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グローバル・エイズ・アップデート

地球規模の広がりを見せるHIV/AIDS問題。アフリカなど途上国を中心に、現状と国際社会、市民社会の取り組みの最新情報を伝えるメールマガジン。

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(GAU323号)グローバルファンドの次期事務局長はどんな人が良い?

2017/08/14

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★「第323号」目次

●対策・課題別記事、アフリカ以外の地域別記事
・グローバルファンドの資金の現場での不正使用などの通報を促す「私は告発する!」キャンペーンが第2フェーズに移行
・東南アジアのマラリア対策案件、地域でのマラリア一掃を目指す
・グローバルファンドの次期事務局長はどんな人が良い?
・生まれてすぐHIV治療を受けた子ども、9歳になっても新たに治療を必要とせず
 ※類似記事:生まれつきHIVに感染した子どもでも症状を緩和できる

●アフリカの地域別記事
・(ウガンダ)HIV患者が飢餓と関連の合併症で死亡している
・(ナイジェリア)米国や主要ドナーによるHIV/AIDS治療への資金拠出が減少

------------------------------------Vol.15 No.22 ---------------

◆発 行:(特活)アフリカ日本協議会
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<対策・課題別・地域別(アフリカ以外)記事>
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(ケニア) グローバルファンドの資金の現場での不正使用などの通報を促す「私は告発する!」キャンペーンが第2フェーズに移行
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【2017年6月27日、ナイロビ(ケニア)発】途上国の三大感染症に資金を供給する国際機関、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)の汚職防止キャンペーン「私は告発する!」が第2フェーズに突入しようとしている。本キャンペーンの目的は、グローバルファンドの資金によって運営されているプログラムにおいて資金使用団体や事務局が資金の不正使用や汚職、人権侵害を問題にすることを促進することにある。

第1フェーズでは不正行為とは何かの理解を普及し、不正行為を特定することを目的とし、コートジボワール、マラウイ、ウクライナの3か国に焦点が置かれていた。第2フェーズではより広範囲にわたる活動実施者や事務局を対象としており、不正を特定する第1フェーズから不正防止を維持するフェーズに移行しつつある。総合監察官事務所によれば、このフェーズを通じて、グローバルファンドは恒久的に不正防止への取り組みを行っていく「第3フェーズ」に移行しつつある。OIGの担当者は、「時間はかかるが第2・第3フェーズでは不正を防止することによって資金がより有効に利用できるようにしたい」と述べている。

第1フェーズの活動の一部は第2フェーズでも継続される。

南部アフリカの内陸国マラウイでは、印刷物や公共放送等を通じて地域の人々を啓発し薬の盗難に対して声を挙げることができるよう取り組んだ。キャンペーンはOIGと米国国際開発庁(USAID)が共同で実施し、マラウイ警察とともに盗難にあった抗マラリア剤が転売されている現場を特定し、多くの逮捕者を検挙するまでに至った。しかしながら、まだ薬物の盗難・転売が横行しているため、この活動は内容を一部変更して2017年以降も継続される。

西アフリカのコートジボワールでは、認可されていない抗結核薬への需要及び供給を減らすことを目的としている。これらは、グローバルファンドの資金によって購入され、病院で処方を受けて使用されるために導入されたものであるが、現状では、これらの薬が病院で処方されることなく国内の市場で広く転売され目的外使用されており、耐性菌出現への脅威となっている。そこで、正式に処方されていない抗結核薬の使用は危険であるというキャンペーンを実施した結果、不法薬物の取引は激減、目的は達成されたため活動は第2フェーズに移行することなく終了することとなった。

ウクライナでは、薬物使用者がグローバルファンドの資金によって運営されている本来は無料のアヘン代替療法(OST)を受けるために、強制的にわいろを支払わなければならない状態が続いているとされていたが、調査の結果、広く横行しているわけではないことが判明したため、活動は第2フェーズに移行されないこととなった。

第2フェーズでの目的も第1フェーズと変わらないが、対象者をより広く設定するとともに、OIGは不正防止を認知させるための資料を4つの言語で更新している。

原題:The Global Fund’s I Speak Out Now! Campaign Enters A Second Phase
出典:aidspan
日付:2017/6/27
URL:http://www.aidspan.org/gfo_article/global-fund%E2%80%99s-i-speak-out-now-campaign-enters-second-phase 

