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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点(8/27)

2007/08/27

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投資の視点 Vol.120


                              (毎週月曜日発行)
                              2007年8月27日発行
     ホームページ  http://homepage3.nifty.com/goldfile/

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  もくじ
<相場見通し>
          ・まだまだ警戒感は必要
  
<今週の参考銘柄>
      
      シマノ
                
<経済の動き>
     ・香港株投資のチャンス?上海市場との裁定が予想される香港市場
     ・外国人の株式売越し額、ブラックマンデー以来の規模
     ・格付け会社の責任論浮上
     ・勢いを失ってしまった楽天
     ・IAEAは高い評価、柏崎刈羽原子力発電所の事故調査報告
                       
<株式投資のセオリー>
     第119回 銘柄選択の基本(22)− シコリのある銘柄は避ける(4)

                                  
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<相場見通し>

◆まだまだ警戒感は必要

8月17日にかけての日本市場の暴落は肝を冷やす展開となった。米国発のサブプライム問
題が予想外の広がりを見せ、世界的な信用収縮懸念から、外国人投資家を中心に換金売り
が広がったためである。

本欄ではその前から警鐘を鳴らし、暴落も念頭に置くよう述べてあったので、うまく逃げ
ることができた方もいたかもしれないが、下げが急であったことや、下げ幅が予想より
大きかったので、逃げる暇もなかったという方も多かったかもしれない。

今回の暴落の特徴は、先行きの景気や企業業績の低下不安による下げというより、需給
関係の崩れによって引き起こされたことにある。世界を駆けめぐる投資資金が一斉に回収
に走ったために生じたのである。

従って、通常の暴落だと、平均株価の下値メドとか個別株の下値メドというものがある
が、今回はそのような株価水準が参考になりえなかった。回収すると決めた資金が現金化
されるまで売りの動きが続いたためである。

幸いに、米国の固定歩合の緊急引き下げをきっかけに米国株が反発、世界の株式市場は
戻り歩調となっている。先週末も、米国市場は上昇し為替も円安に振れているので、
今週の日本市場も堅調な動きで始まると予想される。

これら一連の動きを見ると、とりあえず暴落の嵐はおさまり、世界の株式市場は落ち着
いた感じである。それでは、今回の世界同時株安から完全に立ち直ったと見ていいので
あろうか。この点を見るには、やはりサブプライム問題の本質を見ておく必要がある。


<まだまだ底が見えてないサブプライム問題>
米国のサブプラムローンは、住宅ローン全体約10兆ドルの約13%というから170〜180兆
円あると見られる。このうち既に不良化してるのが30兆円ほどで、まだ150兆円程度が
残っている。

市場ではこれら残りの分も漸次不良化してくるのではないかという見方が強い。という
のは本来であればとても金融ベースに乗らない低所得層に、しかも高利(10%程度)で
貸し出されているからだ。しかも貸し出し3年目にはさらに金利が引き上げられる条件と
なっており、日本のサラ金金利といわないまでもかなり高金利が適用されている。

そこに住宅価格の下落や、金融機関の保全強化の動きが重なり、増し担保を要求する動
きが強まっている。とても、健全債権として存続できる状態にはないのである。

しかし、180兆円が全てが不良化したとしても、米国の経済規模(米国富裕層の資産で
5千兆円)や世界を駆け巡っている投資資金6千兆円からみてそれほどたいした負担では
ない。十分吸収できる規模である。

問題は、それらのローンが小口債権化され、いろいろなファンド商品の中に組み込まれ
実態が見えにくくなっていることだ。霜降り肉のように細かく組み込まれているため、
ファンド購入者もサブプラムローンが組み込まれていると気がついてないことが多いほ
どだ。
最近被害を発表してるのはそのようなケースが多い。購入した時は知らなかったが、
詳細に調べてみたら含まれていることがわかったというものだ。これが市場の疑心暗鬼
を増幅させている。被害がいったいどれだけ広がるか見えないからだ。

さらにもう一つの懸念材料は、不良化したサブプラムローンが今後競売手続きに入り、
市場で売却されることになるが、それがどれだけ不動産市場に悪影響を及ぼすかだ。
不動産市況を大幅に押し下げることになると、サブプライムだけでなくプライムローン
(健全債権)も不良化する可能性が出てくるから問題は大きくなる。そうなると、実体
経済に対する影響はかなり深刻なものとなってくる。

このように、サブプラムローン問題はまだまだ底が見えた状態とはいえない。これまで
経験のなかった未知の世界に入りこんでいるので誰も予測できない状態にあるといって
よい。今後も新たな事実が判明して、市場が揺さぶられることも想定しておく必要がある。


