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「問題解決」メルマガセミナー!

企業では日々問題が発生しており、利益を圧迫しています。経営トップをはじめ全社員が「問題解決力」を磨くことが大切です。さまざまな問題解決のノウハウを公開します。

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トヨタ式生産方式が根付かない!

2006/12/27

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■【コンピテンシーの基礎を学びたい人にお勧めなのはこの一冊!】
■著書「中堅・中小企業のためのコンピテンシー入門
■詳しいことは後半をお読みください。

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<ご挨拶>

今年一年、読者の皆様、本当にお世話になりありがとうございました。多
くの皆様から励ましの言葉やご叱責を頂き、感謝しております。来年もど
うかよろしくお願いいたします。皆様、よい歳をお迎えください。

                   =彩愛コンサルピア=


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         ◆◆「問題解決」メルマガセミナー◆◆

    ●この記事の知人、同僚、友人への転送は大いに歓迎です。●

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今回は機械加工部品メーカーの工場長からの質問です。工程検査、出荷検
査をしているのに不良が顧客先にもれ出てしまい、莫大な損失を被ってい
るので対策方法をアドバイスしてほしいという内容です。参考にしてくだ
さい。

          彩愛コンサルピア代表 下山明央

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<第89回>「トヨタ式生産方式が根付かない!」

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企業は生き物だ。だから毎日のように問題が発生する。それを迅速に解決
して再発防止に結び付けている企業ばかりではない。
未解決の問題が蓄積し、大きなマグマとなり、やがて爆発する。大きな社
会問題にまで発展し、下手をすると廃業や倒産にまで追い込まれる。
本メルマガでは、問題のジャンルは問わず、多くの問題を取り上げ、解決
のノウハウを公開することにする。

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■問題の発生原因には、二つある。一つは「直接原因」で二つ目が「動機
 的原因」である。この二つの切り分けを行い、「動機的原因」を追求し
 て再発防止対策を講じれば、同じ問題・類似の問題の発生に歯止めがか
 かり、問題の発生頻度も激減する。「動機的原因」の追求こそが大事な
 のだ。■

<今回のメニュー>【異業種にこそ、ヒント山積!】
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【1】なぜトヨタ式生産方式が根付かないのか?
【2】トヨタ式生産方式を根付かせるための方策!
【3】今日のポイント
【4】編集後記
【5】相談コーナー
【6】相談したい「問題」を募集!

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日本郵政公社が2007年の民営化に向け三年前からトヨタ式生産方式を導入し
始めた。

埼玉県越谷郵便局を拠点にし、全国から1,000局のキーマンを集めて基礎訓
練をし、キーマンが職場に戻って活動のリーダー的役割を担ってもらう狙
いだ。

秒単位でムダを排除するカイゼンなのだが、実はかえって現場が混乱して
いるという報道が飛び交っている。

郵政公社はトヨタ式生産方式(TPS)をJPS(Japan Post system)と
名づけて導入したが基本はトヨタ式生産方式だ。

仕事の量を明確にし、ムダのない人員配置をすることがポイントだ。例え
ば郵便物の仕分け作業、15分でできる仕事量を原単位としてケースにい
れ、効率管理をするわけだ。従来は勘や経験を頼りに作業量や人員配置を
していたものだ。

さらに局内では最短距離を歩けるように床にテープを貼った。作業すると
き立ったり座ったりではムダな動作が多くなるため立ち作業にした。

郵政公社のトップの話ではJPS導入前に比べ、越谷局で33%、平均で
も18%生産性が向上し1,367人の余剰人員を生んだと高く評価している。

しかし、トヨタの指導員がJPSを重点的に進めている142の局を巡回調
査した結果は散々だ。「実効果につながる動きを何一つやっていない」、
「うわべだけのカイゼンごっこが氾濫」という評価だ。全体の8割りはデ
タラメ局と酷評されたのだ。

現場の声は「郵便局は自動車の生産じゃない」、「日によって郵便物の量
は違う。必ずしも一定時間ではできない」、「労働強化だ」など不平不満
が噴出している。

局長クラスは「下にはやれと言うしかないが、上にはうまくいっている」
と作文して報告を上げていることを認めている例まである。

【1】なぜトヨタ式生産方式が根付かないのか?

