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地球規模の広がりを見せるHIV/AIDS問題。アフリカなど途上国を中心に、現状と国際社会、市民社会の取り組みの最新情報を伝えるメールマガジン。

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(GAU334号)途上国の治療アクセスの野心的な目標、国家予算に反映されず

2018/01/21

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★「第334号」目次

●対策・課題別記事、アフリカ以外の地域別記事
・治療に関する野心的な目標が案件パフォーマンス枠組みに反映されていない=グローバルファンドの「案件承認委員会」が懸念を表明
・(スイス)ジュネーブのNGOが運営する安全な薬物注射センターをUNAIDS理事会メンバーたちが見学
・移行国における「鍵となる人口集団」へのサービスの持続性について調査するツールが開発される
●アフリカの地域別記事
・(ナミビア)学校での HIV 検査の義務化が効果的な施策となりうる可能性
・(ケニア)大きな進歩と残された課題
・(ケニア・ウガンダ)ケニアとウガンダで注射できるHIV薬の試用が行われる
-----------------------------------Vol.18 No.10 ---------------

◆発 行:(特活)アフリカ日本協議会
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<対策・課題別・地域別(アフリカ以外)記事>
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治療に関する野心的な目標が案件パフォーマンス枠組みに反映されていない=グローバルファンドの「案件承認委員会」が懸念を表明
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【2017年12月13日】途上国の三大感染症対策に資金を供給する国際機関、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)の「案件承認委員会」Grant Approvals Committee, GACは、各国の国家プログラムは抗レトロウイルス治療ART拡大の継続という目標を設定しているが2017-2019年の予算が制限されているために活動計画に反映されていないことを懸念している。

GACは、会議に参加した技術パートナー(国連合同エイズ計画 UNAIDS、ストップ結核パートナーシップ等)が、各国の予算にかかわらず新規患者に対してARTへ参加させる必要性を主張しているが、このアプローチではグローバルファンドにとってリスクが非常に大きいと述べている。目標や予算以上に患者をARTに参加させる傾向は、国家レベルですでに環境の整ったARTプログラムを運用しているHIV高蔓延国や、とくに地域内の平均よりもART普及率が低い国、また、GF予算が継続的に減っている国で見られる。

また、案件承認委員会は、予算制約の中で治療受け入れ患者を増加させると、全体として現在の治療水準を維持することが難しくなり、在庫切れや薬剤耐性のリスクが上昇する、と述べている。治療患者数を増やすことは予算増加を意味するため将来的や支援に影響を与えることとなる。

GACは、特にエチオピア、ケニア、モザンビークの予算案を問題としている。エチオピアはARTや薬剤耐性結核治療予算が増加しており、しかも全額GF予算に依存しているため、国が主体的に関与し国内予算を割り当てない限り治療活動の継続は難しくなるだろうと危惧している。また、ケニアはART拡大を掲げているにもかかわらず極端に少ない予算案となっており、そのギャップの大きさが懸念材料となっている。モザンビークもケニアと同様だ。

「案件承認委員会」によると、各技術パートナーは以下のように考えている:グローバルファンドはいかなる状況でも通常と同じビジネスに徹するべきであり、新規患者増加による治療ギャップのリスクは低い。しかしながら、不確実な将来の資源に基づく治療拡大計画には懸念を示している関係機関も多いことから、「案件承認委員会」は本件についてグローバルファンドの上層部に伝達してリスク回避のための対応を求めることを決定した。

また、案件承認委員会は上記3か国について、グローバルファンド事務局やパートナーに対し資金ギャップを解消して活動が継続できるように協力するよう提言した。その結果、エチオピアでは自国の予算を保健関連支出や必需品の購入により多く充てられるよう改善することとなった。

この様な事例は今に始まったことではなく、CCMが十分な資金を介入政策に投じることができていないことが生じている。国際エイズ・サービス組織評議会ICASOと東アフリカ全国エイズ・サービス組織ネットワーク連合EANNASO (Eastern Africa National Network of AIDS Service Organizations)は、2017年6月に発行した論文の中で、グローバルファンドのHIV予防への投資が減少している中、目標達成には予算増加が必要不可欠であり、現在まで継続的にARTを受けている患者の抗HIV薬のほとんどはグローバルファンドの予算で賄われていることを強調すべきだ、としている。

