国際情勢

グローバル・エイズ・アップデート

地球規模の広がりを見せるHIV/AIDS問題。アフリカなど途上国を中心に、現状と国際社会、市民社会の取り組みの最新情報を伝えるメールマガジン。

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(GAU349号)世界は2030年までの三大感染症「終息」に向けた軌道を外れている?

2018/10/16

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★「第349号」目次

●対策・課題別記事、アフリカ以外の地域別記事
・グローバルファンド活動者ネットワーク(GFAN)、三大感染症の終息への取り組みを軌道に乗せる道筋を報告書で示す
・国際保健の指導者たち、UHCの文脈から「エイズ終息」の実現について討議
・欧州のHIV陽性移民におけるHIV検査受診と治療へのアクセスに関連する要因

●アフリカの地域別記事
・(南アフリカ共和国)HIV・結核国家戦略計画2017-2022を読む
・(タンザニア)HIV自己検査キットの販売、使用に懸念が高まる
・(ウガンダ)強制的なHIV検査への懸念

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◆発 行:(特活)アフリカ日本協議会
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<対策・課題別・地域別(アフリカ以外)記事>
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グローバルファンド活動者ネットワーク(GFAN)、三大感染症の終息への取り組みを軌道に乗せる道筋を報告書で示す
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【2018年8月20日】途上国のエイズ・結核・マラリア対策に資金を供給する国際機関、グローバルファンドに関する活動をしている世界の市民社会のネットワークである「グローバルファンド活動者ネットワーク」Global Fund Advocates Network:GFANは、オランダの首都アムステルダムで2018年7月下旬に開催された第22回国際エイズ会議 AIDS2018 にて、エイズ・結核・マラリアの三大感染症に対する多国間・二国間の資金援助が横ばいとなり、もしくは減少していることを示す報告書を発表した。

途上国では三大感染症対策の資金を必要としているにも関わらず、途上国の国内資金動員が増加し効果的に機能しているという思い込みにより、援助機関が三大感染症に対する援助を横ばい、もしくは減額しているという現状がある。そこでGFANは、三大感染症の流行を2030年までに終息させることを掲げる「持続可能な開発目標」(SDGs)に向けた取り組みが、目標達成に向けた軌道から外れてしまっていることを示すため、以下の懸念すべき動向を報告書にて明示した。

1)10代の少女と若い女性が高いリスクに直面している
毎年、低中所得国では35万人の少女や若い女性が新たにHIVに感染している。
2)高い感染可能性に直面している「対策の鍵となる人口層」key population は、依然として取り残されている。特に、中所得国では「外部資金から国内資金動員への移行」の名のもとに、援助資金の投入が急速に低下する傾向があり、三大感染症の予防や治療が受けられない人びとが増加している。
3)人権が侵害されている
世界各地で人権に関連する状況の悪化が報告されている。グローバルファンドは、支援の受け取り国に対し、差別のないアプローチの保健政策を要求することから、人権保護において主要な役割を持つ。
4)薬剤耐性が上昇している中、治療薬へのアクセスが危ぶまれている
先進国の製薬企業や政府は、本来、人の命を救うための治療薬に関して、「最大限の利益を絞り出す」ことを追求している。一方、薬剤耐性を解消するための取り組みは十分には進んでいない。
5)国際援助額が横ばい、もしく減少している。
三大感染症の問題を抱える国の多くは、経済成長により、低所得国から下位中所得国、上位中所得国へと分類し直され、結果として、多国間・二国間援助機関からの支援金額が削られた。しかし、三大感染症の陽性者の70%は、一人当たり国民所得の差はあれ、医療制度上、大きな課題を抱えている国で暮らしている。

