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地球規模の広がりを見せるHIV/AIDS問題。アフリカなど途上国を中心に、現状と国際社会、市民社会の取り組みの最新情報を伝えるメールマガジン。

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(GAU327号)英国、グローバルファンドへの拠出増の一方、エイズへの二国間援助を削減

2017/10/10


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★「第327号」目次

●対策・課題別記事、アフリカ以外の地域別記事
・(ケニア)グローバルファンドの資金と援助吸収能力の課題:アフリカからの声
・一部諸国がグローバルファンドの資金を十分吸収できない理由
・グローバルファンドへの拠出を増やしつつ、エイズ対策の二国間援助を減少させる英国
・1996年から2015年までのカナダ・ブリティッシュ・コロンビア州のエイズ政策の変遷を見る
●アフリカの地域別記事
・(ウガンダ)新たなHIV治療モデルで病院の混雑を緩和する
・(ナイジェリア)宗教指導者がHIV・エイズの終結に男性の参加を促す
・(南アフリカ共和国)副大統領、東ケープにHIV・エイズセンターを開設
-----------------------------------Vol.18 No.03 ---------------

◆発 行:(特活)アフリカ日本協議会
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<対策・課題別・地域別(アフリカ以外)記事>
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(ケニア)グローバルファンドの資金と援助吸収能力の課題:アフリカからの声
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【2017年9月5日、ナイロビ(ケニア)発】 途上国の三大感染症対策に資金を攻究する国際機関、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)の資金で三大感染症の案件を実施している国の一部においては、事務局および各国の両方に存在する能力不足によって、その資金が十分に活用されていない事態が続いており、結果としてグローバルファンドの資金によって提供されているサービスの適用範囲が狭くなり、また、プロジェクトの質の低下も招いている。

本年5月に開催されたグローバルファンドの理事会に先立って、アフリカ地域選出の理事たちは、各国におけるグローバルファンドの資金の吸収能力について疑問を呈した。これはアフリカの一部諸国が直面する深刻な問題で、活動への介入機会を逃す前段階で、資金の有効活用に関する課題が治療薬やその他の必需品の調達計画に影響を与えていることを意味している。東・南アフリカ地域代表理事のサイソン・ナマガンダ氏 Syson Namagandaは、この問題について強く改善を求めることによって、緊急に対応する必要のある問題に集中することができるようになり、問題解決へ進むことができる、と述べる。

「資金吸収能力の問題はアフリカ地域全体の問題である。多くのアフリカ諸国は経済面で問題を抱えており、保健分野への国内予算だけでは各国が直面する様々な保健医療問題へ対応できないため、グローバルファンドの資金にその多くを頼らざるを得ない」とリベリアの保健大臣でグローバルファンド理事会の西・中央アフリカ地域代表理事のバーニス・ダーン氏Bernice Dahnは述べている。即ち、この現状が事態をより深刻にすることにつながっており、2014-2016年に投入された資金のうち、少なくとも11億ドルがまだ使用されていない、と推定されている。

また、グローバルファンドの資金は、同じプロジェクトの継続であったとしても、次の資金拠出期間へ繰り越しをすることができないという問題がある。現状までに、アフリカ34か国において拠出資金のうち65%しか運用されていない実態がある。資金吸収能力も実施国の48%において弱体であるとの報告もある。ダーン氏は、このことは今に始まったことではないと述べ、むしろ資金吸収能力不足により活動へのインパクトが減少し、また活動そのものが停滞してしまうことを懸念している。

弱い資金吸収能力はグローバルファンドの資金による治療薬やその他物品の供給能力を落とす。資金が活用されなければ重要品目の在庫切れが起こりうるが、保健財政が限られている国にとっては、グローバルファンドの資金無しには、その埋め合わせは不可能に近い。グローバルファンドの理事会のうち、案件実施グループ Implementers Group の議長を務めているアラン・マレシェAllan Maleche氏は、「資金吸収能力が弱ければ、将来の資金提供にも悪い影響を与えるだろう」と述べる。グローバルファンドの理事会の議席の半分を占める案件実施側(途上国政府代表理事およびNGO・コミュニティ代表理事)でつくる案件実施グループは非公式のネットワークであるが、案件実施国側の要求をまとめる活動を実施している。

