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グローバル・エイズ・アップデート

地球規模の広がりを見せるHIV/AIDS問題。アフリカなど途上国を中心に、現状と国際社会、市民社会の取り組みの最新情報を伝えるメールマガジン。

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(GAU335号)世界で2100万人がエイズ治療にアクセス:最新報告書が発表

2018/01/30

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★「第335号」目次

●対策・課題別記事、アフリカ以外の地域別記事
・2100万人がエイズ治療にアクセス:UNAIDS最新報告書
・グローバルファンドによるナイジェリアのマラリア対策プログラム支援に暗雲:
 =「持続性に懸念」と警告=
・(ベラルーシ)グローバルファンドのベラルーシへの資金拠出案件、
 対策のカギとなるコミュニティへの対策を可能にする「社会契約制度」を条件付け
●アフリカの地域別記事
・ナイジェリアにおけるHIV/AIDSとの闘い
・ウガンダ:HIV治療における「検査と治療」への準備はできているのか
・(ジンバブウェ)「イスラム教徒が性感染症の感染率が最も高い」と国家エイズ委員会
-----------------------------------Vol.18 No.11 ---------------

◆発 行:(特活)アフリカ日本協議会
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・電 話:03-3834-6902
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<対策・課題別・地域別(アフリカ以外)記事>

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2100万人がエイズ治療にアクセス:UNAIDS最新報告書
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【2017年11月20日 ケープタウン(南アフリカ共和国)/ジュネーブ(スイス)発】12月1日の世界エイズデーに先駆けて、国連合同エイズ計画 UNAIDSは11月20日、最新報告書を公表した。2000年にたった68万5千人だった治療を受けている陽性者は、2017年には約2090万人となった。HIV治療の劇的な拡大は、強いリーダーシップと経済的貢献に支えられた、陽性者の決意と勇気、また権利の主張なしにはなし得なかった。

治療中の陽性者が増加したことで、より多くの人々が健康で過ごせるようになり、また、自ら適切な形で服薬している陽性者は、体内のウイルス量が有効に抑制できているために、HIVを他人に感染させにくいことが研究で明らかになった。また陽性の妊婦への治療や母子感染予防対策が拡大したことで、2010年〜2016年の子どもへの新規感染は約半分に減少した。

現在の課題は、HIVを公衆保健プログラムの最優先課題に戻し、治療を必要としている人に治療を届けることである。「健康への権利」というUNAIDSの最新報告書によると、社会で最も取り残された立場にある人々にとって、まだまだ治療や医療・社会的サービスへのアクセスが大きな課題となっている。しかしまた報告は、コミュニティがどのように対処すべきかという画期的な例を紹介している。

インドでは、セックスワーカーたちを教育し、他のセックスワーカーや住民たちに偏見のない健康サービスを提供できるようにした。ウガンダでは、エイズで親を亡くした子どもの祖母が、カゴを編み販売することで、学費を捻出できるようにした。

2016年には約180万人が新規感染したが、新規感染が300万件に及んだ1990年代に比べ39%減少し、サハラ以南アフリカでは2000年から約半減した。しかし最も必要としているところへ医療ケアを拡大していない国、例えば東欧や中央アジア地域において、新規感染やエイズ関連死は上昇している。

健康への権利、つまり、すべての人が得られうる最高水準の身体的・精神的健康を享受する権利は、国際法や国連憲章などで言及されている。これはHIV陽性者が差別や偏見なしに、予防や治療、自身の健康に関する決定を下せることを含み、これを尊重し満たすことは、基本的人権の責務であると報告は明示している。

報告は、HIVに最も影響されている人々――陽性者、セックスワーカー、薬物使用者、男性とセックスする男性、若者――にとって、健康への権利とは何かという声を掲載している。「20年前は、いかに治療にアクセスするかが課題だった。今の課題は、健康でポジティブな生活を送れるようなサポートを確実にすることだ」と市民団体の代表は語る。

健康への権利がないがしろにされているところでは、HIVは広がる。例えばサハラ以南アフリカでは、新規感染の67%は15〜24歳の女性であり、多くは年上の男性からの感染であった。これは、より安全なセックスへの女性の交渉力、教育を受け続けること、また年齢にあった性と生殖に関する健康サービスへのアクセスなどの様々な問題を浮かび上がらせた。またHIV陽性の男性の検査や治療などに対するアクセスが女性よりも低く、またエイズ関連死が多いなどの課題も示された。