取り組みを再び軌道に乗せるには、迅速な対応が求められる。WHO、UNAIDSとパートナー機関は課題を再検討し、感染症の現状の動向とグローバルな資源需要を再確認しなければいけない。三大感染症対策に向け、保健分野の国際援助の増加を政府に要求し、持続可能な医療システムの確立を強く訴えかけるべきである。GFANは対応の1つとして、統計データと主張の根拠となる参考資料をいくつかの媒体でオンライン公開し活用できるようにした。

原題:Advocates' network report underscores critical need for Global Fund to ‘get back on track’ to end epidemics
出典:aidspan 
日付:2018/08/20
URL:http://www.aidspan.org/gfo_article/advocates-network-report-underscores-critical-need-global-fund-%E2%80%98get-back-track%E2%80%99-end

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国際保健の指導者たち、UHCの文脈から「エイズ終焉」の実現について討議
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【2018年8月21日】オランダの首都アムステルダムで2018年7月23〜27日に開催された第22回国際エイズ会議 AIDS2018 でテドロス・アダノム・ゲブレイェスス WHO事務局長 Tedros Adhanom Ghebreyesusは、「世界の人口の半分の人々は、いまだきちんとした保健サービスにアクセスできず、世界はHIV終息の目標に近づけていない」と語った。

同会議でテドロス氏は、HIVの終息とユニバーサル・ヘルス・カバレッジ Universal Health Care:UHC という2つの問題をリンクさせるために、以下の6つの論点を指摘した。

「まず、HIVと肝炎の対策の普及とともにUHCに関する周知が必要である。第二に、国レベルのHIV削減の戦略は、公的保健プログラムの構築と並行して行う必要がある。第三に、UHC計画にHIVへのサービスが包摂されることを認識しなければならない。第四に、UHCは人間を対象とする人間中心のものである。第五に、保健サービスの提供にかかる個人負担を廃止すべきである。そして最後に、感染の終息に向けて、新たな技術と医療介入の拡大が必要である」とテドロス氏は述べた。

同会議では、南アフリカ、インド、およびカフカス地方にあるジョージアの3カ国の代表らも登壇した。南アフリカのアーロン・モツオアレディ保健大臣 Aaron Motsoaledi は、「民間企業の保健システムはヨーロッパ諸国よりも優れている一方で、公的保健サービスは他のアフリカ諸国と同様に破綻している」と述べ、UHCの達成の鍵は国内の保健システムの格差の是正にあると主張した。

インド政府のプラサダ・ラオ Prasada Rao 氏は、UHCへの取組は政府などによって主導されていることから、「UHCには民間分野が含まれていない」と指摘した。保健サービスの60%を民間セクターが支えるインドでは、富裕層向けの質の高い民間の保健システムと公的保健システムとの格差も問題となっている。

ジョージアのダビィード・セルギエンコ在住地域・労働・健康・社会問題担当大臣David Sergeenkoは、自国のUHCでの成果について「2012年以来、同国の保健支出における患者の自己負担割合は大幅に減少し、公的保健センターに通う人の数が2倍近くになった。これは、治療のための外来が増え、保健水準の向上に大きく貢献していることを意味している」と述べた。

同会議には、グローバルファンドのピーター・サンズ新事務局長 Peter Sandsも登壇し、サンズ氏は、HIVとUHCとの接点の強化と、双方の問題を解決する資源をテーマとして挙げた。「UHCかHIVの終焉かという二対立は間違いである」と指摘し、「HIV終焉とUHCは同時進行で行われるべき」と強調した。一方で、HIV患者がUHCの取組から取り残されている現状についても認めた上で、「鍵となる人々を置き去りにしたUHCなど真のユニバーサルとは言えない」と述べた。

