかと申し上げたが、海外勢はもっと厳しい見方をしていることを今回の数字は示している。


◆テレビ広告大幅減少

『テレビ朝日は16日、2009年3月期の連結純利益が前期比98%減の1億円になる
見通しだと発表した。10月に公表した予想は26億円だったが、利益への影響が大きい
テレビ広告が想定以上に落ち込んでいるため下方修正した。テレビ事業を手掛ける単独では
営業・最終損益ともに開局以来初の赤字となりそうだ』

(解説)
景気後退は、広告業界も直撃し始めた。しかもその減り方が半端でない。来年は企業の
リストラ本番の年となりそうなので、テレビ広告収入はさらに減りそうだ。

もっとも、テレビ業界は、今日本で給与が一番高い業界なので、この際、思い切った給与
引き下げをすれば、収益はまだまだ出そうだが。

          *     *     *

<株式投資のセオリー>

第180回 銘柄選択では財務の健全性にも注意を

自動車業界などを中心に新規投資停止や減産の動きが急だ。9月以降、世界的に需要が
急減している業界が、あわてて生産体制の縮小に取り組み始めたためだ。

しかし、需要の落ち込み方があまりに激しいため、まだ生産調整の方が追い付いてない
状況の所が多いと見られる。

一部マスコミでは、多くの企業が減産にこれだけ取り組み始めれば、在庫調整の進展は
早いだろうと期待する向きもあるが、多くの業界では製品在庫はまだ増えている段階で、
在庫減らしのためには、さらに思い切った減産が必要だろう。

連日テレビなどでは、派遣社員の首切りや契約解除が問題とされているが、企業にとっては
自分を守るためには、生産縮小、社員削減は避けられない行動で、それを叩かれるのは
不本意なことと見られる。

現に、今回の派遣社員首切り問題に嫌気がさし、日本での生産を海外に移す企業が出て
いると聞いている。工場が海外に逃げ出してしまっては元も子もない。

首切り問題は、今後は派遣社員だけでなく正社員にも及んでくるはずだ。いずれにしろ
景気が悪化すれば労働者のリストラは避けられない。

またトヨタに見られるように、企業収益の一段の減額修正は避けられず、一気に赤字転落の
企業も増えてこよう。

こうなると、利益水準もさることながら、今後は企業を見る上で財務体質の健全性が大きな
問題となってくる。赤字になっても、持ちこたえるだけの財務力を持っているかどうかだ。

従って、銘柄を見る場合は、財務の健全性にも注意を払いたい。会社四季報で財務の
健全性をチェックする時は以下の点に注目しておくことだ。

自己資本率・・・・比率が高い所ほど内部留保が厚く、従って負債が少なく、財務体質は
良好ということになる。

有利子負債額・・・・売上と比べ金額が多いかどうかを見る。金額の多い所は、業績悪化に
つれ金融機関の対応が厳しくなり資金繰りが不安定となる可能性をはらんでいる。

今後日本でも金融機関の貸し渋りや貸しはがしが一段と厳しくなる可能性もあるので、
その点からも要注意。

上記指標の健全性の基準は業界ごとに異なるので一概には言えない。従って同業他社と
比べて大体の見当をつけること。特に業界の優良企業といわれる企業と比較してみれば
大体のレベルはわかる。

             <次回はお休みします>

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創刊日:2005-04-12  
最終発行日:  
発行周期:週間  
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