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原題:Ambitious National Targets for Getting People on Treatment Often Not Reflected in Grant Performance Frameworks, GAC Says
出典:AIDSPAN
日付:2017/12/13
URL:http://www.aidspan.org/gfo_article/ambitious-national-targets-getting-people-treatment-often-not-reflected-grant
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(スイス)ジュネーブのNGOが運営する安全な薬物注射センターをUNAIDS理事会メンバーたちが見学
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【2017年12月19日 ジュネーブ(スイス)発】
スイスの国際都市ジュネーブにある、活気に満ちたジュネーブ駅の向かいには、「プラットフォーム9」と呼ばれるライムグリーンの建物が建っている。そこには、NGOによって運営されている、薬物使用者の注射薬物使用を管理するセンター「プラミア・リニ」Premiere Lingneである。プラットフォーム9は薬物使用者のためのハームリダクションなどのプライマリーヘルスケアも提供しているドロップインセンターである。国連合同エイズ計画The joint United Nations Programme on HIV/AIDS: UNAIDSの41回目のミーティングにおいてスイス政府は、UNAIDSの理事会メンバーをセンターに招待した。スイスの国連大使であるヴァレンティン・ゼルウェガー氏Valentin Zellwegerによると、スイスはヨーロッパの中で薬物使用者のHIV罹患率が最も高い国の1つであったため、予防・治療・ハームリダクション・法の強化の4つの柱となる政策を導入した。その結果、薬物使用者のHIV感染率は急激に減った。

スイスの前大統領であり現ドラッグポリシーのグローバル委員会の会長であるルース・ドレフス氏Ruth Dreifussはハームリダクションと薬物の合法化が感染拡大を防ぐことを証明したと述べた。また、薬物使用は公衆衛生の課題として扱われるべきであることを促した。これを受けてUNAIDSの事務局次長であるルイス・ローレス氏Luiz Louresは、スイスの政策はハームリダクションに対して革新的で多方面的なアプローチであると賞賛した。また彼は、UNAIDSはこのような証拠に基づき、人権をベースにしたエイズ対策を進めていくと述べた。

以下、発言の引用
 薬物使用者の女性は特に複雑である。金銭と薬物目的で性行為を行っている彼女らを保護する必要がある。=「プラットフォーム9」 コーディネーター マーティン・バウディンMartine Baudin
 
警察としての我々の役割は判決を下すのではなく、実用的で現実的なアプローチを採用することで薬物の過剰摂取を減らし、公衆衛生を改善することだ。 =ジュネーブ州司法警察庁長官フランソワ・シミュツ Francois Schmutz

 薬物使用を公衆衛生上の問題として扱うことにより、スイスが薬物使用者間でのHIV感染率が劇的に減らしていることをしめす。今回の訪問は我々の政策がどのように実施されているのかを証明した。国連スイス大使ヴァレンティン・ゼルウェガー氏Valentin Zellweger

 エビデンスに基づきかつ人権をベースにした政策とサービスは薬物使用者と一般のコミュニティー全体のニーズを満たす。UNAIDS事務局次長ルイス・ローレス氏Luiz Loures

原題:Premiere Lingne in Geneva showcases Safe Injection Centre to UNAIDS Board Members
出典:UNAIDS
日付:2017/12/19
URL:http://www.unaids.org/en/resources/presscentre/featurestories/2017/december/20171219_quai9

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移行国における「鍵となる人口集団」へのサービスの持続性について調査するツールが開発される
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【2017年12月12日】経済成長などにより上位中所得国 Upper Middle Income Countryとなった国などは、グローバルファンドの資金から自国の資金への「移行」が求められている。これら「移行国」の市民社会組織(CSO)において、「鍵となる人口集団」に予防と治療サービスを提供するという役割の持続性について評価するために、CSOのための診断ツール(Diagnostic Tool on Public Financing of CSOs for Health Service Delivery、あるいは“社会契約診断ツール(SCDT)”とも呼ばれる)が開発された。