また、ベトナムでHIV対策の鍵となる人口層のコミュニティの組織化や保健アクセスの向上に取り組んでいる、「コミュニティ開発イニシアティブ支援センター」 Supporting Community Development Initiatives:SCDIの事務局長、クアット・チー・ハイ・オアン氏Khuat Thi Hai Oanhも登壇し、「HIV、結核、肝炎の患者がUHCから取り残されている」と述べ、HIV患者こそUHCを最も必要としているのだと強調した。「1978年にソ連(当時)のアルマアタ(現:アルマトイ)で開催された『第1回プライマリー・ヘルス・ケア国際会議』(WHO、ユニセフが主催)では、2000年までに『すべての人に健康を』ということで、UHC達成が掲げられた。しかし、同サミットから40年が経った今でも、国際社会はUHCを達成できていない」と訴え、サンズ氏にUHCに向けたグローバルファンドの政策を作るよう進言した。現在のところ、グローバルファンドはまだUHC政策を用意していないが、現状の考え方はサンズ氏のコメントに反映されている。

原題:Global health leaders discuss ‘ending’ AIDS in context of universal health coverage
出典:AIDSPAN
日付:2018/08/21
URL:http://www.aidspan.org/gfo_article/global-health-leaders-discuss-%E2%80%98ending%E2%80%99-aids-context-universal-health-coverage
 
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欧州のHIV陽性移民におけるHIV検査受診と治療へのアクセスに関連する要因
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【 2018年7月19 日】欧州におけるHIV陽性者の状況をみると、移民の陽性者が非常に大きな比率を占めている。このため、ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン国際保健研究所のイビドゥン・ファコヤ氏を中心とする研究グループは、ヨーロッパにおけるHIV陽性者である移民を対象に、以下の調査を行なった。

‐どのような人がHIV検査や治療を受けるのか 
‐HIV検査へのアクセスを阻害する要因や促進する要因はなにか
‐現在の治療状況
‐ヘルスケアに関するニーズ

この調査は、2013年7月〜2015年7月の2年間、9か国(ベルギー、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、ポルトガル、スペイン、スイス、英国)にある57か所のHIV治療を行っているクリニックをフィールドにした横断研究である。対象者は、18歳以上のHIV陽性者で、他国出身者、調査時から過去5年以内にHIV陽性と診断されていることを条件とした。

第一の評価項目は、プライマリケアへのアクセスおよび過去のHIV検査で陰性のデータとした。プライマリケアにアクセスがあるということは、単にHIVクリニックへの通院だけでなく、ヘルスケアサービス全般を受けている指標となり、例えば、ヘルスカードを持っている、主治医への登録があるなどから評価できる。また、過去にHIV陰性であったデータは、HIV予防のチャンスへのアクセスがあったことの指標となり、例えばHIV検査を推奨するメッセージがどの程度対象者に届いているかがわかる。対象者は、性行為が異なると考えられる、(1)女性、(2)異性を性対象とする男性、(3)ゲイ・バイセクシャルの男性、以上3つのグループとした。

調査の結果、2,093名(女性658名、異性を性対象とする男性446名、ゲイ・バイセクシャルの男性989名)が対象となった。過去のHIV検査陰性の割合は、それぞれ、46.7%、43.4%、82%であった。多変量解析により、これまでの検査受診に関しては、女性であれば移住後に産後ケアを受けていること、異性を性対象とする男性であれば永住権があること、ゲイ・バイセクシャルの男性ではゲイであることが明らであること、以上に関連がみられた。プライマリケアへのアクセスに関しては3つのグループすべてにおいて高く(83%以上)、移住先の居住国との関連がみられた。診断に至るまでにはヘルスサービスが利用できるにも関わらず、女性および異性を性対象とする男性は、診断が遅いことが共通していた(それぞれ60.8%、67.1%)。また、すべての対象グループにおいて、抗ウイルス治療を受けている人々の約4分の3が、ウイルス量50コピー/mL未満という、限界検出量未満であった。

ヨーロッパにおける移民は、その多くがHIV検査を過去に受けているものの、その後陽性となっていた。このことはHIVを予防できるチャンスを見逃していたことを示している。産後ケア体制、性に関連する健康であるセクシャル・ヘルスがさらに拡大されること、また、暴露前予防投薬 Pre-exposure prophylaxis:PrEP へのアクセスや予防的治療などのチャンスが検査の機会にリンクされるべきであろう。

