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YOGYA滞在記-SENYUM-

インドネシアが好きな方にこの国の本当の雰囲気を感じてもらえるよう、ジョグジャ、ジャカルタ滞在5年の私が1日本人としての視点を交え、ニュースなどでは伝わってこないインドネシアの魅力について綴っています

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SENYUM223話「飛んで火にいる夏の虫」

2004/08/30

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*YOGYA滞在記 -SENYUM- *       vol.223
                      発行部数 1145部

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*このメールマガジンはインドネシア、ジョグジャカルタ市での3年半の
留学を終え、首都ジャカルタで、もの書きの仕事に就いた”私”が日々
体験し、感じたことをつづったものです。

<筆者からの一言>
 アテネ五輪での日本の大活躍で、日本の皆様は連日、日本代表の熱戦
をTVを通して食い入るように見つめていたと思います。スポーツ観戦
好きの私も柔ちゃんやサッカーや野球や女子マラソンを楽しみにしてい
たのですが、1つも映像を見ることはできず、翌日の新聞で結果を知る
有様でした。

 それもこれも、スポンサーがつかず放映を断念したインドネシアの各
テレビ局のせい。皆様も新聞の記事でご存知のようにインドネシアのテ
レビ局はあろうことかオリンピックの放映をしませんでした。日本は金
メダル15個も取ったというのに、何だか複雑な心境です。

 今回は、先日、メードさんを通じて知ったことを書きました。あの日
本では市民権を勝ち得ている商品が・・・それでは本編をどうぞ。


--------------「飛んで火にいる夏の虫」--------------------

 海外に住んでいると、日本で当たり前であったことが全く通用しない
場面に遭遇することがある。インドネシアに限って言えば、時間を守ら
ないゴム時間、人前でゲップはOK、割り込み容認など、あらゆる文化
の違いをSENYUMで紹介してきたけれど、今回はもう少しミクロな
視点で日本で当たり前と思っていたこととインドネシアで初めて知った
ことを紹介しよう。

 まず、インドネシア人は「ごきぶりホイホイ」を知らなかった。最
近、我が家にゴキブリ(インドネシアのそれは日本のそれに比べてずい
ぶんと小さい)が大量発生したため、日本食スーパーでフマキラーの
「ごきぶりホイホイ」を買ってきて、台所のあちこちに置いた。数年ぶ
りに鼻歌を歌いながらゴキブリホイホイを組み立てていることに気付い
て、「そういえばインドネシアで見ないな」と、ゴキブリ退治は「ごき
ぶりホイホイ」で、という認識がいつも間にか身に付いている日本人感
覚を改めて知ったのだけれど、そのときは大して気にも留めていなかっ
た。

 3日後、帰宅すると、台所に設置したはずの5つのゴキブリホイホイ
がきれいさっぱりなくなっていた。不思議に思って翌日、メードさんに
尋ねてみると「ゴミだと思って捨てた」と笑顔で答えた。僕は「アンチ
・ゴキブリ・マシーンなんだよ。ゴ・キ・ブ・リ・ホ・イ・ホ・イ」と
説明したのだけれど、「何それ?」と悪びれる様子もなく答えるメード
さんを見て、これ以上説明することをやめた。インドネシアは蚊であ
れ、ゴキブリであれ、いかにも体に悪そうな強力殺虫剤を噴射して殺す
のが一般的で、だれもゴキブリホイホイなんて知らないからだ。でもな
ぜ僕は、「ゴキブリホイホイを知らない人はない」という日本人的観念
に捕らわれていたのだろう。きっと、日本でもおなじみの渦巻き型の蚊
取り線香やハエ取り棒は広く普及しているから、無意識のうちにゴキブ
リホイホイも普及しているはずだと認識していたに違いない。殺虫剤と
いえば、机の上に砂糖菓子を置いておくといつのまにかできているアリ
の行列防止用に、床や机の脚に塗りたくる「殺虫チョーク」が普及して
いるし。ともかく、フマキラーさん、インドネシアにも小型のゴキブリ
はたくさんいるので、ゴキブリホイホイは売れると思いますよ。

 ゴキブリとともにうっとうしさでは蚊の次に位置するハエ。日本で
は、子供のころ、オレンジ色の粘着テープを天井から吊ったハエ取り紙
が印象に残っているが、インドネシアでも前述の鳥もちを塗ったスト
ローのような細い棒を何本も並べるハエ取り棒が普及している。棒に付
いたハエが鳥もちから逃れようと必死にもがく姿は一緒なのだけれど、
インドネシアではもう1つ、ハエ防止法があった。

 その方法は、ハエがわんさか集うワルンや屋台にいけば一目瞭然だ。
特に、何種類もの大きな皿に盛られた料理を客が適当に選ぶパダン料理
店がわかりやすい。お皿の周りに、所狭しと並ぶろうそく。テーブルに
座っていざ食べようとすると、ハエがわんさかやってくる。と、そこに
ろうそくを持った店員が登場し、テーブルに置いていく。最初のころ
は、インドネシア式デコレーションかと思って「粋なことをするもの
だ」と感心していたのだけれど、どうやら違うらしい。その証拠にろう
そくを立てて以降、ハエの来襲がめっきり少なくなった。多分、ろうそ
くの熱でハエを追いやるというインドネシア人が学んだ知恵なのだろ
う。「ろうそくにハエよけ効果」というインドネシア人の知恵を初めて
知った僕は、ずいぶんと感心した・・・のだけれど、後日、そのことを
同居人に話したら「日本人だって昔からろうそくでハエよけできること
を知っていますよ。飛んで火にいる夏の虫ということわざがあるじゃな
いですか」と一笑に付された。皆様はろうそくにハエよけ効果があるこ
とを知っていましたか?それとも単なる僕の知識不足なのでしょうか?

 インドネシアに住んで5年。日本に住んでいるだけでは自覚できない
日本人的感覚、インドネシア人をはじめとする東南アジアの生活の知恵
をこのほかにもたくさん学んだように思う。結論はどこの国をとっても
「生活の知恵はどこでも優劣つけがたし」。皆それぞれに良いところを
持っているということ。むろん自国の文化をより深く学ぶ必要もありま
すが、海外に住めば住むほど、住んだ国が多くなればなるほど、自国だ
けの認識に捕らわれず、より広い視野で物事を見つめられるような気が
する。

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              発行者 水嶋 真人
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創刊日:2000-07-09  
最終発行日:  
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