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YOGYA滞在記-SENYUM-

インドネシアが好きな方にこの国の本当の雰囲気を感じてもらえるよう、ジョグジャ、ジャカルタ滞在5年の私が1日本人としての視点を交え、ニュースなどでは伝わってこないインドネシアの魅力について綴っています

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SENYUM220話「マラム・インドネシア・パギ」

2004/07/27

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*YOGYA滞在記 -SENYUM- *       vol.220
                      発行部数 1107部

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*このメールマガジンはインドネシア、ジョグジャカルタ市での3年半の
留学を終え、首都ジャカルタで、もの書きの仕事に就いた”私”が日々
体験し、感じたことをつづったものです。

<筆者からの一言>
 最近、携帯電話を買い換えたのですが、買った機種はノキアのラジ
オ、カメラ付き携帯電話。もちろんカラー表示で、お値段は2万円と手
ごろなため、交渉の末、5万ルピアまけさせて購入した次第です。

 何と言っても着信音がずいぶん良くなって、電話がかかってくるのが
楽しみになりました。同居人や同僚を被写体にカメラも取っているので
すが、半年前、マーライオンに携帯電話を掲げる日本人団体客を見て、
「携帯電話教」の信者たちだとびっくりした私もようやく、携帯電話付
きカメラの取り扱い方法をマスターしました。

 とは言うものの、日本にいたときと同様、携帯電話はどうも馴染むこ
とが出来ません。1人でぼんやり本を読んでいても、屋台でご飯を食べ
ていても、ようやく寝付いたときも一向にお構いなく携帯電話はなり続
け、私のプライベートを侵食します。仕事柄、携帯電話はなくてはなら
ないアイテムの1つなのですが、携帯をもたず、電話が必要ならワルテ
ル(公衆電話局)でかける、そんな留学時代の生活を懐かしんでいる今
日この頃です。

 今回は、インドネシアの夜と朝の風景について書いてみました。日本
は連日の熱帯夜が続いていますが・・・それでは本編をどうぞ。


■来週、8月3日号は、筆者スラバヤ出張のため、SENYUMをお休
みいたします。次回送信は8月10日になります。


-------------「マラム・インドネシア・パギ」-------------------

 本格的な夏を迎え、連日30度を超える熱帯夜が続く日本。そうした
ニュースを見るたびに扇風機を回しても一向に蒸し暑さが消えず、寝苦
しかった子供のころを思い出す。1年中30度を越す熱帯のインドネシ
ア。夜もさぞかし寝苦しいだろうと思うだろうけれど、深夜のカンプン
(集落)を歩けば、そうでないことに気付く。暇を持て余した中年男性
たちが、軒先に出したテーブルに横になり、あちこちで、まるで猫のよ
うにすやすやと眠る姿を見ることが出来るからだ。

 乾期のインドネシアは雨がめったに降らない。5年程前から、地球レ
ベルの異常気象のあおりを受けて、ときどき、乾期であることを忘れた
ような大雨が降ることがあるけれど、基本的に4月から10月までの乾
期にじどじとと1日中雨が降ることはない。湿気がない分、夜になると
急速に気温が下がり、Tシャツ姿でバイクに乗るとかなり肌寒くなる。
まして、水マンディ(入浴)を浴びるとなれば、気合を何度も入れて、
心臓を叩き、覚悟を決めて水を浴びなければならない。田舎に行けば行
くほど、涼しさの度合いが増し、眠るには毛布が欠かせなくなる。

 だから、乾期の夜は、ぐっすりと眠ることが出来る。都心のアパート
であれば、何かの拍子で、盗難防止用のクラクションが延々と鳴り続け
る「プーッ、プーッ、プーッ」という駐車場に止めた車の一定音。カン
プンであれば、隣近所の住民たちが近所迷惑も顧みず、ばかでかい音で
鳴らし続けるインドネシア演歌「ダンドゥット」の歌声。そして田舎で
は、田んぼから聞こえるかえるの大合唱に、壁をつたうトッケイやチ
チャ(やもり)の人を食ったような鳴き声。日本のそれに比べずいぶん
怠慢な動きをする蚊の羽音が耳障りだけれど、熱帯夜の苦しみなどまっ
たく感じずに眠りに就く。

 しかし、窓のないコンクリート製の狭い家に住む住民たちは、家族た
ちが発する熱や辺りを飛び交う蚊の襲来でとても寝られたものではない
から、外にテーブルや竹製の長いすを繰り出して、隣人らとお茶やカー
ドゲーム片手にだべりながら眠りに就く。さすがにレイプ事件の多いイ
ンドネシアで、女性が外で堂々と眠ることは出来ないけれど、中年男性
たちは、幸せそうな寝顔を通行人たちに見せながらぐうぐうといびきを
かく。家を持たない貧困層のベチャ(3輪自転車タクシー)運転手だっ
て、愛車の座席にうまく横になって眠るし、工事現場の作業員だって、
歩道に横一列になって眠る。一度、会社の帰り道にこの姿を見て、集団
ガス中毒にかかったのかと焦ったけれども、作業員たちの幸せそうな寝
顔を見て、ひきつった僕の顔はいつしか笑顔に変わる。

 そうした男性たちは、午前4時ごろ、あちこちのモスクから競いあう
ように響くアザーンに合わせ、眠たい目をこすりながら起き出して行
く。まじめなイスラム教徒は顔や手足を洗い、メッカの方角にミニじゅ
うたんを敷いて朝のお祈り、不真面目なイスラム教徒は洗面所から聞こ
えてくる水浴びの音を尻目にもう一眠り。日が明けるころには、イブイ
ブ(中年女性たち)が、玄関前の掃除を掃き終え、パサール(市場)へ
向かい始める。集落内の通りには、けたたましい音を発したバイクが行
き交い、隣の家からはテレビやラジオの音が漏れ出してくる。

 まだうだるような暑さがない朝のインドネシア。夜の冷え込みで木々の
緑は輝きを増し、排気ガスの汚染のない空気で景色は輝いたように見え
る。農村の高台に上れば、朝もやのかかった田園風景の民家からは、食
事の支度で煙を上ることができる。「早起きは3文の得」というけれど、
今も昔も変わらないジャワの原風景をラトゥボコ(プランバナン寺院南
の丘)やボロブドゥール寺院で見れば、日本人の誰しもが息を飲んでこ
のことわざをつぶやくだろう。旅行中、朝起きるのはずいぶんつらいこ
とではあるけれど、ジョグジャを訪れた際には、ぜひ起床時間を1時間
早めてカンプンを覗いたり、ラトゥボコやボロブドゥール寺院からの風
景を楽しんでみてほしい。

■来週、8月3日号は、筆者スラバヤ出張のため、SENYUMをお休
みいたします。次回送信は8月10日になります。
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              発行者 水嶋 真人
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創刊日:2000-07-09  
最終発行日:  
発行周期:週1回  
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