原題:HIV Testing History and Access to Treatment among Migrants Living with HIV in Europe
日付:2018/07/19
URL: https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1002/jia2.25123


<地域別記事(アフリカ)>
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(南アフリカ共和国)HIV・結核国家戦略計画2017-2022を読む
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【2018年8月25日 南アフリカ共和国】南アフリカ共和国は、5年毎にHIVと結核対策の国家戦略計画を発表している。HIV陽性者は結核に感染するリスクが高く、また主な死因のひとつでもある。このようにHIVと結核は深く関係しているが、さらに梅毒やヘルペスなどの性感染症 Sexually Transmitted Infections:STIs もHIV感染リスクを高めることから国家戦略計画で対策が盛り込まれている。

「HIV/TB/STIs国家戦略計画2017-2022 South Africa’s National Strategic Plan for HIV, TB and STIs 2017-2022: NSP」では、HIV、結核、性感染症の罹患や死亡を減らすためには、多部門によるパートナーシップの戦略的枠組みが必要であると述べている。また、地域が主体となる分散型アプローチを進めることで、地域特有のニーズや状況に合わせて国家戦略を調整することができるという。

南アフリカ共和国では、15歳から49歳の成人の19%がHIV陽性者である。新たな感染者は母子感染予防の効果もあり2012年の36万人から2016年には27万人に減少したが、女児や若い女性はHIV感染による影響を受けている。

結核患者は世界で6番目に多く、2015年には45万人以上が新たに発症し、HIV陽性者の63%が結核と診断された。2012年以降、発症数は緩やかに減少しているが、多剤耐性結核の発症が2007年と比べ2012年には2倍になり大きな問題となっている。HIVと結核の新たな感染者は減少しているものの、そのペースは緩やかになってきている。

NSPは、HIV、TB、STIsの終焉、またこれらが2030年までに公衆衛生上の脅威でなくなることをミッションに掲げている。指針としては、以下の6項目が挙げられる。

1.信頼できるエビデンスを根拠とする
2.人権の保護と啓発
3.多部門によるアプローチ
4.人間中心のアプローチ
5.包括的、参加型の運動
6.「誰一人取り残さない」

そして、ゴールとして、以下の8つを掲げている。そのうちのゴール1は以下のとおりである。

ゴール1:新たなHIV、結核、性感染症への感染を減少させるため予防対策を増強する
予防対策は奏功しているが、さらに強力に展開し、新たなHIV感染を2016年の27万人から2022年に10万人以下(60%以上の削減)にすることを目標とする。母子感染の減少と女児や若い女性の新たな感染を1週間あたり2000件から800件以下に減少することを目標とする。また、結核の発症を少なくとも30%(45万人から31万5千人)削減し、淋病や梅毒の新たな感染を減らすことも含まれる。
<目標1.1>
様々な予防介入により新たなHIV感染を2020年までに10万人以下に削減する
<行動指針>
‐1.1.1
学校、医療、職場、地域社会における情報、教育、コミュニケーションプログラムの再構築
‐1.1.2
状況や集団に応じた対象者への医療的な予防サービスの実施
‐1.1.3
年齢に応じた性とリプロダクティブヘルス・サービスの提供と、包括的な性教育の実施
‐1.1.4
リスクの高い集団への暴露前予防投薬の提供
‐1.1.5
周産期のHIVや梅毒の母子感染予防のためのサービス提供
<目標1.2>
結核を2015年の10万人あたり834人から2022年に584人以下に、少なくとも30%削減する
<行動指針>
‐1.2.1
予防治療投薬の実施を増強
‐1.2.2
結核感染コントロールの促進
<目標1.3>
梅毒トレポネーマ、淋病、クラミジア感染を大幅に削減し、実質的に先天性の梅毒をなくし、ヒト・パピローマウイルスの予防接種の継続・維持
<行動指針>
‐1.3.1
リスクの高い人々へ質の高い保健情報とタイムリーなヘルスサービスを提供することで性感染症予防の規模を拡大
‐1.3.2
小学4年生に対するヒト・パピローマウイルスの予防接種の規模拡大と継続・維持
‐1.3.3
性感染症のパートナーへの効果的な告知方法の検討と実施

