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YOGYA滞在記-SENYUM-

インドネシアが好きな方にこの国の本当の雰囲気を感じてもらえるよう、ジョグジャ、ジャカルタ滞在5年の私が1日本人としての視点を交え、ニュースなどでは伝わってこないインドネシアの魅力について綴っています

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SENYUM204話「出入国恋人作戦」

2004/03/08

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*YOGYA滞在記 -SENYUM- *        vol.204
                      発行部数 1092部

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*このメールマガジンはインドネシア、ジョグジャカルタ市での3年半の
留学を終え、首都ジャカルタで、もの書きの仕事に就いた”私”が日々
体験し、感じたことをつづったものです。

<筆者からの一言>
 最近、バイクが故障したまま直さないでいるため、通勤にタクシーを
使っているのですが、昨日、会社帰りに深夜の大通りでタクシーを拾っ
たら、2日続けて同じ運転手さんという偶然の出来事がありました。

 そのタクシー会社は、安全度ナンバー1のブルーバードに酷似した新
興タクシーで、手を挙げてタクシーを止めたら後の祭り。「2日続けて
偽物つかまされちゃったな」と内心舌打ちしたのですが、車内に入るな
り、運転手さんが驚いた様子で「君、昨日も乗せたよね」。僕も偶然の
出来事に少しだけうれしくなってしまいました。

 聞けば、運転手さんは、昨日も今日も深夜で仕事を終えて、ジャカル
タ郊外の自宅に戻る途中だったのとのこと。「お互い夜遅くまで大変だ
ね」と、すっかり盛り上がってしまいました。またこの運転手さんと会
えるといいなと思っています。

 今回は、インドネシア出入国最大の関門について書いてみました。そ
れでは本編をどうぞ。

--------------------「出入国恋人作戦」----------------------

 せっかくの楽しい日本一時帰国を直前に控えたとしても、毎回、僕の
心は「出入国審査」というやっかいな代物に一抹の不安を抱く。何も悪
いことをしているわけではないのに、どこに泊まっていただとか、何で
こんなに長く滞在しているのかとか、違反を探し出して、賄賂をせしめ
ようとの魂胆が丸見えのスカルノハッタ空港の出入国審査官。僕のよう
に6年間も長期滞在をして、パスポートの半分以上がインドネシア関連
ともなればなおさらで、僕はいつも閻魔大王の捌きを受ける魂のような
気分で出入国の列に並ぶ。

 そうした不安を緩和するため、一流企業の駐在員さんたちの間では、
出入国審査官に差し出すパスポートの中に1000円札を差し込んで、
穏便にことを計ることが半ば通例化しているらしい。しかし、ジョグ
ジャの貧乏留学生根性が残った僕がそんなことをするのはプライドが許
せない。違反のあら捜しを始める出入国審査官に対し、僕は真っ向から
勝負を挑み、たまにはけんかをして最後には謝る羽目になり、大いにプ
ライドを傷つけられるのだった。

 そして今回の一時帰国である。帰国を前に相変わらず不安になってい
た僕は、日本から帰ってきたばかりの日本人女性に審査官に何を聞かれ
たのか聞いてみた。彼女の答えを聞いて僕はピンときた。「これは使え
る」・・・審査官が彼女に聞いたのは、なかばセクハラまがいの「イン
ドネシアの恋人に会いに来たのだろう?」だったのだ。

 インドネシアに恋人がいるふりをしてインドネシア人女性の美しさを
褒め称える名付けて「にせ恋人作戦」。正直に言って、僕は日本人女性
が大好きだし、インドネシア人女性の恋人もいなければ、インドネシア
女性を恋愛対象に捉えていないため、嘘をつくのが気が重いけれど、早
速この作戦をインドネシアからの出国、入国時に実施してみたところ、
ものの見事に「成功」した。

 むっつりした顔でパスポートを受け取る審査官、僕が外国人滞在許可
証、警察への届出書(これを忘れる外人が多い)をきちんともっている
ことを確認すると、今度は僕のパスポートをじろじろと眺める。そして
お決まりの質問、「何で6年間もインドネシアにいるのかね」、「は
い、インドネシア人のパチャール(恋人)がいるからであります」・・
・とたんに審査官の顔がにんまりする。「彼女はどこの出身かね?」・
・・やばい、考えていなかった・・・「バ、バンドンであります(美人
の産地で有名なのは誰もが知っている)」、「バンドンのどこかね?」
・・・どうしよう・・・「チ、チパナス(バンドン近郊の温泉街)の近
くであります」。

 ・・・ここまでくれば審査官は、あの屋台でミーをつつく僕を興味深
げに眺めるベチャ親父の顔と全く変わらない、質問したくしてたまらな
い顔になる。「俺の女房も西ジャワ出身なんだけれど、色が白くてかわ
いいよな?で、結婚するの?」、「いやー、それはその・・・」、
「まぁ、今度西ジャワにきたら、女房の実家に遊び来てくれや」・・・
とにっこり笑ってポンとはんこを押してくれるのでした。

 出入国審査をうまく抜ける心得
?いくら賄賂目当てに質問攻めにあっても怒らないこと
?傲慢な態度に出ず下手に出て、おだて、審査官のプライドをくすぐる
こと
?恋愛話に持っていき、審査官の関心を賄賂から外して親近感を持たせ
ること

 こうして考えてみると、ふんぞり返っている審査官といえども、やっ
ぱりインドネシア人だと痛感させられます。?は人前で怒鳴られるとプ
ライドが大きく傷つく、?は中途半端な役職を持っている公務員ほど、
変なプライドを持っている、そして?は、プライベートな話題を質問す
るのが大好きで、特に恋愛話は聞きたくてたまらない―いずれもインド
ネシア人の特徴ですよね。もう1つ加えれば、インドネシア人は「もら
えれば儲けもの」的感覚でふっかけたり、お願い事をしてきます。そこ
をうまく見分けて、自分の主張を通すことが、特に日本人には難しいの
ですが、皆さんも出入国で、賄賂を要求されそうになったらぜひこの
「恋人作戦」を使って切り抜けてみてください。100%の保証は出来
ないけれど、「嘘も方便」ですしね。

 こうして、無事成田空港に着いたのですが、日本の入国審査官の愛想
のないこと。あいさつすると、蚊のなくような声で挨拶を返し、黙って
はんこを押すだけ。「インドネシアに長く住んでいるみたいですけれ
ど、久々の日本どうですか?」くらい言ってほしいと思うのは、インド
ネシアに慣れてしまった僕だけなのでしょうか?

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              発行者 水嶋 真人
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創刊日:2000-07-09  
最終発行日:  
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