このツールは、病気によって最も影響を受ける集団にサービスを提供する市民社会の組織CSOが政府のリソースを使用するに足るかどうか評価するために使用される。

ツールは、(a) 当該市民社会組織CSOが合法的に国に登録されているか、(b)政府から助成金を受けるために機関としての規定が存在するか、(c)登録されたCSOは鍵となる集団の流行対策のために政府の助成金を使用しているか、(d)登録されたCSOは有意義な活動を行っているか、という点について助言している。たとえ国が合法的にCSOを認めて政府資金を拠出したとしても実行できる介入には限度があるため、これらは重要な点である。

ツールの分析セクションでは以下の包括的な質問に対する考えを示している。
・政府助成金という観点で良い点は何か。どのような前例が実施されているか。
・社会契約の効果的な実行に対する障害は何か(法律、社会システム、技術、ヒューマンリソースなど)。
・社会契約を改善させるための提案は何か。
・改善のために必要な活動は何か。どのように進捗をモニターし、評価するか。

ツールはラテンアメリカとカリブの国々で試行された。パナマ、パラグアイ、ドミニカ共和国では、移行準備評価(TRA)の一部として用いられ、分析はTRA報告書の付録となった。ギアナでは、ツールはCSOへの公的融資の可能性を評価するために用いられた。

これらの国々の分析では、CSOへの助成プロセスの問題、保守主義と同性愛嫌悪といった構造的な障害や、鍵となる人口集団に対応した資金の割当てが保健省にないなどの問題点が示された。これらの課題に対し、分析では、HIV関連のサービスとプログラムの計画から会計までのメカニズムの構築に多くの関係者を巻き込み、オープンで透明なシステムを構築すること、保健省やCSOのスタッフのトレーニングと技術支援、国際基準に従った、国の技術的なガイダンスを構築することを推奨している。


様々な状況にも関わらず、多くの評価と助言がなされたことは興味深い。しかし、鍵となる人口集団の意見を代替するCSOの能力、現在助成金を受けているコミュニティヘルスプログラムの持続性についての評価など、このツールにも限界があることを認識すべきだろう。

政府がすぐに鍵となる人口集団に特化した組織やプロジェクトに資金を助成するという考えは現実的でないかもしれない。

AidspanはGFOの持続性と移行に関するトピックを今後も掲載することを計画している。

原題:Tool Developed by Global Fund and APMG Health Used in Transitioning Countries to Assess Sustainability of Services for Key Populations
出典 :aidspan
日付:2017年12月12日
URL: http://www.aidspan.org/node/4453

<地域別記事(アフリカ)>
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(ナミビア)学校での HIV 検査の義務化が効果的な施策となりうる可能性
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【2017 年 12 月 22 日ウィントフック(ナミビア)発】アフリカ南部の最近の NewEra 誌のインタービューで、前駐ナミビア米国大使のトーマス・ドートン氏 ThomasDaughtonは、ナミビアの学校での HIV 検査義務化の重要性について語った。

「我々は、学校での HIV 検査の義務化について保健省と話し合った。ナミビア政府は、HIV 検査の義務化に乗り気ではない。ボツワナは、同じくHIV の脅威に苦しむ国で防疫を達成しつつあるが、学校での HIV 検査を義務化している」とドートン氏は述べた。

ナミビア政府は、若者に生き方を伝授する介入方法には無頓着であるから、HIV 検査の義務化には熱心でない、と同氏は指摘した。HIV 対策でナミビアが直面している課題の 1 つは、15 歳から 29 歳までの男性が HIV 検査を自発的に受けないことだ。同じ年齢層の女子は HIV 検査に抵抗のない一方、HIV 検査を受ける 15〜19 歳の男子は非常に少ない。負傷したり症状が深刻になったりしない限り、10 代の男子は医療機関に行こうとしない。

大半の保護者は、子どもが HIV 検査を受けることに何ら不満を持っていない。HIV 検査について保護者に相談することは、保護者の目の届かないところで何をしているか遠回しに伝わることが、10 代の若者――特に、男子の HIV 検査の低い受診率に影響している。ナミビアでは HIV が依然と死因の第一位を占め、平均 3,900 人の人びとが毎年命を落としている。15〜49歳の HIV 疾患率は、13.3%である。10 代の男子が HIV 検査を自発的に受けるよういくつか働きかけがある。HIV・エイズ問題の親善大使を務める歌手の TheDogg は、若いファンに HIV 検査を受けるよう呼びかけている。また若者が HIV 検査を受けるよう促すために、アメリカ政府は来学期に学校で教えるピースコープのボランティアが、HIV 検査の重要性を生徒に教えるようカリキュラムを組んだ。

