小説

【アイ文庫】長編小説「アカシア少女探偵団」

昭和2年、大連。千勢の通う女学校に転校してきた美少女をめぐって、女詐欺師、ロシア人活動家、中国の変な役人、陸軍将校、新聞記者らが入り乱れ大騒動! アイ文庫で配信された長編小説を好評にお応えして再配信。


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[ibunko]アカシア少女探偵団 No.123

2005/09/08

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┃ 【あいぶんこ長編小説】 
┃ 『アカシア少女探偵団』 
┃                        
┃       大庭花音         
┃  written by Kanon Ohba 
┃       -*-*-*-          
┃   http://ibunko.com    
┃   acacia@ibunko.com    
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「ええ、ちょっと」
 千勢はもじもじしていたが、
「劉生さん、ぜったい秘密にするって、誓ってくれる? 記事になんか、ぜったいにしないで?」
 玉玲が驚いて、
「ちょっと千勢ちゃん、あのこと、話すの?」
 とささやいた。千勢はうなずいて、
「秀子さんから、了解してもらったわ」
 劉生は興味をあらわにして、
「約束する。するから教えてよ」
 と身を乗りだした。
 千勢は、椛島が大連へやってきた理由と、秀子から無事内地へ送り届けたいといわれていることを、話した。
「なるほど」
 劉生はおもしろそうに話をきいていたが、
「ほんとに秀子嬢と椛島青年は、清い関係なの?」
 とささやいた。千勢はむっとした。
「あたりまえよ。いやあね、大人って、すぐ汚い想像をする」
「ごめんごめん、信じるよ。お詫びに、椛島くんのことは、俺がなんとかしてやるよ。このまま大連に残ったって、いいことないもんな。秀子嬢にもよろしくいっといて。いやあ、本物は想像以上に美人だったなあ」
 劉生ははっはと笑った。
「だめよ、劉生さん。秀子さんには好きなひとがいるんだから」
 千勢は不機嫌になって、いった。どうして不機嫌になるのか、自分でもわからなかった。
「えっ、だれだい?」
 劉生が驚いていった。
「お兄さまよ」
「うそだろ! あんな堅物を!」
 劉生は、笑いを爆発させた。
「ほんとだもの! わたしを妹とよばせてくれって、いったのよ」
「ええっ」
 玉玲も笑いだした。
「秀子さんって変なひと! 顔と性格がぜんぜん一致しない」
 ひいひい笑い転げるふたりをみて、千勢は果てしなく不機嫌になっていった。

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※この小説はフィクションです。団体名などいずれも架空の設定です。 
※ルビは《》で囲っています(青空文庫形式)。
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創刊日:2005-02-17  
最終発行日:  
発行周期:平日毎日  
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