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東南アジアのマラリア対策案件、地域でのマラリア一掃を目指す
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【2017年7月17日】途上国の三大感染症対策に資金を供給する国際機関、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)は、地域に対する包括的な支援プロジェクトとして行われている「地域アルテミシニン耐性イニシアティブ」 Regional Artemisinin-resistance Initiative の第2フェーズとして、東南アジアの大メコン圏(GMS)でのマラリア一掃を目指している。RAIは2014年に発足し、予算1億ドルで同年1月1日から2016年12月31日まで、大メコン圏におけるアルテミシニン(同地域で普及しているマラリアの治療薬の中で最も効果のある治療薬)への耐性をもつマラリア対策に向けたグローバルファンドの最も大規模な資金提供であった。当初の対象国は、カンボジアとタイであったが、のちにミャンマー、ラオス、ベトナムも含まれた。

今年初め、RAIの地域運営委員会(RSC)は、RAIの第2フェーズをまかなうために、補助金(2億4240万ドル)申請書を提出した。RSCは、大メコン圏の5カ国政府、支援者、政府間国際機関、技術パートナー、科学者、コミュニティと民間セクターから構成される。RSCは、第2フェーズを2018年1月からの3年間と計画している。大メコン圏5カ国におけるマラリア「対策」から、「一掃」に目標が変化したことを受け、補助金申請では、イニシアティブを「RAI2一掃プログラム」もしくは「RAI2E」とした。予算の大部分(2億840万ドル)は、5カ国の国内プログラムに割り当てられる。一方、3400万ドルは、国境一帯に住むマラリアの感染リスクが高く、公共サービスが届きにくい人びとを対象にとした地域プログラムに投入される。

RSCは、補助金申請書の中で、RAI2Eの実施調整について、大幅な改変を行ったと発表した。第1フェーズでは、マラリア対策活動がバラバラで、各国が独自に補助金を受けていた。グローバルファンドは、この非効率な体制を一掃し、2018年以降は1つの資金提供プログラム「RAI2E」に統一することに決めた。第2フェーズでは、国単位でマラリアの治療サービス提供を強化すべく、マラリアの被害を受けているコミュニティ、民間セクター、援助機関、技術パートナー間の協同を促進することを目的の1つとしている。

「RAIが投資を促し、全てのセクターが協調して取り組むことで、マラリア一掃は可能となる」と、グローバルファンドのRAI資金運用担当イザスクン・ガヴィリア氏Izaskun Gaviria は述べた。「薬剤耐性マラリアが世界中で猛威をふるっているのだから、我々はこの取り組みを確実に完了しなければならないのである」

原題:Phase 2 of the Global Fund’s RAI initiative in S.E. Asia focuses on malaria elimination
出典:aidspan
日付:2017/07/17
URL:http://www.aidspan.org/gfo_article/phase-2-global-fund’s-rai-initiative-se-asia-focuses-malaria-elimination

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グローバルファンドの次期事務局長に適しているのはどんな人物か?
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【2017年月7月18日】 「研究機関などを通して保健サービスを提供することだけでは、世界の三大感染症をなくすことはできないだろう」。世界の三大感染症対策に資金を供給する国際機関、グローバルファンドの事務局長として一期を務めた米国人、マーク・ダイブル博士Dr.Mark Dybulはいう。彼はさらに、グローバルファンドの次期事務局長は必ずしも公衆衛生の専門家である必要はなく、政策を打ち出し、政治家と調整をし、疾患を抱える人々のいる民間セクターの中に分け入ることができる人であるべきだ、と続けている。

ダイブル博士は今年初め、デベックス(Devex)のマイケル・イゴー氏Mr.Michael Igoeにインタビューを受けた。デベックスはコミュニティ開発のためのオンラインメディアプラットフォームである。

「我々は完全にこれまでと異なる時代、異なるアプローチ、そして保健問題をどう統合していくかについて新しい考え方に突入している。保健サービスの提供を公的機関のみに集中させていては、世界の三感染症であるHIV、マラリア、結核をなくすことはできないだろう」とダイブル博士はいう。