報告は、2030年までにエイズの流行を終わらせるという目標に向けて、新規感染とエイズ関連死の減少、医療アクセスの確保、また医療分野への資金増加の必要性などの課題を強調した。また国家予算内の医療セクターへの分配の増やし方、効率化と民営部門との協力による節約など、資金拡大の例を挙げた。2020年までの資金は70億米ドルの不足と試算されている。 

UNAIDSは2030年までにエイズ流行を終わらせるため、2020年までの『優先』対応目標を設定した。誰もがどこにいても必要な社会的医療的サービスへのアクセスができ、健康への権利が保障されるよう、スポンサーやパートナーは共闘を継続するだろう。

●原題: UNAIDS announces nearly 21 million people living with HIV now on treatment
●出典:UNAIDS
●日付:20 November 2017
●URL:http://www.unaids.org/en/resources/presscentre/pressreleaseandstatementarchive/2017/november/20171121_righttohealth_report

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グローバルファンドによるナイジェリアのマラリア対策プログラム支援に暗雲
=「持続性に懸念」と警告=
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【2018年1月9日】2017年12月13日、途上国の三大感染症対策に資金を供給する国際機関、グローバルファンドの意思決定機関である理事会Board は、ナイジェリアに対して4回目の資金拠出認可でのマラリア基金を認可した。しかし、それはこの国のマラリア対策プログラムについての資金に関する懸念が表面化する前の話であった。ナイジェリアはHIVや結核に関しても資金拠出が延長されている状況であるが、この記事では特にマラリアについて報告する。

グローバルファンドの、資金拠出のためのプログラム案を審査する「技術審査パネル」Technical Review Penal: TRPと資金承認委員会Grant Approval Committee: GACはナイジェリアのマラリア対策プログラムの持続可能性について、以下のように懸念している。

ナイジェリア政府による保健への予算はここ数年、顕著な増額がみられず、わずか国家予算の5%未満である。これは2001年にナイジェリアの首都アブジャで開催された特別サミットで採択された「アブジャ宣言」Abuja Declarationの目標値15%からはるかに下である。
TRPは「ナイジェリアは、今後国内資金拠出へ移行する見込みが薄いにもかかわらず、グローバルファンドに対してマラリア予防およびコントロールのための莫大な量の物資を要請している。」と報告している。

GACは「このようなアプローチは長続きしない。ナイジェリア政府はより大きな保健医療システムの課題を打ち出すこと、そしてそれに対する資金の増額は避けられない」と述べている。

ナイジェリア政府は、資金拠出への認可期間中にも世界銀行の国際開発協会(the World Bank’s international Development Association: IDA)に対しても30万ドルの資金要請を提出している。しかしこの要請への承認は2018年10月下旬になるという見込みや、資金を受けたプログラム実施期間である2018〜2020年の間に持続可能性という課題に取り組まれるかどうかは不明であるなどの懸念がある。

グローバルファンド理事会は2件のマラリア対策資金を承認しており、それぞれの資金管理責任団体Principal Recipient: PRsは国際NGOである「カソリック救済サービス」Catholic Relief Service: CRSと保健省の全国マラリア根絶プログラムNational Malaria Elimination Program on the Federal Ministry of Health: NMEPである。理事会は合計2億7530万ドルを承認し、このうちナイジェリアの最優先資金要請項目Prioritized Above-Allocation request: PAARは2億7240万ドルである。

ナイジェリアは世界で最もマラリアに苦しむ国である。毎年6千万人の症例がでている。人口1億9900万人の97%が罹患リスクにあり、毎年マラリアによる死亡は11万6千人に上る。

ナイジェリア政府は37の州でのマラリア対策を、グローバルファンド、米大統領マラリア・イニシアチブThe U.S. President’s Malaria Initiative: PMIと資金拠出を分担して行っている。グローバルファンドの資金は第一に(a)保健施設におけるケースマネジメントの改善、(b)長期残効型蚊帳long-lasting insecticidal nets: LLINsの全家庭への配付、(c)2つの州におけるマラリア、肺炎、下痢に関する包括的コミュニティケースマネジメントintegrated Community Case Management: iCCMの継続、以上3点に焦点があてられる。

TRPによると、LLINsの大量配布への資金ではグローバルファンドの分担する13州をカバーできず、資金が行き渡らない6つの州はPAARに含められ、その関連事業については、質の高い資金未拠出案件Unfunded Quality Demand: UQDとして認定され、順番待ちリストに掲載されることになる。

