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グローバル・エイズ・アップデート

地球規模の広がりを見せるHIV/AIDS問題。アフリカなど途上国を中心に、現状と国際社会、市民社会の取り組みの最新情報を伝えるメールマガジン。

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(GAU318号)グローバルファンドからコミュニティへの支援が減少?

2017/06/18

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★「第319号」目次
●対策・課題別記事、アフリカ以外の地域別記事
・「グローバルファンドからコミュニティへの支援が減少」 UNAIDSのプログラム調整理事会でNGO代表団が報告
・ザンビア、グローバルファンドの資金を地域のヘルスワーカーの育成・定着に活用
・HIV/AIDSと薬物使用に関する総合的レビュー
●アフリカの地域別記事
・(ナミビア)HIVと戦うためのアメリカからの資金援助
・(ボツワナ)全員でモラルの腐敗に立ち向かうべきだ
・ケニア人弁護士が権利への戦いで先頭に立つ
------------------------------------ Vol. 13 No.18 ---

◆発 行:(特活)アフリカ日本協議会
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<対策・課題別・地域別(アフリカ以外)記事>
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「グローバルファンドからコミュニティへの支援が減少」 UNAIDSのプログラム調整理事会でNGO代表団が報告
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【2017年5月30日、ジュネーブ発、David Garmaiseデイビッド・ガーメイズ執筆】
<経済規模が拡大しつつある国から援助機関が撤退し、エイズと闘うコミュニティが立ち枯れる>2016年11月に行われた国連合同エイズ計画 UNAIDS のプログラム調整理事会 PCB に提出された報告書に、この問題が記されている。この報告書はNGO代表者らによる地域別コンサルテーションをもとに作成された。この地域別コンサルテーションはエイズ対策のカギとなる30の関係者に対して行われた構造化インタビューからなり、60カ国以上の156団体からの回答があった。

調査回答者の53%が、途上国でエイズ・結核・マラリア対策に資金を供給する国際機関、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)から、26%が国連関連団体から、24%が民間の財団などから、12%が二国間援助の資金から、さらに12%が自国の政府からの資金的サポートを得られなくなったと報告している。経済発展していくことでドナーが去っているという。

「グローバルファンドは東欧や中央アジア地域(EECA)から撤退してきている。自国の資金はコミュニティでのエイズ対策ではなく、治療にあてられてしまう」とAIDSアクションヨーロッパAIDS Action Europeのマイケル・クロネ氏Mr. Michael Krone はいう。

グローバルファンドによると、2014〜2016年期から外された、あるいは2025年までにはずされるであろう25カ国、34案件は、グローバルファンドからの資金受益国数の5分の1から4分の1を占めている。ただし、資金規模からみると、これらの案件が占める資金額は、全資金配分の2.1%である。

HIV陽性者のアジア太平洋ネットワークthe Asia Pacific Network of People Living with HIV (APN +) コーディネーターであるシバ・プーライパットナム氏Mr. Shiba Phurailatpamによると、以前は多くの地域でサービスが提供されていたが提供するワーカーが減少しているという。

東欧・中央アジア地域で薬物問題とエイズに取り組むネットワークである「ユーラシア・ハームリダクション・ネットワーク」のコミュニティと会員制度を強化するための強化チームthe Community and Membership Strengthening Team for the Eurasian Harm Reduction Network のイゴール・ゴードン氏Mr. Igor Gordonは、「最悪なのは、他のドナーがグローバルファンドのやり方にならってしまうことだ」という。ドナー「離れ」はコミュニティにおける対策「離れ」のリスクがあり、このままでは、2030年どころか2080年においてさえもエイズの終息は難しくなるという。報告書は資金援助削減の影響を和らげるために援助機関同士の間で十分な調整がなされていないと批判している。

◎アドボカシー活動への資金の減少

資金提供者にとっては、アドボカシーは「あればよい」程度のものとして位置付けられているが、コミュニティにとっては「なくてはならぬ」ものである。ドナー離れが起きている国々において、アドボカシー強化は重要である。アドボカシーなく放置しておけば、活動はドナーの意向に沿ったものになり、コミュニティ組織は、本来サービスなどに使うべき時間をドナーの厳しい要求に対する報告書作成などに使わなければならなくなるのである。この報告書では、UNAIDSの各国事務所は、国レベルでの調整や政策に関する役割を、「能力が高く活発に活動するコミュニティの構造」を作ることにシフトすべきであると提起している。

