政治・経済

甦れ美しい日本

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甦れ美しい日本 第255号

2008/12/31



□□■平河総合戦略研究所メルマガ■□□(2008年12月31日 NO.255号)

  ☆☆甦れ美しい日本☆☆

☆・・・・私たちは書きたいから書くのです・・・・
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☆文化・芸術・映画・味覚部門。

< 目次 >

◎奥山篤信の映画評  2008年本邦公開の映画の総括
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◎奥山篤信の映画評 
 2008年本邦公開の映画の総括
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二郎:61歳 早稲田大学卒 元全共闘過激派 定年退職者
花子:35歳 慶應義塾大学卒 イエール大学にて政治学修士 

二郎:今年もええ映画が満載やったなあ!特に前半目白押しや!

花子:そうやねえ 前半ゆうたらまずヒトラーの贋札

二郎:あの映画は男の美学、友情を描いているのであって、なんもヒトラーの偽札陰謀を遅らせたユダヤ人の英雄的な物語とちゃうでえ!野暮な解釈やめてや!かっこええがなあの偽札犯罪者が戦後偽札でカジノでパット素ってしまう男らしさ モンテカルロの砂浜で娼婦とタンゴ踊る場面も最高のダンディズムやった!

花子:女にはちとわからんけど面白かったことは確かやわあ!あのミュージカルのスウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師も良かったわ!あれ残酷な血の場面が多くて前評判では見に行くのをビビったけど意外にあっさりして気持ち悪くない。剃刀で首をはねてコロコロ機械仕掛けで床下に落ちて行くリズム感など。

二郎:ほんま女は血に強いからなああ!わし等目を伏せてたわ!

花子:二郎さんラスト、コーションにハマったんちゃう?あのタンウェイって女優気に入ったでしょ!

二郎:ははは図星や あんな女優ちょっとあらへんでえ あれが結構きわどい演技するんやがほんま最高のセクシーやったがな。トニー・レオンの眼の演技がすごかった。あの映画はまえにホモ映画なんとかマウンテンの台湾の監督とは思えんほど正常な描写やった。笑

花子:次にノーカントリー あれはすごかったわ あのハビエル・バルデムの悪魔か神かの演技鬼気としていたわ!あれは殺人者ではなく神の思し召しととるべきよ!

二郎:バルデムはノー・カントリーと違ってコレラの時代の愛では真面目な純情男でガラっとキャラ変えたねえ。すごいわ!そして宮廷画家ゴヤは見たではあの悪魔性を存分なく発揮。こんな灰汁の強い俳優はなかなかいないねえ!

花子:ところでゼア・ウイル・ビー・ブラッドも凄い映画だったわね。

二郎:わしはあの映画が今年の最高傑作と見ている。アメリカの拝金主義すなわち唯物主義をあそこまであくなき追求を描いて魅力ある人物に仕立てる一方で、神との戦いにおいて、脅迫されしぶしぶ洗礼を受ける屈辱、そして積もり積もった怒りをボーリングのピンで牧師を撲殺する。唯物主義も神も死んだという最後の場面の迫力もすさまじい。あの牧師の演技も迫力あったねえ。

花子:アメリカのパイオニアスピリット、それは拝金主義そのものであるアメリカ批判しかし神の存在を謳う牧師の偽善、監督はどちらにも軍配を上げなかったところがあの映画の凄さだと思うわ。
そうそうあのアンダーソン監督のダージリン急行が私は気に入ったの。あの冒頭のパリのホテルでのナタリー・ポートマンと男とのわけのわからないプロローグがそのあとのインド旅行と結びついてくる面白さ。アメリカという物質社会とインドの精神主義との乖離と融合のテーマは素晴らしい。

二郎:途中のインドの葬式があって、そこで三人兄弟がガラッと目覚める。そしてヒューストン監督の娘アンジェリカが扮するヒマラヤにいる修道女の母親がわざわざ会いにきた息子たちを一蹴「愛は言葉ではなく存在で感じるものよ」ガサイコーでしたなあ。

花子:あの映画をみてウエス・アンダーソン監督の映画を総なめしちゃったわ!

二郎:ジュード・ロウのスルースの洗練さも素晴らしかった。あれはマイケル・ケインと二人しか映画に出てこないが、あの洗練さと舞台劇の雰囲気で二人の名優がイギリス俳優が激突する素晴らしい映画だったし、あのサントラはしびれたねえ。

花子:あのイギリス田園のハイテクの家素晴らしいインテリアデザインにも感嘆したわ。

二郎:サントラといえばあのエリザベスの音楽が素晴らしかった。あの映画もケイト・ブランシェットが神の啓示を受けたエリザベスの苦悩と開き直りを見事に演技してたねえ。

花子:ケイトの演技力は今や世界最高ではないかしら。アイアムノットゼアでも男役ででていたし、インディ・ジョーンズでもロシアなまりの英語が最高だったわ。どんな役でもこなせる天才じゃない!

