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「問題解決」メルマガセミナー!

企業では日々問題が発生しており、利益を圧迫しています。経営トップをはじめ全社員が「問題解決力」を磨くことが大切です。さまざまな問題解決のノウハウを公開します。

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【問題解決メルマガセミナー】アイディアで勝負できないタクシー会社は体力勝負に陥る!

2012/09/19

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          ◆◆「問題解決」メルマガセミナー◆◆

    ●この記事の知人、同僚、友人への転送は大いに歓迎です。●

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問題解決の事例やノウハウを公開してまいります。どうか末永くお付き合いをいた
だくようお願いいたします。

           彩愛コンサルピア代表 下山明央

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<第236回>「アイディアで勝負できないタクシー会社は体力勝負に陥る!」

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企業は生き物だ。だから毎日のように問題が発生する。それを迅速に解決して再発
防止に結び付けている企業ばかりではない。
未解決の問題が蓄積し、大きなマグマとなり、やがて爆発する。大きな社会問題に
まで発展し、下手をすると廃業や倒産にまで追い込まれる。
本メルマガでは、問題のジャンルは問わず、多くの問題を採り挙げ、解決のノウハ
ウを公開することにする。

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■問題の発生原因には、二つある。一つは「直接原因」で二つ目が「動機的原因」
 である。この二つの切り分けを行い、「動機的原因」を追求して再発防止対策を
 講じれば、同じ問題・類似の問題の発生に歯止めがかかり、問題の発生頻度も激
 減する。「動機的原因」の追求こそが大事なのだ。■

<今回のメニュー>【異業種にこそ、ヒント山積!】
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【1】なぜタクシー会社は体力勝負から抜け出せないのか?
【2】アイディア勝負で勝ち残るための方策!
【3】今日のポイント
【4】編集後記

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厳しい過当競争の中で戦っている業界の一つがタクシー業界だ。小泉政権下での規
制緩和以降、タクシーの台数は2倍以上に増えたと言われている。全国の法人事業
者は1万4千社以上でタクシーの法人台数は約21万台、個人タクシーは4万2千
台、総車両は25万台をはるかに越えている。

一方、タクシーの利用者数は減少の一途をたどっている。1995年には24億人だった
ものが2010年には16億人まで減少した。長引く不況や飲食接待の減少でタクシー券
の利用がほとんどなくなったことも響いている。一般の利用者もタクシーの利用を
手控える傾向にある。


□ 体力勝負のタクシー業界

前述の背景から法人は益々タクシーの保有台数を増やす傾向にある。台数を増やし
て少ないパイを奪い合う作戦だ。と言うことは一台当りの水揚げが減少する。ドラ
イバーは歩合制で給料は下がる。

一般の企業ではリストラで多くの社員のクビを斬る。再就職が難しいから手っ取り
早く二種免許を取ってタクシードライバーに転身する。給料は安いが食べていくた
めにはやむを得ない選択なのだろう。

会社としての水揚げを少しでも増やそうと体力のある会社はさらに保有台数を増や
す。どこまで持つか、体力勝負だ。分かっていても止められない。


□ 都内のタクシー台数は約4万2千台も

東京都内の法人のタクシー台数は4万2千台、このほか個人タクシーが約1万8千
台ある。合わせて6万台になる。

最大手の日本交通では、さまざまな改革に取り組み、結構繁盛している。黒塗りタ
クシーを増やし、かつドライバーの接客コンピテンシーを磨き、リピーターの増加
につなげている。さらにはITを駆使しコールセンターが依頼顧客の近くにいるタ
クシーに指示し、即座に直行し5分以内に乗車いただけるようにしている。最近は
スマホからコールしていただけば最も近くを走行中の空車を向かわせるサービスも
ある。

有名な商業施設には日本交通専用の乗り場を確保してもらい、実車率向上にもつな
げている。実に抜け目のない顧客獲得作戦で好業績に結び付けているのはさすがだ。



【1】なぜタクシー会社は体力勝負から抜け出せないのか?