原題:Read South Africa’s National HIV and TB Plan 2017-2022
出典:BHEKISISA
日付:2018/08/25
URL:https://bhekisisa.org/article/2018-08-25-read-south-africas-national-hiv-and-tb-plan-2017-2022

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(タンザニア)HIV自己検査キットの販売、使用に懸念が高まる
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【2018年8月22日ダルエスサラーム(タンザニア)発】アフリカは概して保健に関する教育が不十分で、感染症が拡大する状況にある。世界にも同様の地域は数多く存在するが、こうした地域において、疾病への対応について、個人が権威ある専門家のガイダンスを受けずに自己決定を行うことは、その困難に拍車をかけかねない。

例えば、HIV陽性かどうかを人口の半分以下しか知らないようなところでは、HIV自己検査は、特に感染リスクの高い人々が自身のHIV感染状態を知るのに役立つが、一方で専門家による検査やカウンセリングも依然として必要である。

HIV検査やカウンセリングへの投資は十数年にわたり行われてきたが、検査キットの使い方がわからない人、差別や偏見により検査結果を受け入れようとしない人がいる。カウンセリング無しのHIV自己検査は、逆に感染拡大を助長しかねないと専門家は指摘する。さらに、検査キットを不法に輸入する販売業者が出てくることが懸念されている。また、不法輸入販売者の出現により、世界保健機関 The World Health Organisation:WHO が規定する最低限の質を担保できない状況も考えられ、本来、医師による再検査が必要なHIV陽性者がそのまま放置されてしまう可能性もある。

2013年の初の国際HIV自己検査シンポジウムで、HIV自己検査は、20年以上も前から注目されてきたにも関わらず、政策立案者の中には賛否両論があり、結果として、これまで積極的に導入されてこなかったことが報告されている。

国連合同エイズ計画 UNAIDS は、「HIVの新たな感染ゼロ、差別ゼロ、エイズ関連死ゼロ」を共通ビジョンに掲げ、これが達成できるよう各国へのアプローチに取り組んでいる。一方、HIV自己検査キットを活用した検査は、環境の整った医療施設で医療者がHIV検査を行い、さらにカウンセリングによって、人々がHIVに関連する知識もえられるというは異なり、検査結果を記録することもなされない。これでは、HIV自己検査キットを自身で購入・実施するHIV自己検査は、個人が自身のHIV感染状況を知る機会を増やすという以外の公衆衛生上の価値は望めない。

このような状況の中、タンザニアの「保健・コミュニティ開発・ジェンダー・高齢者と子ども省」のウミー・ムワリム大臣 Ummy Mwalimu は、HIV自己検査に関する許認可の全権を握っている。つまり、事故検査を促進するか、販売を中止するかについて、権限を持っているということである。

HIV自己検査を普及するにあたっては、これを国内外のHIV関連の目標達成に向けて、プログラムや医療者、関係者を支援するために使っていかなければならない。

また自己検査のガイドラインは、カウンセラー導入されているケースでは、パートナーへの告知を手助けすること、また倫理的、効果的で受け入れられやすく、根拠に基づいた方法で実施・拡大することを目的にするべきである。

原題: Tanzania: Outlaw Self HIV Testing Kits' Sale, Use by Public
出典: Tanzania Daily News
日付:22 AUGUST 2018
URL: https://allafrica.com/stories/201808220581.html