二郎:今年は韓国映画は光州5・18が素晴らしかった。ああいう内乱ものは日本では戦争も含めて不可能だね。俳優の目が違う!戦争を経験し国土を二分されている国民は緊張感が違うんや。素晴らしい感動を与えてくれたね。

花子:あの映画をキムデジュンの宣伝映画で騙されるなという保守の人がいたが、そんな要素もあったかもしれないけど、映画としても見事やったわ。宣伝映画では靖国があるわね。

二郎:中国人が支配する団体に助成金をつけたことが問題であり、勝手に映画を作ることは止められんわな。助成金700万円を返して貰おうじゃないか!背任だよ!文化庁よ!

花子:外国映画ではルーマニアの4か月、3週、2日が素晴らしかったわ。チャウシェスク崩壊後のルーマニアの神なき世界の負の遺産を、堕胎というテーマのもとで真面目に描いていて良かった。共産主義すなわち唯物主義の後遺症は人間を超越した神の畏れを失ったことかしら。

二郎:僕は中国映画の天安門、恋人たちを高く評価してるんやが、あれも共産主義の残滓というか今も続いている体制への批判があり、しかもフランス映画並みの本質を説く映画であのロウ・イエ監督もただものではないなあ。あの監督の映画もあれから相当見たよ!
あの映画の女優の脱ぎっぷりも凄かった。あの独裁国家の下のじめじめした暗さを象徴しているリアリズムがあったねえ。

花子:実録あさま山荘も若松監督の才能を存分に発揮したわね。リンチ事件の恐ろしさ。究極の思想を求める場合の凄惨な人間の性(さが)などが描かれていてあの三時間半があっという間に過ぎ去ったわ。

二郎:おかげで渋谷のアートシアターであの後若松漬けになったんや。若いころの若松も独特の美意識があって暴力と血のおぞましい場面が、まさに反権力の怒りの思想として爆発しているね。あんな監督は今や日本にはおらんね。永田洋子の俳優うまかったねええ!

花子:そしてイースタン・プロミス!ヴィゴ・モーテンセン主演そしてナオミ・ワッツの名演、クローネンベルグの傑作やったわ。男の優しさをこのマフィアのはしくれが演じている。サスペンスとあのグロテスクなクローネンベルグの全裸の風呂場での刺しあいの迫力。

二郎:ヴィゴ・モーテンセンは俳優の鑑みたいなもので、あの映画でもロシア語なまりの英語、そしてマフィアのジェスチュアも徹底的に学んだそうや。あの最近のアラトリステの演技も完璧なスペイン語を息も露わなつぶやくようなセリフで素晴らしかった。

二郎:あの映画はまさに失われた男の美学、誇りと恥の感覚を描いていた。最後の俺達はスペイン人だと叫んで玉砕する、わが日本人の先祖にも通じる壮絶さを描いてくれていた。それにストーリーが素晴らしい。娯楽作としても最高やろ!

花子:女性に優しい男、本当に味があるわね。あのモーテンセン!

二郎:あの12人の恐れる男のロシア版も結構しんどい場面もあったが面白い。ロシア映画の匂いプンプンの喋りまくる陪審員。ロシアの商売ってあれやから疲れるよ。あれにウオッカやから体力も続かんよ!あはは

花子:最高に泣いちゃったのは巨匠アッテンボロー監督のあの日の指輪を待つきみへだわ。イギリスのデイヴィド・リーン監督の伝統を継ぐすばらしくおおらかで品格のある映画だった。アメリカ人だがシャーリー・マクレーンの演技などイギリス映画の風格が画面からでてくるようで、イギリス映画の王道を感じちゃった。本当に泣いて泣いて涙が枯れた映画では今年最高だった。

二郎:ああいう品の良い映画がなくなって欲しくないよねえ。

花子:社会ものとしてはシーモア・ホフマンがでたその土曜日、7時58分も余韻が残る凄い映画だったわ。

二郎:あれも感動したね。親と子の関係など誰もが感じることを考えさせられたねえ。

花子:そしてBOY A あれもイギリス映画だけど真面目に更生せんとする少年の悲劇を描いて、流石英画も社会に貢献すると思ったよ。メルマガの評で最後彼女と会うと書いてたけどあれは夢の話よ!それに私の解釈だと自殺も夢じゃないの!

二郎:色んな解釈ができるわなあ!それが映画のおもろいとこや。
泣ける映画だとマリア・カラス最後の恋も泣けたね。オナシスがその裏切りを謝罪するためにパリのカラス邸を死に際によたよたでおとづれて、居留守を使われる。最後諦めてオナシスがロールスロイスに乗り込む際ふと眼をあげたらカラスが見守っている。そそして許してあげるわとつぶやく。ここであのサントラの涙のメロディが流れる。ああわしは忘れられん!