課題はあるが、ナミビアは HIV・エイズとの闘いに大きな進歩を遂げ、エイズを管理下におくまであと一歩というところまできている。これまでに、主要人口に含まれるセックスワーカー、男性とセックスをする男性、トラック運転手に働きかけて HIV 検査を受けてもらうことに成功している。
原題:Namibia: Daughton Suggests MandatoryHIV Testing for Learners
出典:NEW ERA
日付:2017/12/22
URL:http://allafrica.com/stories/201712220547.html

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(ケニア)大きな進歩と残された課題
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【2017年12月27日発】
世界保健機関(WHO)は、世界的なHIV /エイズの感染拡大を終わらせるため、 2020年までに、HIV陽性者のうち90%が自らの感染を知り、そのうち90%が抗レトロウイルス治療を受け、さらに治療を受けている人の90%が体内のウイルス量を検出限界以下にするという、明確な目標を提示している。また2030年までには、新規感染をなくし、エイズ関連死をなくし、そして差別へ偏見をなくす、とも述べている。

ケニアでは、成人間での新規感染の減少、予防内服の供給、経口HIV自己検査の供給といった進歩がみられた。しかし、思春期の女性や若い女性、女性のセックスワーカーや男性とセックスする男性(MSM)の新規感染を減らすためには、さらに取り組みを進める必要がある。

●新規感染を少なくし、治療を受ける人がより多くなる。
ケニア最新のHIVプログレス・レポートでは、新規感染は減少している。また、2017年に抗レトロウイルス薬治療を受ける人は4年前より40%多くなった。そして現在、ケニアにおける150万人のHIV陽性者のうち66%が抗レトロウイルス治療を受けている。目標は、2020年までに少なくとも90%が治療を受けることだ。

●HIV自己検査戦略
ケニアにおける今年最大の変化は、経口HIV自己検査に関するガイドラインの導入だ。この目的は、検査を受ける人の数を増やし、HIV陽性者を受診と治療に結び付けることだ。自己検査用キットは、7月から公的及び私立医療機関、いくつかの郊外にある薬局で利用可能となっており、助成を受けて供給される。
これまでにHIV検査を受けたことのあるケニアの成人数は、2008年から2016年の間に、約4分の1から半数まで増加している。しかし、MSMやセックスワーカー、思春期の男女は、受検率が低い。自己検査により、偏見と差別を避け、受診へと結びつけるのを可能にする。ただし、検査前後のカウンセリングができないといった、いくつかの問題がある。カウンセリングを受けなければ、治療や受診を求めないかもしれない。しかしこれは、人々の家庭をフォローアップしているコミュニティーヘルスボランティアによって解決しうる。彼らはすでに家族計画や妊産婦の健康、子供の健康をサポートしており、自己検査によって陽性だとわかった人々を援助することが可能だ。

●予防投薬
ケニアは、曝露前予防投薬(PrEP)の使用に関するガイドラインも発表した。これは、膣リングやゲルなどいくつかの形がある。最も一般的なのは、毎日服用する錠剤だ。PrEPは、HIV陰性である高リスク群の人々の感染を防ぐために投与される。高リスクとは、片方のパートナーはHIV感染しているが、他方のパートナーはHIVに感染していないカップルや、セックスワーカーだ。

●若者の間での感染の警告
世界のHIV新規感染の半数以上は、15歳から24歳の若者だ。ケニアでもこの年齢層が、2016年までにHIV新規感染の51%を占めた。2013年の29%から急増している。また、ケニアで唯一新規感染が増加している年齢層でもある。なぜなら、若者はウイルスや感染の可能性を高める行動に関する知識がないからだ。また、しばしばアルコールの影響かでセックスをするが、それが結果として決断力を低下させる。さらにこの年齢層の女子は、年上の人と何かと引き換えに性交渉を要求されることもある。