郵政公社に限らず、トヨタ式生産方式を導入した企業が途中で挫折してし
まっている例は多い。

【直接原因】

(1)トヨタ式生産方式を単なる手法として導入している。

元来トヨタ式生産方式は単なる手法ではない。例えば郵政公社の場合、現
場に対して「人減らしのツール」という強烈な印象を与えてしまった。

(2)指導員主導のトップダウンに反発意識が先に立つ。

トヨタ式生産方式を疑問視する人が多い中、指導員主導で強引に導入する
と現場の抵抗にあう。例えば郵政公社の場合、局長クラスはもとより職員、
組合も反発意識が先に立ち、モチベーションが上がらない現象を呈してい
るのだ。

【動機的原因】

(1)トヨタ式生産方式のフィロソフィを理解していない。(前提認識の
   欠如)

トヨタ式生産方式の基本は「顧客第一主義」だ。例えば郵政公社の場合、
顧客は市民であり、市民のためにどうあるべきか、何をなすべきかという
議論が不十分と思われる。つまり、あるべき姿と現状とのギャップを現場
の責任者や職員は十分認識していないのだ。

(2)人間尊重・人づくりという風土改革を先行してやらない。

トヨタ式生産方式に限った話ではないが、人間尊重・人づくりという風土
改革を先行し、風土改革がある程度進んだことを見届けてから導入しなけ
ればならないが、例えば郵政公社では風土改革がないまま強引に進めてし
まっている。

(3)自主性を引き出さずトップダウンで横滑りさせる。

例えば郵政公社のように、フィロソフィの理解度不足、風土改革が進まな
い中で強引に導入しても自主性は出ない。つまり「やらされ意識」ばかり
が募る。これではボトムアップは望めない。

【2】トヨタ式生産方式を根付かせるための方策!

特に「動機的原因」に掲げた項目に対して対策を講じることが大切だ。

(1)トヨタ式生産方式のフィロソフィを理解させる。

フランスの高級女性下着メーカー、「リズ・シャルメル」はトヨタ式生産
方式を導入して業績拡大に成功した。二代目のドマール社長は日本の大学
を出ている。専攻は自動車工学だった。トヨタの生産方式も学んで帰った。
トヨタ式生産方式のコンサルタントを招き、フィロソフィから学んで導入
したことが成功の要因だった。

高級ブラジャーは50点もの部品からなる。欠品の部品、過剰の部品は日
常茶飯事だった。今、要るものを要るだけちょうど間に合うように世界中
の市場に供給している。

(2)人間尊重・人づくりという風土改革を先行して行う。

食品スーパーヤオコーもトヨタの指導員を招き、トヨタ式生産方式を導入
して成功している。パートが8割近いが、彼女たちには権限が委譲され、
自由裁量の余地が与えられている。つまり人間尊重だ。

仕入、陳列、販売まで責任を持ってこなす。店舗には彼女たちのカイゼン
の跡が随所に見られる。人づくりが進んでいる証だ。

「働きがい度」は並外れて高い。暇になった職場から忙しい職場に指示を
しなくとも人が移動して埋める。「自動化」ではなく「自働化」が当たり
前になっている。つまり、自主的に働くのだ。

(3)自主性を引き出す施策とムード作りを行う。

自主性を引き出すには、例えば「顧客第一主義」といったフィロソフィを
理解させ、力量に見合った権限を委譲し、自由裁量の余地を与えることが
大事だ。わいわいがやがや、議論に時間を使い、「考える習慣」と「提案
癖」を植えつけることだ。

「やらされ意識」と「自主性」では成果に天地の開きがある。

【3】今日のポイント

(1)トヨタ式生産方式を単なる手法として導入しても根付かないこと。
   例えば郵政公社のように、現場に「人減らしのツール」という印象
   だけを与えては逆効果であること。

(2)トヨタ式生産方式のフィロソフィを例えば「顧客第一主義」と理解
   させる努力を怠らないこと。

(3)人間尊重・人づくりという風土改革を先行して行うこと。例えば権
   限委譲や自由裁量の余地を与えることは効果的であること。

(4)「考える習慣」と「提案癖」を植えつけ、自主性を引き出すこと。

【4】編集後記

今、ボーイング社がV時回復の途上にあるという。その原動力となってい
るのがトヨタ式生産方式の導入であると報道されている。挫折しないで最
後までやり通せるか、見守っていきたい。