原題:Failure To Absorb Global Fund Money: African Constituencies Sound the Alarm
出典:Aidspan
日付:2017/9/5
URL:http://www.aidspan.org/node/4325

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一部諸国がグローバルファンドの資金を十分吸収できない理由
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【2017年9月19日】 途上国のエイズ・マラリア・結核対策への資金拠出を行う国際機関であるグローバルファンドがこの5月に開催した理事会において、アフリカ諸国の選出理事から「グローバルファンドの資金が十分に案件実施国に行き渡るためには、国レベルで生じる問題を含めた、幅広い分野における課題を明らかにすることが必要である」と指摘がなされた。

グローバルファンド事務局と案件実施国の資金受入責任団体 (Principal Recipient) は、資金供与契約の締結時に資金供与スケジュールも決定するが、この供与が遅れると、資金受入責任団体はプログラムの実施が滞り、その結果資金が無駄となってしまう。

アフリカの代表理事らは、資金供与の遅延の原因に注目すべきだと述べた。国レベルでは以下4点を挙げた;(a)人材確保の問題、(b)物資受入の難しさ、(c)データ収集と分析とのギャップ、(d)グローバルファンドに関連した活動に使われる施設がずさんに建設されたものであることが多い、というのが挙げられた理由である。

(a)人材
2013〜2016年に中西部アフリカ代表をつとめたイブラヒム・タジュディーン・オライタン氏 Ibrahim Tajudeen Olaitanは、グローバルファンドの規準に合致した人材が確保されたPRや事業実施団体(sub-recipients:SR)が不足している国があると指摘した。人材に関する問題が上部に伝わらなければプログラムは成功せず、人材が規準を満たすように時間をかければプログラムの実施も滞る。

グローバルファンド理事会の東部・南部アフリカ代表理事の一人であるグレース・ルワカレマ Grace Rwakaremaは、国レベルの保健システムの財務能力について指摘した。グローバルファンドが保健施設に供給した医薬品や物品が適切に記録されていないことから、グローバルファンドが定めた盗難防止のための厳しい基準を満たす人材が確保できない国があるという。すべての物資の流れが適切に報告されるまではグローバルファンドの資金供与は遅れてしまうのだ。

(b)物資受入
ルワカレマ氏は上記の問題は、物資の入手に関する問題にも繋がると述べている。政府が契約書にサインしても、報告期限までに物資を受け取れていないといった状況があるという。これは会計システムをより悪化させ、資金報告時にも問題が生じるため、さらに資金供与が遅れることになる。

(c)データ収集と報告
東部・南部アフリカ代表理事のシソン・ナマガンダ・レイン氏 Syson Namaganda Laingは、「データ不足で予算過多や過少が生じてしまう。予算過少はより深刻で、PRやSRが事業を完了できない。事業を実施するために他の資金を調達しようとしたり、プロジェクトを見直すなどでさらに資金供与は遅延する。この解決策として、グローバルファンドの資金を、データ集積と分析のために強化したシステムのための投資に限定すべきだ」と述べた。

アフリカ諸国で資金を獲得できる能力について、アフリカ人口と保健調査センター2016年報告書を執筆した、アブダラ・ジラバ氏 Abdhalah Ziraba は、ドナーからの資金は限られているため、受益国政府はデータ収集や資金獲得のシステムにあるギャップを補強するような責任があると述べている。

(d)施設
医薬品や医療品などを保管する施設は、たとえ契約されたものであっても、厳しい基準を満たさなければならない。基準に達していなければ、施設が改善されるまで資金供与は遅れることになる