その他の課題として、ドナーが自らの優先順位に従って活動する大規模な国際NGOに資金を投入したガリ、結果として、草の根のコミュニティ・ベースの組織が孤立してしまうこと、人権に関する視点がよわいため、脆弱な立場に置かれているコミュニティを支援するNGOなどに資金を投入せず、これらの組織が財政的に弱体化してしまうこと、HIV陽性者やHIV感染のリスクに特に直面している人々への差別、市民社会組織が積極的に関与できない政治的・法的環境があること、資金へのアクセス、リスク・マネジメントなどがある。

グローバルファンドは、その2017〜2022年戦略で、「市民社会とコミュニティはコミュニティ・ベースのサービス提供も含む対策を実施していく上で中心的な役割を担わなければならない」と述べている。

原題:Communities report reduced support from the Global Fund and other donors
出典:Aidspan
日付:2017/05/30
URL: http://www.aidspan.org/node/4229

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(ザンビア)グローバルファンドの資金を地域のヘルスワーカーの育成・定着に活用 
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【2017年5 月30 日 ザンビア発、ジェマ・オーベルトGemma Oberth 執筆】
2017年5月23日、南部アフリカの内陸国、ザンビアは、三大感染症対策に資金を供給する国際機関、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)に対して、結核・HIV、マラリア対策への資金を、合わせて4億ドルを超える額を要請した。結核・HIV対策資金は3億3800万ドルで、そのうち1億9440万ドルは配分される資金申請内のもので、これに1億1240万ドルが優先的資金手当要望 Prioritized Above Allocation Request: PAAR として上乗せされている。別枠で申請しているマラリアへの資金は8,670万ドルであった(うち、6,900万ドルが資金申請内、1,770万ドルがPAAR)。さらに700万ドルのマッチングファンドを申請しており、このうち400万ドルは思春期の少女や若い女性(AGYW)を対象としたHIV対策プログラムに、300万ドルは保健医療人材のような総合的なサービス提供のためにあてられることになる。

ザンビアはグローバルファンドの申請のプロセスに沿って全ての資金要求全体の再調査をするタイプで提出した。この全体の再調査は新しい国家戦略をとる国にとっては必要であり、ザンビアは4つの新しい国家保健戦略(National Health Strategy)を2017〜2021年に展開する。この新戦略が予算要求にもっとも反映させているのが保健医療人材への予算であり、特に農村地域や最新のケアから外れたレベルにおいて、2000万ドル以上が申請されている。

この申請には、近年、保健医療施設に国が膨大な投資をしてきた背景があり、2014年からザンビア政府は650以上のヘルスポストの建設、遠隔地への保健医療提供などに着手している。人材への投資により十分な人材が配置されるだろう。ザンビアは、農村地域の看護師へのサポートに加え、500人のコミュニティ・ヘルス・アシスタントへの研修、配置と勤務に関して資金を申請した。コミュニティ・ヘルス・アシスタントは比較的新しい職種であるが、重要な役割を担っており、農村地域における医療センターに搬送された患者数が2011年から2016年にかけて53%増加した。

さらに市民社会組織やコミュニティグループに対して活動している組織のキャパシティ・ビルディングへの投資も優先項目としている。また、対策への鍵であり弱い立場に置かれている人々、特に思春期の少女と若い女性などのニーズに合った包括的および統合的なサービスを提供するコミュニティの構造を強化していくことも優先している。結核・HIV資金申請内容には2030年までに全てのサービス提供のうち、少なくとも30%をコミュニティ主導のサービス提供へ拡大させるために必須であるとしている。さらに離職率も極めて低いことが調査から明らかになっている。

「保健医療人材に焦点をあてることは、2017〜2021年の新国家保健戦略new National Health Strategy for 2017-2021によるものだ」と、保健省のディーン・ピリ氏Mr. Dean Phiriはいう。さらにザンビアの結核・HIV資金申請の主コンサルタントであるサイモン・ムキル氏Mr, Simon Muchiruは保健人材の拡大はグローバルファンドの戦略的な目的に一致するという。