インタビュアーであるイゴー氏は、「グローバルファンドを動かすのは、グローバルな人材だ。この4年間、ダイブル博士は最も裕福な国々と最も貧しい国々を訪れたが、一カ所に1日と滞在することはほぼなかったほど飛び回っていた」という。イゴー氏によると、ダイブル博士は常に、世界の様々な保健プログラムが計画され出資されるプロセスの中心にいた(ダイブル博士は2013年にグローバルファンドに入る前には米国政府国務省における世界のエイズ対策の責任者であるグローバル・エイズ調整官 Global AIDS Coordinator を務めており、米国大統領エイズ救済緊急計画PEPFARの第2期の責任者としてその実施を主導した。それまでの、父権主義的な「与える者と受け取る者」というモデルは、緩やかではあるが確実に、強固な保健体制の構築に向けたパートナーシップという形に置き換えられつつあるという。

イゴー氏はさらに、「ダイブル氏が事務局長を務めたグローバルファンドは4年間で2億ドル以上の資金を捻出した」と述べる。彼は任期を終了する今期最終月に辞任し、今は母校のジョージタウン大学医学センターの研究員としてワシントンDCに戻っている。

「イノベーションは変化をもたらすが、人間が長く一カ所にとどまると変化が起きなくなる」ダイブル博士はイゴー氏にこのように述べた。

最近、ダイブル博士は医学センターにある、グローバルヘルスとその質に関する新センターthe new Center for Global Health and Quality(GHQ)の所長に指名された。ジョージタウン大学医学センターは、GHQについて「現在最も差し迫った世界的な保健問題に対応するために国際的なパートナーと協同する」という声明文を発表した。さらに、複雑な状況においてリーダーシップをとって改革を行ってきた記録のある研究者の業績を集約していくという。

当面、グローバルファンドは新事務局長を募集している。募集広告は「エコノミスト」the Economistに掲載されているが、今後、「ル・モンド」Le Monde、アフリカに関するフランス語の専門誌である「ジュヌ・アフリク」Jeune Afrique、および「ラ・ナシオン」にも掲載予定である。

原題:Global Fund’s Next E.D. Should be able to Broker Deals, Pitch Policymakers and Reach into the Private Sector: Dybul
出典:aidspan
日付:2017/07/18
URL: http://www.aidspan.org/node/4280

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生まれてすぐHIV治療を受けた子ども、9歳になっても新たに治療を必要とせず
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【2017年月7月24日】母子感染よりHIVに感染して生まれた子どもが、生後すぐに短期間の治療を受けた後、9年間治療を受けていなかったが、何ら問題なく健康を維持していたことが、パリで開かれた学会にて発表された。ウイルスをもって生まれた子どもに希望を与えるだろう。

研究者らは、この南アフリカ共和国で生まれた子どもの事例を、毎日服薬しなければならない他の子どもたちにも活かしたいという。この事例は「ミシシッピ・ベビー」と呼ばれる、2010年に生まれつき感染した子どもの事例に類似する。「ミシシッピ・ベビー」のケースは、米国ミシシッピ州における事例で、生後18ヶ月まで治療を受けたがその後母親が子どもを連れて失踪してしまったケースである。治療が中断したまま1年が経ち、その後に戻ってきた際に検査をしたところ、HIVのウイルス量は検査で確認できないほど低いレベルであったため、HIV感染が治癒した初の事例になるかもしれないとして大きく取り上げられた。しかし2014年7月、ウイルスが検出可能値以上となり、「治癒」ではないことが確認されてしまった。

科学者らはこの南アフリカ共和国の子どもが治癒した、と言っているのではない。HIVへの新たな感染はなかったが、高度な検査技術によって免疫細胞のほんの小さな部分にウイルスが残っていたと確認された、というわけだ。ところがこの子どもの免疫システムは健康であったため、HIV感染の徴候や症状は認められなかったのだ。