前述したようにタクシーの台数は増加している。一方タクシーの利用者数は減少し
ている。当然生き残るために熾烈な競争が展開される。分かってはいても勢い、体
力勝負にならざるを得ない。


【直接原因】

なぜ体力勝負から抜け出せないのか、その直接原因を考えてみよう。

(1)少ないタクシー利用者を奪い合う

手っ取り早く保有台数を増やす。“犬も歩けば棒に当たる”確率を高めなければな
らない。「犬」イコール「タクシーだ」。買い替え時期になったタクシーを我慢し
てもう二年使う。その費用でタクシー台数を増やす。一台当りの水揚げは減るが会
社としてのトータルの水揚げは増えることが期待できる。安易な考えだがやれると
ころまで体力勝負で挑むというわけだ。


【動機的原因】

なぜ体力勝負から抜け出せないのか、その動機的原因を考えてみよう。

(1)ブランド力を高める施策がない(長期戦略の欠如)

前述の日本交通は「桜にNのマーク」だ。どこのタクシー会社もロゴマークは持っ
ている。だがロゴマークを見てもどんなタクシー会社なのかイメージが湧かない。

例えば、駅前でタクシーに乗るときでも数台やり過ごしてでも「あのタクシー以外
には乗らない」とお客様に言わしめるブランド力がないのは致命傷だ。

(2)顧客への「新たな価値」を提供しない(前提条件の欠如)

顧客価値には三つの要素がある。「普遍的価値」、「既存の価値」、それに「新し
い価値」だ。同一料金なら親切で安全運転が「普遍的価値」だ。「既存の価値」は、
大きな荷物を持ったお客様ならドライバーが降りて後ろのトランクに積み込んであ
げたりする。横柄なドライバーは運転席でトランクを空け、勝手に積めと言わんば
かりの態度をとる。

「新しい価値」は、当社で初めて、あるいは業界で初めて提供する価値だが、「新
しい価値」が何もないというタクシー会社は圧倒的に多い。十年一日のごとく昔か
ら何も変わっていないタクシーは何とも寂しい限りだ。

(3)行きずりの顧客頼み一辺倒から抜け出せない(前提条件の欠如)

駅前のタクシー乗り場で順番が来て行きずりのお客を乗せる。街を流していて手を
上げてくれた行きずりのお客を乗せる。頼みの綱は行きずりのお客だけだ。それで
も急に大雨にでもなれば忙しい。みんながタクシーに殺到するからだ。それ以外は
閑古鳥だ。

(4)法人や商業施設との提携戦略がない(長期戦略の欠如)

大手企業やホテル、商業施設などとの提携すらないタクシー会社は多い。第一、ド
ライバーのマナーが悪すぎてとても提携などしてもらえない。結局(3)項の行き
ずりの顧客頼みとなってしまう。

タクシー業界の1時間当りの平均水揚げは3,000円だが、行きずりの顧客一辺倒で
はこの平均水揚げの確保すらできない恐れがあるのだ。



【2】アイディア勝負で勝ち残るための方策!

特に「動機的原因」に掲げた項目に対して対策を講じることが大切だ。

(1)ブランド力を高める

日本交通は三代目の川鍋一朗氏が社長で、巷では「タクシー王子」と呼ばれている。
二代目の父が本業以外に手を染めて破綻寸前まで追い込んだが、三代目の息子一朗
氏が見事V字回復させた。

ドライバーの質という点で顧客から圧倒的な支持を得ている。専門のコンサルタン
トを呼んで接客マナーを徹底的に教育した。ハイレベルのIT化で取りこぼしなく
顧客を取り込む施策も他社を圧倒している。これらの甲斐あって「桜にN」のマー
クをより引き立たせているのだ。正にブランドの威力なのである。

