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YOGYA滞在記-SENYUM-

インドネシアが好きな方にこの国の本当の雰囲気を感じてもらえるよう、ジョグジャ、ジャカルタ滞在5年の私が1日本人としての視点を交え、ニュースなどでは伝わってこないインドネシアの魅力について綴っています

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SENYUM200話「ボレとトロン」

2004/01/19

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*YOGYA滞在記 -SENYUM- *       vol.200
                            発行部数 1121部

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*このメールマガジンはインドネシア、ジョグジャカルタ市での3年半の
留学を終え、首都ジャカルタで、もの書きの仕事に就いた”私”が日々
体験し、感じたことをつづったものです。

<筆者からの一言>
 2004年最初となるSENYUMで、ついに200号を迎えること
が出来ました。ジョグジャでの大学院生活に慣れ、暇を持て余していた
2000年5月、何か形に残るものを作ろうと始めたSENYUMから
3年8ヶ月。気付いたら年齢が28になり、まったく考えもしなかった
ジャカルタでの社会人生活を送り、深夜の高層アパートの中でこつこつ
とメールマガジンを打っている自分がいます。

 当然、メルマガの内容も開始当初とはずいぶんと変わったものになっ
たし、ジャカルタの生活の中で、ジョグジャ時代には見ることのなかっ
た別のインドネシアの表情を見ることができました。正直、首都ジャカ
ルタで見たインドネシアの表情は「欲」を印象付けるものが多く、何度
か帰国してやると思ったこともあります。けれど、ジョグジャ時代から
不変であることは

「嫌いになりたくても嫌いになれないインドネシア」

 いくら汚職がひどくても、モラルやマナーが悪くても、おやじや子供
たちの見せる屈託のない笑顔を見せられてしまうと何でも許してしまう
かわいさがこの国の一番の魅力。とくにカキリマ(移動屋台)やタク
シーの運転手、路上でぼーっとしている親父たちの笑顔は最高です(ホ
モではありません)。そんなSENYUM(微笑み)を持つインドネシ
アで見たこと、感じた個人的見解をこれからも伝えていければと思って
います。

 今回は3つの単語及び言葉について書いてみました。それでは、本編
をどうぞ。
 
 
    ---------------「ボレとトロン」-----------------

               「ボレ=BOLEH」

 英語で「MAY」「BE PERMITTED」に値する「いいよ」
というニュアンスの許可を与える単語。インドネシアに滞在したことが
ある方、またインドネシア語を少しでもかじった方なら、耳にしたこと
があると思うし、「ボレ・サヤ・マカン・ディシニ?(ここで食事をし
てもいいですか?)」などと、実際に何度も使う、使用頻度の高い単語
です。

             「トロン=TOLONG」

 英語で「PLEASE」に値し、助けを求めたり、「何かをお願いす
る」場合に用いる場合に用いられる単語。「ミンタ・トロン(お願いし
ます)」など、最初に覚えるインドネシア語の1つですよね。

 ・・・「200号を期にインドネシア語講座に鞍替えか」なんて思わ
れそうですが、あなたなら、手助けを申し出たインドネシア人の友人の
親切を受けるとき、どちらの言葉を使うでしょうか?

 恐らく多くの皆様が「トロン」を選択するはずです。僕やインドネシ
ア在住の日本人も、探し物や頼みごとをしたとき、手助けを申し出た人
に対して「お願いします」という意味を込めて「トロン」を使います。
けれど、頼みごとをしたインドネシア人に対して手助けを申し出たと
き、そのインドネシア人の口から出てくる言葉は、よほど深刻な用件で
ない限り、「ボレ」なのです。

 例えば、
「両替したいのだけれど、今持ち合わせのお金を持っていないんだ」
「それなら、ちょうど両替商にいくし、お金も持っているから、お金を
立て替えて両替してあげようか?」
「ボレ」

 そのほかにも、「昼食買ってくるから君の分も買ってきてあげようか
?」「ボレ」、「今日は僕がおごるよ」「ボレ」、「泊まる場所内なら
うちに来る?」「ボレ」・・・おまけにボレの言い方が気の抜けた投げ
やり的な言い方に聞こえてくるので、「人が親切心で言ってあげている
のにボレはないでしょ」と、心の中で叫んでしまう経験は、一定期間イ
ンドネシアに滞在したことのある方なら、必ず持っているはずです。

 先日、疑問に思って、インドネシア人(スマトラ島出身、イスラム
教)に「なぜインドネシア人は、手助けを申し出た人に対しトロンでは
なく、ボレを使うのか。日本ではトロンだ」と尋ねたら、「インドネシ
アではそうなんだ」と逆切れされるし、ジャワ人は「そんなこと今まで
気にしなかった」と答える始末。結局は、生命に関わるような重大な問
題でもない限り、手助けを求められてもいちいち「お願いします」なん
て懇切丁寧に義理立てするのは日本人だからこそ感じるものなんですよ
ね。やれ、インドネシア人はゴトンロヨン(相互扶助)精神にどっぷり
浸かっているとか、イスラム教の「喜捨(富める者が貧者に施す)」が
まかり通っているとか、いろいろな理屈付けをしてしまいがちですが、
インドネシア人にとっては、「ボレ」だろうが「トロン」だろうが、些
細なことは別にどうでもいい、そんな気がします(インドネシア人はボ
レをなぜ使うのかもっと理論的に説明できる方がおられればご一報くだ
さい)。

          「ミンタ・マアフ=MINTA MAAF」

 ごめんなさいの意。インドネシアに住むあらゆる人種の中で、日本人
が最も頻繁にこの言葉を使うとのうわさあり・・・はっきり言って、イ
ンドネシア人の口からは、相手の靴を踏もうが、遅刻をしようが、よほ
どのことがない限り、この言葉が出てきません。前述の考え同様、あら
ゆることに「ミンタ・マアフ」を使っていたらきりがないし、細かい過
ちを気にせず、別にどうだっていいと考えているおおらかなインドネシ
ア人。そうしたインドネシア人を見てて、ついつい腹立たしくなると、
日本人であることを実感するし、帰国後、あらゆることにきっちりして
いる日本でインドネシア的思考に慣れた自分がやっていけるのか不安に
なる・・・そんなインドネシア滞在5年11ヶ月の僕が今、ここにいま
す。

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              発行者 水嶋 真人
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創刊日:2000-07-09  
最終発行日:  
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