予想される国別評価
東部・南部アフリカ代表理事、西部・中部アフリカ代表理事らは、予想される国別評価Prospective country evaluations(PCEs)を実施するために、2016年に技術評価・リファレンス・グループTechnical Evaluation Reference Group(TERG)によって導入された新たな取り組みに強い期待を抱いている。PCEsは、グローバルファンドが支援するプログラムの実施、効果やインパクトの全体像を提示する体系的評価である。

原題:Identifying and Solving Country-level Impediments to Full Absorption of Global Fund Money
出典:Aidspan
日付:2017/09/19
URL: http://www.aidspan.org/node/4340

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グローバルファンドへの支援拠出を増やす一方、HIV対策への二国間支援を大幅に減額する英国 
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【2017年9月19日 ナイロビ(ケニア)発】 英国のHIV関連NGOのネットワークであるストップ・エイズ同盟 STOP AIDS Alliance によると、英国のエイズに関する援助は、多国籍機関や、特にグローバルファンドへの資金が増額されている一方で、二国間援助の資金が減少しているという。

ストップエイズ同盟は、HIVに関する国際開発省の業績の「棚卸し調査」という新しい報告書を公表した。報告のなかで英国は、前回の増資会合において、グローバルファンドへの拠出金を増額したが、国連合同エイス?計画 UNAIDSや途上国でエイズ・結核・マラリアの治療薬の安定・低価格の供給を支援する、WHOに関連した国際機関であるユニットエイド UNITAIDへの拠出金の金額は変えず、HIVに焦点を当てた二国間援助計画については、相当の減額を行ったとしている。

ストップエイズ同盟によると、国際開発省のHIVに対する資金は、2012年から2015年の間で総額22%減少したという(4億1600万ポンド(約627億円)から3億2400万ポンド(約489億円))。特にHIVに焦点を当てた二国間援助は、ピーク時の2009年の2億2100万ポンド(約333億円)から2015年には2300万ポンド(約35億円)まで減少した。

「二国間支援の減少額は、グローバルファンドに対する支援の増額と相殺されている」とストップエイズ同盟は指摘する。市民組織への支援は特にひどい打撃を受け、2011年の3000万ポンド(約45億円)から2015年には800万ポンド(約12億円)にまで激減した。市民社会組織と英国議会は、英国はかつてHIVに対する経済的主導権を握っていたにも関わらず、国際開発省のHIVに対する貢献は減少し続けていると懸念を示している。

国際開発省はHIV関連のほとんどの二国間支援計画を終了し、もはやそれに関する役職や戦略もなくしてしまった。HIVに関して議論されるハイレベル国際会合での英国の存在感も、近年薄くなっている。

エイズに関する多国間援助の増額は、世界的なHIV対応への国際開発省の援助総額の増額で成り立っている。多国籍拠出の割合は、2012年には全体支援額の25%だったが、2015年には57%まで増加した。

2016年の英国の多国間開発に関する論評によると、3つ全ての多国籍機関―――グローバルファンド、国連合同エイス?計画、ユニットエイド―――はうまく機能しているという。「英国は、グローバルファンドは非常に卓越した結果を、ユニットエイドも英国の開発目標に見合う『非常に良い』結果を残している、と認識している」

2016年9月のグローバルファンド第5次増資会合において英国は、前回から37%増えた11億ポンド(約1660億円)の拠出を約束した。英国は会合でグローバルファンドのことを『世界で最も効率の良い国際機関の一つ』だと言及したという。また英国は最近、国連合同エイズ計画(UNAIDS)に関する支援について、「他のドナーたちが次々と撤退している厳しい状況のなかで」、年間1億5000万ポンド(約226億円)の支援を維持すると約束したと、ストップエイズ同盟は述べた。

原題: While It Has Given Generously to the Global Fund, the U.K. Has Slashed Its Bilateral Aid for HIV, NGO Says
出典:Aidspan
日付:2017/09/19
URL: http://www.aidspan.org/node/4342 

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1996年から2015年までのカナダ、ブリティッシュ・コロンビア州のエイズ政策の変遷をみる
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【2017年9月19日】