グローバルファンドへの要請案件を審査する独立委員会である「テクニカル・レビュー・パネル」The Technical Review Panel(TRP)は7月上旬ザンビアの資金要請に対して回答することになっている。

原題:NEWS: Zambia prioritizes front-line rural health workers in funding requests to the Global Fund
出典:Aidspan
日付:2017/05/30
URL: http://www.aidspan.org/node/4227

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 HIV陽性者向けと薬物使用者向けサービスの統合に関する体系的レビュー
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 【2017年5月30日】薬物使用者はHIV感染リスクが高い。また、薬物使用とHIV感染のいずれも、社会的に脆弱で疎外されている人々に集中している。対処法は異なるが、薬物使用者向けとHIV陽性者向けサービスの統合は可能だ。本報告はHIV陽性者向けと薬物使用者向けケアの統合に努める諸調査の結果を体系的にレビューするものである。

 レビュー対象としたのは、薬物使用者向けとHIV陽性者向けサービスの統合に関する調査である。当初から2015年10月までの多数のデータベースを調査した。 2人の評者が中立公平にチェックし、バイアス等の問題を確認した。

 重複したものを除外した結果、当初11057あった記録件数は7616となった。タイトルと要旨をチェックした結果、そのうち組み入れ基準に合致すると認められたのは51だった。位置づけ(HIV陽性者向け施設、薬物使用向け施設、他の用途の施設)、ミクロな統合(個々人に提供される統合型ケア)からマクロな統合(体系的なレベル統合)までの統合のレベル、そして部分的な統合(検診とカウンセリングのみ)から最大限の統合(同一施設におけるHIV/エイズ、薬物使用、他の疾病のケア)までの統合の度合いの3点から、統合モデルを分類した。大部分の報告は記述調査ないしコホート調査だった。4つの無作為化比較試験では統合型サービスにより患者の状況は改善されていた。統合型サービスの可能性は出張型ヘルスサービスを含むあらゆる施設タイプで認められた。たとえ統合型サービスが検査のみであっても、相乗効果が見込まれた。メンタルヘルスサービスや社会的サービスの紹介など、HIV陽性者と薬物使用者に対する統合型治療の提供から得られるものは大きい。

 低所得国と中所得国での調査結果を可能な限り反映させるために、私たちのレビューは広範囲のデータベースや協議記録を活用した。米国の調査が過大であることや、大部分の報告書の記述的性格といった限界はあるが、薬物対策とHIV感染対策の統合が進むほど患者にも得るところが大きいしサービスの成果も上がるということが、レビューの結果明らかになった。しかし薬物使用者向けサービスとHIV陽性者向けサービスを複合的に結び付けた革新的なホリスティック・ケア・モデルのあり方をさらに明らかにするためには、より一層の調査と調査結果の報告が必要である。
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原題: Integrating HIV and Substance Use Services: a Systematic Review.
出典: Journal of the International AIDS Society 
日付: 2017/5/30
URL: http://www.jiasociety.org/index.php/jias/article/view/21585

<地域別記事(アフリカ)>
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(ナミビア)HIVと闘うためのアメリカからの資金援助
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【2017年5月22日 ウィントフック(ナミビア)発】米国大統領エイズ救済緊急計画The United States President’s Emergency Plan for AIDS Relief(PEPFAR)は、南部アフリカのナミビアにおいて今年度HIV/エイズ対策に10億ナミビア・ドル(約85億円)を拠出した。前年度は7億3186万ナミビア・ドル(約62億円)だった。

駐ナミビア米国大使のトーマス・ドートン氏 Thomas Daughtonは、マスコミへの会見で、「米国はHIV/AIDS対策に積極的に関わっていないとする意見があるが、HIV/AIDSとの闘いはまだこれからであり、この批判はあたらない。」と、拠出額の10億ナミビアドルは少額ではないことを強調した。

ドートン氏は「地方においてエイズは日常的な問題である。一方で、都市では大きな問題には見えないかもしれないが、エイズはいまだに最優先課題である」とも述べた。

国連は、2020年までにエイズ感染拡大を終わらせるために「90-90-90ターゲット」を目標のひとつとして掲げており、その達成のためにも支援は維持・増強されるべきである。

