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YOGYA滞在記-SENYUM-

インドネシアが好きな方にこの国の本当の雰囲気を感じてもらえるよう、ジョグジャ、ジャカルタ滞在5年の私が1日本人としての視点を交え、ニュースなどでは伝わってこないインドネシアの魅力について綴っています

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SENYUM232話「インドネシア人の記憶力」

2004/11/22

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*YOGYA滞在記 -SENYUM- *       vol.232
                      発行部数 1162部

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*このメールマガジンはインドネシア、ジョグジャカルタ市での3年半の
留学を終え、首都ジャカルタで、もの書きの仕事に就いた”私”が日々
体験し、感じたことをつづったものです。

<筆者からの一言>
 約3週間ぶりのSENYUMとなりますが、皆様いかがお過ごしで
しょうか?インドネシアは21日でレバラン休暇も終わり、きょうから
また通常通りの日々に戻ります。この1週間、ジャカルタは新年の東京
のように静まり返り、道路もがらがらで通勤に大変便利だったのです
が、どうやらそれも次のレバラン休みまでお目にかかれなくなるのは残
念と言えば残念なのですが・・・その代わり、屋台街も復活し、昼食探
しに困ることもなくなりそうです。

 レバラン休みが3日間だった私は、予告どおり南カリマンタン州バン
ジャルマシンへ行ってきました。しばらくぶりの私的旅行だったのです
が、やっぱり旅はいいものだと痛感しました。初めて訪れる街の雰囲
気、人、生活・・・見るものすべてが新鮮でわくわくします。この旅行
記は後日書くことにして、今回は、空港で起きたある出来事について書
いてみました。きっと、インドネシアに住んでいたことがある方には同
じような経験があるかと思います。それでは本編をどうぞ。


-------------「インドネシア人の記憶力」----------------

 「インドネシア人男性とはすぐにTeman(友達)になれる」・・
・これは僕がインドネシアで学んだ経験則の1つ。人懐こそうな柔和な
笑みを浮かべ、興味深げに近づいてくると、当たり前のように次から次
へと質問を飛ばす。初めて会って会話を数分交わしただけにも関わら
ず、次回には「よく来たTeman」、インドネシア人の仲間には「俺
のTemanだ」と紹介する・・・南カリマンタン州バンジャルマシン
での旅を終え、バンジャルマシン空港でチェックインをする僕に声を掛
けてきた空港職員も、最初はこうしたインドネシア人男性特有の性質に
よるものだと思っていた。

 その空港職員は、チェックインを済ました僕に人懐こそうな柔和な笑
みを向けて「マサト」と呼びかけてきた。「アパ・カバール(元気かい
?)」・・・まるで僕を知っているかのような振る舞いに僕は少しだけ
たじろいだのだけれど、インドネシア特有のいつもの出来事だと認識し
て、「バイク(元気ですよ)」と笑顔で答えて、チェックインカウン
ターを後にした。「きっと見慣れない日本人と話したかったのだろう」
・・・そう自分を納得させることにした。

 しかし、搭乗案内のアナウンスが流れ、飛行機へ向かうバスに乗り込
もうとした僕にその空港職員は僕に近づいてきて再び話し掛けてきた。
「僕は数年前、グンマでケンシュウセーとして働いていたことがありま
す。トチギにも行ったことがあります」・・・僕の出身地は栃木だか
ら、当然僕が「僕は栃木の出身なんですよ」と答えたら、彼は「トチギ
であなたに会ったことがあります」と言った。その言葉を聞いたとた
ん、僕は忘れかけていた4年前の出来事が一挙に頭の中から噴き出して
きた。

 僕は4年前、栃木インドネシア友好友の会という会の存在を知り、入
会を希望するため、事務局長さんに連絡を取ったことがある。事務局長
さんは快く私を自宅に招いてくれたうえ、栃木近郊に住むインドネシア
人を招いた総会で留学体験記を発表してくれないかと提案してくれた。

 数日後、宇都宮市内の公民館で行われた総会には栃木、群馬、埼玉で
働くインドネシア人研修生約20人と日本人会員が出席した。そこで僕
は日本人の若者が見たジョグジャについて率直に意見を述べ、インドネ
シア人からもたくさんの質問を浴びた。総会終了後も事務局長さんの計
らいで夕食会を開いて大いに盛り上がり、後日、そこで知り合ったジョ
グジャ出身の若者に会いに群馬県太田市にある彼の寮に遊びに行って、
たくさんのインドネシア人男性たちと交流を持った。

 その栃木インドネシア友好友の会の総会に参加し、群馬の狭い寮の中
で語り合ったインドネシア人の1人が、帰国後、バンジャルマシンの空
港職員になったスベンドラさんだったのである。飛行機へ向かうバスに
まで乗ってくれて、時間を惜しむかのようにたくさんの日本の思い出話
をうれしそうに語るスベンドラさんを見ていて、僕は4年前に会った僕
を覚えていてくれたことをうれしく思うと共に、インドネシア人の記憶
力の良さ、ひいては自分自身の記憶力のなさを痛感することになった。

 スベンドラさんによると、日本で同じ職場で働いていたインドネシア
人の仲間たちは年に1回ぐらいの割合で同窓会を開いて、日本での思い
出や各自の近況などを語り合っているという。思えば、「大家族主義」
(226号参照)のインドネシアは家族や友人とのつながりが深いから
こそ、インドネシア人は日本人からしてみれば、オープンで人懐こい印
象を受ける。だからなのかもしれないけれど、インドネシア人は、1度
会った人間に対する記憶も薄れず、数年後に会っても覚えている場合が
多い。こうした理由から、インドネシアで「偶然の出会い」に出くわす
ことがなんとなく多い気がするし、僕がレバラン休みでたまたま出かけ
たバンジャルマシンでのスベントラさんとの再会劇もその最も端的な例
のような気がする。仕事に忙殺され、次から次へと情報が入っては消え
ていく日本で同様の事例があったとしても、再会する側もされる側も相
手のことを覚えておらず、ただ通り過ぎてしまうのに違いないのだか
ら。

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              発行者 水嶋 真人
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創刊日:2000-07-09  
最終発行日:  
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