GACは、グローバルファンドによるこれまでの支援によって、ナイジェリアにおけるマラリア予防やコントロールに劇的な進歩を認めるものの、ナイジェリア政府の、現在の資金における、マラリア対策にあてる資金の運用が滞っていることを指摘している。

一方、TRPは資金審査過程において、問題となった2点をあげている。まずプログラムマネジメントコストである。予算の9.6%となっているが、これはグローバルファンドのガイドラインにある1〜5%より高く、認められないものだ。しかし国別調整メカニズム(the country coordinating mechanism: CCM)によって、ナイジェリアが資金活用が難しい環境にあることがわかっており、このコストは認められ、それに伴うリスクマネジメントやプログラムの質を担保することが求められている。第二に、ジェンダーと人権である。これは十分に検討されておらず結論に至っていないのだが、このための基礎調査に十分な時間がとれていない。

2016年8月、ナイジェリアは以前のグローバルファンド拠出案件における資金の不正使用や証憑等の不備により合計580万ドルの返済を命じられ、2017年内に全額返済することを目指し返済を開始したが、実際に返済が始まった10月の時点で360万ドルが残っており、次の資金拠出も遅らせる可能性があるという対応が示されている。さらに、2017〜2019年の資金配分期間に、ナイジェリア政府は少なくとも4億2,500万ドル以上の三大感染症対策費を拠出しなければ、資金拠出申請に主体的に取り組んでいると認められないことになる。

原題:TRP and GAC Raise Concerns about Sustainability of Nigeria’s Global Fund?supported Malaria Program
出典:Aidspan 
日付:2018/1/9
URL: http://www.aidspan.org/gfo_article/trp-and-gac-raise-concerns-about-sustainability-nigeria%E2%80%99s-global-fund%E2%80%93supported-malaria

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(ベラルーシ)グローバルファンドのベラルーシへの資金拠出案件、対策のカギとなるコミュニティ(key affected populations)への対策を可能にする「社会契約制度」を条件付け
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【2018年1月9日】旧ソ連圏のベラルーシ共和国では、HIV予防対策の鍵となるコミュニティ(薬物使用者、男性とセックスをする男性、セックスワーカーを含む; 以下KAPS)を対象としたプログラム実施に向けたNGOとの契約を可能とする社会契約制度の整備は、大幅に遅れをとっている。現状、法律の改定には予想以上の時間がかかり、社会契約制度がうまく機能するのか不確実性が高い。ベラルーシ政府のHIV予防プログラム2016〜2020年には、社会契約制度を介したプログラム実施(2017年〜)のためにNGOに資金提供する計画が盛り込まれていた。しかし、2017年度の支援金は自治体の必要経費として費やされた。

ベラルーシには、政府がNGOの公共事業やプロジェクトに共同出資することを可能とする公共事業法があった。しかし、この法律ではNGOのKAPSに向けたHIV予防に対し、政府は経済的に援助できない。なぜなら、公共事業法では1)支援金は職員の給与のみが対象となっていること、2)NGOは少なくとも総コストの50%を負担すること、3)医療サービスは対象外であること、4)サービス利用者の匿名性が保障されないこと、からである。

2015年11月、2016年から2018年までの期間に、総額1230万9479ドルをHIV対策に投入することについて、グローバルファンドとベラルーシは協定を結んだ。この協定には条件があり、ベラルーシ政府は2016年9月30日より前に社会契約制度を施行する必要があった。グローバルファンドの新しい資金モデルでは、資金拠出を確定する前に、グローバルファンドと該当政府は支援金に関するすべての同意条件に同意していなければならない。ベラルーシでは社会契約制度の導入に向け、「感染症・HIV予防法」の改定が2016年には始まった。しかし、修正案と新しい法律の制定は遅れ、2016年末までの導入は実現しなかった。

社会契約制度の導入に関して予期される問題の1つは、中央政府ではなく地方行政レベルで制度を施行する取り決めに関係している。地方の予算は必須分野に先に割り当てられ、予算不足だと社会契約制度に資金は残らない。もう1つの問題は、地方の行政関係者がKAPSを対象とした予防プログラムにおける社会契約の経験がまったくないことで、より経験のある民間組織である「ACT」の代表者が、ここ数年は精力的に社会契約制度に関する活動を行っている。