カナダ西部のブリティッシュ・コロンビア(BC)州は、1996年に高活性抗レトロウイルス治療(Highly Active Antiretroviral Therapy:HAART)が入手できるようになってからHIVの予防および治療が劇的に進展した。しかしこのHAARTの導入からHIVの蔓延にどう対応し、予防や治療がなされてきたか、その変遷がまとめられた文献がない。このため、ある研究者グループが、社会生態学的枠組みにそって、生物医学的かつ保健的なサービス、またコミュニティや社会構造への介入についての、その歴史的変遷をレビューした。

まず1996年から2015年まで公的に入手できる報告書、ガイドラインや州の保健局、地域の保健機関、AIDSサービス機関などの文献をレビューし、また生物科学や医学に関する文献を検索できる「パブメド」Pubmedや「メドライン」Ovid MEDLINEといった検索エンジンで査読付きの文献を検索し、HIVに関する介入の変遷を追った。さらに、BC州保健局や45のAIDSサービス機関の総括する機関の代表者らにデータ収集を実施した。人口規模の保健管理データを参照することで、HIV感染の顕著な変化やHAARTの服薬、州のHIV対策などが明らかになり、BC州におけるHIV蔓延対策のキーとなる段階が確認された。

結果として175のHIVに関する予防や治療の介入が確認された。HIV/AIDSへのブリティッシュ・コロンビア州の対策には4つの段階があった。まず、初期HAART期(1996〜1999年)、ハーム・リダクション(健康被害軽減)および保健サービス拡大期(2000〜2005年)、予防としての早期治療期(2006〜2009年)、そしてストップエイズ(STOP HIV/AIDS)期(2010年から現在)である。このレビューにより、“(HIV感染を)見つけ出し、検査をし、治療と維持”などといった戦略と同様に、BC州の普遍的かつHIV治療を中心においたシステム、そして革新的な予防やハーム・リダクションなどのアプローチにおける、コミュニティ基盤のステークホルダーらの役割の詳細が明らかになった。

このレビューは、ブリティッシュ・コロンビア州のHIV対策について深い洞察を得られるものであり、これまでの各段階における優先順位が明らかになった。また、予防や治療などの介入のインパクトを評価するために、今後求められる取り組みが示唆された。

原題:A Historical Review of HIV Prevention and Care Initiatives in British Columbia, Canada: 1996-2015
出典:Journal of the International AIDS Society 2017, 20:21941
日付:2017/09/19
URL: http://www.jiasociety.org/index.php/jias/article/view/21941 

<地域別記事(アフリカ)>
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(ウガンダ)新たなHIV治療モデルで病院の混雑を緩和する
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【2017年9月13日 カンパラ(ウガンダ)発】 東アフリカに位置するウガンダの保健省は、HIV陽性者の治療継続を促すために、新たな治療サービスモデルDifferentiated Service Delivery(DSD)の採用を発表した。このモデルは、患者の服薬を促すために医療施設の混雑緩和や待ち時間の短縮に焦点を当てている。

DSDモデルは、コミュニティの患者が主体となる抗レトロウイルス薬(ARV)配布モデル(CLAD)と、コミュニティ内に医薬品保管拠点を設置するモデルの二つに分けられる。CLADモデルでは、グループの各メンバーが交代で医療機関に薬を受け取りに行く。一方、コミュニティ内に医薬品保管拠点を設置するモデルでは、一人のヘルスワーカーがコミュニティ内に薬の保管拠点を定め、医療機関から薬を受け取ってその拠点に保管する。保管拠点としては、コミュニティ内にある教会やモスク、学校、公園などが考えられる。

CLADモデルでは、ウイルス耐性を避けながら治療を継続することに主眼が置かれる。少人数の患者と一緒に治療を継続したいと希望する患者にとっては、一人の担当者のみが薬を取りに行けばいいので交通費が節約でき、混雑する医療施設で毎回長時間待つ必要もなくなる。保健省のジョーセン・キグンドゥ医師 Josen Kiggunduによると、国と地域レベルの両方ですべての医療者がDSDモデルを有効に活用できるよう訓練を受けているという。