これは、2020年までにHIV陽性者の90%が検査を受けて自分がHIVに感染していることを知り、そのうちの90%が抗レトロウイルス治療(ART)を受けることができ、さらにそのうちの90%が治療の効果で体内のウイルス量が検出限界以下になっている状態を目指すものである。

ナミビアでは、HIV陽性者の85%が自分の感染を知っており、そのうちの86%のみが抗レトロウイルス治療(ART)を受けており、さらにそのうちの84%のみが体内のウイルス量が検出限界以下に抑えることができている。

米国疾病対策センター U.S. Centre for Disease Control and Preventionの国家担当の責任者であるサイモン・アゴロリー医師 Simon Agoloryは、最近の統計を引用しながら、「20代から40代の集団が最もHIV感染リスクが高い。心配なのは、20歳〜24歳の若年男性がHIV検査を受けることに消極的なことである。また同年代の女性も同様に感染リスクが高い。25歳〜40歳の年齢の人々は検査を受けたがらないために感染をコントロールすることは非常に難しい。しかし彼らを治療することはHIV感染拡大を予防するのに有効な方法である。」と話している。

また、「複数の性的パートナーを持つ人、男性を性の対象とする男性、セックスワーカーなどハイリスクと言われる人々は、感染予防のためにHIV暴露前予防投薬 Pre-exposure Prophylaxis(PrEP)を受けることができる。」と述べた。

保健・社会サービス省がまもなく制定する新しい保健ガイドラインによると、感染のリスクが高い人々はHIV暴露前予防投薬(PrEP)を受けることができるという。PrEPは感染していない人々のための方法であるが、とりわけリスクが高い人々が毎日服用することで感染を予防することができる。

「問題は近い将来になくなるわけではない。HIV/AIDSを解決する決め手はないが、陽性者を治療するためには、感染の有無を知り、出来る限り早く治療を開始することが必要である。」とドートン氏は話した。彼は、若者がなぜ検査を受けたがらないのかを明確にするようメディアに協力を求めた。

原題:Namibia: N$1 Billion U.S. Funding to Fight HIV/AIDS
出典:allAfrica
日付:2017/05/22
URL:http://allafrica.com/stories/201705221005.html

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(ボツワナ)国際キャンドルライト・メモリアルでエイズへの心構えが説かれる
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【2017年5月29日 マハラピェ(ボツワナ)発】
南部アフリカの内陸国ボツワナの全国エイズ調整庁 National AIDS Coordinating Agency (NACA) のリチャード・マラレ調整官 Mr Richard Matlhare は、最近、同国東部の都市マハラピェで行われた、国家エイズキャンドルライト追悼礼拝で、モラルの衰退、十代の妊娠、学校からの中退や薬物乱用などの問題を解決するように、保護者や地域、村の権力者たちに呼びかけた。

彼は、生活様式や生活習慣病が関係している限り、政府はただのまとめ役であるとし、これらはHIV/AIDSへ立ち向かう上で問題となっていると話した。 

責任は個々人にある、と彼はいい、そのため声明も「あなたの健康、あなたの責任」となっている。

マラレ氏は、基礎教育省の行った2016年の行動調査の結果より、インタビューを行った13〜19歳の生徒のうち22%は性交渉を経験していると述べ、またそのうち13歳までに性交渉を経験した生徒の割合は33%であり、これは2010年の17%より上昇しているとした。このうち13%は何かと引き換えでのセックスをし、22%は強要されたという。 

そしてマラレ氏は、保護者たちは、これは自分たちの子供とは無関係で、他人の子供に起こっていることであると思い込んでいるとした。

「私たちは健闘しているが、まだ闘いを終わらせてはいない。私たちはずっと保って来た信用を少しずつ失っており、自己満足が徐々に始まって私たちは確実に逆戻りしている」とマラレ氏はいう。

彼はまた、35歳のHIV陽性女性の2人に1人、36.3%のボツワナの人々は、自身のHIVステータスを知らず、15〜24歳の人々のうち47.9%しかHIV/AIDSに関する包括的な知識を持っていないと説明した。またマラレ氏は、この世代のなかでのコンドームの使用は、78.4%から65.2%に減少したという。