<株式市場の警戒警報はまだ解除されていない>
世界の株式市場はとりあえず戻り歩調となっているが、上記のようにサブプライムローン
の問題は今後も大きな波乱をもたらす可能性はまだ残っている。もちろん、米国で、
不動産徳政令(債務者の債務免除)などが出されて、一気に懸念を消し去るという劇的
な展開も考えらないではないが、この先どう動くかまだ慎重に見ておく必要があるだろう。

従って、投資スタンスにについても警戒感の解除は禁物だ。一直線に戻り歩調を辿る
とは考えない方が良い。従って、いたずらにポジションを膨らますようなことは避けたい。
この戻りで利が乗ったものは確実に利食いし、売りそびれて引かされていた手持ち株は、
買値近くまで戻ってきたら確実に処分することをお勧めする。


           *     *     *

<今週の参考銘柄> 

  7309 シマノ 3700円(100株売買可)

    
<経済の動き>

◆香港株投資のチャンス?上海市場との裁定が予想される香港市場

『中国政府は20日午後に突然投資規制の緩和策を発表した。発表内容は、中国の個人投
資家は天津市にある中国銀行の支店を通じ、香港市場に上場する株式を購入できるよう
になるというもの。

これまでも香港株を組み込んだ投資商品を購入することはできたが、今後は株式への直
接投資が可能になる。しかも投資額の上限は設定されない見通し。中国の個人預金は17兆
元(約260兆円)を超す。ほんの一部でも香港株投資に回れば、株式市場に与える影響
は大きい』

(解説)
ここで注目されるのは、同じ会社でも上海市場と香港市場に重複上場している会社の
株価だ。上海市場の株価は、香港市場の株価を60〜80%上回っている会社が多い。当然
裁定取引が行われることになるが、今の所、中国個人投資家の買いにより、香港市場の
株価が上昇し、上海市場の株価にサヤ寄せしていくのではないかという見方が多い。

そうなると、香港市場の重複上場銘柄はかなり上昇が期待できるということになる。
先週の香港市場の株価は、それを先取りするように大きく上げ始めている。中国人の
裁定買いが本格化するのはこれからだ。まだまだ上昇は期待できそうである。ただ、
裁定の動きとしては、上海株が下がって香港の株にサヤ寄せするという可能性も全く
ないことはないのでその点注意が必要だ。


◆外国人の株式売越し額、ブラックマンデー以来の規模

『信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を背景に急落した8月第
3週の株式相場の動きは外国人投資家の大量売りが主因だったことが分かった。東京証
券取引所が23日発表した8月第3週(13—17日)の投資主体別売買動向によると、外国人
の売越額は7519億円だった。週間でみると、「(暗黒の月曜日)」で世界的な株安に
なった1987年10月以来約20年ぶりの大きさとなる』

(解説)
まさに外国人投資家の大量の狼狽売りが東京市場の急落をもたらしたわけだが、この
売りに主に買い向かったのは日本の個人投資家。割安感から買いに入ったようだ。今の
所は、相場は戻り歩調で、個人は絶好のタイミングで買い出動したといえなくもない。
いつも外国人に煮え湯を飲まされ続けている個人投資家だか、今回はうまく立ち回れたか。


◆格付け会社の責任論浮上

『米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)の問題を軽視していた
として、米議会で格付け会社の責任を問う声が出てきた。ローンを組み込んだ金融商品
に対する格付けが甘かったとの疑いから、事情を調べるため九月に公聴会を開く案も浮上』

(解説)
今回のサブプライムローンの問題は、格付け会社の審査の甘さを露呈したわけだが、
ファンドの商品開発の動きに格付け会社の調査が十分ついていってないとの見方もで
きる。商品開発のスピードについていくためには、格付け会社も世界的に情報交換や
研鑽する機会をつくっていかないと対処しきれない時代となってきているようだ。


◆勢いを失ってしまった楽天

『楽天が21日発表した07年6月中間決算は中間期ベースで上場来初の減収減益となった。
ネット通販などの電子商取引事業は堅調だったものの、株式市場の低迷によるネット
証券子会社の不振が響いた。成長を金融事業に頼った足元の収益構造が修正を迫られそうだ』

(解説)
新興市場の成長企業の代表格のように見られてきた楽天もついに勢いを失ってしまった
ようだ。ニュースでは減収減益の原因は主に金融事業が不振だったとしているが、勢い
喪失の主要な要因としては次の二つの点に注目しておく必要がある。