感染症協会でウエストナイル・HIVプロジェクトのプロジェクト・マネージャーを務めるアチレ・キイムバ医師 Achilles Kiyimbaは、この新しいモデルについて次のように話している。「HIV陽性者が頻回に医療機関に足を運ぶ手間が省け、高い交通費を払ったり混雑する施設で長時間待つ必要もなくなる。HIV陽性者の数は増加しているにも関わらず医療施設や医療者の数は増加していない。過剰労働のために医療者不足の施設もある。このモデルの実施によって、医療者にとっても過剰労働が削減されることで、より質の高い医療サービスが提供できるだろう。長く待たされることを嫌って受診しない患者もいるが、これは服薬が中断することになり、ウイルスが耐性をもつことにもなりかねず危険である」

ウガンダ・エイズ・サービス組織ネットワーク(UNASO)の政策研究およびアドボカシー・オフィサーであるシルビア・ナカシ氏 Sylvia Nakasiは、「DSDは医療サービスの質を向上させ治療する患者の数を増やし、医療機関で薬を受け取りたくない患者にとってスティグマを軽減させることになるだろう。これまではボダボダ(バイクタクシー)を使ってお手伝いさんに薬を取りに行かせていたのだから」と話している。

原題:Uganda: New HIV Treatment Model to Reduce Hospital Crowds
出典:The Observer
日付:2017/09/13
URL:http://observer.ug/lifestyle/54933-new-hiv-treatment-model-to-reduce-hospital-crowds.html  

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(ナイジェリア)HIV/AIDSの終結へ、宗教指導者が男性の参加を促す
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【2017年9月14日 ジャリンゴ(ナイジェリア)発】 アフリカ西部に位置する人口大国ナイジェリアの東部に位置するタラバ州 Tarabaにおける二大宗教の指導者たちは、HIV/AIDSの母子感染をなくすために、目下、男性の参加推奨のためのあらゆる手段を講じている。聖職者たちは、自分たちはこの流行を止める重要な役割であると信じ、宗教指導者という地位を有効利用して信者の妊婦たちに出産前ケアを受けるよう促している。

「デイスター・コヴェナント・アッセンブリー」 the Daystar Covenant Assemblyというキリスト教宗派のトニー・ガルバ・ドロフィー牧師 Tony Garba Dorofiは、教会は、信者たちにHIV/AIDS関連施設を利用することの重要性を教育するために、出来る限りの策を講じているという。彼によると「教会では、妊婦は出産前健診に行くようにと常に説いており、いつも彼らをジャリンゴ専門病院へ紹介している」という。教会がその専門病院へ紹介しているのは、信者たちが様々な検査や治療を利用出来るようにするためで、横柄で「倫理感を失ってしまっている」私立病院にはかからないようにと教えているという。

教会は妊婦のために祈ることを止めるわけではないが、彼女たちも役割を果たす必要があり、「妊婦たちが出産前検診に行くことを確実にさせないといけない」と強く主張した。教会はまた、妊婦に施している経済的支援に加え、「男性パートナーたちに、出産前検診へ同行・出産に立ち会うよう促している」という。

彼はヨブ記(旧約聖書)を引用し、教会は、HIVステータスが一致していないカップルが差別なしに幸せに過ごせるよう推奨しているという。もし何か起きた時は、それ(HIV/AIDS)は死刑宣告や人生の終わりではなく、一緒に過ごすべきであると助言するという。「教会はHIV/AIDS陽性者への偏見や差別に反対しており、この世のどの病気も感染するものである。また空気感染しないHIVの陽性者を差別することは無駄である」

ドロフィー牧師と同様、同州のイスラム教指導者であるのカディル・ウマル氏は、「イスラム教ではあらゆる病気を持つ人に対しての偏見や差別に反対している」という。「私の統括するモスクでは、男性信者たちが妻の出産前検診に同行するよう促しており、アッラーのおかげでほとんどの人はそれを実行できている」彼はドロフィー牧師とは違い、信者にはどのような病院でもいいから、良い病院に行きなさいと伝えている。