原題:Global Fund grant to Belarus in 2015 was conditional on the government developing a social contracting mechanism 
出典:aidspan
日付:2018/1/9
URL:http://www.aidspan.org/node/4474


<地域別記事(アフリカ)>
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ナイジェリアにおけるHIV/AIDSとの闘い
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【2017年12月20日 ラゴス(ナイジェリア)発】多くの国がHIV/AIDS対策の効果を出し始めている一方、西アフリカの大国ナイジェリアはHIV・AIDSとの闘いで厳しい状況が続いている。世界エイズデーである12月1日、ナイジェリアは南アフリカに次いで世界で2番目にHIV陽性の人が多い国となった。

ナイジェリアでは、300万人以上の人がHIV陽性ということがわかっている。それに加え、子どものHIV感染率が問題となっている。ユニセフによれば、2016年時点で14歳以下の子どものうち27万人を超える子どもがHIVに感染していることである。これは、同じ期間に西部・中部アフリカのHIV陽性の子どもの人口(54万人)の約半分に値する。

ユニセフの西部・中部アフリカ地域事務所代表のマリー・ピエール・ポワリエ氏 Marie-Pierre Poirierはさらに深刻な事実を述べる。西部・中部アフリカ全体で新たに6万人のHIV感染が確認されたのと同じ期間に、ナイジェリアでは37,000人の子どもがHIVに感染していたという。これは、西部・中部アフリカのHIVに感染した子どもの5人に4人が抗ウイルス薬治療を受けられない中、さらに新たなHIV陽性者が62%増えたことを意味する。ポワリエ氏によれば、子どもや若者が治療を受けられない理由は、検査が受けられないことにある。

若者の人口が増える中、ナイジェリアはHIVの拡大阻止に手を焼いている。その原因は、乳児へのHIV検査実施と診断する環境が整っていないことにある。子どものHIVの状況を知らなければ、必要な治療がなされることはほとんどない。そのため、特に若者を取り巻く状況は深刻である。15歳から19歳の若者のHIV感染率は、0歳から14歳の子どもを上回る。主な要因は避妊せずに性行為をしたことにあり、特に女子の感染率が高い。

同国のオサギエ・エハニレ保健大臣Osagie Ehanire は、HIV/AIDSはナイジェリアの深刻な問題の一つであり、経済に悪影響を与えていると述べるとともに、問題は支出が不十分であることだと指摘する。実際、抗ウイルス治療へのアクセスを持っている人は半分にも満たず、約半分の人は自分のHIVの状態も知らないまま病気を抱えている。

政府は相変わらずHIV陽性者の人口や感染率を控えめに発表しているが、状況は深刻化している。ナイジェリア政府は早急に、HIV/AIDS対策に対する態度を変える必要がある。そのためには、保健省が啓発運動を拡大させなければならない。特に農村地域での性に関する教育の普及、すなわち避妊せずに性行為をするリスクの周知が重要である。なぜなら避妊をしないまま性行為をしたことによるHIVの感染率は80%に及ぶからだ。ナイジェリアがしなければならないことは、新たな感染を防ぎ、ウイルスを抱えた人々の生活を向上させることである。

原題:Nigeria and the HIV/Aids Burden
出典:This Day
日付:2017/12/20
URL:http://allafrica.com/stories/201712200479.html


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ウガンダ:HIV治療における「検査と治療」への準備はできているのか
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【2018年1月6日 カンパラ(ウガンダ)発】ある調査によると、もしHIV陽性反応が出た人がただちに抗ウイルス治療を受けることができれば、HIV感染拡大を防ぎ、2030年までにHIVの流行を阻止することができる。2015年11月にWHOが発表したガイドラインは、HIV陽性者、すなわちHIVに感染している人はすべからく、病状の段階にかかわらず抗ウイルス治療を受けるべきという内容であった。それに従い、多くの国が「検査即治療」test and treatを導入してきた。

アフリカにおいては、ボツワナが突出して「検査即治療」の普及に成功している。ウガンダでも、多くの医療機関で「検査即治療」が取り組まれた。しかし、複数の大学との連携による地域調査によれば、「検査即治療」の普及に際してウガンダは極めて多く障害を抱える。

中でも最大の障害が、抗ウイルス薬の不足である。継続した抗ウイルス薬の供給は「検査即治療」の普及の要であるにもかかわらず、ウガンダでは、3か月分の抗ウイルス薬を受け取っていた患者は、2週間分の処方に減らされてしまう。