「生産改革」の支援、承ります。
ご相談は⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp まで

【5】質問コーナー(福島、機械加工メーカー、工場長、Iさん)

◆Iさんの質問◆(アドバイスをお願いします)

いつもメルマガを拝読し、参考にさせていただくと同時に身につまされる
思いがしています。

わが社はシャフト部品、異形加工品(旋盤・フライス複合加工)、治工具
などの一品ものを生産し、セットメーカーに納入している120人規模のメ
ーカーです。

設備は充実しており、NC自動機、マシニングセンター主体で、自動加工
する部分での不良の発生は昔に比べれば大幅に低減しました。

しかし、入力ミスによる全数不良が時々発生するのとどうしても避けられ
ない手加工部分での散発不良が跡を絶たず、悩みの種です。

工程検査や出荷検査はやっているのですが、客先まで漏れ出てしまい、ク
レームになります。その都度現場からも選別・手直し要員を出したり、ゼ
ロから加工し直しという事態もあり、大変な損失を被ります。

加工者や検査担当者には口をすっぱくして注意するのですが、再発や類似
の不良が発生します。

これらに対する不良対策の進め方についてアドバイスいただきたいと思い
ます。

【アドバイス】

口をすっぱくして注意して不良が撲滅できるならこんなありがたいことは
ない。はっきり言って注意だけでは不良はなくならない。

入力ミスによる全数不良と手加工部分における散発不良では不良発生のメ
カニズムが異なっていると思う。

(1)入力ミスに起因する不良対策

人間がやることだから入力ミス・入力漏れは誰にでもあると肯定すること
から始める必要がある。私も現に今文章を作成しているが、入力ミスは多
かれ少なかれ発生する。もちろん入力後に自主点検するが気づけない部分
は誤字・脱字、表現不適切となってしまう。

そこで、例えばAさんが入力したら自主点検する→仲間の第三者に順次点
検してもらう→段取り加工する→段取り加工品を自主検査する→段取り加
工品を第三者に検査してもらう。

このプロセスを踏むことで初期の段階で不良、不具合は清まるはずだ。後
は刃具の管理やワークの固定に緩みがないかなど作業管理をしっかりやら
せることだ。加工の難易度にもよるが数個〜数十個おきに工程検査をやり、
異常が発生していないことを確認することだ。もし不良や不具合が発生し
たら入力あるいは段取りに遡ってやり直せばいい。

(2)手加工に対する不良対策

手加工部分で最も多いのが加工漏れだろう。後は手加工だからスキルの低
さによる出来損ないが散発することが考えられる。

作業台や周辺の5Sをしっかりやり、例えばワークを左の箱から取り出し、
加工して右の箱に入れるなど順番を決めて履行すればいい。カウンターを
つけて管理するのも効果的だ。

もう一つ、離席管理の重要さをアドバイスしておきたい。休憩時間になる、
昼休みになる、このときやりかけたまま離席し、作業再開のとき勘違いが
生じる。離席するときは加工途中であることの識別表示をして席を離れる
ことだ。

スキル不足による出来損ないは習熟度を上げるしかない。リーダーや責任
者がしっかりフォローしてあげる体制作りが重要になる。

(3)見逃し対策

せっかく検査しているのに見逃すのは検査員のスキルが低いからだ。

過去の不良事例を参考にし、検査方法を改善してほしい。繰り生産品なら
過去の良品サンプルと比較検査することで検出力アップが期待できる。

初めて加工する製品なら、図面に基づき入念に検査するしかないだろう。
現在の検査の状況を連絡いただければもう少し具体的にアドバイスできる
と思う。

Iさん、ご質問ありがとうございました。

不良対策の進め方について支援いたします。
ご相談は→ 3223898301@jcom.home.ne.jp


【6】相談したい「問題」を募集!

相談したい問題を募集します。アドバイスします。本メルマガに掲載させ
ていただく場合があります。その場合は、匿名で掲載しますからご安心く
ださい。
相談したい問題はこちらへ→ 3223898301@jcom.home.ne.jp 

次回は、「マネジメント力のない管理者が多い!」を解説します。
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発行責任者:さいたま市中央区上落合8丁目1−20−304
        彩愛コンサルピア代表 下山明央

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