彼曰くモスクは、HIV/AIDS終息のため、信者たちが全員自分のHIVステータスを知り、感染拡大を最小限にとどめ、男性の参加を促す中心的存在であるという。

上記の彼ら以外の他の聖職者たちも、連邦政府がとくに僻地や国内避難民キャンプでこのような啓発運動を強化するようにと促した。

原題: Religious Leaders Promote Male Participation in HIV/Aids Elimination
出典:The Guardian
日付:2017/09/14 
URL: https://guardian.ng/features/religious-leaders-promote-male-participation-in-hivaids-elimination/ 

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(南アフリカ共和国)副大統領、東ケープにHIV・エイズセンターを開設
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シリル・ラマポーザ南アフリカ共和国副大統領Cyril Ramaphosa は、HIVに感染した子どもを世話する人々に敬意を表した。副大統領は、「このコミュニティの中で、HIVに感染した子どもが疎外されることなく居場所があると確信できるようにしている優れた人々だ」と話した。彼は、東ケープ州のンデヴァナにあるヴヨ・ムブリ・エンピリスウェニHIV・エイズ孤児センターで述べた。

このセンターは、コミュニティ主導で、1999年に、南アフリカ放送協会のTV司会者の故ヴヨ・ムブリ氏の支援により活動を開始し、2002年に非営利団体として正式に登録された。HIV・エイズ孤児に焦点を当てたこのセンターは、抗レトロウイルス治療と結核治療の提供者とも協力している。施設は保健部門から委託され、地域内の不履行者を追跡している。

副大統領は、センターのリーダーシップは、経済活動や雇用創出を刺激する大計画を作り上げたと話し、「彼らは、我々の国家開発計画を取り込み、前向きな結果を生み出せる分野を特定している。貧困に悩まされることなく不正義が足かせとはならないコミュニティを達成するという展望に感動した」と述べた。

ステラ・ンダベニ・アブラハムズ通信・郵政副大臣Stella Ndabeni-Abrahamsは、情報通信技術を使ってケアセンターを支援するつもりだと述べた。副大統領は、これは必要性の高いサービスをコミュニティにもたらす上で重要な一歩であると話した。クリニックのコンピュータセンターは、国家情報技術庁、通信会社MTN、南アフリカ共和国ユニバーサル・サービス・アクセス庁と共同で開発する予定だと付け加えた。情報技術の差を埋め、子どもたちが知識型経済や第4次産業革命に向けて準備できるよう、このイニシアティブを他の分野でも同様にできるよう求めた。

副大統領は、「この名高いケアセンターの業務を強化し続けるために過去、現在、将来のパートナーも認め呼びかけたい」とした。加えて、政府は、素晴らしく協力的な市民であるとして、the National Lotteries Commissionを讃えた。「彼らの寛大な寄付によって、この荘厳なエンピリスウェニセンターがある。これは、運営を行うためによりよい設備の整ったセンターとコミュニティを支援する具体的な結果の一部である」と話した。

「国民健康保険は、効果的で包括的、平等な国家保健体制の基盤とされている。したがって、すべての国民に対するユニバーサル・ヘルス・ケアという理想を支援する道路のようなものであると称賛した。

原題:South Africa: Deputy President Opens Eastern Cape HIV-Aids Centre
出典:SA news.gov.za 
日付:2017/09/18
URL:http://www.sanews.gov.za/south-africa/deputy-president-opens-eastern-cape-hivaids-centre 

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編集後記
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今日から中国に出張していますが、中国で困るのはGoogleなど普段使っているインターネットサービスが利用できないことです。世の中に一つくらい、そういう国もあってもよいかも、とも思いますが、十分準備出来てないと困りますね…。結局、使えるアカウントを一つ作ってしまいました。とりあえず飛行機の中で編集したGAU327号を送ります。(稲場)

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