ただ彼は、(ボツワナ国内で)感染案件が1.4%から1.3%に減少、つまり年間1万5千人から1万人へHIV感染を著しく減らし、国家として大きく前進したと説明した。また彼は、抗レトロウイルス薬のおかげで、死者数は2万1千人から5千人へ減少し、母子感染率も約60%から現在1%以下へと減少したと述べた。

しかしマラレ氏は、闘いは未だ終焉には程遠く、国はまだHIV負荷に関して真剣さと責任を高く持たなくてはいけないという。

国際エイズキャンドルライト追悼式は1983年に始まり、毎年5月の第3日曜に行われている。これは1200の地域団体、115カ国が連帯し実施しているものである。

マラレ氏は、これは世界的流行(の犠牲者)に敬意を払い、全世界の連携に対する重要な介入としてHIV陽性者たちから始まり、スティグマや差別の障壁を壊し、新たな世代に希望を与えるものだとした。

●原題: Botswana: 'Moral Decay Should Be Addressed by All'
●出典:All Africa (Daily News)
●日付:29 MAY 2017
●URL: http://allafrica.com/stories/201705290415.html
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(ケニア)ケニア人弁護士が権利への闘いで先頭に立つ
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【2017年5月23日 (ナイロビ)発】
7年前、東アフリカのケニアで一流法律事務所の弁護士を務めていたアラン・マレチェ氏 Maleche は、人権活動家に転身した。現在マレーシュ氏は、ケニア倫理・法律・問題ネットワーク(KELIN)の事務局長を務めている。KELINは1994年にケニアの法律家グループによって設立され、HIV/エイズとともに暮らす人びと、結核、性と生殖に関する健康、女性の土地の権利と相続権、主要な影響を受けた人びとの権利擁護を目的とした市民社会団体である。KELINは、大統領や政府を相手に訴訟を起こし、HIV/エイズを含めた人権擁護のために奮闘している。彼は、ハーバード大学のフェローであり、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)の役員会メンバーでもある。

マレチェ氏は、これまでに成し遂げたことに誇りを持っている。その1つは、HIV/エイズと共に暮らす子どもたちのプライバシーと最善の利益を守ったことだ。2015年2月、HIV/エイズと共に暮らしている就学児の名前と保護者の情報を集めるようにと大統領命令が出た。その時、KELINは裁判を起こし、裁判所は大統領の指令に反対する判決を出した。「判決は、スティグマや差別に晒される可能性のあった、たくさんの子どもたちを救った」とマレーシュ氏は語った。

KELINは活動の幅を広げ、問題の多い現行の法律から弱い立場の人びとの権利のために働いている。法廷は、人権を確かなものにする主要な場だ」とマレーシュ氏は述べた。例えば、KELINは、相続争いの仲裁のために、西ケニアのおよそ40人の年長者に研修を実施し、伝統では夫の死後に土地を相続できない女性がホームレスにならないよう尽力した。これまでに、KELINは350以上のケースを解決へと導いた。また、2016年マレーシュ氏は、感染病の拡大防止を目的としていたケニア政府に、処方薬を摂取しない肺結核患者の投獄をやめさせることに成功した。結果、国中に治療センターを設立し、患者が治療を継続的に受ける責任を政府が負うように法律が改正された。

原題:Kenya: Interview - Kenyan Lawyer Takes On President in Battle for Rights 
出典:THOMSON REUTERS FOUNDATION
日付:2017/5/23
URL:http://allafrica.com/stories/201705250071.html

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編集後記
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この7月にニューヨークの国連本部で開催される「持続可能な開発のためのハイレベル政治フォーラム」(HLPF)。これに向けて日本の市民社会も一生懸命取り組んでいます。「持続可能な開発目標」(SDGs)のエイズに関する目標は、「2030年までに(世界の国際保健上の重大な脅威としての)エイズを終わらせる」というもの。これを実現するためには、エイズ対策費を1.5倍にしなければならないとUNAIDSは言いますが、現状では、そのようには動いていません。むしろ「エイズとともに生きる」(Living Together)をどう実現するか、ということが大事なように思います。(MI)

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