一つは、TBSに対して、理屈のたたない買収を手掛け、1000億円あまりの資金をいた
ずらに滞留させていることである。もうひとつは、三木谷社長夫婦は自社の株価が高い
時点で、持ち株を売却し400億円あまりの売却益を手にしていることだ。社長としてやって
はいけないことをしている。

大量の自社株の売却というと、ライブドアの堀江社長が思い出される。倒産する前年に、
宇宙開発の個人的夢を実現するためにというようなわけのわからにことを理由に、40億円
を懐に入れていた。社長が自分の会社の株を大量に売却するようなことをすれば、会社は
うまく行かないことをライブドアの例は示している。


◆IAEAは高い評価、柏崎刈羽原子力発電所の事故調査報告

『国際原子力機関(IAEA)は17日、新潟県中越沖地震の直撃を受けた東京電力柏崎
刈羽原子力発電所の現地調査報告書を発表した。IAEAは「目に見える重大な被害は
ない」とし、被災状況が予想より軽微と結論づけた。「安全関連の構造やシステム、機器
は通常の状態にあるようだ」とし「これだけの強い地震で予想されるよりはるかに良い状況」
と位置づけた』

(解説)
IAEAの報告書の内容をみると、前にもこの欄で触れた通り、燃料棒が地震発生ととも
に瞬時に格納され、いわゆる核の暴走が起きなかったことを高く評価している。一番肝心な
点が想定以上の災害に直面しながらもうまく機能したということだ。

もちろん改善すべき点の指摘もあったが、肝心な点で日本の原子力発電技術は高い評価を
受けたということは喜ばしいことであった。東電も当初いたずらに被害を隠したりする
ような態度はみせず、全てを明らかにすればあれほどのバッシングは避けられたはずである。

           *     *     *

<株式投資のセオリー>

第119回  銘柄選択の基本(22)− シコリのある銘柄は避ける(4)

シコリという言い方は適切ではないかもしれないが、株式公募価格や転換社債の転換価格
近辺は売り物が出やすいの価格帯である。株式公募に応じた投資家や、転換社債を購入した
投資家が、公募価格や転換価格を超えてくると利食い売りを出してくるからである。

最近は株式公募や転換社債の発行は、株式の希薄化(一株あたりの利益や価値が低下する)
を招くということで市場で嫌気されるため減ってきたが、80年代までは、条件決定まで
の期間は逆に値上がりが期待できる(幹事証券が株価を引き上げる)と市場で歓迎されて
いたこともあり、非常に頻繁に行われていた。

従って、銘柄選択するときには、公募や転社の影響をかなり詳細に検討しておく必要が
あった。中には、似通った価格で公募や転換社債の発行が重なり、いつまでたってもその
価格を越えて上昇できない銘柄もあった。こういう銘柄はいくら業績がよくても買えない
といことになる。

ただ、このような売りも投資家の持ち玉が整理されてくれば影響は少なくなる。転換社債
では、その点は株式転換率を見ればどの程度整理されたか判断できる。株式転換されたも
のはほぼ売却されたと判断できるからである。転換率は会社四季報の巻末に出ているので
チェック可能だ。

ただ株式公募の場合は、そのような玉整理を示すデータがないので、公募価格近辺での
出来高合計でだいたいのことを判断するしかない。大凡、公募株式数の2倍以上の累積
出来高ができていれば、公募株式の利食い売りは整理され影響は少なくなっていると判断
できる。

ただ、いずれも当該価格帯を突破するまでの時間は長くかかることが多い。そもそも投資家
がそのような銘柄への投資を敬遠するため買いがはいりにくいためだ。しかし、業績が
急上昇した場合や大きな好材料が出た時などは商いを伴って一気に抜けるときもある。

株式公募や転換社債の発行の過去の履歴については会社四季報の資本移動欄に載っている
のでそれを参照されたい。公募価格や転換価格も同欄に載っている。ただ、その後株式
分割があればその価格は修正が必要になる。転換価格については修正価格が巻末に掲載さ
れているのでそれを参考して欲しいが、公募価格は自分で計算する必要がある。

また、売りの出方は、株式公募と転社では異なることにも留意しておく必要がある。株式
公募の場合は、そのまま現物の売りとなって出てくるが、転社の場合は、株式転換の手続
きが必要なため、一旦信用の売りとなってでてくることが多い。株式への転換手続きが済
んだ後で現渡しするのである。

ただ、信用取引が認められてない銘柄はこのような方法はとれないので、転社がらみの売
りは株価が転換価格を超えても直ぐには出てこない。その点転換価格帯での売り圧迫は少
ないといえる。ただ、転社を発行する規模の会社は信用取引を認められていることが多い
のでこのようなケースは非常に少ない。

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