「感染した子どもが長期間寛解した状態でいられる方法については研究の余地がある」米国国立アレルギー・感染性疾患研究所the National Institute of Allergy and Infectious Diseases (NIAID) の代表である、アンソニー・ファウシ氏Anthony S. Fauciはいう。この研究所は、前述の9年間無治療であった子どもを含む、感染して生まれた子どもたちの調査に資金を提供している。「しかしこの新しい事例は、HIVに感染した子どもたちに新生児期の短期間治療をすることで、その子たちが生涯にわたって受けることになる治療という重荷を軽減し、特にHIVによる疾患に関連する免疫の活性化を長期可能とすることになるかもしれない」

冒頭の子どもの事例は、2007年における、感染した幼児を対象に40週間あるいは96週間の抗ウイルス薬を無作為に割り付けた試験で認められたもので、この子どもは、40週の短期コースを受けた143人のうちの一人だった。40週の治療期間の終了時、この子どもの血中にウイルスは確認されず、その後もこの状態が維持された。

南アフリカ共和国の最大都市ジョハネスバーグにあるウィットウォーターズラント大学の周産期HIVリサーチユニットのアヴィー・ヴィオラリ博士Avy Violariは、国際エイズ学会でこの事例を発表した。「我々の知る限り、この例は、初期の幼児期における治療に従った、抗ウイルス治療のランダム化比較介入試験において、HIVコントロールが維持されたという初めての報告である」

これは、無治療の期間がありながらも健康が維持されたHIVの子どもの3番目の例である。2年前に研究者らによって報告された例では、1996年にHIVに感染して出生したフランスの子どもが、生後3ヶ月から治療がなされ5〜7歳のある時点に治療を終了したが、11歳を過ぎてもHIVのウイルス量が測定可能レベル以下だった。

この南アフリカ共和国の子どもは、セックスワーカーの一部にみられるような、ウイルスに暴露しているにもかかわらずHIVに感染しないという特異な遺伝子プロフィールを持っているわけではなかった。しかし、研究者らはこのケースに寄与するのは、初期の薬物治療だけでないなんらかの要因があると確信している。

「さらなる研究によって、免疫システムがどのようにHIVウイルスの複製を抑制しているのか理解を深められるだろう」 ヨハネスブルグの国立感染症研究所the National Institute of Communicable Diseases (NICD)のキャロライン・ティーメッセン教授 Caroline Tiemessenはこう述べている。

他のHIV感染した子どもは未だウイルスから逃れられていない。この治療の開始し終了させることの効果については研究の余地がある。

原題:Child treated for HIV at birth is healthy nine years on without further treatment
出典:the Guardian
日付:2017/07/24 
URL: https://www.theguardian.com/society/2017/jul/24/case-of-healthy-hiv-baby-could-help-others-say-scientists

(編集部注:以下、本記事との類似記事があり、べつの情報も掲載されているのでこちらの記事も本郷に掲載します)

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(南アフリカ共和国)生まれつきHIVに感染した子どもでも症状を緩和できる
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【2017年7月25日 パリ(フランス)発】HIVと共に生まれた南アフリカ共和国の9歳の子どもが、8.5年もの間、薬なしでウイルスを制御できていると、研究者が国際エイズ学会において報告した。これはアフリカでは初めての事例である。この子どもは月齢1ヶ月のときに陽性と診断され抗HIV治療を開始し、今ではウイルスを征圧した状態にある。

報告は、フランスのパリで行われた、第9回HIV科学国際エイズ会議で公表された。これは、限定的な早期抗HIV治療ののちに、子どもでHIV症状の緩和を維持できた、世界3例目の症例である。

◆  止められた治療
以前、2010年にHIVを持って生まれた「ミシシッピ・ベビー」は、生後30時間で抗HIV治療を開始し、月齢18ヶ月で治療を中止、生後27ヶ月目に血液に再びウイルスが現れるまで、薬剤なしでウイルスを制御できていた。2015年には、1996年にHIVを持って生まれたフランスの子どもが、生後3ヶ月後に抗HIV治療をはじめ、5〜7歳の時に治療を中止し、薬剤なしでのウイルスの制御を11年以上続けていると、科学者達が報告した。「新しい症例は、HIV感染した子どもへの乳児期に開始する短期治療が、生涯続く治療という負荷から彼らを少しでも解放できるかもしれない、という希望を強めるものだ」