(2)顧客への「新たな価値」を提供する

ANZENタクシーは都内に560台保有する中堅のタクシー会社だ。この会社は次々
新しいサービスを提供して勝ち残りを目指している。


□ 羽田―都内各所定額運賃制

「ドアTo空」と銘打って一律6,000円というサービスだ。これがお客様に受けないわ
けがない。二人で載れば割り勘で3,000円、三人で乗れば割り勘で2,000円だ。お得
感がある。


□ 外国語を話せるドライバーの拡充

英語、韓国語、中国語を話せるドライバーを拡充している。外国人には大いに受け
るサービスだ。


□ お墓参りサポート

ちあきなおみさんが芸能活動を止めて久しい。風の頼りによれば夫の月命日には必
ず墓参りを欠かさないという。ちあきなおみさんはまだ問題ないだろうが、80歳以
上の高齢者にとっては月命日の墓参りもままならない人は多い。そんな時便利なの
が“お墓参りサポート”というサービスだ。1時間4,550円。以後30分ごとに2,050
円が加算される。

自宅からお寺に連れて行くだけではない。墓掃除を丹念にやり、草取りもやってく
れる。例えば、送迎と墓参りで2時間半要したとすれば1万700円の水揚げになる。
燃料費も余りかからず、確実な水揚げが期待できるのだ。お客様に「来月もお願い
ね」と予約までいただけるからありがたい。

ANZENタクシーの木村正秀社長は新サービスのアイディアを次々繰り出す。し
かもドライバーやコールセンターの社員教育をしっかりやって評判を勝ち取ってい
る。なにしろ口コミの効果は大きい。

(3)行きずりの顧客頼み一辺倒から抜け出す

駅前や大きな病院のタクシープールにはたくさんのタクシーが待機している。天気
のいい日はお客が少ないからなかなか順番が回ってこない。やっと順番が来ても短
距離だ。街を流していてもお客を拾えない。数台やり過ごしてでもお客様に選んで
もらえるためにはなにをすべきか全社を挙げて研究することだ。

(4)法人や商業施設との提携戦略を推進する

大手企業やホテル、商業施設などとの提携が重要になる。だが、これらはいずれも
お客様を大切にする企業群ばかりだ。ドライバーの接客やマナーが良くなければと
ても提携などしてもらえない。日本交通をお手本にして接客コンピテンシーを磨く
ことから始めるべきだ。会社として取り組んでいる内容などを紹介したパンフレッ
ドを持参し営業活動を展開してはどうか。

心配り、気配りなどお客様の立場になってどういった行動が喜ばれるのか、そして
当社のタクシーを選んで頂けるのかを考えてサービスを実行することが重要だ。



【3】今日のポイント

(1)現在全国に25万台以上ものタクシーがあること。東京都内だけでも約6万台
   以上のタクシーがあること。

(2)タクシー会社の多くは手っ取り早く台数を増やして会社としての水揚げを増
   やそうとしていること。そのためドライバーの手取りは減る傾向にあること。

(3)日本交通は、黒塗りタクシーを増やし、ドライバーの接客マナーを磨き、
   IT化でブランド力を向上させ業績を挙げていること。

(4)商業施設には日本交通専用のタクシー乗り場を確保し、施設とお客様の支持
   を得ていること。

(5)ANZENタクシーはさまざまなサービスを開発して水揚げ増を図っている
   こと。



【4】編集後記

買い物代行、薬の代理受け取り、子供の塾の送迎などのサービスはよく知られてい
る。このほかに最近は、介護タクシーの台数を増やしている会社もある。

体力勝負から抜け出すためにはアイディアで勝負する以外に道はない。昔ながらの
雲助タクシー、遠回りタクシーでは勝負にならないことは確かだ。

次回は、「人在と人罪に対する対策の採れない会社に明日はない!」を解説します。

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        彩愛コンサルピア代表 下山明央

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  • 名無しさん2012/09/19

    タクシーという着眼点が非常に面白かった。