花子:番外で面白かったのは ああ結婚 娯楽作としては最高だったわ。

二郎:スパイものだと アメリカを売った男 が面白かった。ああ結婚と同じ男優クリス・クーパーがでとった。あれええ俳優やなあ。

花子:つぐないはいまいちだったがあの音楽はすばらしい。流石アカデミー賞音楽賞受賞だわ。それと音楽ではシルクが良かった。坂本龍一の作曲で甘いメロディだった。

二郎:アニメではイラン・ホメイニ革命を主題にした ペルセポリス、それに スピード・レーサー そして ポーニョ が良かったね。

花子:そうそう忘れてたけど娯楽傑作は 最高の人生 の見つけ方が面白かった。二コルセンの芸術的演技すごかったわ。

二郎:まだまだ思い出せんがええ映画があったなあ。日本のドキュメンタリー 東京ジョー も良かったで。自然記録映画 アース も良かった!ところで最低の映画は

花子:パークアンドラブホテル、イントウザワイルド、カマタキあたりかな。日本映画は数本しか見てないけど。

二郎:けったくそ悪い川瀬直美の映画なんかみてへんやろなあ 思わせぶりな内容なしはタイで取ろうと同じやあ

花子:来年も良い作品が目白押しのようね。アカデミー賞候補が日本で全然まだ公開されていないようだし。ウインスレットやヨハンセンそれにアン・ハザウエイやらアンジェリーナ・ジョリーまで女優候補に上がっているそうよ!!

二郎:来年も楽しみだね。今日は大晦日、来年もよろしくね!

奥山篤信:
京都大学工学部建築学科卒
東京大学経済学部卒
三菱商事本社入社
6年余にわたる米国三菱ニューヨーク本店勤務を経て
平成12年退社 
平河総合戦略研究所代表理事
映画評論家 著書 「超・映画評 愛と暴力の行方」扶桑社
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参考までに奥山篤信の今年の映画ベスト
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●ベスト10作品

1.ゼア・ウイル・ビー・ブラッド
2.ラスト、コーション
3.ノーカントリー
4.アラトリステ
5.イースタンプロミス
6.あの日の指輪を待つきみへ
7.ヒトラーの偽札
8.天安門、恋人たち
9.ダージリン急行
10.その土曜日、7時58分

その他秀作

・ BOY A
・ 4か月、3週、2日
・光州5.18
・実録あさま山荘
・ エリザベス:ゴールデンエイジ
・スルース
・スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師
・12人の怒れる男

●ベスト男優

1.ヴィゴモーテンセン (イースタン・プロミス、アラトリステ)
2.ハビエル・バルデム (ノー・カントリー、コレラの時代の愛、宮廷画家ゴヤは見た)
3.フィリップ・シーモア・ホフマン(チャーリー・ウイルソンズ・ウオー、その土曜日、7時58分)
4.ダニエル・デイ・ルイス(ゼア・ウイル・ビー・ブラッド)
5.トニー・レオン(ラスト・コーション、レッド・クリフ)

● ベスト女優

1.ナタリー・ポートマン (ダージリン急行、宮廷画家ゴヤは見た、マイブルーベリーナイツ、ブーリン家の姉妹)
2.ケイト・ブランシェット (エリザベス、アイム・ノット・ゼア)
3.スカーレット・ヨハンソン (ブーリン家の姉妹、私がクマにキレた理由、)
4.タン・ウェイ (ラスト・コーション)

●ベスト・サウンド・トラック

 1.エリザベス
 2.つぐない
 3.マリアカラス最後の恋
 4.シルク 
 5.スルース
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超・映画評 愛と暴力の行方 奥山篤信著 扶桑社 発売中 http://www.strategies21.org/leonessa.htm
 
豊かな海外経験を生かした元商社マンの映画評。対象は「夜顔」「ダ・ヴィンチ・コード」「硫黄島からの手紙」「不都合な真実」「椿三十郎」などこの2年間に日本で上映された洋・邦画117作。何げないしぐさや映像の断片に込められた意味を解き、作品の思想、背景をえぐり出す。著者の人生観や哲学を重ね合わせて論評、時には一刀両断に。特に、国際社会に生きる日本人への叱咤激励は傾聴に値する。映画評であり人間賛歌の書でもある。
ー東京新聞 6月5日今週の本棚よりー

三菱商事OBの「憂国の日本男児」奥山さんは、無類の映画好きとしても知られる。ミニシアター系からハリウッド超大作まで世界のあらゆる映画を見まくった結果の一冊。
「硫黄島からの手紙」について(家庭中心の話で、アメリカの小市民的な理想像をそのまま日本にも当てはめたみたいやな)。並の映画評論家にはこんなことは言えまい。ーWiLL 5月号 編集部の今月のこの一冊よりー
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家庭問題研究家で作家の東京家族ラボ池内ひろ美氏のウェッブサイトhttp://www.ikeuchi.com/に「映画大好き!!」http://cinema.ikeuchi.com/index.htmlコラムができました。
「映画好きのOKUYAMAとIKEUCHIのコンビがお届けする映画コラム。洋の東西を問わず、新旧作品をとりまぜてお送りします」ということで池内ひろ美氏とともに奥山篤信の主として家族や恋愛をテーマとした映画評が見られます。
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創刊日:2005-02-04  
最終発行日:  
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