◆  子ども達を救え
彼はまた、早期治療が、HIVによる長期免疫活動からの健康被害から子ども達を守るだろう言う。

南アフリカ共和国の子どもは、2007年、生後32日で診断を受け、早期抗レトロウイルス治療の臨床試験に登録された。「治療を始める前、子どもは非常に高い血中ウイルス濃度だったが、生後約9週目に抗HIV治療を始めると、治療はウイルスを検出限界以下水準まで制圧した」とコットン医師 Dr Cottonは言う。コットン医師によると、研究者は40週目に治療を中止し、乳児の免疫状態を注意深く監視したが、追跡調査と検査の期間の数年もの間、健康状態を保っていたという。

◆ウイルス
(その子は)9年半が経過したのちの検査で、ごく少量の免疫細胞にウイルスの兆候が見られたが、それ以外の感染兆候は何も見られないという。

研究者によると、この子は、特徴的な非常に弱い免疫機能をしているという。つまり、ウイルスが感染し、増殖、破壊するだけの十分な免疫細胞がなく、またCCR5という、ウイルスが免疫細胞に侵入する際に必要なタンパク質も不足しているという。「ウイルスが体に入り込むための入り口が非常に小さく、通過を妨げている。つまりウイルスは自己を複製することができない※」とコットン医師はいう。(※ウイルスは細菌と違い自身の細胞だけでは自己複製できず、寄生主の細胞に入り込み、その細胞の機能を使って自己複製する必要があるため)←ここは個人的に付け足した内容なので、適宜追記・削除お願いいたします。

原題:South Africa: Child Born With HIV Goes Into Remission
出典:DAILY NATION
日付:2017/07/25
URL: http://www.nation.co.ke/news/South-African-child-born-with-HIV-goes-into-remission/1056-4030668-myxtsuz/index.html 

<地域別記事(アフリカ)>
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(ウガンダ)政府が経口のHIVセルフ検査キットを導入へ
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【2017年7月18日 カンパラ(ウガンダ)発】東アフリカの内陸国ウガンダの保健省は、経口のHIV自己検査キットの導入を考えており、それによって男性のHIV感染状況を知ることができる。これは、同国の最高学府マケレレ大学Makerere Universityによる研究で、自己検査キットは男性のパートナーの検査を促すのに有効な方法であるという結果を受けたものである。

この研究はマケレレ大学の公衆衛生学部とイギリスのロンドンに本拠地を持つHIV・エイズ治療施設であるマイルドメイ・ウガンダ Mildmay Ugandaによって実施され、中南部に位置するエンテベ市、南西部に位置するムピジ県とナカセケ県で実施された。研究によると、参加した10人の男性のうち7人が抗体自主検査キットで結果を知ることに同意したという。検査結果は20分もかからずに判明する。

本研究の共同研究者である、マケレレ大学の公衆衛生学部のジョセフ・マトヴ博士 Joseph Matovu によると、唾液で自己検査を行うことができるという。マトヴ博士は「キットを溶液に浸すと、線が浮かび上がる。線が一本なら陰性で、線が二本なら陽性となり保健施設で確認検査を受ける必要がある」と付け加えた。

保健省のエイズ抑制プログラムを率いるジョシュア・ムシングジ博士 Joshua Musinguzi は、「HIV自己検査キットの結果は、受け入れられるもので実現可能なものである。現行の検査ガイドラインに採用できるものである」と述べた。ムシングジ博士によると、綿棒で採取すれば検査はでき、血液は必要ないという。エイズ支援機関の研究者であるジョスフィン・ビルンジ博士 Josphine Birungi は、現在保健省が使用している、ポリメラーゼ連鎖反応と呼ばれる抗原検査とは異なり、血液サンプルを使用しないと話した。

しかし、マトヴ博士は、経口の自己検査キットは市販ではまだ手に入らないが、研究によって、HIVの検査方法の一つを示すことができたと述べた。「ウガンダにおける男性のHIV検査の受診率は低く、我々の研究は、カップルがお互いにHIV感染状況を明らかにできるかを評価する意図があった」と話した。マトヴ博士は、研究で使用されたセルフ検査キットは、妊婦が出産前に配偶者に渡すよう与えられたもので検査を実施した後返却される予定のものであった。