原題:Kenya: HIV Progress Report - Good Progress, But Also Big Gaps
日付:2017年12月27日
出典:AllAfrica
URL:http://allafrica.com/stories/201712280466.html

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(ケニア・ウガンダ)ケニアとウガンダで注射できるHIV薬の試用が行われる
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【2017年12月20日 ナイロビ(ケニア)発】
ウガンダとケニアで性活動が活発な女性に向けて、長期作用のある曝露前予防薬(pre-exposure prophylaxis: PrEP)の注射による投与が試験的に実施されようとしている。HPTN084と呼ばれるこの試験はボツワナ、マラウイ、スワジランド、南アフリカ、ジンバブエでも実施され、抗レトロウイルス薬であるカボテグラビルを8週間に1度注射することでHIV感染のリスクのある女性を守ることができるかどうか調査する。

注射剤であるカボテグラビル(Cabotegravir:CAB)はARVであるテノホビル/エムトリシタビン配合剤よりも良いものと考えられている。現在PrEPとして服用できる薬は毎日経口で飲むツルバダのみである。アフリカの国々の中でケニアと南アフリカのみは、PrEPがHIV感染のリスクの高い人への予防対策の1つとして実施されている。HPTN084はHIV陰性者で且つ性活動が活発な女性を登録する。参加者ランダムに注射型CABかテノホビル/エムトリシタビン配合剤のいずれかに割り当てられる。この二重盲検法と呼ばれる方法は参加者も研究者のどちらも参加者がどちらの薬を受け取ったのか把握はしない。

米国の「全国アレルギー・感染症対策研究所」の長官であるアンソニー・ファウシ氏Anthony Fauciはこの新しい研究によって新しいHIV予防ツールの効果をテストできると話した。日常的に薬を服薬することは難しく、長期作用型の注射はより簡単で望ましいものである。現在のデータでは、経口摂取のツルバダを飲む女性は一度の飲み忘れも許されず毎日服用しなければ効果が続かないことを示している。注射型CABは女性が避妊の際に様々な避妊法を選べるようにHIV予防ツールを選ぶことを可能にした。また、HPTN084は女性のCABに対する意見、つまりそれが女性にとって望ましく、使いやすいものかどうかを調査するための試験でもある。どのタイプのHIV予防ツールが女性にとってベストなのか把握することはHIV予防研究の更なる発展を促し、安全且つ効果的なツールを届けることを可能にする。

 試験は南と東アフリカの7カ国20の場所で約3200人の18歳〜45歳の女性を対象に実施する。女性はCABグループかツルバダグループにランダムに分けられ、試験参加者も研究チームもどの女性がどのグループなのかは試験終了まで把握できない。参加者は平均3.6年間試験に参加し、最初の5週間は毎日CABかツルバダ、そして偽薬の2つの薬を飲む。6週目の始めからCABグループの参加者はCABの注射と偽薬を毎日服薬し、一方ツルバダグループの参加者は偽の注射とツルバダを毎日服薬する。始めの2度の注射は4週間ごとだがその後8週間に1度になる。すべての注射が完了すれば参加者は48週間のPrEPとツルバダを摂取することになる。結果は2022年になる。もしCABがHIV感染の予防ツールになると証明されれば長期作用型注射が新たなHIV予防ツールになり得るだろうとHPTNの長官であるマイロン・コーヘン氏Myron Cohenは話した。

原題:East Africa: Uganda, Kenya Carry Out New Trials in Injectable HIV Drug
出典:The East African
日付:2017/12/20
URL:http://www.theeastafrican.co.ke/scienceandhealth/Uganda-Kenya-carry-out-new-trials-in-injectable-HIV-drug-/3073694-4236652-ir7lkdz/index.html

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編集後記
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本年初めての「グローバル・エイズ・アップデート」はいかがだったでしょうか。私は出張先の韓国で発行作業に当たっているところです。韓国ではいろいろびっくりすることがありました。全州や光州といった地方都市でも、駅のロッカーには「指紋認証」が導入され、預けるときに登録した指紋と一致すれば開けてくれるというもので、いうことで、鍵もいらないのです…。技術の進歩に、良くも悪くもびっくりしました…。
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