吉報は、ウガンダの米国大使であるデボラ・マラク氏 Deborah Malac が抗ウイルス薬購入費としてウガンダ政府に1800万ドルの資金援助を申し出たことだ。対外援助へ頼ることは問題だが、ウガンダのエイズ信託基金(ATF)の自立運営を待つ猶予はない。

抗ウイルス薬が不足する原因は「検査と治療」が広まり薬の需要が増えたことだと言われているが、他にも要因はある。慢性的な医療従事者の不足は深刻な問題である。患者の数が増えたにもかかわらず、医療従事者の数は変わらないか、むしろ減少している。一部の医療機関では、医師や看護師は過剰な労働を伴う抗ウイルス治療への配属を避ける者もいるという。結果として、患者の待ち時間は長くなっている。

ウガンダには次のいずれかの行動が必要だ。「検査と治療」を導入する体制が整っているか評価すること、あるいはスムーズな導入のために政府や寄付団体の出資を倍増させることである。これは、「検査と治療」の普及を批判することではなく、計画的で実現可能な戦略を考える一歩になる。

また、治療の差別化もHIV治療の需要増加への重要な対処方法の一つである。つまり、安定的な患者の診療回数を減らし、状態が深刻な患者への治療に専念することだ。この方法もまた、ウガンダにおける「検査と治療」普及に有効な戦略となるだろう。

原題:Uganda: Is Uganda Ready for ‘Test and Treat’ in HIV Fight?
出典:The Observer
日付:2018/01/06
URL:http://allafrica.com/stories/201801060098.html

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(ジンバブウェ)イスラム教徒の人々が性感染症の感染率が最も高いと
ジンバブウェ・エイズ委員会が発表
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【2018年1月2日】ジンバブウェの国家エイズ委員会は、北東部に位置する東マショナランド州ムレワにおけるイスラム教徒の性感染症が、毎年少なくとも3000症例あるとする報告書を発表した。

発表は、首都ハラレで開催された性感染症予防のワークショップの場で、国家エイズ委員会の東マショナランド州担当のエデウェル・ムガリリ氏 Edewell Mugaririによって行われた。

2016年まで5年間にわたって、この地域が他の周辺地域と比較し感染率が高い要因を人口動態、社会学や、行動学の視点、経済的背景から調査してきた。その結果、濃密で閉鎖的なコミュニティであることが大きな要因であることがわかった。

ムガリリ氏によると、当該地域のイスラム教徒が性感染症に感染している割合が73%であったのに対して、伝統主義者は67%、無宗教の人は66%であったという。

また、初等教育しか受けていない人々は、高等教育を受けている人々に比べ性感染症率が高いこともわかった。

また職業別では、セックスワーカーの感染率が高く、次いで販売員(店員)、農業従事者であるが、彼らは国境をまたいで日雇いで商売をしている。

HIV対策の関係者らは2030年までにエイズを終わらせることを念頭に議論しているが、ジンバブウェはいまだに感染率が高いままである。

会場では、保健・児童ケア事務局長のジェラルド・グウィンジ氏Gerald Gwinji のスピーチが代読され、今回のような研究は重要であるので財政的支援を行っていくとし、一方で低コストで効果的な介入ができるような研究成果を求めた。

ジンバブウェでは、少なくとも130万人がHIV陽性者である。そして毎年、何千人以上もの人々が性感染症にかかっている。


原題:Zimbabwe: Muslims Top Murewa STIs List, NAC Report Says
出典:New Zimbabwe
日付:2018/01/02
URL:http://allafrica.com/stories/201801020136.html

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編集後記
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先週末、厳冬のソウルを訪ね、韓国でグローバルファンドへの政府の資金拠出の増額に向けて働きかけをしているNGOの代表たちと会いました。また、2011年のプサンでのアジア太平洋国際エイズ会議(ICAAP)の事務局で働いていた青年にも、数年ぶりに会い、最近の動向を聞きました。韓国は「キャンドル民主革命」で前の政権が打倒され、新たな政権が誕生しましたが、エイズなどの問題については、まだ状況は動いていない、しかし、「将来に向けて、希望が持てるようにはなった」というのが大方の答えでした。2011年の国際会議の際には、日本と比較してもLGBTやHIV陽性者の置かれた状況は格段に厳しく、しかも明日への展望も持ちにくい状況だったのに対して、今は前向きになれるという点では少なくとも状況の改善がみられるようでよかったのかな、と思いました。(稲場)

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