最近公開された、2016年ウガンダ人口・保健調査によると、15歳から49歳の男性のうち47%がこれまでに検査を受け、過去12か月間でHIV感染状況の結果を受け取っている。

原題:Uganda: Government to Introduce Oral HIV Self-Test Kit
出典:Daily Monitor 
日付:2017/07/18
URL:http://www.monitor.co.ug/Magazines/HealthLiving/Government-introduce-oral-HIV-self-test-kit/689846-4020238-a1awvxz/index.html  

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(ナイジェリア)米国や主要ドナーによるHIV/AIDS治療への資金拠出が減少
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【2017年7月26日 ナイジェリア発】 アメリカとその他の主要な援助国は、アフリカでのHIV・エイズに関する抗レトロウイルス薬や研究への支援を減少させ、同分野への年間支援額が史上最低となった。

パリで開催されている第9回HIV科学国際エイズ学会での報告は、資金の減少とHIV陽性者の死亡率に対する潜在的な影響について言及した。HIV予防、研究や開発、資源を追跡する団体 (RTWG)の年次報告によると、2016年のHIV予防研究に対する資金は、前年比で-3%、2012年の13億1千万ドルから11億7千万ドルに減少したという。また、2016年にHIV予防研究と開発へ投資された資金の88%がアメリカの公的部門とビル&メリンダ・ゲイツ財団によるものだという。2016年の調査資料によると、ヨーロッパの公的部門からの資金は、2015年より1000万ドル減少して5億9千万ドルとなった。

一方、HIV研究への投資は2000年の約4億ドルより増加しており、2007年には12億3千万ドルとなった。エイズ・ワクチン・アドボカシー連合 AIDS Vaccine Advocacy Coalition, (AVAC)のミッシェル・ワレン事務局長Mitchell Warrenは、主要な支援元が投資を減額させた場合の影響を緩和するため、資金の確保を広範囲に呼びかけた。

国際連合合同エイズ計画 UNAIDSのであるルイズ・ローレス事務次長Luiz Louresは、オランダとスウェーデンによる公的援助の増額を賞賛し、投資を増加させるよう他のヨーロッパ各国へ呼びかけた。ローレス氏は、「近年、新しいHIVワクチンの臨床試験が始まり、また2017年後半には、抗体獲得により感染予防するという画期的な臨床試験が始まる。また月一投与の抗ウイルス剤入り膣リングの臨床結果が欧州医薬品庁 the European Medicines Agencyで検証されている」とした。

ローレス氏は語った。 「命を救う発明や技術が今まで以上に出てきており、私たちは今、HIV予防研究と開発において、非常に刺激的な時にいる。この前進を押しもどすような資金不足を許すわけにはいかない。今開発し、2030年にエイズを終息させよう」

ナイジェリアの国家エイズ管理機構the National Agency for the Control of AIDS(NACA)のであるサニ・アリユ局長 Sani Aliyuは、連邦政府に対してHIV治療の全ての支援を請け負うよう呼びかけた。アリユ局長によると、現在ナイジェリアでは約100万人がHIV治療を受けており、その内たった6万人が自国政府から食事を支給されている。一方70万人がアメリカ政府によって、24万人がその他の世界的支援団体からの資金で支援されているという。「もし主要な支援元が資金援助をやめれば、約百万人が治療を断念せざるを得ない。医者として言えることは、もし治療を中止すれば、統計的にほとんどの人が5年以内に亡くなるだろうということだ。これは国家の安全保障の問題であり、私たちは国家として計画の主導権を握らなくてはならない」とアリユ局長は警告する。

原題: Nigeria: Global Donors Reduce Funding for HIV/Aids Treatment
出典:The Premium Times
日付:2017/07/26
URL: http://www.premiumtimesng.com/news/more-news/238173-global-donors-reduce-funding-for-hivaids-treatment.html 

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編集後記
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先週、長崎に行き、長崎大学熱帯医学研究所にて授業をしてきました。SDGsが「エイズの終息」を掲げているときに、日本の市民社会は長らく掲げ続けている「ともに生きる」(Living together)というスローガンをどのように国際目標と両立させられるのか、というテーマを、各国から来ている学生さんに投げかけましたが、皆さん真剣に考えてくださり、手ごたえのある授業となりました。(MI)

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