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(ウガンダ)強制的なHIV検査への懸念
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【2018年8月2日】東アフリカの内陸国ウガンダでは、HIV1の新規感染の増加という現実を踏まえ、特に学生に対して強制的なHIV/AIDS検査を始めることを予定している。その提案はプライバシーに対する懸念を高めている。ウガンダの首都カンパラにある東アフリカの最高学府と言われるマケレレ大学の学生、メシア・ナルクワゴ Methia Nalukwago さんは、政府によるHIV強制検査に賛同している。「私たちは友人たちを、『本当に病気とかにかかってないの?』という感じで、疑いの目で見ている。もちろん誰かに言うわけではないけれど、何か症状があれば、その人は病気に違いないと感じている。強制的なHIV/AIDS検査は私たちが置かれている状況を知るのに役立つだろう」と彼女は話した。一方で、反対している学生もいる。

HIV陽性者の増加
ウガンダの約1,300万人がHIV陽性者で、毎週約800人が感染している。計算すると、1時間に約5人が感染していることになる。ウガンダ政府エイズ委員会による研究では、若者の間での十分な情報の欠如がHIV感染の増加を助長させていると示している。
ウガンダの中央地域東部のムコノ県首都のコムノにあるフォレストヒル大学のジェーン・ウェラ Jane Were 校長は、学校でHIV/AIDS教育に取り組んでいると話した。また、「生徒たちの両親は、生徒たちに抗レトロウイルス治療 Anti-Retro Viral Therapy:ART について誤った知識を伝え誤解させている」、「生徒たちは、なぜこの薬を飲んでいるのか教育されず、また服薬の重要性を知らないために効果的な内服治療が継続できないため、症状が出てしまう」と話した。

子を持つ親でもあるヘンリー・アチク Henry Atiku 氏は、若者の強制的な検査は他の問題を引き起こす可能性を訴えた。「子供たちは、HIV/AIDS検査がどんな意味を持つのかについて理解できていない。HIV陽性者を把握するための強制的な検査は、非難や同級のいじめに繋がるだろう」と話す。

両親たちと取り組む政府

ウガンダのサラオ・ペンディ Sarah Opendi 国務大臣は、HIV感染拡大を抑制するにはHIV検査が重要だが、「両親の同意なく子供たちを検査することについては、これを認めない」、「検査に関する正しい過程を経て、検査を始める必要がある」と強調した。続けて、「私たちは、自殺を考える子供たちを見てきた。これらの子供たちのカウンセリングを行い、前向きな生活へ導いていく必要がある」と話した。

しかし、ウガンダ現地でHIV陽性者の人権に取り組むNGOである「ウガンダHIV/AIDS保健人権グループ」のパトリック・オジロン Patrick Ojilong は、「政府によってHIV/AIDS検査が実施されてしまったら、個人のプライバシーが侵害される」と警告している。

強制的なHIV検査による利益
ウガンダ政府エイズ委員会は、強制的な検査は学生が自分の状況を把握し治療を開始するきっかけとなると理解を求めている。ルベン・トゥイノムジュニ Reuben Twinomujuni 弁護士は、この新たな方針について「HIV陽性者の大部分は若者であり、このような政策があれば感染症を防げるだろう」と話し、HIV/AIDS対策への効果を期待した。

原題:Outcry in Uganda Over Compulsory HIV Test
日付:2018年8月2日
出典:DW 
URL:https://allafrica.com/stories/201808020669.html
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編集後記
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今回の編集は、インドの首都デリーへの出張の帰りに、飛行機の乗り継ぎ場所のバンコクで行っています。デリーへの出張は、グローバルファンドの増資準備会議が来年2月8日にインドの首都デリーで開催されることになったため、インドの市民社会と共同で戦略会議を行うということで、前回2015年12月に東京で開催された増資準備会議の経験を共有するために駆り出されたもの。一日だけの短い会議でしたが、エイズに関わるインドの市民社会の一端を覗くことができました。(稲場)

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